四半期報告書-第157期第1四半期(令和3年4月1日-令和3年6月30日)
当第1四半期連結累計期間の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析は、以下のとおりであり
ます。
なお、文中の将来に関する事項は、当四半期報告書提出日現在(2021年8月13日)においてヤマトグループが判断したものであります。
(1)経営成績の状況
当第1四半期連結累計期間における経済環境は、世界的な新型コロナウイルス感染症の影響が続く中、製造業を中心に景況感の改善がみられるものの、国内外において感染が再拡大しており、依然として本格的な景気回復は見通しづらい状況にあります。
また、新型コロナウイルス感染症の影響により、テレワークの推進、診療や教育分野におけるサービスのオンライン化など、消費行動や生活様式が変化し、全産業のEC化が加速しています。
このような状況下、ヤマトグループは経営理念に掲げる「豊かな社会の実現への貢献」を通じた持続的な企業価値の向上を実現するため、グループ各社の経営資源を結集した新しいヤマト運輸を中核とする新たなグループ経営体制をスタートさせました。そして、2024年3月期を最終年度とする中期経営計画「Oneヤマト2023」に基づき、生活様式の変化と流通構造の変化に対応するサプライチェーンの変革に向けて、お客様や社会のニーズに対し、総合的な価値提供に取り組みました。
当第1四半期連結累計期間の連結業績は、以下のとおりとなりました。
当第1四半期連結累計期間の営業収益は4,198億41百万円となり、前第1四半期連結累計期間に比べ278億25百万円の増収となりました。
これは、前第1四半期連結累計期間における1回目の緊急事態宣言下で急増した需要の反動があったものの、成長が加速するEC領域への対応により荷物の取扱数量が増加したことやお客様の物流最適化に注力したことによるものです。
営業費用は4,071億7百万円となり、前第1四半期連結累計期間に比べ250億44百万円増加しました。
これは経営資源の最適配置によるコストの適正化を進めたものの、取扱数量の増加に伴う輸送費用の増加、燃料単価の上昇などに加え、本年4月からスタートした中期経営計画「Oneヤマト2023」の推進に伴う戦略的費用が増加したことなどによるものです。
この結果、当第1四半期連結累計期間の営業利益は127億34百万円となり、前第1四半期連結累計期間に比べ27億80百万円の増益となりました。
なお、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を当第1四半期連結会計期間の期首から適用しております。
また、当社および国内連結子会社は、資産の使用実態をより反映した費用配分を行うため、従来定率法を採用していた有形固定資産の減価償却方法を、当第1四半期連結会計期間より定額法に変更し、あわせて、一部の車両運搬具の耐用年数を変更しております。
詳細は、「第4 経理の状況 1 四半期連結財務諸表 注記事項(会計方針の変更等)」に記載のとおりであります。
<ヤマトグループ全体としての取組み>ヤマトグループは、お客様や社会の多様化するニーズに総合的な価値提供を目指す中期経営計画「Oneヤマト2023」に基づき、持続的な企業価値の向上に取り組んでいます。
また、新型コロナウイルス感染症に対応し、お客様に安心して宅急便をご利用いただくため、引き続き社員の衛生管理に最大限留意するとともに、非対面での荷物のお届けや接客時の感染防止対策の実施、ホームページを活用した情報発信など宅急便をはじめとする物流サービスの継続に向けた取組みに注力しました。
①グループ全体の生産性向上
多様化するお客様のニーズに応えるため、引き続き、データ分析に基づく需要や業務量予測の精度向上に努めるとともに、グループ経営資源の最適配置に取り組みました。また、リテール部門、法人部門、輸送機能本部、デジタル機能本部が連携し、作業のオペレーション改革や自動化、デジタル化による配送工程の最適化と標準化を推進し、第一線の社員がお客様に向き合う時間と集配対応力の拡大を進めるとともに、安全や品質向上へつなげる取組みを行いました。さらに、プロフェッショナルサービス機能本部が中心となり、第一線の社員の管理間接業務の削減に向けて、業務の標準化、電子化によるBPR(業務プロセス改革)に取り組みました。
②法人領域の成長による営業収益の拡大
新型コロナウイルス感染症の拡大を契機とした消費行動や生活様式の変化への対応を進める法人のお客様に対して、これまで分散していた営業機能と流通機能や物流機能、物流拠点を結ぶ幹線ネットワークなど法人向けの経営資源を最適化し、お客様の課題解決を支援する提案を推進しました。
営業情報を一元管理する法人ソリューション・コントロールセンターを起点として、あらゆる法人のお客様に最適な提案を創出し、第一線の営業活動を促進する取組みを開始しました。また、「宅急便」・「EAZY」の輸送モードに法人事業者向けネットワークを加えた輸配送ネットワークの構築に取り組み、ヤマトグループの各拠点と有機的に組み合わせて、お客様の物流の効率化を実現するなどサプライチェーン全体に対して総合的な価値提供に取り組みました。
引き続き拡大するECの需要に対して、配送パートナーである「EAZY CREW」の体制強化を推進するとともに、「置き配」時の伝票に第三者が個人情報を判別できない仕組みを導入するなど機能向上を図りました。また、配送のみならず、ライブコマース機能を活用した生産者向けの販売支援の取組みや、EC事業者様の調達や在庫流動化など物流の上流領域でのソリューション提案を推進しました。
③持続的な企業価値向上を実現する戦略の推進
持続的な企業価値向上を実現すべく、「Oneヤマト2023」では、データ戦略とイノベーション戦略の推進、経営体制の刷新とガバナンスの強化、「運創業」を支える人事戦略、資本効率の向上、およびサステナブル経営の強化に取り組んでいます。
データ戦略については、データ活用のさらなる高度化に向けてデジタルデータの整備とデジタル基盤の強化を図っています。また、イノベーション戦略については、「KURONEKO Innovation Fund」をはじめ、スタートアップの発掘と連携、新規事業創出に向けたスタートアップへの投資など、オープンイノベーションに向けた取組みを進めています。
新たなグループ経営体制に基づくガバナンスの強化については、経営の監督と執行の分離、経営の透明性の維持、強化など、コーポレート・ガバナンスの強化に継続して取り組むとともに、意思決定のスピードを重視したガバナンスの強化に取り組んでいます。
「運創業」を支える人事戦略については、経営層を含めた全社員のデジタルリテラシーの底上げとデジタル人材の早期育成のため、デジタル教育プログラムの充実に向けた取組みを推進しています。また、持続的な成長と持続可能な社会の発展を両立するため、「つなぐ、未来を届ける、グリーン物流」、「共創による、フェアで、“誰一人取り残さない”社会の実現への貢献」という2つのビジョンのもと、人や資源、情報を高度につなぎ、輸送をより効率化させるなど環境と社会に配慮した経営を推進しています。
<セグメント別の概況>当第1四半期連結会計期間より、報告セグメントの区分を変更しており、以下の前年四半期比較については、前年同四半期の数値を変更後のセグメント区分に組み替えた数値で比較分析しています。
○リテール部門
① リテール部門は、宅急便をはじめとする高品質な小口輸送サービスを提供しており、宅急便が持つあらゆるお客様との接点という特性を活かし、お客様のニーズに応える価値提供に取り組んでいます。当第1四半期連結累計期間においては、グループ全体のビジネスの起点として、生活様式やビジネス環境に伴うお客様の変化を第一線の社員が汲み取り、法人部門と連携してグループの経営資源を活用したソリューション提案に注力しました。また、プラットフォーム機能本部と連携し、5,000万人以上にご登録いただいている「クロネコメンバーズ」、法人のお客様約130万社以上ご利用いただいている「ヤマトビジネスメンバーズ」を中心に「送る」「受け取る」をより便利にするサービスや、輸送以外の生活・ビジネスに役立つ様々なサービスの拡充に取り組みました。
② 引き続き、お客様のニーズに応え、多様な受け取り方を提供するとともに、お客様の生活様式の変化を踏まえ、宅急便運賃や包装資材料金のお支払時のキャッシュレス化推進による利便性向上を図るため、QRコード決済を開始しました。また、輸送機能本部やデジタル機能本部と連携し各地域の需要と業務量予測の精度向上に努めるとともに、適正な人員配置や集配、幹線輸送の効率化により、生産性の向上を図りました。
③ 収益面は、多様化するニーズに応じた最適な荷物のお届けに取り組むとともに、法人部門と連携して小規模事業者様からの荷物獲得に注力した結果、外部顧客への営業収益は2,070億2百万円となり、前第1四半期連結累計期間に比べ3.4%増加しました。なお、前期急増したEC事業者様からの荷物を法人部門にシフトした結果、部門全体の営業収益は2,694億円となり、前第1四半期連結累計期間に比べ3.3%減少しました。
営業費用は、燃料単価の上昇や取扱数量増加に伴う輸送費用が増加した一方で、人件費が減少したことなどにより、前第1四半期連結累計期間に比べ1.0%減少したものの、営業利益は前第1四半期連結累計期間に比べ87.0%減少しました。
○法人部門
① 法人部門は、ビジネスの中・上流領域を含む企業物流のサプライチェーン全体への価値提供を推進しています。当第1四半期連結累計期間においては、物流オペレーションの改善や効率化に留まらず、お客様の経営判断に資するサプライチェーンマネジメント(SCM)戦略の企画立案、さらに実効性のあるプロジェクトの構築や管理運営まで担うアカウントマネジメントに取り組みました。また、サプライチェーンの下流領域でサービスをご利用いただいていたお客様に対して、中・上流領域での価値を提供するために、お客様との信頼関係を築きながら、サプライチェーンの課題や経営課題の特定、および課題に対するソリューション提案を進めました。
② 実店舗とECのオムニチャネルでの販売体制の構築を進める小売業の事業者様に対し、「Oneヤマト体制」のもとで再構築された拠点と輸送ネットワークを組み合わせ、お客様のオムニチャネルでの販売在庫を流動化し、在庫と物流を一元管理して最適化する取組みを推進しました。
③ 戦略的パートナーシップを締結したフランス発祥の大手コスメティック会社様に対しては、国内流通における最適なサプライチェーン構築に向けて、店舗販売員の販売体制強化への支援や、公式通販サイト購入商品のリードタイム短縮、受け取り方法の多様化等利便性の向上に取り組みました。
④ 成長が続くEC領域に対し、購入、配送、受取りの利便性と安全性を向上させる「EAZY」の拡販を推進しました。また、大手EC事業者様との連携のもと、オンラインショッピングモールに出店するEC事業者様の物流最適化に向けて、受注から出荷・配送まで運営に業務の全部または一部機能を代行するサービスの拡販とさらなる利便性の向上に取り組みました。
⑤ 外部顧客への営業収益は、EC需要拡大への対応や法人顧客の物流最適化の推進、新型コロナウイルス感染症の影響で停滞していた輸出入の荷動きが回復し始めたことなどにより1,903億55百万円となり、前第1四半期連結累計期間に比べ10.0%増加しました。営業利益は81億26百万円となり、前第1四半期連結累計期間に比べ306.6%増加しました。
(参考)
〇その他
① 当第1四半期連結累計期間においては、複数の企業グループのネットワークを用いたボックス輸送や車両整備サービスの拡販に取り組みました。
② 外部顧客への営業収益は224億83百万円となり、前第1四半期連結累計期間に比べ20.5%増加しました。営業利益は46億97百万円となり、前第1四半期連結累計期間に比べ43億54百万円増加しました。
① ヤマトグループは、人命の尊重を最優先とし、安全に対する様々な取組みを実施しており、輸送を主な事業とするグループ各社を中心に、安全管理規程の策定および管理体制の構築、年度計画の策定など、運輸安全マネジメントに取り組んでいます。当第1四半期連結累計期間には、安全意識の向上を図るため、グループ全体で「交通事故ゼロ運動」を実施するとともに、労働災害の防止に努めました。なお、子どもたちに交通安全の大切さを伝えることを目的として1998年より継続して全国の保育所・幼稚園・小学校などで実施している「こども交通安全教室」については、新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえて開催を見送りました。
② ヤマトグループは、グループ企業理念に基づき、法と社会的規範に則った事業活動を展開するとともに、コンプライアンス経営を推進しています。そして、企業価値の最大化を図ることを経営上の最重要課題の一つとして位置付け、コーポレート・ガバナンスの取組みの中で、経営体制の強化に向けた施策を実践しています。当第1四半期連結累計期間においては、グループ経営の健全性を高めるため、「Oneヤマト体制」のもと、グループガバナンスのさらなる強化を図りました。
③ ヤマトグループは、持続的な成長と持続可能な社会の発展を両立するため、中長期の経営のグランドデザインである経営構造改革プラン「YAMATO NEXT100」に基づき、サステナビリティの取組みを推進しています。そして、持続可能な未来を切り拓く将来の姿として掲げた「つなぐ、未来を届ける、グリーン物流」と、「共創による、フェアで、“誰一人取り残さない”社会の実現への貢献」の2つのビジョンの実現に向けて、サステナブル中期計画2023[環境・社会]を策定しました。現在、そして未来のお客様や地域のニーズを満たし、社会の発展を支えられる企業へと進化するために、各重要課題に対する具体的な行動の内容と2024年3月期までの到達目標を定めて、サステナブル経営の強化に取り組みました。
④ ヤマトグループは、サステナブル中期計画2023[環境・社会]の「環境」において、事業活動の環境負荷を減らすため総量目標を定めるとともに、資材や車等物流業界として革新的な技術の普及に貢献できる分野についても目標を定めました。多様なパートナーと協働した取組みやビジネス機会も目標とし、お客様やパートナー、地域社会のレジリエンスを高め、環境価値の創出に取り組んでいます。当第1四半期連結累計期間においては、GHG(温室効果ガス)の排出がより少ない車両への切り替えや台車、自転車等、GHGを排出しない集配方法の導入、再生可能エネルギー由来の電力の利用をするなど、長期目標として設定した2050年のCO₂排出実質ゼロ(自社排出)の実現に向けた取組みを推進しました。なお、次世代を担う子どもたちへの環境教育をサポートすることを目的として2005年より継続して全国各地で実施している「クロネコヤマト環境教室」については、新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえて開催を見送りました。
⑤ ヤマトグループは、サステナブル中期計画2023[環境・社会]の「社会」において、事業活動を通じて豊かな社会を実現するため、国際的な基準やニーズに応える取組みを計画に組み込みました。労働や人権も目標の対象とし、多様な人材の尊重や社員が活躍できる職場環境の整備を進めました。また、グループ最大の財産である約22万人の社員が、働きやすさと働きがいを持って働くことができる労働環境の整備に取り組みました。
⑥ ヤマトグループは、より持続的な社会的価値の創造に向けて、社会と価値を共有するCSV(クリエーティング・シェアード・バリュー=共有価値の創造)という概念に基づいた取組みを推進しています。当第1四半期連結累計期間においては、地域社会の健全で持続的な発展と地域の皆様の安心・快適な生活をサポートする「ネコサポステーション Fujisawa SST店」が神奈川県藤沢市のFujisawaサステナブル・スマートタウン内にオープンしました。この地域密着の新たなコミュニティ拠点において、家事サポートサービスをはじめ、IoT電球「HelloLight」を活用した見守りサービスや生活全般に関わる相談窓口の設置、地域の皆様が交流できるイベントの開催などに取り組んでいます。
⑦ ヤマトグループは、社会とともに持続的に発展する企業を目指し、公益財団法人ヤマト福祉財団を中心に、障がい者が自主的に働く喜びを実感できる社会の実現に向けて様々な活動を行っています。具体的には、パン製造・販売を営むスワンベーカリーにおける積極的な雇用や、クロネコDM便の委託配達を通じた働く場の提供、就労に必要な技術や知識の訓練を行う就労支援施設の運営など、障がい者の経済的な自立支援を継続的に行っています。
(2)財政状態
総資産は1兆1,195億18百万円となり、前連結会計年度末に比べ295億26百万円増加しました。これは主に、受取手形、売掛金及び契約資産が69億9百万円、投資有価証券が時価評価等により63億46百万円増加したことによるものであります。
負債は5,325億77百万円となり、前連結会計年度末に比べ268億73百万円増加しました。これは主に、短期借入金が200億円、未払費用が夏季賞与を計上したことなどにより584億75百万円増加した一方で、賞与引当金が240億66百万円減少したこと、および未払法人税等が法人税等の納付により239億95百万円減少したことによるものであります。
純資産は5,869億40百万円となり、前連結会計年度末に比べ26億53百万円増加しました。これは主に、その他の包括利益累計額が投資有価証券の時価評価等により55億9百万円増加した一方で、利益剰余金が会計方針の変更による累積的影響額により33億43百万円減少したことなどによるものであります。
以上により、自己資本比率は前連結会計年度の52.9%から51.7%となりました。
(3)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第1四半期連結累計期間において、ヤマトグループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(5)研究開発活動
当第1四半期連結累計期間における研究開発費の金額は7億8百万円であります。
なお、ヤマトグループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
ます。
なお、文中の将来に関する事項は、当四半期報告書提出日現在(2021年8月13日)においてヤマトグループが判断したものであります。
(1)経営成績の状況
当第1四半期連結累計期間における経済環境は、世界的な新型コロナウイルス感染症の影響が続く中、製造業を中心に景況感の改善がみられるものの、国内外において感染が再拡大しており、依然として本格的な景気回復は見通しづらい状況にあります。
また、新型コロナウイルス感染症の影響により、テレワークの推進、診療や教育分野におけるサービスのオンライン化など、消費行動や生活様式が変化し、全産業のEC化が加速しています。
このような状況下、ヤマトグループは経営理念に掲げる「豊かな社会の実現への貢献」を通じた持続的な企業価値の向上を実現するため、グループ各社の経営資源を結集した新しいヤマト運輸を中核とする新たなグループ経営体制をスタートさせました。そして、2024年3月期を最終年度とする中期経営計画「Oneヤマト2023」に基づき、生活様式の変化と流通構造の変化に対応するサプライチェーンの変革に向けて、お客様や社会のニーズに対し、総合的な価値提供に取り組みました。
当第1四半期連結累計期間の連結業績は、以下のとおりとなりました。
| 区分 | 前第1四半期 連結累計期間 | 当第1四半期 連結累計期間 | 増減 | 伸率(%) | |
| 営業収益 | (百万円) | 392,015 | 419,841 | 27,825 | 7.1 |
| 営業利益 | (百万円) | 9,953 | 12,734 | 2,780 | 27.9 |
| 経常利益 | (百万円) | 10,532 | 16,249 | 5,716 | 54.3 |
| 親会社株主に帰属する四半期純利益 | (百万円) | 3,453 | 11,705 | 8,252 | 239.0 |
当第1四半期連結累計期間の営業収益は4,198億41百万円となり、前第1四半期連結累計期間に比べ278億25百万円の増収となりました。
これは、前第1四半期連結累計期間における1回目の緊急事態宣言下で急増した需要の反動があったものの、成長が加速するEC領域への対応により荷物の取扱数量が増加したことやお客様の物流最適化に注力したことによるものです。
営業費用は4,071億7百万円となり、前第1四半期連結累計期間に比べ250億44百万円増加しました。
これは経営資源の最適配置によるコストの適正化を進めたものの、取扱数量の増加に伴う輸送費用の増加、燃料単価の上昇などに加え、本年4月からスタートした中期経営計画「Oneヤマト2023」の推進に伴う戦略的費用が増加したことなどによるものです。
この結果、当第1四半期連結累計期間の営業利益は127億34百万円となり、前第1四半期連結累計期間に比べ27億80百万円の増益となりました。
なお、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を当第1四半期連結会計期間の期首から適用しております。
また、当社および国内連結子会社は、資産の使用実態をより反映した費用配分を行うため、従来定率法を採用していた有形固定資産の減価償却方法を、当第1四半期連結会計期間より定額法に変更し、あわせて、一部の車両運搬具の耐用年数を変更しております。
詳細は、「第4 経理の状況 1 四半期連結財務諸表 注記事項(会計方針の変更等)」に記載のとおりであります。
<ヤマトグループ全体としての取組み>ヤマトグループは、お客様や社会の多様化するニーズに総合的な価値提供を目指す中期経営計画「Oneヤマト2023」に基づき、持続的な企業価値の向上に取り組んでいます。
また、新型コロナウイルス感染症に対応し、お客様に安心して宅急便をご利用いただくため、引き続き社員の衛生管理に最大限留意するとともに、非対面での荷物のお届けや接客時の感染防止対策の実施、ホームページを活用した情報発信など宅急便をはじめとする物流サービスの継続に向けた取組みに注力しました。
①グループ全体の生産性向上
多様化するお客様のニーズに応えるため、引き続き、データ分析に基づく需要や業務量予測の精度向上に努めるとともに、グループ経営資源の最適配置に取り組みました。また、リテール部門、法人部門、輸送機能本部、デジタル機能本部が連携し、作業のオペレーション改革や自動化、デジタル化による配送工程の最適化と標準化を推進し、第一線の社員がお客様に向き合う時間と集配対応力の拡大を進めるとともに、安全や品質向上へつなげる取組みを行いました。さらに、プロフェッショナルサービス機能本部が中心となり、第一線の社員の管理間接業務の削減に向けて、業務の標準化、電子化によるBPR(業務プロセス改革)に取り組みました。
②法人領域の成長による営業収益の拡大
新型コロナウイルス感染症の拡大を契機とした消費行動や生活様式の変化への対応を進める法人のお客様に対して、これまで分散していた営業機能と流通機能や物流機能、物流拠点を結ぶ幹線ネットワークなど法人向けの経営資源を最適化し、お客様の課題解決を支援する提案を推進しました。
営業情報を一元管理する法人ソリューション・コントロールセンターを起点として、あらゆる法人のお客様に最適な提案を創出し、第一線の営業活動を促進する取組みを開始しました。また、「宅急便」・「EAZY」の輸送モードに法人事業者向けネットワークを加えた輸配送ネットワークの構築に取り組み、ヤマトグループの各拠点と有機的に組み合わせて、お客様の物流の効率化を実現するなどサプライチェーン全体に対して総合的な価値提供に取り組みました。
引き続き拡大するECの需要に対して、配送パートナーである「EAZY CREW」の体制強化を推進するとともに、「置き配」時の伝票に第三者が個人情報を判別できない仕組みを導入するなど機能向上を図りました。また、配送のみならず、ライブコマース機能を活用した生産者向けの販売支援の取組みや、EC事業者様の調達や在庫流動化など物流の上流領域でのソリューション提案を推進しました。
③持続的な企業価値向上を実現する戦略の推進
持続的な企業価値向上を実現すべく、「Oneヤマト2023」では、データ戦略とイノベーション戦略の推進、経営体制の刷新とガバナンスの強化、「運創業」を支える人事戦略、資本効率の向上、およびサステナブル経営の強化に取り組んでいます。
データ戦略については、データ活用のさらなる高度化に向けてデジタルデータの整備とデジタル基盤の強化を図っています。また、イノベーション戦略については、「KURONEKO Innovation Fund」をはじめ、スタートアップの発掘と連携、新規事業創出に向けたスタートアップへの投資など、オープンイノベーションに向けた取組みを進めています。
新たなグループ経営体制に基づくガバナンスの強化については、経営の監督と執行の分離、経営の透明性の維持、強化など、コーポレート・ガバナンスの強化に継続して取り組むとともに、意思決定のスピードを重視したガバナンスの強化に取り組んでいます。
「運創業」を支える人事戦略については、経営層を含めた全社員のデジタルリテラシーの底上げとデジタル人材の早期育成のため、デジタル教育プログラムの充実に向けた取組みを推進しています。また、持続的な成長と持続可能な社会の発展を両立するため、「つなぐ、未来を届ける、グリーン物流」、「共創による、フェアで、“誰一人取り残さない”社会の実現への貢献」という2つのビジョンのもと、人や資源、情報を高度につなぎ、輸送をより効率化させるなど環境と社会に配慮した経営を推進しています。
<セグメント別の概況>当第1四半期連結会計期間より、報告セグメントの区分を変更しており、以下の前年四半期比較については、前年同四半期の数値を変更後のセグメント区分に組み替えた数値で比較分析しています。
○リテール部門
① リテール部門は、宅急便をはじめとする高品質な小口輸送サービスを提供しており、宅急便が持つあらゆるお客様との接点という特性を活かし、お客様のニーズに応える価値提供に取り組んでいます。当第1四半期連結累計期間においては、グループ全体のビジネスの起点として、生活様式やビジネス環境に伴うお客様の変化を第一線の社員が汲み取り、法人部門と連携してグループの経営資源を活用したソリューション提案に注力しました。また、プラットフォーム機能本部と連携し、5,000万人以上にご登録いただいている「クロネコメンバーズ」、法人のお客様約130万社以上ご利用いただいている「ヤマトビジネスメンバーズ」を中心に「送る」「受け取る」をより便利にするサービスや、輸送以外の生活・ビジネスに役立つ様々なサービスの拡充に取り組みました。
② 引き続き、お客様のニーズに応え、多様な受け取り方を提供するとともに、お客様の生活様式の変化を踏まえ、宅急便運賃や包装資材料金のお支払時のキャッシュレス化推進による利便性向上を図るため、QRコード決済を開始しました。また、輸送機能本部やデジタル機能本部と連携し各地域の需要と業務量予測の精度向上に努めるとともに、適正な人員配置や集配、幹線輸送の効率化により、生産性の向上を図りました。
③ 収益面は、多様化するニーズに応じた最適な荷物のお届けに取り組むとともに、法人部門と連携して小規模事業者様からの荷物獲得に注力した結果、外部顧客への営業収益は2,070億2百万円となり、前第1四半期連結累計期間に比べ3.4%増加しました。なお、前期急増したEC事業者様からの荷物を法人部門にシフトした結果、部門全体の営業収益は2,694億円となり、前第1四半期連結累計期間に比べ3.3%減少しました。
営業費用は、燃料単価の上昇や取扱数量増加に伴う輸送費用が増加した一方で、人件費が減少したことなどにより、前第1四半期連結累計期間に比べ1.0%減少したものの、営業利益は前第1四半期連結累計期間に比べ87.0%減少しました。
○法人部門
① 法人部門は、ビジネスの中・上流領域を含む企業物流のサプライチェーン全体への価値提供を推進しています。当第1四半期連結累計期間においては、物流オペレーションの改善や効率化に留まらず、お客様の経営判断に資するサプライチェーンマネジメント(SCM)戦略の企画立案、さらに実効性のあるプロジェクトの構築や管理運営まで担うアカウントマネジメントに取り組みました。また、サプライチェーンの下流領域でサービスをご利用いただいていたお客様に対して、中・上流領域での価値を提供するために、お客様との信頼関係を築きながら、サプライチェーンの課題や経営課題の特定、および課題に対するソリューション提案を進めました。
② 実店舗とECのオムニチャネルでの販売体制の構築を進める小売業の事業者様に対し、「Oneヤマト体制」のもとで再構築された拠点と輸送ネットワークを組み合わせ、お客様のオムニチャネルでの販売在庫を流動化し、在庫と物流を一元管理して最適化する取組みを推進しました。
③ 戦略的パートナーシップを締結したフランス発祥の大手コスメティック会社様に対しては、国内流通における最適なサプライチェーン構築に向けて、店舗販売員の販売体制強化への支援や、公式通販サイト購入商品のリードタイム短縮、受け取り方法の多様化等利便性の向上に取り組みました。
④ 成長が続くEC領域に対し、購入、配送、受取りの利便性と安全性を向上させる「EAZY」の拡販を推進しました。また、大手EC事業者様との連携のもと、オンラインショッピングモールに出店するEC事業者様の物流最適化に向けて、受注から出荷・配送まで運営に業務の全部または一部機能を代行するサービスの拡販とさらなる利便性の向上に取り組みました。
⑤ 外部顧客への営業収益は、EC需要拡大への対応や法人顧客の物流最適化の推進、新型コロナウイルス感染症の影響で停滞していた輸出入の荷動きが回復し始めたことなどにより1,903億55百万円となり、前第1四半期連結累計期間に比べ10.0%増加しました。営業利益は81億26百万円となり、前第1四半期連結累計期間に比べ306.6%増加しました。
(参考)
| 区分 | 前第1四半期 連結累計期間 | 当第1四半期 連結累計期間 | 増減 | 伸率(%) | |
| 宅配便 (宅急便・宅急便コンパクト・EAZY・ネコポス) | (百万個) | 491 | 539 | 48 | 9.8 |
| クロネコDM便 | (百万冊) | 194 | 212 | 18 | 9.7 |
〇その他
① 当第1四半期連結累計期間においては、複数の企業グループのネットワークを用いたボックス輸送や車両整備サービスの拡販に取り組みました。
② 外部顧客への営業収益は224億83百万円となり、前第1四半期連結累計期間に比べ20.5%増加しました。営業利益は46億97百万円となり、前第1四半期連結累計期間に比べ43億54百万円増加しました。
② ヤマトグループは、グループ企業理念に基づき、法と社会的規範に則った事業活動を展開するとともに、コンプライアンス経営を推進しています。そして、企業価値の最大化を図ることを経営上の最重要課題の一つとして位置付け、コーポレート・ガバナンスの取組みの中で、経営体制の強化に向けた施策を実践しています。当第1四半期連結累計期間においては、グループ経営の健全性を高めるため、「Oneヤマト体制」のもと、グループガバナンスのさらなる強化を図りました。
③ ヤマトグループは、持続的な成長と持続可能な社会の発展を両立するため、中長期の経営のグランドデザインである経営構造改革プラン「YAMATO NEXT100」に基づき、サステナビリティの取組みを推進しています。そして、持続可能な未来を切り拓く将来の姿として掲げた「つなぐ、未来を届ける、グリーン物流」と、「共創による、フェアで、“誰一人取り残さない”社会の実現への貢献」の2つのビジョンの実現に向けて、サステナブル中期計画2023[環境・社会]を策定しました。現在、そして未来のお客様や地域のニーズを満たし、社会の発展を支えられる企業へと進化するために、各重要課題に対する具体的な行動の内容と2024年3月期までの到達目標を定めて、サステナブル経営の強化に取り組みました。
④ ヤマトグループは、サステナブル中期計画2023[環境・社会]の「環境」において、事業活動の環境負荷を減らすため総量目標を定めるとともに、資材や車等物流業界として革新的な技術の普及に貢献できる分野についても目標を定めました。多様なパートナーと協働した取組みやビジネス機会も目標とし、お客様やパートナー、地域社会のレジリエンスを高め、環境価値の創出に取り組んでいます。当第1四半期連結累計期間においては、GHG(温室効果ガス)の排出がより少ない車両への切り替えや台車、自転車等、GHGを排出しない集配方法の導入、再生可能エネルギー由来の電力の利用をするなど、長期目標として設定した2050年のCO₂排出実質ゼロ(自社排出)の実現に向けた取組みを推進しました。なお、次世代を担う子どもたちへの環境教育をサポートすることを目的として2005年より継続して全国各地で実施している「クロネコヤマト環境教室」については、新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえて開催を見送りました。
⑤ ヤマトグループは、サステナブル中期計画2023[環境・社会]の「社会」において、事業活動を通じて豊かな社会を実現するため、国際的な基準やニーズに応える取組みを計画に組み込みました。労働や人権も目標の対象とし、多様な人材の尊重や社員が活躍できる職場環境の整備を進めました。また、グループ最大の財産である約22万人の社員が、働きやすさと働きがいを持って働くことができる労働環境の整備に取り組みました。
⑥ ヤマトグループは、より持続的な社会的価値の創造に向けて、社会と価値を共有するCSV(クリエーティング・シェアード・バリュー=共有価値の創造)という概念に基づいた取組みを推進しています。当第1四半期連結累計期間においては、地域社会の健全で持続的な発展と地域の皆様の安心・快適な生活をサポートする「ネコサポステーション Fujisawa SST店」が神奈川県藤沢市のFujisawaサステナブル・スマートタウン内にオープンしました。この地域密着の新たなコミュニティ拠点において、家事サポートサービスをはじめ、IoT電球「HelloLight」を活用した見守りサービスや生活全般に関わる相談窓口の設置、地域の皆様が交流できるイベントの開催などに取り組んでいます。
⑦ ヤマトグループは、社会とともに持続的に発展する企業を目指し、公益財団法人ヤマト福祉財団を中心に、障がい者が自主的に働く喜びを実感できる社会の実現に向けて様々な活動を行っています。具体的には、パン製造・販売を営むスワンベーカリーにおける積極的な雇用や、クロネコDM便の委託配達を通じた働く場の提供、就労に必要な技術や知識の訓練を行う就労支援施設の運営など、障がい者の経済的な自立支援を継続的に行っています。
(2)財政状態
総資産は1兆1,195億18百万円となり、前連結会計年度末に比べ295億26百万円増加しました。これは主に、受取手形、売掛金及び契約資産が69億9百万円、投資有価証券が時価評価等により63億46百万円増加したことによるものであります。
負債は5,325億77百万円となり、前連結会計年度末に比べ268億73百万円増加しました。これは主に、短期借入金が200億円、未払費用が夏季賞与を計上したことなどにより584億75百万円増加した一方で、賞与引当金が240億66百万円減少したこと、および未払法人税等が法人税等の納付により239億95百万円減少したことによるものであります。
純資産は5,869億40百万円となり、前連結会計年度末に比べ26億53百万円増加しました。これは主に、その他の包括利益累計額が投資有価証券の時価評価等により55億9百万円増加した一方で、利益剰余金が会計方針の変更による累積的影響額により33億43百万円減少したことなどによるものであります。
以上により、自己資本比率は前連結会計年度の52.9%から51.7%となりました。
(3)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第1四半期連結累計期間において、ヤマトグループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(5)研究開発活動
当第1四半期連結累計期間における研究開発費の金額は7億8百万円であります。
なお、ヤマトグループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。