有価証券報告書-第176期(2025/04/01-2026/03/31)

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2026/06/25 10:46
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(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における我が国経済は、雇用・所得環境の改善や各種政策の効果、訪日外国人旅行者数の増加などにより緩やかな回復基調で推移しました。一方で、物価上昇の継続が個人消費に及ぼす影響や米国の通商政策の不確実性が経済に与える影響、そして地政学上のリスクの高まりによる供給不足・価格上昇、ならびに金融資本市場の変動を注視する必要があるなど、先行きに不透明感が残る状況が続いております。
こうした状況の下、当社グループにおきましては、「成長創成期」と位置付けた中期経営計画の初年度として、安定した業績確保を目指し経営に注力して参りました。第1四半期までは、観光客の来県や国内外への旅行ニーズなどの動きがやや鈍く推移したものの、第2四半期以降は、大阪・関西万博を中心とした旅行需要の高まり、NHK連続テレビ小説「ばけばけ」の効果、そして1年を通して観光客が好調に推移した出雲大社では、集客が最も高い「神在祭」の開催時期が12月上旬となったことから12月後半まで活況を呈したことが大きな追い風となり、当社グループの主力事業である「観光業」、「運輸業」は堅調に推移しました。一方で、近年当社グループが直面する労働力不足の課題は、依然として厳しい状況が続いており、賃金や福利厚生等の見直しを行い、労働力の確保ならびに雇用の維持に努めて参りました。
当連結会計年度末の財政状態は、総資産について前連結会計年度末に比べ0.3%増の28,604,997千円となりました。流動資産は、現金及び預金等が増加したことにより、前連結会計年度末に比べ4.0%増の6,478,063千円となりました。固定資産は、事業用固定資産の減価償却等により、前連結会計年度末に比べ0.7%減の22,126,934千円となりました。
当連結会計年度末の負債の合計は、前連結会計年度末に比べ1.5%減の30,388,378千円となりました。流動負債は、短期借入金及び事業整理損失引当金等が減少したことにより、前連結会計年度末に比べ0.1%減の8,741,295千円となりました。固定負債は、長期借入金等が減少したことにより、前連結会計年度末に比べ2.0%減の21,647,082千円となりました。
当連結会計年度末の純資産は、利益剰余金等が増加したことにより、前連結会計年度末に比べ23.3%増の△1,783,380千円となりました。
当連結会計年度の経営成績は、営業収益は、13,455,959千円(前年同期比0.0%減)となり、営業利益は169,147千円(前年同期は14,751千円の営業損失)、経常損失は243,614千円(前年同期は382,115千円の経常損失)となりました。運輸業の補助金等の特別利益と会計ルールに基づく減損処理等の特別損失を計上した結果、法人税等を控除した親会社株主に帰属する当期純利益は407,747千円(前年同期比43.4%増)となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
イ.運輸業
運輸業は、出雲大社や「ばけばけ」効果などによる観光客を中心とした利用者数の増加により乗客数は好調に推移しましたが、バス・タクシーにおける乗務員不足の状況は続いており、顧客需要に対応出来ない機会損失が発生する状況となりました。
鉄道事業の年間旅客数は、出雲大社への観光客増加を主因に前期比101.2%の140万875人となりました。また、2025年10月には、関係自治体からのご支援により2025年3月に導入した8001号車に続き、8000系2両目となる8002号車の運転を開始いたしました。この車両の導入に合わせ、一畑電車㈱と友好協定を締結する台湾の「国営台湾鉄路股份有限公司」(以下、台鉄)と相互車両ラッピングを行いました。8002号車の車体には、台湾の名勝や景勝地の親しみやすいイラストを施しました。そして台鉄の車両には、島根県の名勝、景勝地を同様にイラストで施しております。
乗合旅客自動車運送事業は、出雲管内では出雲大社への観光客が好調に推移したことから運送収入は前期比増収となりました。松江管内においては、2026年4月の松江市交通局との共同運行開始を目指し、関係部署との調整・準備を行って参りました。高速路線においては、ビジネス客や大阪・関西万博への観光客の利用が増加し、路線全体での輸送人員は前期比105.6%の35万9,294人となりました。空港連絡バスは、東京・出雲便を中心とした飛行機搭乗者数が堅調に推移したことにより輸送人員が前期比108.0%の30万1,721人と増加したことや、2025年3月の運賃改定も寄与し増収となりました。
貸切旅客自動車運送事業においては、企業の事業関係者送迎業務は好調に推移しましたが、観光ツアーの団体旅行の貸切需要に対しては、乗務員不足の影響から乗合路線へ乗務員を優先しなければならない状況が続き、その需要に対応出来ない機会損失が発生し減収となりました。
乗用旅客自動車運送事業では、乗務員の新規確保に努めているものの、高齢に伴う退職もあり、乗務員の総数は顧客需要を充足させる人数には至っておりません。顧客サービス向上を目的として、2025年12月、タクシー配車アプリ「GO」を導入いたしました。全国展開している同サービスの導入で、県外や海外の観光・ビジネス客を含めた顧客の利便性向上に努めております。
以上の結果、運輸業の営業収益は前期に比べて+4.6%、139,017千円増の3,151,900千円となりました。
(運輸業営業成績)
業種当連結会計年度
(自 2025年4月1日
至 2026年3月31日)
営業収益(千円)前年同期比(%)
鉄道事業532,35610.1
乗合旅客自動車運送事業1,495,8347.9
貸切旅客自動車運送事業535,721△2.0
乗用旅客自動車運送事業615,642△3.5
消去△27,655△33.0
3,151,9004.6

ロ.レジャー・サービス業
レジャー・サービス業は、1年を通して参拝客で賑わう出雲大社と「ばけばけ」効果による観光客増加により観光関連事業が牽引するかたちで業績は堅調に推移しました。
旅行業は、大阪・関西万博の開催が追い風となり、社員旅行の受注が前年より増加し、ツアー旅行においても大阪・関西万博を取り入れたコースを始めとして、北海道ほか各地への旅行需要に応えることが出来ました。海外旅行では、旅行需要の高い米子空港・ソウル便に加え、5月から米子空港と台北を結ぶ定期就航が開始され、台北への個人旅行も好調に推移しました。また、出雲空港からベトナムへのチャーター便にも取組むことが出来ました。
航空代理業は、JAL便、FDA便ともに計画通りの運行により安定した営業収益を確保することが出来ました。特にJAL便では、飛行機利用者の増加から機材の大型化による増収を実現することが出来ました。他空港へのハンドリング業務の人材派遣事業は、通期で2社の空港への派遣を実施しました。
ホテル業においては、第1四半期までは大阪・関西万博の影響から当地へのツアー客が例年に比べ減少し苦戦しましたが、夏以降は盛り返し、客室稼働率は前期比やや低下しましたが、平均客室単価のアップ、宴会場利用が好調に推移したことから前期を上回る実績を確保し、前期比増収となりました。
自動車教習業においては、少子化の影響から10代~20代の人口減少に伴い、普通自動車免許の新規取得者数は減少傾向にあり、業界の将来を考えるうえで非常に大きな課題となっています。また、指導員不足の状況も続いており、繁忙期に入所者をこれまでどおりに確保することが出来ない状況があり、営業収益は前期比減収となりました。
観光施設管理運営業である「松江フォーゲルパーク」の受託事業は、コロナ禍が明け2023年、2024年と入園者数は好調に推移していましたが、今期は大阪・関西万博の影響を受けて苦戦しました。下期から「ばけばけ」効果と「ハロウィンナイト」、「ウインターナイトフェスティバル」などのイベント実施等による集客の巻き返しを図りましたが、今期の入園者数は前期比98.4%の18万4,027人となりました。
土産品販売・飲食業は、1年を通して出雲大社への観光客が好調に推移したこと、出雲縁結び空港の搭乗者数も高く推移したことから、営業収益は前期比増収となりました。また、観光客で賑わう出雲大社においては、2026年3月に新店舗「いずも縁結び本舗 勢溜店 つむぎ」をオープンいたしました。一方、2006年から営業を開始した松江堀川地ビール館については、収益状況が厳しく、2026年3月、20年間の契約期間満了をもって営業を終了いたしました。
自動車販売・整備業では、整備士不足の課題は続いていますが、当事業の強みである大型車両・特殊車両の整備部門の強化による他社との差別化戦略、そして一般車両整備部門での受注業務見直しによる収益力向上を図ったことにより前期並みの営業収益を確保いたしました。
以上の結果、レジャー・サービス業の営業収益は前期に比べて+4.9%、274,974千円増の5,936,368千円となりました。
(レジャー・サービス業営業成績)
業種当連結会計年度
(自 2025年4月1日
至 2026年3月31日)
営業収益(千円)前年同期比(%)
航空代理業537,9444.9
旅行業444,301△12.7
ホテル業2,196,6987.2
自動車教習業224,272△1.8
観光施設運営管理業535,330△1.0
土産品販売・飲食業1,468,6879.8
自動車販売・整備業699,3672.9
消去△170,233△13.5
5,936,3684.9

ハ.建設業
建設業は、前期は非常に高い成績でしたが、今期は一転して厳しい1年となりました。大型の繰越工事があるものの、同業他社との価格競争、人員不足のため受注を制限しなければならない状況が発生するなど新規受注に苦戦を強いられました。
土木工事は、見込んでいた工事の失注があり前期比減収となりました。建築工事においては、受注面は大型繰越工事と新規受注により工事受注高は前期並みの水準を確保しましたが、大型JV工事の受注件数が多く、利益率では厳しい状況となりました。鉄道工事部門は、JR西日本からの施工エリア拡大に取組んでおり、前期の米子保線区間に続き、今期は浜田鉄道部管内の工事を受注しました。設備工事部門では、新規受注で苦戦を強いられるとともに、資材価格の高騰や同業他社との価格競争等により収益力が低下するなど非常に厳しい経営環境が続いております。
以上の結果、建設業の営業収益は前期に比べて△10.7%、413,064千円減の3,448,451千円となりました。
(建設業営業成績)
業種当連結会計年度
(自 2025年4月1日
至 2026年3月31日)
営業収益(千円)前年同期比(%)
建設業3,806,460△11.1
消去△358,009△15.1
3,448,451△10.7

ニ.その他事業
不動産業は、商品不動産の販売等が寄与し増収となりました。
保険代理業は、主要な顧客である当社グループの役職員の減少に伴い、生損保ともに保険契約数が減少傾向にあり、損害保険の手数料も逓減傾向にあることから厳しい営業環境となっていますが、主力の自動車保険の新規契約獲得に注力したことで前期並みの営業収益を確保いたしました。
自動車リース業は、増車・入替の新車契約の台数を伸ばすことが出来ず、また手数料単価も低くなったことから手数料収入が伸びませんでしたが、中古車市場の高騰を受け、リースアップ車の売却益が寄与し、前期並みの営業収益を計上いたしました。
指定管理業務である古代出雲歴史博物館は、2025年4月から2026年9月末まで耐震改修工事ならびに展示リニューアルのため休館となり、アテンダントについては、リニューアルオープンに向けた広報・誘客活動を行っていますが、自主事業である売店・飲食業は休止しております。なお、第5期目となる2026年度から2030年度の指定管理業務を島根県より受託しております。
以上の結果、その他事業の営業収益は前期に比べて△0.4%、3,718千円減の919,238千円となりました。
(その他事業営業成績)
業種当連結会計年度
(自 2025年4月1日
至 2026年3月31日)
営業収益(千円)前年同期比(%)
不動産業1,054,8920.6
その他998,2062.8
消去△1,133,5893.4
919,238△0.4

② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ62,817千円増加し、当連結会計年度末には3,519,581千円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果獲得した資金は1,341,036千円(前年同期比38.2%増)となりました。主な要因は、税金等調整前当期純利益が131,440千円増加したこと等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は467,975千円(前年同期比90.0%増)となりました。主な要因は、その他投資活動による収入が392,699千円減少したこと等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は810,243千円(前年同期比18.7%増)となりました。主な要因は、短期借入金の返済が650,400千円増加したこと等によるものであります。
③ 生産、受注及び販売の実績
当社グループの販売品目は受注生産形態をとらないものが多いため、セグメントごとに生産規模及び受注規模を金額あるいは数量で示すことはしておりません。
このため生産、受注及び販売の実績については、「① 財政状態及び経営成績の状況」におけるセグメントの業績に関連付けて示しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
イ.当社グループの当連結会計年度の経営成績等について
当社グループの当連結会計年度の経営成績等は、運輸業、レジャー・サービス業を中心に観光客の需要が増加しましたが、資材価格などのコスト高が続きまた、建設業で同業他社との価格競争、受発注の足踏みによる影響に伴い、営業収益は前連結会計年度と比較して2,790千円減少し、前連結会計年度並みの13,455,959千円となりました。営業費は前連結会計年度と比較して186,689千円減少し、13,286,812千円となりました。営業利益は前連結会計年度と比較して183,898千円改善し、169,147千円となりました。経常損失は、前連結会計年度と比較して138,500千円改善し、243,614千円となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度と比較して123,501千円増加し、407,747千円となりました。
ロ.当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループは、地域に根ざした企業であり、当地域の観光動向や経済状況の変化等に大きく左右される特性をもっていることから、その動向等を的確に捉えることが重要であると考えております。また、安定的な収益の確保を図るとともに、グループ経営資源を有効活用できる新規事業を模索し、積極的に新しい分野へ進出しグループの活性化を図ることとしております。
ハ.経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための指標等について
当社グループは、「一畑グループ中期経営計画」に基づき、「安全・安心・安定・快適なサービスの提供」、「稼ぐ力の強化とグループ経営の効率化」、「安定した財務基盤の確保」、「ESGへの取組み」を推進しております。また、当社グループの持続的な成長に向けた様々な取り組みを実施することによって利益の拡大を図り、早期の債務超過解消を目指して参ります。
ニ.セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容について
運輸業は観光客を中心とした利用者数の増加により増収・増益となりました。レジャー・サービス業は観光客の増加により観光関連事業が牽引するかたちで堅調に推移し、大阪・関西万博、当地を舞台としたテレビドラマが追い風となり、増収・増益となりました。建設業は大型工事の受注はあるものの、同業他社との価格競争、人員不足による受注制限で苦戦を強いられ減収・減益となりました。その他事業は、商品不動産の販売等で不動産事業が増収に寄与しましたが、古代出雲歴史博物館がリニューアル工事で休館したこと等に伴い減収・増益となりました。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資本の流動性に係る情報
イ.キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローは、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
ロ.資本の財源及び資金の流動性について
当社グループは、運輸業等の大規模な設備を運用し収益を得ており、これらの設備の修繕や更新等、計画的・継続的な設備投資を行う必要があります。これらの資金の大部分は金融機関による借入によって調達していますが、このほか、当社グループ内での資金流用により効率的な運用を行うことで賄っております。今後もグループ内での効率的な資金運用や遊休不動産の売却、事業収益による財務体質の改善に取り組んで参ります。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。

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