有価証券報告書-第34期(2023/04/01-2024/03/31)
(1) 経営成績等の状況の概要
当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりです。
①経営成績の状況
当事業年度の営業収益は前事業年度比2,579百万円増(16.8%増)の17,927百万円となりました。これは、当社線ご利用のお客様が増加したことにより、旅客運輸収入が前事業年度比2,510百万円増(18.1%増)の16,370百万円となったこと等によるものです。
営業費は、修繕費等が増加した一方で、電動力料や減価償却費が減少したことなどにより、前事業年度比ほぼ横ばいの14,150百万円となりました。
以上の結果、営業利益は前事業年度比2,579百万円増(215.6%増)の3,776百万円となりました。
営業外収益は前事業年度比15百万円増(161.0%増)の24百万円となりました。
営業外費用は、借入金等の残高の減少による支払利息の減少等により前事業年度比22百万円減(4.6%減)の475百万円となりました。
以上の結果、経常利益は前事業年度比2,617百万円増(370.0%増)の3,325百万円となりました。
特別利益は、第4辰巳高架橋耐震補強工事等に係る補助金収入等の122百万円を計上し、特別損失は、補助金収入等により取得した固定資産の圧縮損の122百万円を計上しております。
以上により、法人税等164百万円を差し引いた最終的な当期純利益は前事業年度比2,367百万円増(298.3%増)の3,161百万円となりました。
当事業年度における運輸成績は以下のとおりであります。
(注)乗車効率の算出方法
②財政状態の状況
当事業年度末における財政状態につきましては、資産192,858百万円(前事業年度末比1,438百万円減)、負債103,701百万円(同4,599百万円減)、純資産89,156百万円(同3,161百万円増)となりました。
資産減少の主な要因は、固定資産等の減価償却の進捗によるものです。負債減少の主な要因は鉄道・運輸機構長期未払金等の金融債務の返済の進捗によるものです。純資産は、当期純利益を3,161百万円計上したことにより増加し、自己資本比率は46.2%と前事業年度比2.0ポイント増加しました。
③キャッシュ・フローの状況
当事業年度末における現金及び現金同等物の残高は3,831百万円となり、前事業年度末より128百万円増加しました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、9,540百万円の収入超過となり、前事業年度の実績7,269百万円の収入超過に比べ2,271百万円の収入増となりました。これは、税引前当期純利益が3,325百万円となり、前事業年度の税引前当期純利益718百万円に比べ2,606百万円増加した一方、法人税等の支払額が173百万円増加したこと等によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、4,593百万円の支出超過となり、前事業年度の実績1,444百万円の収入超過に比べ6,037百万円の支出増となりました。これは、定期預金の預入や有価証券等の取得に伴う純支出が3,300百万円と前事業年度の純収入2,400百万円に比べ5,700百万円増加したことに加え、有形及び無形固定資産の取得による支出が1,723百万円と前事業年度の1,544百万円の支出に比べ179百万円増加したことや補助金等の受取額が430百万円と前事業年度の受取額588百万円に比べ158百万円減少したことによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、4,818百万円の支出超過となり、前事業年度の実績9,490百万円の支出超過に比べ4,672百万円の支出減となりました。これは、鉄道・運輸機構長期未払金の返済による支出が前事業年度比3,326百万円増加した一方、社債の発行による収入が7,959百万円あったこと等によるものです。
④生産、受注及び販売の実績
当社の事業内容は、生産、受注及び販売の形態をとっていないため、「生産、受注及び販売の実績」については、「(1) 経営成績等の状況の概要」の「①経営成績の状況」において、運輸成績として記載しております。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、報告書提出日現在において判断したものであり、今後様々な要因によって異なる結果となる可能性があるため、その達成を保証するものではありません。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当事業年度における我が国の経済は、雇用・所得環境が改善する下で緩やかに回復しております。
また、新型コロナウイルス感染症の5類への移行もあり、人流の回復がより一層加速化し、当社線においても、通勤・通学者等の回復や、沿線施設におけるイベント等への来訪者の増加が見られ、乗車人員の増加傾向が継続しました。
このような状況の中で、当社は、令和4年度から3年間を計画期間とする「中期経営計画2022」に基づき、「安全・安定・安心輸送の確保」「お客様サービスの向上」「沿線地域の発展と持続可能なまちづくりへの貢献」「着実な事業運営に向けた経営基盤の強化」の4つの目標の下、必要な施策を進めてまいりました。
安全・安定・安心輸送の確保に関しては、安全管理体制の強化として、異常時におけるお客様の避難誘導や線路陥没復旧等の訓練を実施したほか、車内・駅構内のセキュリティ向上を図るため、引き続き巡回警備員の増強を行いました。また、施設・設備の安全性の維持向上のため、東雲駅のエスカレーター更新工事を実施したほか、ホーム上の安全性向上のため、新木場駅へのホームドア設置に向けたホームの補強工事を実施しました。さらに、災害対策の取組強化として、引き続き高架橋等の橋脚への耐震補強工事を着実に進めております。
お客様サービスの向上に関しては、より安全で快適な社内空間を有する新型車両の導入に向けて、車両デザインの詳細仕様を確定させたほか、導入スケジュールとして、第1編成の営業開始を令和7年度下期に、全8編成の導入完了を令和9年度上期にそれぞれ設定いたしました。また、駅務機器の更新として、モバイルチャージが可能な新型精算機の導入を行いました。さらに、駅員向けのCS研修や車掌向けのサービス研修などの実践的な接遇研修の実施を通じて、接遇サービスの更なる向上に努めました。
沿線地域の発展と持続可能なまちづくりへの貢献に関しては、沿線地域・企業との連携として、体験型英語学習施設「TOKYO GLOBAL GATEWAY」と連携したお客様感謝キャンペーンの実施や、寺田倉庫で開催された「金曜ロードショーとジブリ展」とのタイアップ、劇団四季「ライオンキング」の日本公演25周年記念タイアップ広告の掲出などの取組を行いました。また、アニメ「ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会」とのタイアップとして、りんかい線の制服を着たキャラクターの等身大パネルを各駅に設置したほか、沿線地域であるお台場・青海・有明の魅力を紹介したPR誌「JR東日本 小さな旅 りんかい線」を発行するなど、りんかい線の更なる知名度の向上や沿線への集客促進を図りました。さらに、沿線のまちづくりへの貢献として、大井町駅周辺の再開発計画に協力し、新設出入口の設計を実施しました。また、環境負荷低減に向けた取組強化として、引き続き、お客様のご利用状況等を踏まえた、エスカレーターの一時停止等の節電に取り組むとともに、東雲駅から東京テレポート駅までのトンネル照明のLED化工事を実施いたしました。
着実な事業運営に向けた経営基盤の強化に関しては、経費の節減や効率的・効果的な設備投資の実施に取り組むとともに、当社初のサステナビリティボンドを発行して資金調達を行い、既存債務の着実な返済を進めました。また、「コミックマーケット102」及び「コミックマーケット103」の記念一日乗車券の販売やジャック広告の獲得など、営業収益の確保に向けた取組を実施しました。さらに、社員が働きやすい職場環境の整備として、八潮車両基地検修庫屋根等の大規模修繕を実施したほか、社員が主役となりいきいきと働ける職場づくりとして、社員と経営層が直接意見交換を行う「りんかい線車座ミーティング」を拡充し、社内コミュニケーションの更なる活性化と風通しの良い職場づくりを引き続き推進しました。
当事業年度の乗車人員は、定期のお客様が前事業年度比12.2%増加、定期外のお客様が前事業年度比20.1%増加しました。合計では、前事業年度比16.4%増の7,673万人、一日平均では29,042人増の209,662人となりました。
当事業年度の運輸収入は、当社線ご利用のお客様が増加したことにより、前事業年度比2,510百万円増(18.1%増)の16,370百万円となりました。運輸雑収は、自動販売機の設置等に係る構内営業料が増加したことなどにより、全体で前事業年度比69百万円増(4.6%増)の1,556百万円となりました。
その結果、営業収益は2,579百万円増(16.8%増)の17,927百万円となりました。
営業費は、修繕費等が増加した一方で、電動力料や減価償却費が減少したことなどにより、前事業年度からほぼ横ばいの14,150百万円(前事業年度は14,151百万円)となりました。
その結果、営業利益は前事業年度比2,579百万円増(215.6%増)の3,776百万円となりました。
営業外収益は前事業年度比15百万円増(161.0%増)の24百万円となりました。営業外費用は、借入金等の残高の減少による支払利息の減少等により前事業年度比22百万円減(4.6%減)の475百万円となりました。
結果として、経常利益は前事業年度比2,617百万円増(370.0%増)の3,325百万円となりました。
特別利益は、第4辰巳高架橋耐震補強工事等に係る補助金収入の122百万円を計上し、特別損失は、補助金収入により取得した固定資産の圧縮損の122百万円を計上しております。
その結果、法人税等164百万円を差し引いた最終的な当期純利益は前事業年度比2,367百万円増(298.3%増)の3,161百万円となりました。
当事業年度末における財政状態につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要」の「②財政状態の状況」に記載しております。
なお、令和4年3月に策定した当社の「中期経営計画2022」(令和4年度~令和6年度)の中で、令和6年度の経営数値目標を設定しており、その具体的な内容及び当事業年度の実績は以下のとおりです。
(注)自己資本比率、有利子負債は事業年度末時点の数値です。
「中期経営計画2022」の2年目に当たる当事業年度は、旅客運輸収入が当社線ご利用のお客様の増加により増収となったこと等により、営業収益は令和6年度の数値目標に到達し、経常利益は令和6年度の数値目標を上回りました。自己資本比率は、総資産が固定資産の減価償却の進捗等により減少する一方、純資産が当期純利益分増加した結果、当事業年度末時点の実績は令和6年度の数値目標を上回りました。有利子負債残高は、鉄道・運輸機構未払金等の返済を着実に進めた結果、当事業年度末時点の実績は令和6年度の数値目標を上回りました。当社を取り巻く経営環境は依然として不透明な状況にありますが、引き続き「中期経営計画2022」に掲げた、「安全・安定・安心輸送の確保」を始めとする経営目標の実現に取り組んでまいります。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社は収入の大部分を鉄道事業が占め、その事業の性格上、営業活動によるキャッシュ・フローは比較的安定して推移しております。一方で、当社線の建設に当たっては莫大な資金を要し、東京都を始めとする地方公共団体や民間企業から出資・負担金の受入れ並びに金融機関等から長期借入を行うとともに、独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構が建設した鉄道施設の譲渡を受けました。その結果、当社は、長期借入金と鉄道施設の譲渡代金である長期未払金という多額の有利子負債を抱えており、その返済を計画的・安定的に行う必要があります。加えて、運送費、一般管理費等の営業費用の支払や安全対策の強化、バリアフリー対応などの設備投資を着実に実施していくための資金需要もあります。
これら必要な資金の調達の方法としては、償却前営業利益を基本に、必要な範囲で銀行借入や社債発行などの方法により外部から長期の資金を調達して確保する予定です。また、運転資金は基本的に営業収入により賄えていますが、金融機関と極度額30億円の当座貸越契約を締結し、緊急時の流動性を確保しています。
以上により事業遂行に必要な資金調達は問題なく対応可能と認識しています。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1) 財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりです。
①経営成績の状況
当事業年度の営業収益は前事業年度比2,579百万円増(16.8%増)の17,927百万円となりました。これは、当社線ご利用のお客様が増加したことにより、旅客運輸収入が前事業年度比2,510百万円増(18.1%増)の16,370百万円となったこと等によるものです。
営業費は、修繕費等が増加した一方で、電動力料や減価償却費が減少したことなどにより、前事業年度比ほぼ横ばいの14,150百万円となりました。
以上の結果、営業利益は前事業年度比2,579百万円増(215.6%増)の3,776百万円となりました。
営業外収益は前事業年度比15百万円増(161.0%増)の24百万円となりました。
営業外費用は、借入金等の残高の減少による支払利息の減少等により前事業年度比22百万円減(4.6%減)の475百万円となりました。
以上の結果、経常利益は前事業年度比2,617百万円増(370.0%増)の3,325百万円となりました。
特別利益は、第4辰巳高架橋耐震補強工事等に係る補助金収入等の122百万円を計上し、特別損失は、補助金収入等により取得した固定資産の圧縮損の122百万円を計上しております。
以上により、法人税等164百万円を差し引いた最終的な当期純利益は前事業年度比2,367百万円増(298.3%増)の3,161百万円となりました。
当事業年度における運輸成績は以下のとおりであります。
| 前事業年度 | 当事業年度 | ||||
| 単位 | (自 令和4年4月1日 | (自 令和5年4月1日 | 前年同期比(%) | ||
| 至 令和5年3月31日) | 至 令和6年3月31日) | ||||
| 営業日数 | 日 | 365 | 366 | 100.3 | |
| 営業キロ | km | 12.2 | 12.2 | 100.0 | |
| 客車走行キロ | 千km | 12,421 | 12,447 | 100.2 | |
| 乗車人員 | 定期 | 千人 | 31,005 | 34,790 | 112.2 |
| 定期外 | 千人 | 34,921 | 41,945 | 120.1 | |
| 合計 | 千人 | 65,926 | 76,736 | 116.4 | |
| 旅客運輸収入 | 定期 | 百万円 | 4,487 | 5,039 | 112.3 |
| 定期外 | 百万円 | 9,372 | 11,330 | 120.9 | |
| 合計 | 百万円 | 13,860 | 16,370 | 118.1 | |
| 運輸雑収 | 百万円 | 1,487 | 1,556 | 104.6 | |
| 収入合計 | 百万円 | 15,347 | 17,927 | 116.8 | |
| 乗車効率 | % | 19.8 | 23.1 | 116.7 |
(注)乗車効率の算出方法
| 乗車効率= | 乗車人員×平均乗車キロ | ×100 |
| 客車走行キロ×平均定員 |
②財政状態の状況
当事業年度末における財政状態につきましては、資産192,858百万円(前事業年度末比1,438百万円減)、負債103,701百万円(同4,599百万円減)、純資産89,156百万円(同3,161百万円増)となりました。
資産減少の主な要因は、固定資産等の減価償却の進捗によるものです。負債減少の主な要因は鉄道・運輸機構長期未払金等の金融債務の返済の進捗によるものです。純資産は、当期純利益を3,161百万円計上したことにより増加し、自己資本比率は46.2%と前事業年度比2.0ポイント増加しました。
③キャッシュ・フローの状況
当事業年度末における現金及び現金同等物の残高は3,831百万円となり、前事業年度末より128百万円増加しました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、9,540百万円の収入超過となり、前事業年度の実績7,269百万円の収入超過に比べ2,271百万円の収入増となりました。これは、税引前当期純利益が3,325百万円となり、前事業年度の税引前当期純利益718百万円に比べ2,606百万円増加した一方、法人税等の支払額が173百万円増加したこと等によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、4,593百万円の支出超過となり、前事業年度の実績1,444百万円の収入超過に比べ6,037百万円の支出増となりました。これは、定期預金の預入や有価証券等の取得に伴う純支出が3,300百万円と前事業年度の純収入2,400百万円に比べ5,700百万円増加したことに加え、有形及び無形固定資産の取得による支出が1,723百万円と前事業年度の1,544百万円の支出に比べ179百万円増加したことや補助金等の受取額が430百万円と前事業年度の受取額588百万円に比べ158百万円減少したことによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、4,818百万円の支出超過となり、前事業年度の実績9,490百万円の支出超過に比べ4,672百万円の支出減となりました。これは、鉄道・運輸機構長期未払金の返済による支出が前事業年度比3,326百万円増加した一方、社債の発行による収入が7,959百万円あったこと等によるものです。
④生産、受注及び販売の実績
当社の事業内容は、生産、受注及び販売の形態をとっていないため、「生産、受注及び販売の実績」については、「(1) 経営成績等の状況の概要」の「①経営成績の状況」において、運輸成績として記載しております。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、報告書提出日現在において判断したものであり、今後様々な要因によって異なる結果となる可能性があるため、その達成を保証するものではありません。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当事業年度における我が国の経済は、雇用・所得環境が改善する下で緩やかに回復しております。
また、新型コロナウイルス感染症の5類への移行もあり、人流の回復がより一層加速化し、当社線においても、通勤・通学者等の回復や、沿線施設におけるイベント等への来訪者の増加が見られ、乗車人員の増加傾向が継続しました。
このような状況の中で、当社は、令和4年度から3年間を計画期間とする「中期経営計画2022」に基づき、「安全・安定・安心輸送の確保」「お客様サービスの向上」「沿線地域の発展と持続可能なまちづくりへの貢献」「着実な事業運営に向けた経営基盤の強化」の4つの目標の下、必要な施策を進めてまいりました。
安全・安定・安心輸送の確保に関しては、安全管理体制の強化として、異常時におけるお客様の避難誘導や線路陥没復旧等の訓練を実施したほか、車内・駅構内のセキュリティ向上を図るため、引き続き巡回警備員の増強を行いました。また、施設・設備の安全性の維持向上のため、東雲駅のエスカレーター更新工事を実施したほか、ホーム上の安全性向上のため、新木場駅へのホームドア設置に向けたホームの補強工事を実施しました。さらに、災害対策の取組強化として、引き続き高架橋等の橋脚への耐震補強工事を着実に進めております。
お客様サービスの向上に関しては、より安全で快適な社内空間を有する新型車両の導入に向けて、車両デザインの詳細仕様を確定させたほか、導入スケジュールとして、第1編成の営業開始を令和7年度下期に、全8編成の導入完了を令和9年度上期にそれぞれ設定いたしました。また、駅務機器の更新として、モバイルチャージが可能な新型精算機の導入を行いました。さらに、駅員向けのCS研修や車掌向けのサービス研修などの実践的な接遇研修の実施を通じて、接遇サービスの更なる向上に努めました。
沿線地域の発展と持続可能なまちづくりへの貢献に関しては、沿線地域・企業との連携として、体験型英語学習施設「TOKYO GLOBAL GATEWAY」と連携したお客様感謝キャンペーンの実施や、寺田倉庫で開催された「金曜ロードショーとジブリ展」とのタイアップ、劇団四季「ライオンキング」の日本公演25周年記念タイアップ広告の掲出などの取組を行いました。また、アニメ「ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会」とのタイアップとして、りんかい線の制服を着たキャラクターの等身大パネルを各駅に設置したほか、沿線地域であるお台場・青海・有明の魅力を紹介したPR誌「JR東日本 小さな旅 りんかい線」を発行するなど、りんかい線の更なる知名度の向上や沿線への集客促進を図りました。さらに、沿線のまちづくりへの貢献として、大井町駅周辺の再開発計画に協力し、新設出入口の設計を実施しました。また、環境負荷低減に向けた取組強化として、引き続き、お客様のご利用状況等を踏まえた、エスカレーターの一時停止等の節電に取り組むとともに、東雲駅から東京テレポート駅までのトンネル照明のLED化工事を実施いたしました。
着実な事業運営に向けた経営基盤の強化に関しては、経費の節減や効率的・効果的な設備投資の実施に取り組むとともに、当社初のサステナビリティボンドを発行して資金調達を行い、既存債務の着実な返済を進めました。また、「コミックマーケット102」及び「コミックマーケット103」の記念一日乗車券の販売やジャック広告の獲得など、営業収益の確保に向けた取組を実施しました。さらに、社員が働きやすい職場環境の整備として、八潮車両基地検修庫屋根等の大規模修繕を実施したほか、社員が主役となりいきいきと働ける職場づくりとして、社員と経営層が直接意見交換を行う「りんかい線車座ミーティング」を拡充し、社内コミュニケーションの更なる活性化と風通しの良い職場づくりを引き続き推進しました。
当事業年度の乗車人員は、定期のお客様が前事業年度比12.2%増加、定期外のお客様が前事業年度比20.1%増加しました。合計では、前事業年度比16.4%増の7,673万人、一日平均では29,042人増の209,662人となりました。
当事業年度の運輸収入は、当社線ご利用のお客様が増加したことにより、前事業年度比2,510百万円増(18.1%増)の16,370百万円となりました。運輸雑収は、自動販売機の設置等に係る構内営業料が増加したことなどにより、全体で前事業年度比69百万円増(4.6%増)の1,556百万円となりました。
その結果、営業収益は2,579百万円増(16.8%増)の17,927百万円となりました。
営業費は、修繕費等が増加した一方で、電動力料や減価償却費が減少したことなどにより、前事業年度からほぼ横ばいの14,150百万円(前事業年度は14,151百万円)となりました。
その結果、営業利益は前事業年度比2,579百万円増(215.6%増)の3,776百万円となりました。
営業外収益は前事業年度比15百万円増(161.0%増)の24百万円となりました。営業外費用は、借入金等の残高の減少による支払利息の減少等により前事業年度比22百万円減(4.6%減)の475百万円となりました。
結果として、経常利益は前事業年度比2,617百万円増(370.0%増)の3,325百万円となりました。
特別利益は、第4辰巳高架橋耐震補強工事等に係る補助金収入の122百万円を計上し、特別損失は、補助金収入により取得した固定資産の圧縮損の122百万円を計上しております。
その結果、法人税等164百万円を差し引いた最終的な当期純利益は前事業年度比2,367百万円増(298.3%増)の3,161百万円となりました。
当事業年度末における財政状態につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要」の「②財政状態の状況」に記載しております。
なお、令和4年3月に策定した当社の「中期経営計画2022」(令和4年度~令和6年度)の中で、令和6年度の経営数値目標を設定しており、その具体的な内容及び当事業年度の実績は以下のとおりです。
| 指標 | 指標数値目標(令和6年度) | (参考)当事業年度の実績 |
| 営業収益 | 179億円 | 179億円 |
| 経常利益 | 22億円 | 33億円 |
| 自己資本比率 | 43% | 46.2% |
| 有利子負債 | 1,045億円 | 984億円 |
(注)自己資本比率、有利子負債は事業年度末時点の数値です。
「中期経営計画2022」の2年目に当たる当事業年度は、旅客運輸収入が当社線ご利用のお客様の増加により増収となったこと等により、営業収益は令和6年度の数値目標に到達し、経常利益は令和6年度の数値目標を上回りました。自己資本比率は、総資産が固定資産の減価償却の進捗等により減少する一方、純資産が当期純利益分増加した結果、当事業年度末時点の実績は令和6年度の数値目標を上回りました。有利子負債残高は、鉄道・運輸機構未払金等の返済を着実に進めた結果、当事業年度末時点の実績は令和6年度の数値目標を上回りました。当社を取り巻く経営環境は依然として不透明な状況にありますが、引き続き「中期経営計画2022」に掲げた、「安全・安定・安心輸送の確保」を始めとする経営目標の実現に取り組んでまいります。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社は収入の大部分を鉄道事業が占め、その事業の性格上、営業活動によるキャッシュ・フローは比較的安定して推移しております。一方で、当社線の建設に当たっては莫大な資金を要し、東京都を始めとする地方公共団体や民間企業から出資・負担金の受入れ並びに金融機関等から長期借入を行うとともに、独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構が建設した鉄道施設の譲渡を受けました。その結果、当社は、長期借入金と鉄道施設の譲渡代金である長期未払金という多額の有利子負債を抱えており、その返済を計画的・安定的に行う必要があります。加えて、運送費、一般管理費等の営業費用の支払や安全対策の強化、バリアフリー対応などの設備投資を着実に実施していくための資金需要もあります。
これら必要な資金の調達の方法としては、償却前営業利益を基本に、必要な範囲で銀行借入や社債発行などの方法により外部から長期の資金を調達して確保する予定です。また、運転資金は基本的に営業収入により賄えていますが、金融機関と極度額30億円の当座貸越契約を締結し、緊急時の流動性を確保しています。
以上により事業遂行に必要な資金調達は問題なく対応可能と認識しています。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1) 財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。