有価証券報告書-第154期(平成30年4月1日-平成31年3月31日)

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2019/06/21 9:09
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当連結会計年度より、報告セグメントの区分を変更しており、以下の前連結会計年度との比較については、前連結会計年度の数値を変更後のセグメント区分に組み替えた後の数値で比較・分析を行っております。
また、「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号 2018年2月16日)を当連結会計年度の期首から適用しており、財政状態については、当該会計基準を遡って適用した後の数値で前連結会計年度との比較・分析を行っております。
なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在においてヤマトグループが判断したものであります。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度におけるヤマトグループの財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
ⅰ.財政状態
総資産は1兆1,236億59百万円となり、前連結会計年度に比べ87億89百万円増加しました。
負債は5,502億70百万円となり、前連結会計年度に比べ70億12百万円減少しました。
純資産は5,733億88百万円となり、前連結会計年度に比べ158億1百万円増加しました。
ⅱ.経営成績
当連結会計年度における経済環境は、企業業績は底堅さを維持し緩やかな回復基調が続いているものの、海外政治情勢による影響など、引き続き、先行きは不透明な状況にあります。また、消費スタイルの急速な変化に伴うEC市場の拡大等による小口貨物の増加基調に加え、国内労働需給の逼迫など、物流業界は厳しい経営環境が継続しています。
このような状況下、ヤマトグループは高品質なサービスを提供し続けるため、「働き方改革」を経営の中心に据え、「デリバリー事業の構造改革」、「非連続成長を実現するための収益・事業構造改革」、「持続的に成長していくためのグループ経営構造改革」の3つの改革を柱とする中期経営計画「KAIKAKU 2019 for NEXT100」に基づき、ヤマトグループが持続的に成長していくための経営基盤の強化に取り組んでいます。
デリバリー事業においては、収益力の回復と集配キャパシティの拡大を両立させるべく、プライシングの適正化やお客様からの信頼と期待に応えるための集配体制の強化など、ラストワンマイルネットワークの再構築を推進しました。その結果、改革に係る費用が増加する中で、宅急便単価が上昇したことなどにより、業績は堅調に推移しました。
ノンデリバリー事業においては、グループ各社の強みを活かした既存サービスの拡充に取り組むとともに、グループ横断的に連携してお客様の課題解決に当たるソリューション営業を積極的に推進しました。
当連結会計年度の連結業績は以下のとおりとなりました。
区分前連結会計年度当連結会計年度増減伸率(%)
営業収益(百万円)1,538,8131,625,31586,5015.6
営業利益(百万円)35,68558,34522,65963.5
経常利益(百万円)36,08554,25918,17350.4
親会社株主に帰属する当期純利益(百万円)18,23125,6827,45040.9

上記のとおり、営業収益は1兆6,253億15百万円となり、前連結会計年度に比べ865億1百万円の増収となりました。これは主に、デリバリー事業の構造改革を推進したことにより、宅急便取扱数量は減少したものの、宅急便単価が上昇したことによるものです。営業費用は1兆5,669億69百万円となり、前連結会計年度に比べ638億41百万円増加しました。これは主に、集配体制の構築に向けて増員などを進めたことで、委託費は減少したものの人件費が増加したことなどによるものであります。
この結果、営業利益は583億45百万円となり、前連結会計年度に比べ226億59百万円の増益となりました。
経常利益は、海外関連会社に係るのれんの減損などにより持分法による投資損失が35億17百万円増加しましたが、前連結会計年度に比べ181億73百万円増益の542億59百万円となりました。
特別利益は、訴訟の判決確定により受取遅延損害金17億75百万円を計上したことなどにより18億22百万円となりました。特別損失は、減損損失を20億87百万円、投資有価証券評価損を13億96百万円計上したことなどにより38億23百万円となりました。
この結果、税金等調整前当期純利益は522億58百万円となり、法人税等(法人税等調整額を含む。)および非支配株主に帰属する当期純利益を控除した親会社株主に帰属する当期純利益は256億82百万円となり、前連結会計年度に比べ74億50百万円の増益となりました。
なお、ヤマトホームコンビニエンス株式会社が法人のお客様の社員向けに提供している引越サービスにおいて不適切な請求があったため、調査結果を踏まえた見積り影響額31億4百万円を計上しておりましたが、お客様への対応を進めた結果、影響額は20億25百万円となりました。
<ヤマトグループ全体としての取組み>イ.ヤマトグループは、グループの原点である「全員経営」を実践するため、「働き方改革」を最優先課題とし、ヤマト運輸株式会社の「働き方改革室」、グループ各社の「働き方創造委員会」を中心に、社員がより「働きやすさ」と「働きがい」を持ち、イキイキと働ける労働環境の整備に全社一丸で取り組んでいます。また、各事業が一体となって付加価値の高い事業モデルを創出し、日本経済の成長戦略と、国際競争力の強化に貢献する「バリュー・ネットワーキング」構想を推進するとともに、事業の創出・成長の基盤となる健全な企業風土の醸成に取り組んでいます。
ロ.健全な企業風土の醸成に向けて、引き続き輸送体制の整備やITによる業務量の見える化など、業務の効率性・信頼性を向上させる施策を推進するとともに、安全施策や環境施策、地域活性化に向けた取組みなど、ヤマトグループの事業活動に結びついたCSR活動およびグループ全体のガバナンスの抜本的、かつ包括的な再構築を積極的に推進しています。
ハ.「バリュー・ネットワーキング」構想の更なる進化に向け、ヤマトグループのネットワークを活かした高付加価値モデルの創出に取り組んでいます。国内外のお客様の様々なニーズに対応するために、既存のラストワンマイルネットワークに加え、「羽田クロノゲート」、「沖縄国際物流ハブ」、関東・中部・関西の主要都市を繋ぐ各ゲートウェイなどの革新的なネットワーク基盤を、より効果的に活用していきます。
ニ.グローバル市場に対しては、クロスボーダー物流の拡大に対応すべく、日本・東アジア・東南アジア・欧州・米州の5極間の連携と各地域の機能強化に取り組んでいます。また、既にヤマトグループ8社が取得した小口保冷配送サービスに関する国際規格の認証を梃とし、高付加価値なクロスボーダー・ネットワークの構築を積極的に推進しています。
ホ.EC市場を中心としたお客様の利便性向上を図るべく、引き続き駅やコンビニエンスストアなどを中心にオープン型宅配便ロッカーネットワークの構築を積極的に推進するなど、手軽に荷物を受け取ることができる環境の整備に取り組むとともに、自動運転技術の活用など、次世代物流サービスの開発に取り組んでいます。また、深刻化する労働力不足などの社会的課題や、益々拡大するEC市場に対応するため、物流全体におけるデジタル化、自動化や輸送効率化にも取り組んでいます。当連結会計年度においては、大量輸送が可能な長大連結トレーラを活用して複数事業者による共同幹線輸送を開始し、国土交通省より改正物流総合効率化法の対象として認定を受けました。
<事業フォーメーション別の概況>○デリバリー事業
宅急便、クロネコDM便の取扱数量は以下のとおりです。
区分前連結会計年度当連結会計年度増減伸率(%)
宅急便(百万個)1,8361,803△33△1.8
クロネコDM便(百万冊)1,4641,211△253△17.3

イ.デリバリー事業は、お客様にとって一番身近なインフラとなり、豊かな社会の実現に貢献するために、宅急便を中心とした事業の展開に取り組んでいます。
ロ.消費スタイルの急速な変化に伴うEC市場の拡大等による小口貨物の増加基調に加え、国内労働需給の逼迫など厳しい事業環境が継続している中、当連結会計年度においては、前連結会計年度に引き続き、収益力の回復と集配キャパシティの拡大を両立させるべく、プライシングの適正化やお客様の信頼と期待に応えるための集配体制の強化など、ラストワンマイルネットワークの再構築を推進しました。また、輸送効率を高め、ネットワーク全体を最適化するために幹線ネットワークの構造改革にも取り組みました。
ハ.成長が続くEC市場に対しては、小さな荷物を手軽に送ることができる「宅急便コンパクト」、「ネコポス」の拡販を進めるとともに、複数のフリマサイトと連携し、発送窓口拡大を推進しています。当連結会計年度においては、EC事業者様と連携し、お客様が商品を購入した場合に、受け取り場所としてヤマト運輸株式会社の営業所やコンビニエンスストア、オープン型宅配便ロッカー(PUDOステーション)を指定できる環境を提供するとともに、個人のお客様向け会員制サービス「クロネコメンバーズ」の利用促進に取り組みました。また、フリマサイトやEC事業者様と連携し、個人のお客様が商品をオープン型宅配便ロッカー(PUDOステーション)から簡単に発送できる環境を整備し、更なる利便性の向上を図りました。
ニ.法人のお客様については、お客様の経営課題を的確に把握し、その課題に沿ったソリューション提案を積極的に推進しています。また、グループの経営資源を活用した付加価値の高い提案を行い、収益性の向上に取り組んでいます。当連結会計年度においては、利便性を高める機能を拡充した法人のお客様向け会員制サービス「ヤマトビジネスメンバーズ」の加入を促進するなど、お客様のビジネスの支援に取り組みました。
ホ.地域の課題解決に向けて、複数の自治体や企業と連携し、買い物困難者の支援、高齢者の見守り支援など、住民へのサービス向上に取り組みました。また、観光支援や地域産品の販路拡大支援など、地元産業の活性化につながる取組みを推進しました。
ヘ.営業収益は、「デリバリー事業の構造改革」を推進したことにより、当連結会計年度の宅急便取扱数量は減少したものの、宅急便単価が上昇した結果1兆2,972億22百万円となり、前連結会計年度に比べ7.9%増加しました。営業利益は、改革に係る費用が増加する中で407億87百万円となり、前連結会計年度に比べ340億30百万円改善しました。
○BIZ-ロジ事業
イ.BIZ-ロジ事業は、宅急便ネットワークをはじめとした経営資源に、ロジスティクス機能、メンテナンス・リコール対応機能、医療機器の洗浄機能、国際輸送機能などを組み合わせることにより、お客様に革新的な物流システムを提供しています。
ロ.EC業界等に向けたサービスとしては、お客様のご要望に応じて、受発注処理から在庫の可視化、スピード出荷などの多様な物流支援サービスをワンストップで提供しています。当連結会計年度においては、既存のお客様を中心にサービスの拡販を推進しました。
ハ.メディカル事業者様に向けたサービスとしては、医療機器のローナー支援(保管・洗浄・配送)をはじめとする、物流改革の支援サービスを展開しています。当連結会計年度においては、既存の大口のお客様を中心にサービスのご利用が拡大しました。
ニ.営業収益は、貿易物流サービスやメンテナンスサービスの拡販が進んだことや業界別のソリューション提供が進展したことなどにより1,474億37百万円となり、前連結会計年度に比べ1.6%増加しました。営業利益は、事業成長に向けた費用が先行したことなどにより33億29百万円となり、前連結会計年度に比べ52.8%減少しました。
○ホームコンビニエンス事業
イ.ホームコンビニエンス事業は、お客様の便利で快適な生活の実現に向けて、ヤマトグループの全国ネットワークを活用し、生涯生活支援サービスや法人活動支援サービスなどを提供しています。
ロ.営業収益は、法人のお客様の社員向けに提供している引越サービスにおいて不適切な請求があったため、個人のお客様向けを含むすべての引越サービスの新規受注を7月以降順次休止したことなどにより334億4百万円となり、前連結会計年度に比べ25.5%減少しました。なお、当該不適切な請求に関し、調査結果を踏まえた見積り影響額31億4百万円を計上しておりましたが、お客様への対応を進めた結果、影響額は20億25百万円となりました。利益面においても、上記の影響額に加え、すべての引越サービスの新規受注を休止したことなどにより、営業損失は77億64百万円となりました。
○e-ビジネス事業
イ.e-ビジネス事業は、お客様の業務プロセスの効率化や潜在的な課題の解決に向けて、情報機能に物流機能、決済機能を融合させたソリューションプラットフォームビジネスを積極的に展開しています。また、グループの事業成長を加速させるため、従来のITにとどまらず、AIやIoTなどを用いた新技術の活用を推進しています。
ロ.お客様の業務効率化に向けたサービスとしては、金融業界向けに、お手続き時の本人確認書類や必要書類を、スマホやパソコン等Web上でアップロードすることで、ご契約者様が安全・簡単に書類提出できる「証明書類Web取得サービス」を提供しています。当連結会計年度においては、銀行、保険業界に対して積極的にサービスの拡販に取り組みました。
ハ.営業収益は、「証明書類Web取得サービス」の拡販や、既存のお客様に対する営業強化によりシステム構築案件の獲得が進展したものの、宅急便取扱数量減少に伴う、お客様のシステム処理件数減少の影響などにより265億92百万円となり、前連結会計年度に比べ2.6%減少しました。営業利益は、利益率が高い既存サービスの取扱いが堅調に推移したことなどにより87億40百万円となり、前連結会計年度に比べ10.0%増加しました。
○フィナンシャル事業
イ.フィナンシャル事業は、通販商品の代金回収、企業間の決済、および車両のリースなど、お客様の様々なニーズにお応えする決済・金融サービスを展開しています。
ロ.決済サービスに関しては、主力商品である「宅急便コレクト」の提供に加えて、ネット総合決済サービス「クロネコwebコレクト」や「クロネコ代金後払いサービス」、電子マネー決済機能の利用拡大を推進しています。当連結会計年度においては、今後も拡大が見込まれるEC市場に対して、事業者様が新規参入するために必要なショッピングカート機能、決済、配送をワンストップで支援できる「らくうるカート」の拡販に取り組みました。また、「クロネコメンバーズ」の会員情報との連携により、ネットショップを利用する購入者様の利便性向上と、EC事業者様の売上拡大に貢献するID決済サービス「クロネコペイ」の拡販を推進するなど、サービスの向上に注力しました。
ハ.リース事業では、トラックを中心としたファイナンス・リースや割賦販売の拡販に取り組むとともに、車両の紹介や売却サポートなどの周辺業務を展開し、車両に関するトータルソリューション提案を推進しました。
ニ.営業収益は、「クロネコwebコレクト」や「クロネコ代金後払いサービス」の利用が増加しているものの、決済ニーズの変化による代引き市場の縮小などに伴い、「宅急便コレクト」の取扱いが減少したことなどにより799億66百万円となり、前連結会計年度に比べ3.6%減少しました。営業利益は62億44百万円となり、前連結会計年度に比べ21.1%減少しました。
○オートワークス事業
イ.オートワークス事業は、物流事業者様へ「車両整備における利便性の向上」、「整備費用の削減」という価値を提供するため、会員制で定期メンテナンスを実施し、お客様の稼働を止めないサービスを24時間365日営業体制で展開しています。さらに、「物流施設、設備機器の維持保全・職場環境改善」やこれらの資産を対象に「お客様のリスクマネジメントに繋がる最適な保険提案」という機能を付加することで、お客様の資産稼働率を高めるサービスを展開しています。
ロ.車両整備サービスでは、セールスドライバーの作業負担軽減や安全運転の支援、排気ガス削減を実現する小型EVトラックや、観光地に導入された大型EVバスの点検・整備を担うとともに、運送事業者様に向けてIoTの活用により人と車両の状態をデータ化して運行管理の質を高める「スマート点呼」を開発するなど、新たな領域への対応にも着手しています。
ハ.営業収益は、車両取扱台数の増加などにより259億85百万円となり、前連結会計年度に比べ5.5%増加しました。営業利益は、モノづくりメーカーの生産方式を取り入れた業務の標準化や見える化などの業務プロセス効率化が進展したことなどにより44億33百万円となり、前連結会計年度に比べ7.1%増加しました。
○その他
イ.「JITBOXチャーター便」は、複数の企業グループのネットワークを用いたボックス輸送を通じて、お客様に「適時納品」や「多頻度適量納品」という付加価値を提供しています。当連結会計年度においては、既存のサービスが好調であったことにより、ご利用が着実に拡大しました。
ロ.営業利益は、ヤマトホールディングス株式会社がグループ各社から受け取る配当金などを除いて22億19百万円となり、前連結会計年度に比べ1.5%減少しました。
イ.ヤマトグループは、人命の尊重を最優先とし、安全に対する様々な取組みを実施しています。当連結会計年度においては、海外を含めたグループ全体で「交通事故ゼロ運動」を実施したことに加え、ヤマト運輸株式会社が「第8回全国安全大会」を開催し、プロドライバーとしての安全運転のレベルアップと全社の安全意識や運転技術の向上に取り組みました。また、子どもたちに交通安全の大切さを伝える「こども交通安全教室」を1998年より継続して全国の保育所・幼稚園・小学校などで開催しており、累計参加人数は約328万人となりました。
ロ.ヤマトグループは、環境保護活動を「ネコロジー」と総称し、環境に優しい物流の仕組みづくりに取り組んでいます。また、次世代を担う子どもたちへの環境教育をサポートする「クロネコヤマト環境教室」を2005年より継続して全国各地で開催しており、累計参加人数は約24万人となりました。
ハ.ヤマトグループは、社会とともに持続的に発展する企業を目指し、公益財団法人ヤマト福祉財団を中心に、障がい者が自主的に働く喜びを実感できる社会の実現に向けて様々な活動を行っています。具体的には、パンの製造・販売を営むスワンベーカリーにおける積極的な雇用や、クロネコDM便の委託配達を通じた働く場の提供、就労に必要な技術や知識の訓練を行う就労支援施設の運営など、障がい者の経済的な自立支援を継続的に行っています。当連結会計年度においては、スワンベーカリーを運営する当社特例子会社の株式会社スワンが、ベトナムのパートナー会社と加盟店契約を締結し、海外初のフランチャイズ店となるスワンカフェ&ベーカリーをベトナムのホーチミン市内へ出店しました。
ニ.ヤマトグループは、より持続的な社会的価値の創造に向けて、社会と価値を共有するCSV(クリエーティング・シェアード・バリュー=共有価値の創造)という概念に基づいた取組みを推進しています。当連結会計年度においては、過疎化や高齢化が進む中山間地域等のバス・鉄道路線網の維持と物流の効率化による地域住民の生活サービス向上を目的とする「客貨混載」を、全国14道県で推進しました。観光地においては、訪日外国人に向けて「客貨混載」を活用した手ぶら観光サービスを開始するなど、地域経済の活性化にも取り組みました。また、ライフステージの変化が進む都市郊外部の団地内において、拠点を活用した地域コミュニティの活性化や、買い物・家事代行などくらしのサポートサービスを提供することで、地域住民が快適に生活できる町づくりを支援する取組みを推進しました。さらに、全国各地で高齢者の見守り支援や観光支援、地域産品の販路拡大支援など、ヤマトグループの経営資源を活用した地域活性化や課題解決に行政と連携して取り組み、現在取組みを実施中、または検討段階の案件数は966件となりました。
ホ.ヤマトグループは、社会的インフラとしてお客様をはじめ社会の信頼に応えていくために、コンプライアンス経営を推進し、労働時間管理ルールの見直しや社員の新しい働き方を創造するなど、社員が「働きやすさ」と「働きがい」を持ち、イキイキと働ける労働環境の整備を進め、「働き方改革」に全社を挙げて取り組んでいます。
② キャッシュ・フローの状況
○営業活動によるキャッシュ・フロー
営業活動によるキャッシュ・フローは1,180億93百万円の収入となり、前連結会計年度に比べ収入が663億65百万円増加しました。これは主に、税金等調整前当期純利益が191億34百万円増加したこと、および売上債権の増減額が219億97百万円増加したことによるものであります。
○投資活動によるキャッシュ・フロー
投資活動によるキャッシュ・フローは548億72百万円の支出となり、前連結会計年度に比べ支出が136億98百万円増加しました。これは主に、有形固定資産の取得による支出が113億86百万円増加したことによるものであります。
○財務活動によるキャッシュ・フロー
財務活動によるキャッシュ・フローは709億47百万円の支出となり、前連結会計年度に比べ支出が340億17百万円増加しました。これは主に、借入金の収支による支出が233億19百万円、社債の償還による支出が100億円増加したことによるものであります。
以上により、当連結会計年度における現金及び現金同等物は1,946億50百万円となり、前連結会計年度末に比べ82億12百万円減少しました。
③ 生産、受注及び販売の実績
セグメントごとの事業別営業収益は次のとおりであります。
なお、ヤマトグループは、貨物運送事業を中心とするサービスを主要な商品としているため、生産および受注の実績は記載を省略しております。
セグメントの名称前連結会計年度
(自 2017年4月1日
至 2018年3月31日)
当連結会計年度
(自 2018年4月1日
至 2019年3月31日)
比 較
増減率
(%)
事業金額
(百万円)
構成比
(%)
金額
(百万円)
構成比
(%)
デリバリー
事業
宅急便1,099,34171.41,199,08473.89.1
クロネコDM便82,5425.473,0624.5△11.5
エキスプレス42,4562.841,6152.6△2.0
その他102,8816.7100,6986.2△2.1
内部売上消去△125,453△8.2△117,237△7.2△6.5
1,201,76978.11,297,22279.87.9
BIZ-ロジ
事業
貿易物流サービス39,0752.541,8292.67.0
販売物流サービス46,4933.042,2472.6△9.1
マルチメンテナンス15,5861.015,9591.02.4
プロダクツ
ロジスティクス
4,7970.35,1790.38.0
テクニカル
ネットワーク※
4,4280.31,5470.1△65.1
e-ロジ
ソリューション※
12,3810.810,8900.7△12.0
その他※54,0493.556,7583.55.0
内部売上消去△31,663△2.1△26,973△1.7△14.8
145,1489.4147,4379.11.6
ホームコンビニ
エンス事業
ホームコンビニエンス41,9382.730,9451.9△26.2
ビジネス
コンビニエンス
16,3961.115,0940.9△7.9
内部売上消去△13,467△0.9△12,636△0.8△6.2
44,8682.933,4042.1△25.5
e-ビジネス
事業
カードソリューション9,7330.69,3730.6△3.7
ITオペレーティング6,9710.57,4700.57.2
e-通販
ソリューション
5,8990.45,8440.4△0.9
その他※47,2483.150,8273.17.6
内部売上消去△42,549△2.8△46,922△2.910.3
27,3031.826,5921.6△2.6
フィナンシャル
事業
ペイメント34,8832.332,1622.0△7.8
リース40,4982.640,1812.5△0.8
クレジット
ファイナンス
3,7680.23,4790.2△7.7
その他6,7850.47,0560.44.0
内部売上消去△2,979△0.2△2,913△0.2△2.2
82,9565.479,9664.9△3.6

セグメントの名称前連結会計年度
(自 2017年4月1日
至 2018年3月31日)
当連結会計年度
(自 2018年4月1日
至 2019年3月31日)
比 較
増減率
(%)
事業金額
(百万円)
構成比
(%)
金額
(百万円)
構成比
(%)
オートワークス
事業
トラック
ソリューション
48,7683.250,4863.13.5
その他8,8680.69,6200.68.5
内部売上消去△32,994△2.1△34,121△2.13.4
24,6411.625,9851.65.5
その他JITBOX
チャーター便
10,4670.712,6090.820.5
その他48,9353.251,6513.25.5
内部売上消去△47,277△3.1△49,556△3.04.8
12,1250.814,7050.921.3
合 計1,538,813100.01,625,315100.05.6

※ 当連結会計年度より、中期経営計画「KAIKAKU 2019 for NEXT100」における、組織構造改革と経営システム刷新を目的とした組織再編に伴い、一部の事業について、報告セグメントの区分を変更しております。主に次のとおり事業区分を変更し、あわせて前連結会計年度の数値を組み替えて表示しております。
・ホームコンビニエンス事業のテクニカルネットワーク事業を、BIZ-ロジ事業に含めて表示しております。
・e-ビジネス事業のe-ロジソリューション事業をBIZ-ロジ事業に含めて表示し、e-ビジネス事業のその他に含めていたe-オンデマンドソリューション事業およびセットアップ・ロジソリューション事業をBIZ-ロジ事業のその他に含めて表示しております。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点によるヤマトグループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりであります。
① 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
ⅰ.財政状態
総資産は1兆1,236億59百万円となり、前連結会計年度に比べ87億89百万円増加しました。これは主に、デリバリー事業における車両の取得や拠点の新設などにより有形固定資産が238億60百万円増加した一方で、現金及び預金が84億67百万円、持分法による投資損失の計上などにより投資有価証券が58億27百万円減少したことによるものであります。
負債は5,502億70百万円となり、前連結会計年度に比べ70億12百万円減少しました。これは主に、フィナンシャル事業を中心に借入金が469億52百万円減少したこと、および当社発行の社債が償還期限到来により100億円減少した一方で、主にデリバリー事業における施設などの新規リース契約の締結によりリース債務が171億44百万円増加したこと、およびデリバリー事業の業績改善などに伴い未払法人税等が127億27百万円増加したことによるものであります。
純資産は5,733億88百万円となり、前連結会計年度に比べ158億1百万円増加しました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益が256億82百万円となったこと、および剰余金の配当を110億39百万円実施したことなどにより、利益剰余金が146億42百万円増加したことによるものであります。
以上により、自己資本比率は前連結会計年度の49.4%から50.4%となりました。
ⅱ.経営成績
営業収益は1兆6,253億15百万円となり、前連結会計年度に比べ865億1百万円の増収となりました。これは主に、デリバリー事業の構造改革を推進したことにより、宅急便取扱数量は減少したものの、宅急便単価が上昇したことによるものです。営業費用は1兆5,669億69百万円となり、前連結会計年度に比べ638億41百万円増加しました。これは主に、集配体制の構築に向けて増員などを進めたことで、委託費は減少したものの人件費が増加したことなどによるものであります。
この結果、営業利益は583億45百万円となり、前連結会計年度に比べ226億59百万円の増益となりました。
経常利益は、海外関連会社に係るのれんの減損などにより持分法による投資損失が35億17百万円増加しましたが、前連結会計年度に比べ181億73百万円増益の542億59百万円となりました。
特別利益は、訴訟の判決確定により受取遅延損害金17億75百万円を計上したことなどにより18億22百万円となりました。特別損失は、減損損失を20億87百万円、投資有価証券評価損を13億96百万円計上したことなどにより38億23百万円となりました。
この結果、税金等調整前当期純利益は522億58百万円となり、法人税等(法人税等調整額を含む。)および非支配株主に帰属する当期純利益を控除した親会社株主に帰属する当期純利益は256億82百万円となり、前連結会計年度に比べ74億50百万円の増益となりました。
1株当たり当期純利益は65.14円となり、前連結会計年度に比べ18.90円増加しました。
○デリバリー事業
営業収益は、「デリバリー事業の構造改革」を推進したことにより、当連結会計年度の宅急便取扱数量は減少したものの、宅急便単価が上昇した結果1兆2,972億22百万円となり、前連結会計年度に比べ7.9%増加しました。営業利益は、改革に係る費用が増加する中で407億87百万円となり、前連結会計年度に比べ340億30百万円改善しました。
○BIZ-ロジ事業
営業収益は、貿易物流サービスやメンテナンスサービスの拡販が進んだことや業界別のソリューション提供が進展したことなどにより1,474億37百万円となり、前連結会計年度に比べ1.6%増加しました。営業利益は、事業成長に向けた費用が先行したことなどにより33億29百万円となり、前連結会計年度に比べ52.8%減少しました。
○ホームコンビニエンス事業
営業収益は、法人のお客様の社員向けに提供している引越サービスにおいて不適切な請求があったため、個人のお客様向けを含むすべての引越サービスの新規受注を7月以降順次休止したことなどにより334億4百万円となり、前連結会計年度に比べ25.5%減少しました。なお、当該不適切な請求に関し、調査結果を踏まえた見積り影響額31億4百万円を計上しておりましたが、お客様への対応を進めた結果、影響額は20億25百万円となりました。利益面においても、上記の影響額に加え、すべての引越サービスの新規受注を休止したことなどにより、営業損失は77億64百万円となりました。
○e-ビジネス事業
営業収益は、「証明書類Web取得サービス」の拡販や、既存のお客様に対する営業強化によりシステム構築案件の獲得が進展したものの、宅急便取扱数量減少に伴う、お客様のシステム処理件数減少の影響などにより265億92百万円となり、前連結会計年度に比べ2.6%減少しました。営業利益は、利益率が高い既存サービスの取扱いが堅調に推移したことなどにより87億40百万円となり、前連結会計年度に比べ10.0%増加しました。
○フィナンシャル事業
営業収益は、「クロネコwebコレクト」や「クロネコ代金後払いサービス」の利用が増加しているものの、決済ニーズの変化による代引き市場の縮小などに伴い、「宅急便コレクト」の取扱いが減少したことなどにより799億66百万円となり、前連結会計年度に比べ3.6%減少しました。営業利益は62億44百万円となり、前連結会計年度に比べ21.1%減少しました。
○オートワークス事業
営業収益は、車両取扱台数の増加などにより259億85百万円となり、前連結会計年度に比べ5.5%増加しました。営業利益は、モノづくりメーカーの生産方式を取り入れた業務の標準化や見える化などの業務プロセス効率化が進展したことなどにより44億33百万円となり、前連結会計年度に比べ7.1%増加しました。
○その他
営業利益は、ヤマトホールディングス株式会社がグループ各社から受け取る配当金などを除いて22億19百万円となり、前連結会計年度に比べ1.5%減少しました。
ⅲ.キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況につきましては、「第2 事業の状況 3. 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
② 資本の財源及び資金の流動性
ヤマトグループは、ネットワーク構築、デジタル・イノベーション関連などの事業継続および事業成長に対する投資計画に照らし、必要資金についてはグループ資金を活用するとともに、金融機関からの借入および社債発行により対応しております。また、フィナンシャル事業においては、リース業、信用購入あっせん業を行っており、運転資金については主にグループ資金を活用し対応しております。
③ 目標とする指標の達成状況等
ヤマトグループは、中期経営計画の最終年度となる2020年3月期において、連結営業収益1兆6,700億円、連結営業利益720億円(連結営業利益率4.3%)、ROE7.7%を達成することを目標としております。
当連結会計年度の連結業績は「働き方改革」および「構造改革」の推進過程で費用は増加したものの、プライシングの適正化を推進したことなどによる増収効果がこれを上回った結果、増収増益となりました。
中期経営計画の最終年度である2020年3月期の連結業績見通しについては、ラストワンマイルネットワークの再構築を推進し、集配キャパシティを拡大することなどにより、宅急便取扱個数が中期経営計画の想定を上回る見込みであることなどから、連結営業収益は1兆6,950億円、連結営業利益は720億円を見込んでおります。
今後も「働き方改革」および「構造改革」を推進し、体制構築による集配キャパシティの拡大と収益力回復を両立させるとともに、技術革新への対応を実行するなど経営基盤の強化に取り組み、持続的な成長を目指してまいります。

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