有価証券報告書-第31期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)

【提出】
2021/06/28 9:47
【資料】
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【項目】
83項目
(1) 経営成績等の状況の概要
当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりです。
①経営成績の状況
当事業年度の営業収益は9,020百万円減(43.5%減)の11,694百万円となりました。これは、新型コロナウイルス感染症の影響を受け、2度にわたる緊急事態宣言の発出等による外出自粛、沿線施設の一時閉鎖、イベントの中止・規模縮小、訪日外国人旅客の消失、さらにテレワークの進展等により定期・定期外ともに当社線をご利用になるお客様が大幅に減少し、旅客運輸収入が前期比8,906百万円減(46.7%減)の10,166百万円となったこと等によるものです。
営業費は、改めて必要性や緊急性、有効性、効率性等の観点からあらゆる事業を精査し、事業規模の縮小や実施時期の見直しを行うなど、コスト削減に取り組んだ結果、運送費が減少したこと等により、前期比640百万円減(4.2%減)の14,486百万円となりました。
以上の結果、営業損失は2,791百万円(前期は営業利益5,587百万円)となりました。
営業外収益は、前期比26百万円減(71.9%減)の10百万円となりました。
営業外費用は、借入金等の残高の減少による支払利息の減少等により前期比74百万円減(8.1%減)の847百万円となりました。
以上の結果、経常損失は3,628百万円(前期は経常利益4,702百万円)となりました。
特別利益は、大井町の土地の売却に係る土地売却益及び補助金収入等の185百万円を計上し、特別損失は、補助金収入により取得した固定資産の圧縮損等の79百万円を計上しました。
以上により、法人税等469百万円を差し引いた最終的な当期純損失は3,992百万円(前期は当期純利益3,258百万円)となりました。
当事業年度における運輸成績は以下のとおりであります。
前事業年度当事業年度
単位(自 平成31年4月1日(自 令和2年4月1日前年同期比(%)
至 令和2年3月31日)至 令和3年3月31日)
営業日数36636599.7
営業キロkm12.212.2100.0
客車走行キロ千km12,45512,42199.7
乗車人員定期千人52,59133,82364.3
定期外千人42,37320,47948.3
合計千人94,96554,30257.2
運輸収入定期百万円7,6534,79962.7
定期外百万円11,4195,36647.0
合計百万円19,07210,16653.3
運輸雑収百万円1,6421,52893.1
運輸収入合計百万円20,71511,69456.5
乗車効率%27.615.656.5

(注)1.乗車効率の算出方法
乗車効率=乗車人員×平均乗車キロ×100
客車走行キロ×平均定員

2.上記の金額に、消費税等は含まれておりません。
②財政状態の状況
当事業年度末における財政状態につきましては、資産205,877百万円(前事業年度末比4,651百万円減)、負債118,577百万円(同659百万円減)、純資産87,299百万円(同3,992百万円減)となりました。
資産減少の主な要因は、固定資産等の減価償却の進捗によるものです。負債減少の主な要因は鉄道・運輸機構長期未払金等の金融債務の返済の進捗によるものです。純資産は、当期純損失を3,992百万円計上したことから同額減少し、自己資本比率は42.4%と前事業年度比1.0ポイント減少しました。
③キャッシュ・フローの状況
当事業年度末における現金及び現金同等物の残高は8,434百万円となり、前事業年度末より2,499百万円増加しました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、716百万円の収入超過となり、前事業年度の実績10,527百万円の収入超過に比べ9,811百万円の収入減となりました。これは、税引前当期純利益が8,225百万円減少し、税引前当期純損失3,522百万円を計上したこと等によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、1,128百万円の収入超過となり、前事業年度の実績2,581百万円の収入超過に比べ1,452百万円の収入減となりました。これは、定期預金の払い戻しや有価証券の償還に伴う純収入が前事業年度と同額の4,500百万円あった一方、有形固定資産の取得による支出が3,690百万円と前事業年度の1,924百万円の支出に比べ1,765百万円増加したこと等によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、654百万円の収入超過となり、前事業年度の実績10,343百万円の支出超過に比べ10,998百万円の収入増となりました。これは、鉄道・運輸機構長期未払金や長期借入金等の返済による支出が9,295百万円と前事業年度の10,343百万円の支出に比べ1,048百万円減少したことに加え、社債の発行による収入が9,949百万円増加したこと等によるものです。
④生産、受注及び販売の実績
当社の事業内容は、生産、受注及び販売の形態をとっていないため、「生産、受注及び販売の実績」については、「(1) 経営成績等の状況の概要」の「①経営成績の状況」において、運輸成績として記載しております。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、報告書提出日現在において判断したものであり、今後様々な要因によって異なる結果となる可能性があるため、その達成を保証するものではありません。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当事業年度における我が国の経済は、新型コロナウイルス感染症の影響により年度を通じて厳しい状況が続きました。
当社を取り巻く環境も大変厳しく、新型コロナウイルス感染症の影響を受けた当社線沿線施設の一時閉鎖、イベントの中止・開催規模縮小、訪日外国人旅客の消失、テレワークの進展等により、当社線をご利用になるお客様は大幅に減少しました。このような状況の中で、当社としては、新型コロナウイルス感染症に係る緊急事態宣言期間中をはじめ、通期にわたり、ご利用になるお客様や社員等の感染防止対策を徹底しつつ、生活行動や経済活動を支える輸送需要を担う公共交通機関として事業を継続する使命を果たしてまいりました。
また、事業を継続するにあたり、厳しい経営状況を踏まえ、必要性、緊急性、効率性等の観点からの設備投資の抑制や経常的な修繕や保守点検の精査など日常的に継続して行う支出の見直しによるコスト削減や営業収益の確保などの経営努力に取り組むとともに、令和元年度からの3年間を計画期間とする「中期経営計画2019」のもと、より一層の安全・安定・安心輸送の取組強化、お客様サービスの質的向上等に向けて、必要な施策を着実に進めてまいりました。
安全・安定・安心輸送の取組強化に関しては、品川埠頭変電所等の重要施設に防犯カメラを新規に設置するとともに、各駅のホーム及びコンコースにおいて、防犯上死角となる箇所への防犯カメラの増設を実施したほか、大井町駅へのホームドア導入をうけて、非常停止ボタンのホームドア上への設置、ボタン・警報ブザーの増設などの更新を行いました。また、新型コロナウイルス感染症の感染防止対策として、有人改札窓口に飛沫飛散防止シートを設置したほか、車両の定期的な消毒、社員等のマスク等の着用の実施に加え、お客様に対するマスク着用や車両の窓開けに関するご案内等を実施いたしました。さらに、大規模地震に対する取組等として、高架橋等の橋脚について、耐震補強工事を進めました。
お客様サービスの質的向上に関しては、全駅(7駅)の案内サインの視認性向上、多言語化、LED化による円滑な誘導・案内の向上等を目的として、駅舎外部の駅名等の案内サイン、駅周辺施設の案内などに関する案内サイン、乗り場・乗換え等の誘導案内サイン等についてリニューアル工事を実施しました。
また、あらゆるお客様が不自由なく駅をご利用できるよう、国際展示場駅に引き続き東京テレポート駅について有人改札窓口をオープンカウンター化するとともに、新木場駅及び東雲駅の旅客用化粧室の全面リニューアルを実施し、これにより全7駅の旅客用化粧室のリニューアル工事が完了いたしました。
さらに、利便性の向上及び一層のバリアフリー化を図るため、東京テレポート駅において、改札内にエレベーター1基を増設するとともに、車いす等をご利用になるお客様の円滑な移動を目的として1号車、10号車の車いすスペースに最も近い乗降口に、ホームと車両の隙間を小さくする対策工事を実施しました。また、あらゆるお客様に安心してご利用いただけるよう、優先席・フリースペース部分を視覚的にわかりやすくするため、70-000形車両の床面部分に色分けを行いました。加えて、天候変化等に対応するため傘のシェアリングサービス「アイカサ」と提携し、国際展示場駅及び東京テレポート駅に、傘立て・傘の設置を行うとともに、東京テレポート駅に設置しているモバイルバッテリーレンタル機を国際展示場駅にも設置し、お客様の利便性の向上を図りました。
営業収益の確保等による財務体質の健全化に関しては、新型コロナウイルス感染症対策を徹底した上で、体験型英語学習施設「TOKYO GLOBAL GATEWAY」で開催されたイベントとのタイアップを行ったほか、お台場で水陸両用バス「SKY Duck」を運行する日の丸自動車興業株式会社とバスツアー「特殊車両で東京観光!」を実施しました。また、当社沿線が人気アニメ・ラブライブ!第3作の舞台となったことを受け、各種プロモーション展開やオリジナルの1日乗車券の販売を行うなど沿線への集客を図りました。さらに、公式オンラインショップを開設し、非接触型サービスを導入するとともに、通常は駅構内のコンビニエンスストアなどでしか購入できなかったオリジナルグッズや鉄道廃品を販売するなど営業収益の確保を図りました。
加えて、事業の安定的な継続に必要な資金を効率的に確保するため初めて社債を発行し、資金調達手段の多様化を進めました。
社員が主役となりいきいきと働ける職場づくりに関しては、大井町駅及び車両基地の仮泊室等改修工事を実施しました。また、国際展示場駅において仮泊室等業務施設建築工事を実施し、職場環境の改善を図りました。
東京2020大会への協働とその後を見据えた対応に関しては、本社会議室を事故及び災害発生時の対策本部としても使用するため、列車の運行を表示するモニターや防犯用の監視用のモニター等を設置し、東京2020大会時には輸送対策本部としても使用できるようにしました。
当事業年度の乗車人員は、新型コロナウイルス感染症の影響を受け、緊急事態宣言が発出されていた4月から5月までは、外出自粛、テレワークの実施、訪日外国人旅客の消失、当社線沿線施設の一時閉鎖、イベント等の中止等により定期・定期外ともに大幅に減少しました。緊急事態宣言が解除された5月下旬から11月までは、定期のお客様については新しい行動様式のもとテレワークの進展等により回復は足踏みする一方、定期外のお客様については、沿線施設の再開やイベント開催等により緩やかに増加しました。しかし、12月以降は、新型コロナウイルス感染者数の再拡大や、それを受けた2度目の緊急事態宣言等の発出などにより、定期・定期外ともに減少するなど年間を通じて厳しい状況が続きました。
その結果、定期のお客様が前期比35.7%減少、定期外のお客様が前期比51.7%減少しました。合計では、前期比42.8%減の5,430万人、一日平均では110,693人減の148,775人となりました。
旅客運輸収入は、新型コロナウイルス感染症の影響によりお客様が激減したことなどにより、最終的に前期比8,906百万円減(46.7%減)の10,166百万円となりました。運輸雑収は、当社車両のJR線内走行による使用料収入が増加した一方、構内営業料や広告料収入が減少したことなどにより、全体で前期比113百万円減(6.9%減)の1,528百万円となりました。
その結果、営業収益は9,020百万円減(43.5%減)の11,694百万円となりました。
営業費は、改めて必要性や緊急性、有効性、効率性等の観点からあらゆる事業を精査し、事業規模の縮小や実施時期の見直しを行うなど、コスト削減に取り組んだ結果、運送費が減少したこと等により、前期比640百万円減(4.2%減)の14,486百万円となりました。
その結果、営業損失は2,791百万円(前期は営業利益5,587百万円)となりました。
営業外収益は前期比26百万円減(71.9%減)の10百万円となりました。営業外費用は借入金等の残高の減少による支払利息の減少等により前期比74百万円減(8.1%減)の847百万円となりました。
その結果、経常損失は3,628百万円(前期は経常利益4,702百万円)となりました。
特別利益は、大井町の土地の売却に係る土地売却益及び天王洲アイル駅ホームドア設置等に係る補助金収入等の185百万円を計上し、特別損失は、補助金収入により取得した固定資産の圧縮損等の79百万円を計上しております。
法人税等469百万円を差し引いた最終的な当期純損失は3,992百万円(前期は当期純利益3,258百万円)となりました。
当事業年度末における財政状態につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要」の「②財政状態の状況」に記載しております。
なお、平成31年3月に策定した当社の「中期経営計画2019」(令和元年度~令和3年度)の中で、将来の経営環境の変化を捉えた取組をしていくにあたり、令和3年度の経営数値目標を設定しております。その具体的な内容及び当事業年度の実績は以下のとおりです。
指標指標数値目標(令和3年度)(参考)当事業年度の実績
営業収益217億円116億円
経常利益50億円△36億円
自己資本比率40%42.4%
長期未払金・長期借入金残高1,050億円1,137億円

(注)自己資本比率、長期未払金・長期借入金残高は期末時点の数値です。長期借入金には社債を含んでおります。
「中期経営計画2019」の第2年度に当たる当事業年度の自己資本比率は、純資産が当期純損失分減少し、前事業年度末に比べ1.0ポイント減少したたものの、令和3年度の数値目標を上回る実績となっております。長期未払金・長期借入金残高は、鉄道・運輸機構未払金等の返済を着実に進めつつも、安定的な経営に必要な資金を確保するため社債を発行したことにより目標額を上回る残高となっております。営業収益及び経常利益については、旅客運輸収入が新型コロナウイルス感染症の拡大の影響により大幅に減収となったことを受け、令和3年度の数値目標対比それぞれ△101億円、△86億円と目標に対して大きく未達となっております。新型コロナウイルス感染症の収束時期が見通せない中、今後も厳しい状況が続くと見込まれますが、コスト削減や営業収益の確保などの経営努力に取り組み、引き続き「中期経営計画2019」(令和元年度~令和3年度)に掲げた、「安全・安定・安心輸送への取組強化」を始めとする経営目標の実現に取り組んでまいります。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社は収入の大部分を鉄道事業が占め、その事業の性格上、営業活動によるキャッシュ・フローは比較的安定して推移しており、当事業年度においても新型コロナウイルス感染症拡大の影響により収入が大幅に減少したものの、収入超過を維持しております。一方で、当社線の建設に当たっては莫大な資金を要し、東京都を始めとする地方公共団体や民間企業から出資・負担金の受入れ並びに金融機関等から長期借入を行うとともに、独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構が建設した鉄道施設の譲渡を受けました。その結果、当社は、長期借入金と鉄道施設の譲渡代金である長期未払金という多額の有利子負債を抱えており、その返済を計画的・安定的に行う必要があります。加えて、運送費、一般管理費等の営業費用の支払や安全対策の強化、バリアフリー対応などの設備投資を着実に実施していくための資金需要もあります。
これら必要な資金の調達の方法としては、償却前営業利益を基本に、必要な範囲で銀行借入や社債発行などの方法により外部から長期の資金を調達して確保する予定です。また、運転資金は基本的に営業収入により賄えていますが、金融機関と極度額30億円の当座貸越契約を令和2年6月に締結し、緊急時の流動性を確保しています。
以上により事業遂行に必要な資金調達は問題なく対応可能と認識しています。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1) 財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。

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