有価証券報告書-第103期(2025/04/01-2026/03/31)
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国の経済は、雇用・所得環境の改善やインバウンド需要の増加、堅調な企業収益を背景に、緩やかな回復基調で推移しました。しかしながら、物価上昇や人手不足の深刻化に加え、中東情勢の緊迫化など、景気の下振れリスクが高まっており、先行きは不透明な状況が続きました。また、中小企業においては、物価上昇による原材料費の高騰、労働需給のひっ迫による人件費増加、金利上昇による資金調達コストの増加など、収益を圧迫する要因も重なり、厳しい経営環境が続きました。
県内経済においても、総じて緩やかな持ち直しの動きを維持してはいるものの、中東情勢の緊迫化による海外経済の減速やエネルギー価格等の上昇が懸念され、先行きの不透明感が強まっております。
このような状況の中、当社は「第8次中期経営計画[Progression(プログレッション)-持続的な成長に向けて-]」をスタートさせ、「地域を支え、地域をつくり、地域とともに成長する企業グループ」「従業員が同じ目標に向かって、誇りとやりがいをもって働ける企業グループ」を目指し、業務に取り組んでまいりました。
当連結会計年度は、前期同様、冬場の蔵王を訪れるインバウンド客が増加したことに加え、蔵王坊平地区への誘客のため、蔵王ライザワールドのリフトに対し、下り乗車を可能とする改修を行い、蔵王坊平エリアの樹氷鑑賞ツアーを開始したこともあり、索道事業は大きく業績を伸ばしました。一般旅客自動車運送事業の乗合バス事業においても、山形蔵王間の路線バスをはじめ、冬期間の仙台蔵王間の都市間バスなど好調に推移しましたが、ドライバー不足が顕著になっており、貸切バス事業では思うように需要を取り込めていない状況が続いております。
このような中、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は次のとおりとなりました。
a.財政状態
(流動資産)
当連結会計年度末における流動資産は67億7千4百万円(前連結会計年度末60億円)となり、7億7千3百万円増加しました。これは主として、有価証券が1億円減少したものの、現金及び預金が9億2千2百万円増加したことによるものであります。
(固定資産)
当連結会計年度末における固定資産は157億9千9百万円(前連結会計年度末157億9千4百万円)となり、4百万円増加しました。これは主として、建物及び構築物が1億6千9百万円、長期性預金が2億円それぞれ減少したものの、投資有価証券が3億5百万円、リース資産が6千万円それぞれ増加したことによるものであります。
(流動負債)
当連結会計年度末における流動負債は74億9千9百万円(前連結会計年度末75億6千5百万円)となり、6千5百万円減少しました。これは主として、未払法人税等が8千万円増加したものの、短期借入金が1億5千万円減少したことによるものであります。
(固定負債)
当連結会計年度末における固定負債は49億9千5百万円(前連結会計年度末49億8千4百万円)となり、1千1百万円増加しました。これは主として、長期借入金が1億6千1百万円減少したものの、固定負債その他に含まれる繰延税金負債が1億3千2百万円増加したことによるものであります。
(純資産合計)
当連結会計年度末における純資産合計は100億7千8百万円(前連結会計年度末92億4千5百万円)となり、8億3千2百万円増加しました。これは主として、親会社株主に帰属する当期純利益等の計上により、利益剰余金が6億9千7百万円増加したことによるものであります。
b.経営成績
当連結会計年度の売上高は119億9千6百万円(前年同期比3.9%増)で、前連結会計年度に比べ4億5千9百万円の増収となりました。営業利益は3億8千4百万円(前年同期比8.8%増)の計上となり、前連結会計年度に比べ3千1百万円増加しました。営業外収益は路線バス運行補助金や持分法投資利益等、合計7億2百万円を計上し、営業外費用では支払利息等、合計8千8百万円を計上した結果、経常利益は9億9千7百万円(前年同期比3.6%減)となりました。特別利益は補助金収入等、合計1億3千6百万円を計上し、特別損失では固定資産圧縮損等、合計9千5百万円を計上したため、税金等調整前当期純利益は10億3千9百万円(前年同期比17.7%増)となり、親会社株主に帰属する当期純利益は6億9千7百万円(前年同期比7.1%減)となりました。
事業の種類別セグメントの経営成績は、次のとおりです。
(一般旅客自動車運送事業)
当連結会計年度は、乗合バス事業では、前期同様、当期も冬の蔵王を訪れるインバウンド客が増加したことにより、山形蔵王間の路線バスをはじめ、冬期間運行の仙台蔵王間の都市間バスなどが好調に推移しました。
一方、貸切バス事業では、教育旅行やイベント・催事に伴うシャトルバスの受注などもありましたが、慢性的な要員不足の中、乗合バスの運行が優先されるため、貸切バスの稼働台数に限りが生じ、受注抑制や庸車手配などによる調整を余儀なくされる厳しい状況が続いております。
ハイヤー・タクシー事業においては、8月に山形市内のタクシー事業者6社連携で地域密着型配車アプリ「きてけろタクシー」を導入、また1月末からは都市型配車アプリ「Uber Taxi」を導入し、配車の効率化と利用者の拡大を図りました。
この結果、売上高は37億3千8百万円となり、前連結会計年度に比べ6百万円増加(前年同期比0.1%増)しました。営業損失は3億5千6百万円で、前連結会計年度に比べ8千6百万円悪化しました。
(索道事業)
当連結会計年度は、前年同様、当期も冬の蔵王を訪れるインバウンド客が大幅に増加しており、なかでも欧米や東南アジアからのお客様の増加が目立ちました。また蔵王坊平地区にある蔵王ライザワールドでは、冬期リフトの下り乗車を可能にする改修を行い、蔵王坊平エリアの樹氷鑑賞ツアーを新たに開始し、インバウンド需要の更なる取り込みを図りました。
この結果、売上高は9億9千1百万円となり、前連結会計年度に比べ1億5千7百万円増加(前年同期比18.9%増)しました。営業利益は2億2千8百万円で、前連結会計年度に比べ6千7百万円増加しました。
(旅館業)
当連結会計年度は、蔵王坊平地区の蔵王ライザワールドでは、客室に空調設備を導入し、夏場の受け入れ態勢を整えました。その効果もあり、合宿団体のピークとなる8月に大学、実業団等の利用が増加したことに加え、9月には世界陸上に出場するポーランド代表チームの事前合宿の受入を行うなど、好調に推移しました。
この結果、売上高は1億4千9百万円となり、前連結会計年度に比べ2千7百万円増加(前年同期比22.7%増)しました。営業損失は1百万円で、前連結会計年度に比べ1千5百万円良化しました。
(不動産業)
当連結会計年度は、賃貸物件への新規入居や賃貸マンションの入居率が向上したことに加え、建築価格の高騰等の影響による分譲地販売が不調の中、1区画の分譲地を販売することができました。
この結果、売上高は10億6百万円となり、前連結会計年度とほぼ同額となり、営業利益は4億5千4百万円で、前連結会計年度に比べ4百万円増加しました。
(旅行業)
当連結会計年度は、募集型企画旅行では、商品ごとにテーマを掲げ、内容を深掘りした商品造成を行い、チラシ折り込みやホームページ、SNS等での告知により、販売強化に努めました。また受注型企画旅行では、法人の研修旅行に対する営業の強化を行いました。
この結果、売上高は2億7千6百万円となり、前連結会計年度に比べ1千9百万円増加(前年同期比7.6%増)しました。営業利益は3千9百万円で、前連結会計年度に比べ1千万円増加しました。
(スポーツ施設業)
当連結会計年度は、フィットネスクラブでは、諸物価高騰に伴い会費や利用料金の値上げを行ったことに加え、公共施設等に対しトレーニングマシンの販売を行いました。また蔵王ゴルフでは、天候に左右されることが多かったものの、秋のトップシーズンには多くのコンペを開催していただきました。
この結果、売上高は8億3千6千万円となり、前連結会計年度に比べ2千5百万円増加(前年同期比3.1%増)しました。営業損失は3千9百万円で、前連結会計年度に比べ2百万円良化しました。
(各種商品小売業)
当連結会計年度は、富士フイルムBI山形㈱では、DX推進等でペーパーレス化の加速が進み、主力のTSC売上が伸び悩んだものの、Windows10のサポート終了に伴うWindows11へのマイグレーション特需などがあり、売上が伸長しました。
この結果、売上高は41億1千6百万円となり、前連結会計年度に比べ2億1千9百万円増加(前年同期比5.6%増)しました。営業利益は6千9百万円となり、前連結会計年度に比べ4千4百万円増加しました。
(自動車整備事業)
当連結会計年度は、整備士不足により整備体制を確保することが厳しい状況の中、各営業所間で協力し整備体制を整え、営業を行いました。
この結果、売上高は1億3千7百万円となり、前連結会計年度とほぼ同額となりました。営業損失は6百万円で、前連結会計年度の営業利益0百万円から6百万円悪化しました。
(その他の事業)
その他の事業の主要となる遊園地事業は、ゴールデンウイークや夏休み期間のキャラクターショーの実施をはじめ、新企画「XR体験シューティングイベント」や「貸切ホラーイベント」など、様々なイベント・企画を実施し、収益の確保に努めました。しかしながら、春先の土日の悪天候や夏季の猛暑、秋の行楽シーズンの度重なる天候不良など、天候の影響を大きく受ける一年となりました。
この結果、その他の事業全体の売上高は7億4千3百万円となり、前連結会計年度に比べ3百万円増加(前年同期比0.5%増)しました。営業損失は6百万円で、前連結会計年度の営業利益1千6百万円から2千3百万円悪化しました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ6億8千7百万円増加し、当連結会計年度末には38億9千1百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動による資金の増加は、19億6千1百万円(前連結会計年度は17億5千5百万円の増加)となりました。これは主として、税金等調整前当期純利益10億3千9百万円の計上や減価償却費9億1千9百万円の計上により増加したものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動による資金の減少は、6億4千万円(前連結会計年度は7億9千3百万円の減少)となりました。これは主として、定期預金の払戻による収入4億円により増加し、固定資産の取得による支出5億7千2百万円や定期預金の預入による支出4億3千5百万円により減少したものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動による資金の減少は、6億3千4百万円(前連結会計年度は8億2千3百万円の減少)となりました。これは主として、長期借入れによる収入7億3千万円により増加し、長期借入金の返済による支出8億6千1百万円や短期借入金の純減額1億8千万円、ファイナンス・リース債務の返済による支出3億1千2百万円により減少したものであります。
③生産、受注及び販売の実績
販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメント毎に示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 金額(千円) | 前期比(%) |
| 一般旅客自動車運送事業 | 3,738,716 | 100.1 |
| 索道事業 | 991,096 | 118.9 |
| 旅館業 | 149,392 | 122.7 |
| 不動産業 | 1,006,851 | 99.9 |
| 旅行業 | 276,536 | 107.6 |
| スポーツ施設業 | 836,507 | 103.1 |
| 各種商品小売業 | 4,116,489 | 105.6 |
| 自動車整備事業 | 137,745 | 99.6 |
| その他の事業 | 743,529 | 100.5 |
| 合計 | 11,996,865 | 103.9 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.金額は販売価格によっております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額並びに開示に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、これらの見積りについて過去の実績等を勘案し合理的に判断していますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しておりますが、特に重要な会計上の見積り及び判断が必要となる項目は以下のとおりです。
a.繰延税金資産の評価
繰延税金資産の計上にあたっては、将来の課税所得見込み及びタックスプランニングに基づき繰延税金資産の回収可能性を検討しており、将来減算一時差異等のうち、将来の税金負担額を軽減する効果を有していると判断した部分についてのみ、繰延税金資産を計上しております。
今後、将来の課税所得見込みが減少する場合には、繰延税金資産の回収可能性について再度検討する必要があり、その結果、繰延税金資産の取崩が必要となる場合があります。
b.固定資産の減損
固定資産の減損損失の計上にあたっては、収益性が著しく低下した資産又は資産グループについて、割引前将来キャッシュ・フローを見積り、その総額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能額まで減額し、減少額を減損損失として計上しております。
減損の認識及び測定は慎重に検討を行っておりますが、資産又は資産グループの市場価格の下落や経営環境の悪化、収益性の低下等により、追加の減損処理又は新たな減損処理が必要となる場合があります。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.財政状態の分析
財政状態につきましては、「第2 事業の状況 4.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①経営状態及び経営成績の状況 a.財政状態」に記載のとおりであります。
b.経営成績の分析
経営成績につきましては、「第2 事業の状況 4.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①経営状態及び経営成績の状況 b.経営成績」に記載のとおりであります。
c.資本の財源及び資金の流動性についての分析
(キャッシュ・フロー)
当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「第2 事業の状況 4.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
(資本の財源及び資金の流動性)
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、商品販売における売上原価、人件費及び燃料油脂費などの販売費および一般管理費の営業費用並びに法人税等の支払によるものであります。投資資金需要の主なものは、設備投資等によるものであります。
当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。
短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資や長期運転資金の調達につきましては、金融機関からの長期借入を基本としております。
なお、当連結会計年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は80億1千万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は38億9千1百万円となっております。
d.経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等の達成・進捗状況
当社グループは、「地域を支え、地域をつくり、地域とともに成長する企業グループ」「従業員が同じ目標に向かって、誇りとやりがいをもって働ける企業グループ」を目指し、2025年4月より第8次中期経営計画をスタートしました。第8次中期経営計画の目標は連結売上高120億円以上及び連結経常利益4億円以上を目標に掲げ、売上の拡大と利益の確保に取り組んでまいりました。
当連結会計年度は、冬の蔵王を訪れるインバウンド客の増加が業績を大きく後押しし、連結売上高は119億9千6百万円となり目標にはあとわずかだったものの、連結経常利益は9億9千7百万円となり、大幅に目標を超過しております。今後も第8次中期経営計画で掲げた目標を達成すべく、各事業とも売上の拡大と利益の確保に取り組んでまいります。