有価証券報告書-第59期(2022/04/01-2023/03/31)
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社並びに持分法適用子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における我が国経済は、新型コロナウイルス感染症(以下「感染症」という。)の行動制限解除の下、経済活動の持ち直しの動きがみられたものの、世界的な情勢不安、円安の進行等に伴う原材料価格上昇、物価高騰の影響など、依然として景気の先行き不透明な状態が続いております。
当連結会計年度の経営成績は、売上高は前連結会計年度に大型物件売却のあった不動産再生事業の減収があったものの、タクシー事業及びバス事業で行動制限解除による緩やかな回復及び竣工物件の順調な引渡しがあった不動産分譲事業の増収等により98,972百万円(前連結会計年度比6.6%増)となり、営業利益はタクシー事業で燃料費が前連結会計年度比19.9%(617百万円)増加等によりセグメント損失933百万円となったものの、不動産賃貸事業及び不動産分譲事業等のセグメント利益が貢献したことで2,650百万円(同677.3%増)、経常利益は感染症に伴う補助金及び燃料費補助金等を営業外収益に計上したことにより4,212百万円(同157.2%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は2,150百万円(前連結会計年度は親会社株主に帰属する当期純損失842百万円)となりました。
セグメントの業績は、次のとおりであります。
(タクシー事業)
タクシー業界においては、感染症拡大抑止に伴う外出自粛や訪日外国人等の利用減少が、全国的に乗務員の離職を招いたことにより、急回復したタクシー需要への供給量不足が継続しております。
当社グループにおいては、引き続き「ママサポートタクシー」(78地域、累計登録者数457千人、利用回数はのべ1,109千回、うち陣痛時利用37千回)、「子どもサポートタクシー」、「No.1タクシーネットワーク」(提携及び商流サービス利用を含め690社)など、サービス展開を全国の営業所にて推進しております。路線バス廃止や交通不便地区での移動困難者の外出を支援する「おでかけ乗合タクシー」(71市町村294路線)、「救援事業・便利屋タクシー」、「お墓参りサポートタクシー」、低濃度オゾン発生装置の全車搭載など、他社との差別化を図っております。また、脱炭素社会への取り組みとして、住友商事グループ等とタクシー電動化プロジェクトを福岡市内で実施、電脳交通社との共同提案で採択されたNEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)の「グリーンイノベーション基金事業」も活用し、第一弾としてEVタクシー101台を導入、今後は「全国タクシーEV化プロジェクト」として、タクシー車両のEV化及び配車システムでの運用効率化に係る開発・実証により、全国で持続可能な環境配慮型タクシー事業の実現を図ります。
コロナ禍での営業車両の稼働制限と乗務員への休業手当の支給、乗務員募集・採用では国土交通省「働きやすい職場認証制度」のPR、事業所内保育所や近隣保育施設との業務提携、若年者の採用優遇制度「夢チャレ」、事業所見学会の実施、インターネット、ホームページ、テレビCM等の活用により女性乗務員や若年層の採用を進めることで、若返り及び定着を図っております。(括弧内の数値はいずれも2023年3月31日現在)
まん延防止等重点措置解除による利用者の穏やかな回復により、売上高は46,807百万円(前連結会計年度比21.1%増)となり、国土交通省のコロナ対策の特例休車による経費節減のほか、広範囲にわたる経費削減に取り組んだものの、稼働の増加と燃料単価の上昇により燃料費が前連結会計年度比19.9%(617百万円)増加した結果、セグメント損失は933百万円(前連結会計年度はセグメント損失2,668百万円)となりました。
タクシー認可台数は前連結会計年度末比81台増の8,155台ですが、このうちタクシー特措法に基づく特定地域内で稼働ができない状態(休車)の9台及びコロナ対策の特例休車553台が含まれており、稼働可能な台数は7,593台となっております。なお、認可台数に含まれていない預かり減車179台は、将来UD車等で復活が可能となっております。
(バス事業)
バス業界においては、感染症拡大に伴う外出自粛、国内観光客及び訪日外国人の消失等の影響による団体旅行の利用減少が継続しておりましたが、回復傾向となっております。
当社グループの沖縄県内の路線バス部門では、交通系ICカード「OKICA」の運用、スクールバスの受託、3市町村5路線でのコミュニティバスの運行、沖縄県基幹急行バスなど各種実証実験や需要に応じた新規路線の運行、「沖縄本土復帰50周年」に伴う旧首里バスの復刻版ラッピングバスの運行、ANAグループ等と協力して沖縄県産品の販路拡大、地域活性化を目的とした那覇空港連絡バスでの貨客混載、「沖縄スマートシフトプロジェクト」ではMaaSアプリ「my route」内でバス1日乗車券やデジタルチケットを販売、「那覇バスターミナル」ではデジタル多言語案内板等による利用者の利便性向上に努めておりますが、感染症が完全終息していないこともあり、通勤・通学者の利用減少が継続しております。なお、脱炭素社会への取り組みとして2022年4月18日から沖縄県内初の小型EV路線バス2台を、2023年3月13日から大型EV路線バス1台をそれぞれ那覇市内線で運行開始しております。
一方で、沖縄県内の貸切バス部門においては、バスガイド・乗務員で構成する音楽ユニット「うたばす」による営業活動に取り組んでおり、あわせて貸切バス車両に抗菌・抗ウイルス効果が高い光触媒の施工を行っております。アフターコロナ対策としては、動画配信サイトで沖縄でのバス旅行の魅力を配信し、学校ともオンライン交流を行っており、当社グループ5社が認証を取得した国土交通省「働きやすい職場認証制度」のPRによる乗務員等の採用にも注力しております。
バス事業全体では、沖縄県を中心に感染症拡大抑止に伴う団体旅行やインバウンド需要の落ち込みが続くなか、行動制限が無い状況が継続し、大型イベントの再開など輸送人員が増加したこともあり、売上高は5,673百万円(前連結会計年度比44.5%増)となり、国土交通省のコロナ対策の特例休車による経費節減のほか、広範囲にわたる経費削減に取り組んだ結果、セグメント損失は727百万円(前連結会計年度はセグメント損失1,677百万円)となりました。また、バス認可台数は、前連結会計年度末から3台増の684台ですが、コロナ対策の特例休車7台が含まれており、稼働可能な台数は677台となっております。
(不動産分譲事業)
不動産分譲事業では、感染症の行動制限の緩和下でも、来場を躊躇されるお客様向けに一部の物件で、実際のモデルルームを360°見ることができる3Dモデルルームの設置、オンラインシステムを利用した商談等も準備し、お客様のニーズに合った営業活動を行っております。
このような状況の下、マンション販売におきましては、北九州において「小倉砂津」(73戸)、「城野タワー」(70戸)など3棟231戸、福岡において「西新サウス」(39戸)など2棟95戸、鹿児島において「かんまちタワーレジデンス」(52戸)、大阪において「泉大津東雲」(58戸)など2棟141戸、その他エリア2棟242戸、合計10棟761戸を新規販売開始するとともに、北九州において竣工前完売の「小倉小文字通り」(51戸)など2棟198戸、福岡において「都府楼前駅」(103戸)、兵庫において竣工前完売の「御影山手」(74戸)、大阪において「河内松原」(83戸)、その他エリア3棟223戸を含めて合計8棟681戸の新規竣工物件のうち契約済物件の引渡し及び完成在庫の販売により、売上高は25,842百万円(前連結会計年度比1.7%増)となりました。
戸建住宅におきましては、第一ホーム㈱の「ユニエクセラン」シリーズを、北九州において「光貞台」(11区画)など15区画、福岡において「糸島プレイズ」(47区画)など88区画を新規販売するとともに、完成在庫の販売に取り組みましたが、売上高は2,860百万円(前連結会計年度比15.9%減)となりました。
不動産分譲事業全体の売上高は、プロジェクト用地の売却等その他3,510百万円を加えた32,213百万円(前連結会計年度比2.1%増)となり、セグメント利益は2,125百万円(同8.0%減)となりました。
(不動産賃貸事業)
不動産賃貸業界においては、感染症の影響により、企業のリモートワーク普及に伴うオフィスの縮小が続いており、加えて原材料価格・人件費等の高騰に伴う飲食店の減少が懸念されています。
当社グループでは、九州沖縄・中国・近畿・北陸・関東・東北・北海道の15道府県で、飲食ビルを中心に商業施設・オフィスビル・マンション・倉庫・駐車場等2,007戸の賃貸及び管理を行っております。飲食ビルテナントへの取組みとして、九州地区で当社グループタクシーとテナント内で利用が出来る「共通クーポン券」の販売を前年に引き続き実施し、飲食ビルの利用客増加、既存テナントの囲い込み及び新規入居の推進を図っており、今後も継続して営業支援に取り組むとともに、タクシー事業の拠点となる主要地域においてシナジー効果と営業エリアの拡大、パーキング事業との連携強化を進めることで、収益力の高い賃貸物件の購入を積極的に行い、賃料収入の向上に努めてまいります。
売上高につきましては、飲食ビル等の入居率の回復により4,884百万円(前連結会計年度比3.9%増)、セグメント利益は2,407百万円(同4.5%増)となりました。
(不動産再生事業)
当社グループにおける不動産再生事業は、主に不動産担保融資に特化した金融事業より集まる不動産情報に、付加価値を高めマーケットにマッチした再生物件として販売しており、不動産市況や経済動向を見ながら積極的に展開しております。
売上高につきましては、前連結会計年度に福岡県糟屋郡の流通倉庫用地の引渡しや東京都港区新橋のオフィスビル等の大型物件の売却が重なったのに比し、那覇市の商業用地の売却、東京都港区三田マンションプロジェクトの引渡し等の中規模物件の売却に留まり、4,757百万円(前連結会計年度比50.6%減)、セグメント利益は725百万円(同41.2%減)となりました。
(金融事業)
当社グループにおける金融事業は不動産担保融資に特化しており、先行きの不透明感はあるものの、目先の堅調な不動産市場動向に支えられ、良質資産の積み上げに努めておりますが、前連結会計年度以降の大口回収や貸出審査の厳格化等により、不動産担保ローンの融資残高は9,954百万円(前連結会計年度末比2,303百万円減)となりました。
売上高につきましては、前連結会計年度における大口貸出金の回収が重なった影響のほか、金利引下げ対応や新規貸付の減少の結果915百万円(前連結会計年度比3.8%減)、セグメント利益も108百万円(同59.4%減)となりました。
(その他事業)
その他事業においては、自動車の点検・整備、LPGの販売、パーキング事業及びマンション管理等により、売上高は3,721百万円(前連結会計年度比9.8%増)、セグメント損失は889百万円(前連結会計年度はセグメント損失1,237百万円)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、投資活動によるキャッシュ・フローが2,347百万円の支出があったものの、財務活動によるキャッシュ・フローが5,615百万円の獲得及び営業活動によるキャッシュ・フローが775百万円の獲得により、前連結会計年度末に比べ4,040百万円増加し、15,570百万円となっております。
各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果獲得した資金は775百万円(前連結会計年度は11,906百万円の獲得)となりました。これは主に、棚卸資産の増加による資金の減少11,660百万円、役員退職慰労引当金の減少による資金の減少3,080百万円があったものの、仕入債務の増加による資金の増加3,800百万円、減価償却費3,386百万円及びその他の資産及び負債の増加による資金の増加2,677百万円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は2,347百万円(前連結会計年度は2,000百万円の使用)となりました。これは主に、事業用資産の車両、土地・建物の取得を中心とした有形及び無形固定資産の取得による支出2,201百万円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果獲得した資金は5,615百万円(前連結会計年度は9,383百万円の使用)となりました。これは主に、長期借入金の返済による支出16,831百万円があったものの、長期借入れによる収入20,903百万円及び短期借入金の増加による資金の増加2,771百万円によるものであります。
③営業の状況
(販売実績)
前連結会計年度と当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)セグメント間の取引については相殺消去しております。
(タクシー事業)
a.タクシー事業営業実績
(注)1.タクシー特措法に基づく特定地域内で稼働が出来ない休車を、前連結会計年度の期末在籍車両数に9台、当連結会計年度の期末在籍車両数に9台、それぞれ含んでおります。
また、コロナ対策特例休車等を、前連結会計年度の期末在籍車両数に618台、当連結会計年度の期末在籍車両数に553台、それぞれ含んでおります。
2.稼働率については、普通車(小型・中型)を掲載しており、コロナ対策特例休車等を控除して掲載しております。
b.燃料の入手量及び使用量
c.燃料の価格の推移
(注)価格は実際購入価格の平均であり、消費税等は含まれておりません。
(バス事業)
営業実績
(注)1.コロナ対策特例休車を、前連結会計年度の期末在籍車両数に44台、当連結会計年度の期末在籍車両数に7台、それぞれ含んでおります。
2.稼働率については、コロナ対策特例休車を控除して掲載しております。
(不動産分譲事業)
a.売上高の内訳
[前連結会計年度]
(注)共同事業における金額は、全体の金額を当社持分比率で按分した金額を計上しております。
[当連結会計年度]
(注)共同事業における金額は、全体の金額を当社持分比率で按分した金額を計上しております。
b.分譲住宅の契約実績
(注)1.共同事業における金額は、全体の金額を当社持分比率で按分した金額を計上しております。
2.マンションの1棟売り等は、その他に含めて計上しています。
(不動産賃貸事業)
営業実績
(不動産再生事業)
売上高の内訳
(金融事業)
売上高の内訳
[前連結会計年度]
[当連結会計年度]
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループ(当社及び連結子会社並びに持分法適用子会社)が判断したものであります。
1.当連結会計年度の経営成績についての分析
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症(以下「感染症」)の感染予防に伴う企業収益の改善が遅れていた、旅行・旅客運送・サービス業を中心に急回復基調となりました。個人消費は政府の各種施策もあり持ち直しの動きが見られ、当社グループのタクシー・バス事業においても、公共交通機関として必要な人員を確保しつつ、お客様を第一として、需要動向を踏まえ事業を運営してまいりました。しかしながら、訪日外国人の地方での観光需要は回復途上に加え、移動需要が停滞で影響を受けた、タクシー事業及びバス事業は感染症拡大前に比して減収が継続しており、前連結会計年度に大型物件売却のあった不動産再生事業の減収があったものの、タクシー事業及びバス事業で行動制限解除による緩やかな回復及び竣工物件の順調な引渡しがあった不動産分譲事業の増収等により売上高は98,972百万円(前連結会計年度比6.6%増)となり、営業利益はタクシー事業で燃料費が前連結会計年度比19.9%(617百万円)増加等によりセグメント損失933百万円となったものの、不動産賃貸事業及び不動産分譲事業等のセグメント利益が貢献したことで2,650百万円(同677.3%増)、経常利益は感染症に伴う補助金及び燃料費補助金等を営業外収益に計上したことにより4,212百万円(同157.2%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は2,150百万円(前連結会計年度は親会社株主に帰属する当期純損失842百万円)となりました。
(1)売上高及びセグメント利益等
①タクシー事業
当社グループの中核事業であるタクシー業界では、高齢乗務員の退職に伴う乗務員の人材確保・育成など継続的な課題に加え、配車アプリの開発・シェア争いと同時に事業活性化に取り組むとともに、改正タクシー特措法に基づく需給バランスの改善や地域公共交通の再構築など、多様化する利用者ニーズへの対応が期待されており、路線バスの廃止や交通空白地域の住民の移動手段の確保として、地方自治体との乗合タクシーの運行連携も増加しております。
このような環境の下、当社グループにおきましては、配車センターによるGPSを活用した車両の配置管理、関係先・取引先からの紹介営業の推進、乗務員と配車司令室の接客マナーの向上、乗務員制服の着用、優良乗務員とハイグレード車両を組み合わせたプレミアムタクシーの導入など選ばれるタクシーとなるべく取り組みに努めております。また、「安全運転は最高のサービス」との基本に立ち「交通事故0への挑戦」を掲げ、乗務員の安全意識の改革や視聴覚・予防研修にも努めるとともに、乗務員の若返り及び定着に注力してまいりました。
利便性の向上と他社との差別化については、車内多言語通訳サービス、電子マネー・交通系ICカード・クレジットカードの共用決済端末により、キャッシュレス決済の利用者を取り込むとともに、QRコード決済を全国のタクシー車両に導入することにより、中国系の「ALIPAY」「WeChatPay」対応、キャンペーン等で利用者が拡大した「PayPay」「auPAY」「d払い」等にも対応しております。効率的でスピーディーな配車とデータ収集を可能とする高機能デジタル無線の導入、タクシー自動配車アプリ「モタク」、訪日外国人向けで開始した配車アプリ「DiDi」「Uber」等とも連携しております。国内の出張者・旅行者向けには、営業エリア34都道府県のスケールメリットを活かした「全国タクシー予約センター」と当社グループの空白地帯では「No.1タクシーネットワーク」提携会社(2023年3月31日現在690社)とタクシーチケットの相互利用により、利用者の利便性向上と営業拡販に注力しております。
また、全国的に拡大した「ママサポートタクシー」は、助産師から講習を受けた乗務員が「おもいやりの心」で対応することで、妊産婦や子育て中の女性に好評を博しており、「子どもサポートタクシー」も、子育てシッター養成講座を受講した乗務員がお子様の送迎を行うため、ご要望の多いエリアに順次拡大しております。路線バス廃止地区や交通不便地区での乗合タクシーの運行や「65歳以上運転免許証返納者割引」(お出かけ支援サービス)、お墓参りを代行する「お墓参りサポートタクシー」はコロナ禍の高齢者のニーズや高齢者事故の防止にも寄与しております。乗務員募集・採用では、大阪府内や北九州市内で託児所(企業主導型保育施設)の運営や営業所近隣の保育施設との提携、全営業所で認定を受けた「女性ドライバー応援企業」のPR、若年層の採用優遇制度「夢チャレ」、WEBサイトやテレビ等でのイメージアップCMの放映などにより、女性乗務員や若年層の採用を進めることで、若返り及び定着を図っており、他社との共同求人サイト「WAY」も運営しております。
当連結会計年度においても、感染症拡大に伴う外出自粛、観光地や大都市圏を中心に利用者の減少の継続はあるものの、全国的な輸送人員の回復は継続し、売上高は46,807百万円(前連結会計年度比21.1%増)となり、損益面では、稼働増加と価格高騰による燃料費の増加があったものの、本社主導の管理体制の下で営業所の統廃合などの合理化と備品購入や施設使用料の見直し、効果的な広告宣伝や燃費向上のための徹底した指導及び車両の代替基準の厳正化の継続、国土交通省のコロナ対策の特例による休車等経費の節減により、セグメント損失は933百万円(前連結会計年度はセグメント損失2,668百万円)となりました。
当社グループといたしましては、お客様に満足頂くサービスの向上を目指すことを基本に、不動産賃貸事業を中心に当社グループのタクシー事業以外のお取引先及び不動産分譲事業等の購入者の囲い込みと、環境に配慮したハイブリッド車やEV車(電気自動車)の導入、衝突警報装置を搭載することで追突・漫然運転の防止を図るほか、スケールメリットを生かしてタクシー車両の効率配置を行うことで、同業他社との差別化を図ってまいります。
また、当社グループでは自動車修理工場(北九州・福岡・宮崎・沖縄・広島・大阪・京都・名古屋・仙台・札幌)及びLPGスタンド(北九州・鹿児島・東京・千葉)の事業を行うことにより、常にタクシー車両メンテナンスのコストとLPG供給のコストの把握に努め、その他の地域においては、地元の自動車修理工場とタクシー車両のメンテナンス契約並びに大手石油商社等の斡旋による地元のLPGスタンドとの代行充填契約を行うことで、修繕費・燃料費の節減を図ってまいります。他にも、従来のハイブリッド車にLPG燃料も使用できるように、自社で専用キットで改造したリアルハイブリッド車を導入、2015年3月にはタクシー業界初の水素燃料で発電走行する燃料電池車を導入するなど、燃料費節減や環境配慮の取組みを推進しております。なお、その他の経費については、当社グループのスケールメリットを生かして、自動車任意保険の加入に際しては、支払保険料割引の有利なグループフリート契約を行うほか、消耗品等の仕入を一括購入することで市価より安く入手するなど、常に経費の節減を図ってまいります。
②バス事業
当社グループにおいては、観光バス事業を福岡市・北九州市・沖縄県那覇市・山口県光市・島根県益田市・広島市・堺市等、路線バス事業を沖縄県那覇市等で行っております。沖縄県内の路線バス部門では、催事に合わせたフリー乗車券や企画乗車券、モノレールとの共通1日乗車券のほか、高齢者向け割引定期券、日曜・祝日ファミリー割引制度、スクールバス、コミュニティバスの運行、バスロケーションシステムの運用、携帯電話決済端末の搭載により利用者の利便性の向上に繋げております。2015年4月から対応した沖縄本島交通系ICカード「OKICA」は、2015年8月に定期券方式にも対応しております。2018年10月に開業した那覇バスターミナルでは、新設備の待合室、デジタル多言語案内板等で、通勤利用者や外国人観光客の利便性を向上しております。沖縄県内の観光バス部門においては、外国人観光客に対応した観光案内パンフレットやホームページを活用した定期観光コースの紹介、定期観光バス4台に、8カ国語自動音声ガイドを導入するなどインバウンド対応を強化、バスガイド・乗務員で構成する三線ユニット「うたばす」による団体旅行者向けライブ活動で話題作りやリピーター客の創出を図るなど、県内外の利用者から高い評価を頂き、大手旅行社とのパッケージツアーも設定しております。
また、燃料費の削減のための省燃費運動の一環として、自社内の安全・教育センターに導入したインターネット適性診断システム「ナスバネット」の活用や教習車により、燃費向上と事故件数の削減に加え、利用者にやさしい安全運転にも努めております。
バス事業の売上高につきましては、外国人観光客の沖縄県への入域が感染症まん延前に比べ減少幅が大きいものの、国内観光客の沖縄県への入域や各種大型イベントの再開等で、貸切バスの輸送人員が回復した結果5,673百万円(前連結会計年度比44.5%増)となりましたが、公共交通機関としての路線バスの乗務員を中心とした人員確保による人件費の増加、価格高騰による燃料費の増加があったことにより、国土交通省のコロナ対策の特例による休車のほか経費削減に取り組んだものの、セグメント損失は727百万円(前連結会計年度はセグメント損失1,677百万円)となりました。
観光バス事業においては、保有台数の多い沖縄地区と全国各地の観光バス事業やタクシー事業との連携を強め、大手旅行代理店と情報交換を積極的に行うこと等により、顧客獲得を図ってまいります。なお、個人旅行の需要に応える観光バス及びタクシーの提供や、当社グループのお客様の要望にお応えする商品の販売を行うことにより、他事業とのシナジー効果を図るとともに、感染症収束後の外国人観光客の受入れ体制の強化など新規顧客の獲得に積極的な営業展開を図ってまいります。
③不動産分譲事業 当社グループのマンション分譲事業における当連結会計年度における新規竣工物件は、北九州市で2棟(198戸)、福岡市で1棟(103戸)、佐賀市で1棟(42戸)、山口市で1棟(69戸)、大阪府松原市で1棟(83戸)、神戸市で1棟(74戸)、滋賀県草津市で1棟(112戸)の合計8棟681戸となり、完成在庫の販売は、共同事業を含め856戸(前連結会計年度比168戸減)となりましたが、売上高は25,842百万円(前連結会計年度比1.7%増)となりました。
当連結会計年度においては共同事業の新規供給は無く、全て単独物件(グランドパレス・アーバンパレス・ラコント)として九州・関西で厳選した新規供給を行った結果、北九州において「門司大里ヒルズ」(88戸)、「小倉砂津」(73戸)、「城野タワー」(70戸)の3棟231戸、福岡において「西新サウス」(39戸)、「西鉄久留米」(56戸)の2棟95戸、鹿児島において「かんまちタワーレジデンス」(52戸)、宮崎において「大淀河畔」(130戸)、大阪府内において「河内松原」(83戸)、「泉大津東雲」(58戸)の2棟141戸、滋賀県草津市において「草津」(112戸)の合計10棟761戸を新規販売し、当連結会計年度の契約件数は880戸(前連結会計年度比107戸減)となりました。
戸建住宅部門におきましても、第一ホーム㈱が「暮らしを潤す高品質な土地付住宅」をテーマにした「ユニエクセラン」シリーズを北九州・福岡の両都市圏において供給しており、北九州において「光貞台」(11区画)など3団地15区画、福岡において「糸島プレイズ」(47区画)など7団地88区画、合計10団地103区画を新規販売するとともに、完成在庫の販売に取り組んだ結果、契約件数は71戸(前連結会計年度比50戸減)となり、販売戸数は81戸(前連結会計年度比40戸減)、売上高も2,860百万円(前連結会計年度比15.9%減)となりました。
プロジェクト用地の売却等その他3,510百万円を加えた不動産分譲事業全体の売上高は、32,213百万円(前連結会計年度比2.1%増)となり、セグメント利益は2,125百万円(同8.0%減)となりました。2024年3月期も、販売実績のある各都市圏に加え、タクシー事業を展開しているエリアでも生活利便性に重点をおいた供給に注力し、感染症対策・商談機会の増加策としてのWEB環境を活用した「バーチャル・3Dモデルルーム」「オンライン無料相談会」を採用するなど、当社単独物件マンションを中心とした新規販売を予定しております。なお、戸建住宅部門の第一ホーム㈱では、住宅建築資材の分離発注により、リーズナブルな価格設定と地域風土を尊重した魅力ある団地の開発に取り組むことで、分譲部門の第2の柱として推進しております。
④不動産賃貸事業 不動産賃貸業界においては、主要都市の人気エリアでは地価及び人口増により賃料上昇や空室率の改善が見られますが、地方都市では中心地を除き高齢化及び人口減による厳しい状況が続き、二極化が進んでおり、今後は在宅勤務の増加によるオフィスの縮小及び飲食店の減少が懸念されております。
当社グループでは、「テナントとともに栄える。お客さまとともに栄える」をモットーにテナントから信頼される最良のサービスを提供するため、テナントビルへの防犯カメラの設置、共用部照明のLED化、北九州・福岡・大分・宮崎・鹿児島地区のビルテナント及びタクシー等で利用できる共通クーポン券を発行し、テナント利用の促進を図ることにより、同業他社との差別化を図っております。当連結会計年度では、繁華街の飲食ビルの空室率の改善のほか、北九州市内の店舗テナント新設効果等もあり、売上高は4,884百万円(前連結会計年度比3.9%増)、セグメント利益は2,407百万円(同4.5%増)となりました。
賃貸事業では、北九州市・福岡市・大分市・宮崎市・宮崎県都城市・鹿児島市・広島市・兵庫県尼崎市・大阪市・横浜市・新潟市・仙台市・札幌市の中心街に飲食ビルを所有するとともに、住居・事務所・店舗・倉庫等当社グループが所有する賃貸用不動産の賃貸業務及びオーナー(賃貸用不動産の所有者)からの賃貸経営の受託により、管理物件は15道府県で2,007戸となりました。
また、今後においてもタクシー事業の拠点地域を中心に積極的に収益不動産の仕入れ、賃料収入の向上に努めてまいります。
⑤不動産再生事業
当社グループの不動産再生事業は、主に九州・大阪・東京において、不動産担保融資に特化した金融事業より集まる不動産情報に、付加価値を高めマーケットにマッチした再生物件として販売しておりますが、当該収益不動産の立地環境や規模の大小により、販売するタイミングや引渡し時期によっては売上の計上に偏重をきたす傾向があります。
当連結会計年度では、前連結会計年度に福岡県糟屋郡の流通倉庫用地の引渡しや東京都港区新橋のオフィスビル等の大型物件の売却が重なったのに比し、那覇市の商業用地の売却、東京都港区三田マンションプロジェクトの引渡し等の中規模物件の売却に留まったため、売上高は4,757百万円(前連結会計年度比50.6%減)、セグメント利益は725百万円(同41.2%減)となりました。
今後も、不動産担保融資等における独自のノウハウを活かして、不動産流動性の高まりを背景に投資用マンション用地の取得や首都圏、地方主要都市の開発用地の取得を進めてまいります。
⑥金融事業
当社グループの不動産担保融資に特化した金融事業は、主に九州・東京を拠点として、先行きの不透明感はあるものの、目先の堅調な不動産市場動向に支えられ、良質資産の積み上げに努めておりますが、コロナ禍における営業活動の制限や大口回収等により、不動産担保ローンの融資残高は9,954百万円(前連結会計年度末比2,303百万円減)となりました。
売上高につきましては、前連結会計年度における大口貸出金の回収の影響により、期中平均融資残高が減少したほか、コロナ禍での金利引き下げ対応及び新規貸付の減少による影響もあり915百万円(前連結会計年度比3.8%減)、セグメント利益も108百万円(同59.4%減)となりました。
貸金業界を取り巻く経営環境は、2010年6月18日より改正「貸金業法」が完全施行となり、貸出上限金利の引下げや融資額の総量規制が実施されることとなったため、これにより収益力の低下、優良顧客獲得をめぐる競争が激化しております。当社グループといたしましては、法律改正の影響が比較的少ない不動産担保ローン部門において、新規顧客等の開拓による融資を積極的に図ることで金融事業の融資残高におけるウェイトを高めてまいるとともに、与信基準の厳格運用を行ってまいります。なお、関連する法律改正や同業他社の訴訟判例を鑑みたリスク管理体制の強化並びにコンプライアンスの徹底にも取り組んでまいります。
⑦その他事業
当社グループのその他事業は、自動車の点検・整備、タクシー事業用LPGの販売、九州を中心として関西及び関東主要都市でのコイン式パーキング事業、不動産仲介事業、マンション管理事業、北九州市におけるゴルフ練習場事業、訪問介護、各種塗料販売、沖縄県での高速船運行等を行っており、売上高は3,721百万円(前連結会計年度比9.8%増)、セグメント損失は889百万円(前連結会計年度はセグメント損失1,237百万円)となりました。なお、セグメント間内部売上高である子会社業務管理を含めた売上高は、8,636百万円(前連結会計年度は7,744百万円)となっております。
なお、当社グループの不動産分譲事業及び不動産賃貸事業は、タクシー事業を展開している主要都市を中心に事業活動を行っているため、分譲住宅の購入者や賃貸ビルのテナント様にも、チケット契約等により当社グループのタクシー・バスをご利用頂くほか、その他のグループ事業のご利用並びに商品の購入など、様々な情報の提供を頂くことによりシナジー効果を挙げております。今後も、地域毎に情報交換・連携を一層強くし、営業強化に努めてまいります。
(2)営業外損益及び特別損益
当連結会計年度における営業外損益につきましては、営業外収益は、主に持分法による投資利益が141百万円、その他の営業外収益が176百万円減少したものの、補助金収入が396百万円増加した結果、76百万円の増加となりました。営業外費用は、主に持分法による投資損失が13百万円増加したものの、貸倒引当金繰入額が134百万円、その他の営業外費用が49百万円減少した結果、188百万円の減少となりました。
また、当連結会計年度における特別損益につきましては、特別利益は、主に雇用調整助成金104百万円を計上した結果256百万円となり、特別損失は、主に建物除却等の固定資産除売却損455百万円、減損損失262百万円、臨時休業等による損失121百万円を計上した結果、904百万円となりました。
(3)法人税等(法人税等調整額を含む)
法人税等合計については、税金等調整前当期純利益が前連結会計年度に比し4,094百万円増加した結果、前連結会計年度の295百万円(税効果会計適用後の負担率△55.9%)から当連結会計年度の1,401百万円(税効果会計適用後の負担率39.3%)となりました。
2.当連結会計年度末の財政状態についての分析
(1)流動資産
当連結会計年度末における流動資産の残高は、前連結会計年度末に比し11,272百万円増加し、85,594百万円となりました。これは、販売用不動産が8,346百万円、現金及び預金が4,102百万円それぞれ増加したことが主な要因であります。
(2)固定資産
当連結会計年度末における固定資産の残高は、前連結会計年度末に比し913百万円減少し、94,002百万円となりました。これは、土地が1,101百万円増加し、建物及び構築物が1,223百万円、機械装置及び運搬具が236百万円それぞれ減少したことが主な要因であります。
(3)流動負債
当連結会計年度末における流動負債の残高は、前連結会計年度末に比し20,222百万円増加し、57,139百万円となりました。これは、短期借入金が15,044百万円及び支払手形及び営業未払金が3,811百万円増加したことが主な要因であります。
(4)固定負債
当連結会計年度末における固定負債の残高は、前連結会計年度末に比し11,391百万円減少し、80,511百万円となりました。これは、長期借入金が8,202百万円及び役員退職慰労引当金が3,080百万円減少したことが主な要因であります。
(5)純資産
当連結会計年度末における純資産の残高は、前連結会計年度末に比し1,528百万円増加し、41,945百万円となりました。これは、親会社株主に帰属する当期純利益を2,150百万円計上したことが主な要因であります。なお、自己資本比率は前連結会計年度末の23.9%から23.3%へ低下しております。
3.当社グループの資本の財源及び資金の流動性
当連結会計年度の運転資金及び資本的支出は、短期借入及び長期借入の実行により賄いました。詳細につきましては、「第一部 企業情報 第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。なお、当連結会計年度末現在において支出が予定されている重要な資本的支出はありません。
当社グループといたしましては、タクシーを中心とした交通事業等のM&A、不動産賃貸事業の高収益率の賃貸ビルの取得、不動産再生事業の再生不動産の仕入れ及び金融事業の営業貸付金の拡大については、今後も積極的な展開を行ってまいりますが、タクシー事業等の新規事業展開による用地等の取得については、状況に応じ賃貸物件を借りることも考慮し、不動産分譲事業においては、販売用不動産の回転期間の短縮化を図ってまいります。また、当社グループが営業活動により獲得した資金を有効に運用するため、CMS(キャッシュ・マネジメント・システム)を活用して資金効率の向上を図ること等により、有利子負債の削減に努めてまいります。
4.重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
詳細につきましては、「第一部 企業情報 第5 経理の状況 1連結財務諸表等(1)連結財務諸表「注記事項」(重要な会計上の見積り)及び2財務諸表等(1)財務諸表「注記事項」(重要な会計上の見積り)」に記載しております。
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社並びに持分法適用子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における我が国経済は、新型コロナウイルス感染症(以下「感染症」という。)の行動制限解除の下、経済活動の持ち直しの動きがみられたものの、世界的な情勢不安、円安の進行等に伴う原材料価格上昇、物価高騰の影響など、依然として景気の先行き不透明な状態が続いております。
当連結会計年度の経営成績は、売上高は前連結会計年度に大型物件売却のあった不動産再生事業の減収があったものの、タクシー事業及びバス事業で行動制限解除による緩やかな回復及び竣工物件の順調な引渡しがあった不動産分譲事業の増収等により98,972百万円(前連結会計年度比6.6%増)となり、営業利益はタクシー事業で燃料費が前連結会計年度比19.9%(617百万円)増加等によりセグメント損失933百万円となったものの、不動産賃貸事業及び不動産分譲事業等のセグメント利益が貢献したことで2,650百万円(同677.3%増)、経常利益は感染症に伴う補助金及び燃料費補助金等を営業外収益に計上したことにより4,212百万円(同157.2%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は2,150百万円(前連結会計年度は親会社株主に帰属する当期純損失842百万円)となりました。
セグメントの業績は、次のとおりであります。
(タクシー事業)
タクシー業界においては、感染症拡大抑止に伴う外出自粛や訪日外国人等の利用減少が、全国的に乗務員の離職を招いたことにより、急回復したタクシー需要への供給量不足が継続しております。
当社グループにおいては、引き続き「ママサポートタクシー」(78地域、累計登録者数457千人、利用回数はのべ1,109千回、うち陣痛時利用37千回)、「子どもサポートタクシー」、「No.1タクシーネットワーク」(提携及び商流サービス利用を含め690社)など、サービス展開を全国の営業所にて推進しております。路線バス廃止や交通不便地区での移動困難者の外出を支援する「おでかけ乗合タクシー」(71市町村294路線)、「救援事業・便利屋タクシー」、「お墓参りサポートタクシー」、低濃度オゾン発生装置の全車搭載など、他社との差別化を図っております。また、脱炭素社会への取り組みとして、住友商事グループ等とタクシー電動化プロジェクトを福岡市内で実施、電脳交通社との共同提案で採択されたNEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)の「グリーンイノベーション基金事業」も活用し、第一弾としてEVタクシー101台を導入、今後は「全国タクシーEV化プロジェクト」として、タクシー車両のEV化及び配車システムでの運用効率化に係る開発・実証により、全国で持続可能な環境配慮型タクシー事業の実現を図ります。
コロナ禍での営業車両の稼働制限と乗務員への休業手当の支給、乗務員募集・採用では国土交通省「働きやすい職場認証制度」のPR、事業所内保育所や近隣保育施設との業務提携、若年者の採用優遇制度「夢チャレ」、事業所見学会の実施、インターネット、ホームページ、テレビCM等の活用により女性乗務員や若年層の採用を進めることで、若返り及び定着を図っております。(括弧内の数値はいずれも2023年3月31日現在)
まん延防止等重点措置解除による利用者の穏やかな回復により、売上高は46,807百万円(前連結会計年度比21.1%増)となり、国土交通省のコロナ対策の特例休車による経費節減のほか、広範囲にわたる経費削減に取り組んだものの、稼働の増加と燃料単価の上昇により燃料費が前連結会計年度比19.9%(617百万円)増加した結果、セグメント損失は933百万円(前連結会計年度はセグメント損失2,668百万円)となりました。
タクシー認可台数は前連結会計年度末比81台増の8,155台ですが、このうちタクシー特措法に基づく特定地域内で稼働ができない状態(休車)の9台及びコロナ対策の特例休車553台が含まれており、稼働可能な台数は7,593台となっております。なお、認可台数に含まれていない預かり減車179台は、将来UD車等で復活が可能となっております。
(バス事業)
バス業界においては、感染症拡大に伴う外出自粛、国内観光客及び訪日外国人の消失等の影響による団体旅行の利用減少が継続しておりましたが、回復傾向となっております。
当社グループの沖縄県内の路線バス部門では、交通系ICカード「OKICA」の運用、スクールバスの受託、3市町村5路線でのコミュニティバスの運行、沖縄県基幹急行バスなど各種実証実験や需要に応じた新規路線の運行、「沖縄本土復帰50周年」に伴う旧首里バスの復刻版ラッピングバスの運行、ANAグループ等と協力して沖縄県産品の販路拡大、地域活性化を目的とした那覇空港連絡バスでの貨客混載、「沖縄スマートシフトプロジェクト」ではMaaSアプリ「my route」内でバス1日乗車券やデジタルチケットを販売、「那覇バスターミナル」ではデジタル多言語案内板等による利用者の利便性向上に努めておりますが、感染症が完全終息していないこともあり、通勤・通学者の利用減少が継続しております。なお、脱炭素社会への取り組みとして2022年4月18日から沖縄県内初の小型EV路線バス2台を、2023年3月13日から大型EV路線バス1台をそれぞれ那覇市内線で運行開始しております。
一方で、沖縄県内の貸切バス部門においては、バスガイド・乗務員で構成する音楽ユニット「うたばす」による営業活動に取り組んでおり、あわせて貸切バス車両に抗菌・抗ウイルス効果が高い光触媒の施工を行っております。アフターコロナ対策としては、動画配信サイトで沖縄でのバス旅行の魅力を配信し、学校ともオンライン交流を行っており、当社グループ5社が認証を取得した国土交通省「働きやすい職場認証制度」のPRによる乗務員等の採用にも注力しております。
バス事業全体では、沖縄県を中心に感染症拡大抑止に伴う団体旅行やインバウンド需要の落ち込みが続くなか、行動制限が無い状況が継続し、大型イベントの再開など輸送人員が増加したこともあり、売上高は5,673百万円(前連結会計年度比44.5%増)となり、国土交通省のコロナ対策の特例休車による経費節減のほか、広範囲にわたる経費削減に取り組んだ結果、セグメント損失は727百万円(前連結会計年度はセグメント損失1,677百万円)となりました。また、バス認可台数は、前連結会計年度末から3台増の684台ですが、コロナ対策の特例休車7台が含まれており、稼働可能な台数は677台となっております。
(不動産分譲事業)
不動産分譲事業では、感染症の行動制限の緩和下でも、来場を躊躇されるお客様向けに一部の物件で、実際のモデルルームを360°見ることができる3Dモデルルームの設置、オンラインシステムを利用した商談等も準備し、お客様のニーズに合った営業活動を行っております。
このような状況の下、マンション販売におきましては、北九州において「小倉砂津」(73戸)、「城野タワー」(70戸)など3棟231戸、福岡において「西新サウス」(39戸)など2棟95戸、鹿児島において「かんまちタワーレジデンス」(52戸)、大阪において「泉大津東雲」(58戸)など2棟141戸、その他エリア2棟242戸、合計10棟761戸を新規販売開始するとともに、北九州において竣工前完売の「小倉小文字通り」(51戸)など2棟198戸、福岡において「都府楼前駅」(103戸)、兵庫において竣工前完売の「御影山手」(74戸)、大阪において「河内松原」(83戸)、その他エリア3棟223戸を含めて合計8棟681戸の新規竣工物件のうち契約済物件の引渡し及び完成在庫の販売により、売上高は25,842百万円(前連結会計年度比1.7%増)となりました。
戸建住宅におきましては、第一ホーム㈱の「ユニエクセラン」シリーズを、北九州において「光貞台」(11区画)など15区画、福岡において「糸島プレイズ」(47区画)など88区画を新規販売するとともに、完成在庫の販売に取り組みましたが、売上高は2,860百万円(前連結会計年度比15.9%減)となりました。
不動産分譲事業全体の売上高は、プロジェクト用地の売却等その他3,510百万円を加えた32,213百万円(前連結会計年度比2.1%増)となり、セグメント利益は2,125百万円(同8.0%減)となりました。
(不動産賃貸事業)
不動産賃貸業界においては、感染症の影響により、企業のリモートワーク普及に伴うオフィスの縮小が続いており、加えて原材料価格・人件費等の高騰に伴う飲食店の減少が懸念されています。
当社グループでは、九州沖縄・中国・近畿・北陸・関東・東北・北海道の15道府県で、飲食ビルを中心に商業施設・オフィスビル・マンション・倉庫・駐車場等2,007戸の賃貸及び管理を行っております。飲食ビルテナントへの取組みとして、九州地区で当社グループタクシーとテナント内で利用が出来る「共通クーポン券」の販売を前年に引き続き実施し、飲食ビルの利用客増加、既存テナントの囲い込み及び新規入居の推進を図っており、今後も継続して営業支援に取り組むとともに、タクシー事業の拠点となる主要地域においてシナジー効果と営業エリアの拡大、パーキング事業との連携強化を進めることで、収益力の高い賃貸物件の購入を積極的に行い、賃料収入の向上に努めてまいります。
売上高につきましては、飲食ビル等の入居率の回復により4,884百万円(前連結会計年度比3.9%増)、セグメント利益は2,407百万円(同4.5%増)となりました。
(不動産再生事業)
当社グループにおける不動産再生事業は、主に不動産担保融資に特化した金融事業より集まる不動産情報に、付加価値を高めマーケットにマッチした再生物件として販売しており、不動産市況や経済動向を見ながら積極的に展開しております。
売上高につきましては、前連結会計年度に福岡県糟屋郡の流通倉庫用地の引渡しや東京都港区新橋のオフィスビル等の大型物件の売却が重なったのに比し、那覇市の商業用地の売却、東京都港区三田マンションプロジェクトの引渡し等の中規模物件の売却に留まり、4,757百万円(前連結会計年度比50.6%減)、セグメント利益は725百万円(同41.2%減)となりました。
(金融事業)
当社グループにおける金融事業は不動産担保融資に特化しており、先行きの不透明感はあるものの、目先の堅調な不動産市場動向に支えられ、良質資産の積み上げに努めておりますが、前連結会計年度以降の大口回収や貸出審査の厳格化等により、不動産担保ローンの融資残高は9,954百万円(前連結会計年度末比2,303百万円減)となりました。
売上高につきましては、前連結会計年度における大口貸出金の回収が重なった影響のほか、金利引下げ対応や新規貸付の減少の結果915百万円(前連結会計年度比3.8%減)、セグメント利益も108百万円(同59.4%減)となりました。
(その他事業)
その他事業においては、自動車の点検・整備、LPGの販売、パーキング事業及びマンション管理等により、売上高は3,721百万円(前連結会計年度比9.8%増)、セグメント損失は889百万円(前連結会計年度はセグメント損失1,237百万円)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、投資活動によるキャッシュ・フローが2,347百万円の支出があったものの、財務活動によるキャッシュ・フローが5,615百万円の獲得及び営業活動によるキャッシュ・フローが775百万円の獲得により、前連結会計年度末に比べ4,040百万円増加し、15,570百万円となっております。
各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果獲得した資金は775百万円(前連結会計年度は11,906百万円の獲得)となりました。これは主に、棚卸資産の増加による資金の減少11,660百万円、役員退職慰労引当金の減少による資金の減少3,080百万円があったものの、仕入債務の増加による資金の増加3,800百万円、減価償却費3,386百万円及びその他の資産及び負債の増加による資金の増加2,677百万円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は2,347百万円(前連結会計年度は2,000百万円の使用)となりました。これは主に、事業用資産の車両、土地・建物の取得を中心とした有形及び無形固定資産の取得による支出2,201百万円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果獲得した資金は5,615百万円(前連結会計年度は9,383百万円の使用)となりました。これは主に、長期借入金の返済による支出16,831百万円があったものの、長期借入れによる収入20,903百万円及び短期借入金の増加による資金の増加2,771百万円によるものであります。
③営業の状況
(販売実績)
前連結会計年度と当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 前連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
| タクシー事業(百万円) | 38,667 | 46,807 |
| バス事業(百万円) | 3,926 | 5,673 |
| 不動産分譲事業(百万円) | 31,541 | 32,213 |
| 不動産賃貸事業(百万円) | 4,700 | 4,884 |
| 不動産再生事業(百万円) | 9,630 | 4,757 |
| 金融事業(百万円) | 951 | 915 |
| 報告セグメント計(百万円) | 89,416 | 95,251 |
| その他事業(百万円) | 3,389 | 3,721 |
| 合計(百万円) | 92,805 | 98,972 |
(注)セグメント間の取引については相殺消去しております。
(タクシー事業)
a.タクシー事業営業実績
| 項 目 | 前連結会計年度 | 当連結会計年度 |
| 期末在籍車両数(注1) | 8,074 台 | 8,155 台 |
| 稼働率(普通車)(注2) | 69.6 % | 70.5 % |
| 走行キロ | 246,140 千㎞ | 274,322 千㎞ |
| 運送収入 | 38,667 百万円 | 46,807 百万円 |
| 走行1km当たり運送収入 | 157 円 09 銭 | 170 円 63 銭 |
(注)1.タクシー特措法に基づく特定地域内で稼働が出来ない休車を、前連結会計年度の期末在籍車両数に9台、当連結会計年度の期末在籍車両数に9台、それぞれ含んでおります。
また、コロナ対策特例休車等を、前連結会計年度の期末在籍車両数に618台、当連結会計年度の期末在籍車両数に553台、それぞれ含んでおります。
2.稼働率については、普通車(小型・中型)を掲載しており、コロナ対策特例休車等を控除して掲載しております。
b.燃料の入手量及び使用量
| 項 目 | 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | ||
| 入手量 | 使用量 | 入手量 | 使用量 | |
| LPG(キロリットル) | 37,009 | 37,009 | 37,135 | 37,135 |
c.燃料の価格の推移
| 項 目 | 2021年 6月 | 2021年 9月 | 2021年 12月 | 2022年 3月 | 2022年 6月 | 2022年 9月 | 2022年 12月 | 2023年 3月 |
| LPG(円/リットル) | 59.7 | 66.1 | 76.6 | 77.6 | 90.2 | 82.3 | 78.0 | 81.7 |
(注)価格は実際購入価格の平均であり、消費税等は含まれておりません。
(バス事業)
営業実績
| 項 目 | 前連結会計年度 | 当連結会計年度 |
| 期末在籍車両数(注1) | 681 台 | 684 台 |
| 稼働率(注2) | 55.6 % | 59.8 % |
| 走行キロ | 19,874 千㎞ | 21,499 千㎞ |
| 運送収入 | 3,926 百万円 | 5,673 百万円 |
| 走行1km当たり運送収入 | 197 円 54 銭 | 263 円 87 銭 |
(注)1.コロナ対策特例休車を、前連結会計年度の期末在籍車両数に44台、当連結会計年度の期末在籍車両数に7台、それぞれ含んでおります。
2.稼働率については、コロナ対策特例休車を控除して掲載しております。
(不動産分譲事業)
a.売上高の内訳
[前連結会計年度]
| 項 目 | 販売数量 (戸) | 金 額 (百万円) | |
| マンション | |||
| グランドパレス 古市 | (大阪府羽曳野市) | 87 | 3,055 |
| グランドパレス 平野 | (大阪市平野区) | 83 | 3,042 |
| グランドパレス 一枝 | (北九州市戸畑区) | 63 | 1,747 |
| アーバンパレス 南柏 | (千葉県流山市) | 52 | 1,737 |
| ガーデンパレス 木更津(共同事業) | (千葉県木更津市) | 76 | 1,708 |
| アーバンパレス 香椎照葉(共同事業) | (福岡市東区) | 75 | 1,546 |
| グランドデュオ 三国ヶ丘 サウスリッジ(共同事業) | (堺市北区) | 60 | 1,520 |
| グランドデュオ 三国ヶ丘 ノースリッジ(共同事業) | (堺市北区) | 61 | 1,481 |
| その他 | 467 | 9,578 | |
| マンション計 | 1,024 | 25,420 | |
| 戸建住宅 | 121 | 3,399 | |
| その他 | - | 2,721 | |
| 合 計 | 1,145 | 31,541 | |
(注)共同事業における金額は、全体の金額を当社持分比率で按分した金額を計上しております。
[当連結会計年度]
| 項 目 | 販売数量 (戸) | 金 額 (百万円) | |
| マンション | |||
| グランドパレス 黒崎マークシティ | (北九州市八幡西区) | 132 | 3,833 |
| グランドパレス 御影山手 | (神戸市東灘区) | 74 | 3,511 |
| アーバンパレス 都府楼前駅 | (福岡県太宰府市) | 88 | 2,847 |
| グランドパレス 小倉小文字通り | (北九州市小倉北区) | 51 | 2,140 |
| グランドパレス 草津 | (滋賀県草津市) | 29 | 1,318 |
| アーバンパレス 神野東 | (佐賀県佐賀市) | 38 | 1,258 |
| グランドパレス 河内松原 | (大阪府松原市) | 33 | 1,172 |
| グランドパレス 米屋町プライムマークス | (山口県山口市) | 34 | 1,058 |
| その他 | 377 | 8,699 | |
| マンション計 | 856 | 25,842 | |
| 戸建住宅 | 81 | 2,860 | |
| その他 | - | 3,510 | |
| 合 計 | 937 | 32,213 | |
(注)共同事業における金額は、全体の金額を当社持分比率で按分した金額を計上しております。
b.分譲住宅の契約実績
| 項 目 | 期首契約残高 | 期中契約高 | 期末契約残高 | |||
| 数 量 (戸) | 金 額 (百万円) | 数 量 (戸) | 金 額 (百万円) | 数 量 (戸) | 金 額 (百万円) | |
| [前連結会計年度] | ||||||
| マンション | 418 | 11,313 | 987 | 27,547 | 381 | 13,440 |
| 戸建住宅 | 21 | 563 | 121 | 3,609 | 21 | 774 |
| その他(注2) | - | 1,055 | - | 2,721 | - | 1,055 |
| [当連結会計年度] | ||||||
| マンション | 381 | 13,440 | 880 | 25,179 | 405 | 12,777 |
| 戸建住宅 | 21 | 774 | 71 | 2,514 | 11 | 428 |
| その他(注2) | - | 1,055 | - | - | - | 1,055 |
(注)1.共同事業における金額は、全体の金額を当社持分比率で按分した金額を計上しております。
2.マンションの1棟売り等は、その他に含めて計上しています。
(不動産賃貸事業)
営業実績
| 項 目 | 前連結会計年度 | 当連結会計年度 |
| 金額(百万円) | 金額(百万円) | |
| 店舗 | 3,581 | 3,740 |
| 住居 | 622 | 634 |
| オフィス | 392 | 406 |
| その他 | 103 | 103 |
| 合 計 | 4,700 | 4,884 |
(不動産再生事業)
売上高の内訳
| 項 目 | 前連結会計年度 | 当連結会計年度 |
| 金額(百万円) | 金額(百万円) | |
| 不動産再生 | 9,069 | 4,245 |
| その他 | 561 | 511 |
| 合 計 | 9,630 | 4,757 |
(金融事業)
売上高の内訳
[前連結会計年度]
| 項 目 | 金 額 (百万円) | (参考)期末融資残高 (百万円) |
| 不動産担保ローン | 950 | 12,258 |
| その他 | 0 | - |
| 合 計 | 951 | 12,258 |
[当連結会計年度]
| 項 目 | 金 額 (百万円) | (参考)期末融資残高 (百万円) |
| 不動産担保ローン | 914 | 9,954 |
| その他 | 1 | - |
| 合 計 | 915 | 9,954 |
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループ(当社及び連結子会社並びに持分法適用子会社)が判断したものであります。
1.当連結会計年度の経営成績についての分析
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症(以下「感染症」)の感染予防に伴う企業収益の改善が遅れていた、旅行・旅客運送・サービス業を中心に急回復基調となりました。個人消費は政府の各種施策もあり持ち直しの動きが見られ、当社グループのタクシー・バス事業においても、公共交通機関として必要な人員を確保しつつ、お客様を第一として、需要動向を踏まえ事業を運営してまいりました。しかしながら、訪日外国人の地方での観光需要は回復途上に加え、移動需要が停滞で影響を受けた、タクシー事業及びバス事業は感染症拡大前に比して減収が継続しており、前連結会計年度に大型物件売却のあった不動産再生事業の減収があったものの、タクシー事業及びバス事業で行動制限解除による緩やかな回復及び竣工物件の順調な引渡しがあった不動産分譲事業の増収等により売上高は98,972百万円(前連結会計年度比6.6%増)となり、営業利益はタクシー事業で燃料費が前連結会計年度比19.9%(617百万円)増加等によりセグメント損失933百万円となったものの、不動産賃貸事業及び不動産分譲事業等のセグメント利益が貢献したことで2,650百万円(同677.3%増)、経常利益は感染症に伴う補助金及び燃料費補助金等を営業外収益に計上したことにより4,212百万円(同157.2%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は2,150百万円(前連結会計年度は親会社株主に帰属する当期純損失842百万円)となりました。
(1)売上高及びセグメント利益等
①タクシー事業
当社グループの中核事業であるタクシー業界では、高齢乗務員の退職に伴う乗務員の人材確保・育成など継続的な課題に加え、配車アプリの開発・シェア争いと同時に事業活性化に取り組むとともに、改正タクシー特措法に基づく需給バランスの改善や地域公共交通の再構築など、多様化する利用者ニーズへの対応が期待されており、路線バスの廃止や交通空白地域の住民の移動手段の確保として、地方自治体との乗合タクシーの運行連携も増加しております。
このような環境の下、当社グループにおきましては、配車センターによるGPSを活用した車両の配置管理、関係先・取引先からの紹介営業の推進、乗務員と配車司令室の接客マナーの向上、乗務員制服の着用、優良乗務員とハイグレード車両を組み合わせたプレミアムタクシーの導入など選ばれるタクシーとなるべく取り組みに努めております。また、「安全運転は最高のサービス」との基本に立ち「交通事故0への挑戦」を掲げ、乗務員の安全意識の改革や視聴覚・予防研修にも努めるとともに、乗務員の若返り及び定着に注力してまいりました。
利便性の向上と他社との差別化については、車内多言語通訳サービス、電子マネー・交通系ICカード・クレジットカードの共用決済端末により、キャッシュレス決済の利用者を取り込むとともに、QRコード決済を全国のタクシー車両に導入することにより、中国系の「ALIPAY」「WeChatPay」対応、キャンペーン等で利用者が拡大した「PayPay」「auPAY」「d払い」等にも対応しております。効率的でスピーディーな配車とデータ収集を可能とする高機能デジタル無線の導入、タクシー自動配車アプリ「モタク」、訪日外国人向けで開始した配車アプリ「DiDi」「Uber」等とも連携しております。国内の出張者・旅行者向けには、営業エリア34都道府県のスケールメリットを活かした「全国タクシー予約センター」と当社グループの空白地帯では「No.1タクシーネットワーク」提携会社(2023年3月31日現在690社)とタクシーチケットの相互利用により、利用者の利便性向上と営業拡販に注力しております。
また、全国的に拡大した「ママサポートタクシー」は、助産師から講習を受けた乗務員が「おもいやりの心」で対応することで、妊産婦や子育て中の女性に好評を博しており、「子どもサポートタクシー」も、子育てシッター養成講座を受講した乗務員がお子様の送迎を行うため、ご要望の多いエリアに順次拡大しております。路線バス廃止地区や交通不便地区での乗合タクシーの運行や「65歳以上運転免許証返納者割引」(お出かけ支援サービス)、お墓参りを代行する「お墓参りサポートタクシー」はコロナ禍の高齢者のニーズや高齢者事故の防止にも寄与しております。乗務員募集・採用では、大阪府内や北九州市内で託児所(企業主導型保育施設)の運営や営業所近隣の保育施設との提携、全営業所で認定を受けた「女性ドライバー応援企業」のPR、若年層の採用優遇制度「夢チャレ」、WEBサイトやテレビ等でのイメージアップCMの放映などにより、女性乗務員や若年層の採用を進めることで、若返り及び定着を図っており、他社との共同求人サイト「WAY」も運営しております。
当連結会計年度においても、感染症拡大に伴う外出自粛、観光地や大都市圏を中心に利用者の減少の継続はあるものの、全国的な輸送人員の回復は継続し、売上高は46,807百万円(前連結会計年度比21.1%増)となり、損益面では、稼働増加と価格高騰による燃料費の増加があったものの、本社主導の管理体制の下で営業所の統廃合などの合理化と備品購入や施設使用料の見直し、効果的な広告宣伝や燃費向上のための徹底した指導及び車両の代替基準の厳正化の継続、国土交通省のコロナ対策の特例による休車等経費の節減により、セグメント損失は933百万円(前連結会計年度はセグメント損失2,668百万円)となりました。
当社グループといたしましては、お客様に満足頂くサービスの向上を目指すことを基本に、不動産賃貸事業を中心に当社グループのタクシー事業以外のお取引先及び不動産分譲事業等の購入者の囲い込みと、環境に配慮したハイブリッド車やEV車(電気自動車)の導入、衝突警報装置を搭載することで追突・漫然運転の防止を図るほか、スケールメリットを生かしてタクシー車両の効率配置を行うことで、同業他社との差別化を図ってまいります。
また、当社グループでは自動車修理工場(北九州・福岡・宮崎・沖縄・広島・大阪・京都・名古屋・仙台・札幌)及びLPGスタンド(北九州・鹿児島・東京・千葉)の事業を行うことにより、常にタクシー車両メンテナンスのコストとLPG供給のコストの把握に努め、その他の地域においては、地元の自動車修理工場とタクシー車両のメンテナンス契約並びに大手石油商社等の斡旋による地元のLPGスタンドとの代行充填契約を行うことで、修繕費・燃料費の節減を図ってまいります。他にも、従来のハイブリッド車にLPG燃料も使用できるように、自社で専用キットで改造したリアルハイブリッド車を導入、2015年3月にはタクシー業界初の水素燃料で発電走行する燃料電池車を導入するなど、燃料費節減や環境配慮の取組みを推進しております。なお、その他の経費については、当社グループのスケールメリットを生かして、自動車任意保険の加入に際しては、支払保険料割引の有利なグループフリート契約を行うほか、消耗品等の仕入を一括購入することで市価より安く入手するなど、常に経費の節減を図ってまいります。
②バス事業
当社グループにおいては、観光バス事業を福岡市・北九州市・沖縄県那覇市・山口県光市・島根県益田市・広島市・堺市等、路線バス事業を沖縄県那覇市等で行っております。沖縄県内の路線バス部門では、催事に合わせたフリー乗車券や企画乗車券、モノレールとの共通1日乗車券のほか、高齢者向け割引定期券、日曜・祝日ファミリー割引制度、スクールバス、コミュニティバスの運行、バスロケーションシステムの運用、携帯電話決済端末の搭載により利用者の利便性の向上に繋げております。2015年4月から対応した沖縄本島交通系ICカード「OKICA」は、2015年8月に定期券方式にも対応しております。2018年10月に開業した那覇バスターミナルでは、新設備の待合室、デジタル多言語案内板等で、通勤利用者や外国人観光客の利便性を向上しております。沖縄県内の観光バス部門においては、外国人観光客に対応した観光案内パンフレットやホームページを活用した定期観光コースの紹介、定期観光バス4台に、8カ国語自動音声ガイドを導入するなどインバウンド対応を強化、バスガイド・乗務員で構成する三線ユニット「うたばす」による団体旅行者向けライブ活動で話題作りやリピーター客の創出を図るなど、県内外の利用者から高い評価を頂き、大手旅行社とのパッケージツアーも設定しております。
また、燃料費の削減のための省燃費運動の一環として、自社内の安全・教育センターに導入したインターネット適性診断システム「ナスバネット」の活用や教習車により、燃費向上と事故件数の削減に加え、利用者にやさしい安全運転にも努めております。
バス事業の売上高につきましては、外国人観光客の沖縄県への入域が感染症まん延前に比べ減少幅が大きいものの、国内観光客の沖縄県への入域や各種大型イベントの再開等で、貸切バスの輸送人員が回復した結果5,673百万円(前連結会計年度比44.5%増)となりましたが、公共交通機関としての路線バスの乗務員を中心とした人員確保による人件費の増加、価格高騰による燃料費の増加があったことにより、国土交通省のコロナ対策の特例による休車のほか経費削減に取り組んだものの、セグメント損失は727百万円(前連結会計年度はセグメント損失1,677百万円)となりました。
観光バス事業においては、保有台数の多い沖縄地区と全国各地の観光バス事業やタクシー事業との連携を強め、大手旅行代理店と情報交換を積極的に行うこと等により、顧客獲得を図ってまいります。なお、個人旅行の需要に応える観光バス及びタクシーの提供や、当社グループのお客様の要望にお応えする商品の販売を行うことにより、他事業とのシナジー効果を図るとともに、感染症収束後の外国人観光客の受入れ体制の強化など新規顧客の獲得に積極的な営業展開を図ってまいります。
③不動産分譲事業 当社グループのマンション分譲事業における当連結会計年度における新規竣工物件は、北九州市で2棟(198戸)、福岡市で1棟(103戸)、佐賀市で1棟(42戸)、山口市で1棟(69戸)、大阪府松原市で1棟(83戸)、神戸市で1棟(74戸)、滋賀県草津市で1棟(112戸)の合計8棟681戸となり、完成在庫の販売は、共同事業を含め856戸(前連結会計年度比168戸減)となりましたが、売上高は25,842百万円(前連結会計年度比1.7%増)となりました。
当連結会計年度においては共同事業の新規供給は無く、全て単独物件(グランドパレス・アーバンパレス・ラコント)として九州・関西で厳選した新規供給を行った結果、北九州において「門司大里ヒルズ」(88戸)、「小倉砂津」(73戸)、「城野タワー」(70戸)の3棟231戸、福岡において「西新サウス」(39戸)、「西鉄久留米」(56戸)の2棟95戸、鹿児島において「かんまちタワーレジデンス」(52戸)、宮崎において「大淀河畔」(130戸)、大阪府内において「河内松原」(83戸)、「泉大津東雲」(58戸)の2棟141戸、滋賀県草津市において「草津」(112戸)の合計10棟761戸を新規販売し、当連結会計年度の契約件数は880戸(前連結会計年度比107戸減)となりました。
戸建住宅部門におきましても、第一ホーム㈱が「暮らしを潤す高品質な土地付住宅」をテーマにした「ユニエクセラン」シリーズを北九州・福岡の両都市圏において供給しており、北九州において「光貞台」(11区画)など3団地15区画、福岡において「糸島プレイズ」(47区画)など7団地88区画、合計10団地103区画を新規販売するとともに、完成在庫の販売に取り組んだ結果、契約件数は71戸(前連結会計年度比50戸減)となり、販売戸数は81戸(前連結会計年度比40戸減)、売上高も2,860百万円(前連結会計年度比15.9%減)となりました。
プロジェクト用地の売却等その他3,510百万円を加えた不動産分譲事業全体の売上高は、32,213百万円(前連結会計年度比2.1%増)となり、セグメント利益は2,125百万円(同8.0%減)となりました。2024年3月期も、販売実績のある各都市圏に加え、タクシー事業を展開しているエリアでも生活利便性に重点をおいた供給に注力し、感染症対策・商談機会の増加策としてのWEB環境を活用した「バーチャル・3Dモデルルーム」「オンライン無料相談会」を採用するなど、当社単独物件マンションを中心とした新規販売を予定しております。なお、戸建住宅部門の第一ホーム㈱では、住宅建築資材の分離発注により、リーズナブルな価格設定と地域風土を尊重した魅力ある団地の開発に取り組むことで、分譲部門の第2の柱として推進しております。
④不動産賃貸事業 不動産賃貸業界においては、主要都市の人気エリアでは地価及び人口増により賃料上昇や空室率の改善が見られますが、地方都市では中心地を除き高齢化及び人口減による厳しい状況が続き、二極化が進んでおり、今後は在宅勤務の増加によるオフィスの縮小及び飲食店の減少が懸念されております。
当社グループでは、「テナントとともに栄える。お客さまとともに栄える」をモットーにテナントから信頼される最良のサービスを提供するため、テナントビルへの防犯カメラの設置、共用部照明のLED化、北九州・福岡・大分・宮崎・鹿児島地区のビルテナント及びタクシー等で利用できる共通クーポン券を発行し、テナント利用の促進を図ることにより、同業他社との差別化を図っております。当連結会計年度では、繁華街の飲食ビルの空室率の改善のほか、北九州市内の店舗テナント新設効果等もあり、売上高は4,884百万円(前連結会計年度比3.9%増)、セグメント利益は2,407百万円(同4.5%増)となりました。
賃貸事業では、北九州市・福岡市・大分市・宮崎市・宮崎県都城市・鹿児島市・広島市・兵庫県尼崎市・大阪市・横浜市・新潟市・仙台市・札幌市の中心街に飲食ビルを所有するとともに、住居・事務所・店舗・倉庫等当社グループが所有する賃貸用不動産の賃貸業務及びオーナー(賃貸用不動産の所有者)からの賃貸経営の受託により、管理物件は15道府県で2,007戸となりました。
また、今後においてもタクシー事業の拠点地域を中心に積極的に収益不動産の仕入れ、賃料収入の向上に努めてまいります。
⑤不動産再生事業
当社グループの不動産再生事業は、主に九州・大阪・東京において、不動産担保融資に特化した金融事業より集まる不動産情報に、付加価値を高めマーケットにマッチした再生物件として販売しておりますが、当該収益不動産の立地環境や規模の大小により、販売するタイミングや引渡し時期によっては売上の計上に偏重をきたす傾向があります。
当連結会計年度では、前連結会計年度に福岡県糟屋郡の流通倉庫用地の引渡しや東京都港区新橋のオフィスビル等の大型物件の売却が重なったのに比し、那覇市の商業用地の売却、東京都港区三田マンションプロジェクトの引渡し等の中規模物件の売却に留まったため、売上高は4,757百万円(前連結会計年度比50.6%減)、セグメント利益は725百万円(同41.2%減)となりました。
今後も、不動産担保融資等における独自のノウハウを活かして、不動産流動性の高まりを背景に投資用マンション用地の取得や首都圏、地方主要都市の開発用地の取得を進めてまいります。
⑥金融事業
当社グループの不動産担保融資に特化した金融事業は、主に九州・東京を拠点として、先行きの不透明感はあるものの、目先の堅調な不動産市場動向に支えられ、良質資産の積み上げに努めておりますが、コロナ禍における営業活動の制限や大口回収等により、不動産担保ローンの融資残高は9,954百万円(前連結会計年度末比2,303百万円減)となりました。
売上高につきましては、前連結会計年度における大口貸出金の回収の影響により、期中平均融資残高が減少したほか、コロナ禍での金利引き下げ対応及び新規貸付の減少による影響もあり915百万円(前連結会計年度比3.8%減)、セグメント利益も108百万円(同59.4%減)となりました。
貸金業界を取り巻く経営環境は、2010年6月18日より改正「貸金業法」が完全施行となり、貸出上限金利の引下げや融資額の総量規制が実施されることとなったため、これにより収益力の低下、優良顧客獲得をめぐる競争が激化しております。当社グループといたしましては、法律改正の影響が比較的少ない不動産担保ローン部門において、新規顧客等の開拓による融資を積極的に図ることで金融事業の融資残高におけるウェイトを高めてまいるとともに、与信基準の厳格運用を行ってまいります。なお、関連する法律改正や同業他社の訴訟判例を鑑みたリスク管理体制の強化並びにコンプライアンスの徹底にも取り組んでまいります。
⑦その他事業
当社グループのその他事業は、自動車の点検・整備、タクシー事業用LPGの販売、九州を中心として関西及び関東主要都市でのコイン式パーキング事業、不動産仲介事業、マンション管理事業、北九州市におけるゴルフ練習場事業、訪問介護、各種塗料販売、沖縄県での高速船運行等を行っており、売上高は3,721百万円(前連結会計年度比9.8%増)、セグメント損失は889百万円(前連結会計年度はセグメント損失1,237百万円)となりました。なお、セグメント間内部売上高である子会社業務管理を含めた売上高は、8,636百万円(前連結会計年度は7,744百万円)となっております。
なお、当社グループの不動産分譲事業及び不動産賃貸事業は、タクシー事業を展開している主要都市を中心に事業活動を行っているため、分譲住宅の購入者や賃貸ビルのテナント様にも、チケット契約等により当社グループのタクシー・バスをご利用頂くほか、その他のグループ事業のご利用並びに商品の購入など、様々な情報の提供を頂くことによりシナジー効果を挙げております。今後も、地域毎に情報交換・連携を一層強くし、営業強化に努めてまいります。
(2)営業外損益及び特別損益
当連結会計年度における営業外損益につきましては、営業外収益は、主に持分法による投資利益が141百万円、その他の営業外収益が176百万円減少したものの、補助金収入が396百万円増加した結果、76百万円の増加となりました。営業外費用は、主に持分法による投資損失が13百万円増加したものの、貸倒引当金繰入額が134百万円、その他の営業外費用が49百万円減少した結果、188百万円の減少となりました。
また、当連結会計年度における特別損益につきましては、特別利益は、主に雇用調整助成金104百万円を計上した結果256百万円となり、特別損失は、主に建物除却等の固定資産除売却損455百万円、減損損失262百万円、臨時休業等による損失121百万円を計上した結果、904百万円となりました。
(3)法人税等(法人税等調整額を含む)
法人税等合計については、税金等調整前当期純利益が前連結会計年度に比し4,094百万円増加した結果、前連結会計年度の295百万円(税効果会計適用後の負担率△55.9%)から当連結会計年度の1,401百万円(税効果会計適用後の負担率39.3%)となりました。
2.当連結会計年度末の財政状態についての分析
(1)流動資産
当連結会計年度末における流動資産の残高は、前連結会計年度末に比し11,272百万円増加し、85,594百万円となりました。これは、販売用不動産が8,346百万円、現金及び預金が4,102百万円それぞれ増加したことが主な要因であります。
(2)固定資産
当連結会計年度末における固定資産の残高は、前連結会計年度末に比し913百万円減少し、94,002百万円となりました。これは、土地が1,101百万円増加し、建物及び構築物が1,223百万円、機械装置及び運搬具が236百万円それぞれ減少したことが主な要因であります。
(3)流動負債
当連結会計年度末における流動負債の残高は、前連結会計年度末に比し20,222百万円増加し、57,139百万円となりました。これは、短期借入金が15,044百万円及び支払手形及び営業未払金が3,811百万円増加したことが主な要因であります。
(4)固定負債
当連結会計年度末における固定負債の残高は、前連結会計年度末に比し11,391百万円減少し、80,511百万円となりました。これは、長期借入金が8,202百万円及び役員退職慰労引当金が3,080百万円減少したことが主な要因であります。
(5)純資産
当連結会計年度末における純資産の残高は、前連結会計年度末に比し1,528百万円増加し、41,945百万円となりました。これは、親会社株主に帰属する当期純利益を2,150百万円計上したことが主な要因であります。なお、自己資本比率は前連結会計年度末の23.9%から23.3%へ低下しております。
3.当社グループの資本の財源及び資金の流動性
当連結会計年度の運転資金及び資本的支出は、短期借入及び長期借入の実行により賄いました。詳細につきましては、「第一部 企業情報 第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。なお、当連結会計年度末現在において支出が予定されている重要な資本的支出はありません。
当社グループといたしましては、タクシーを中心とした交通事業等のM&A、不動産賃貸事業の高収益率の賃貸ビルの取得、不動産再生事業の再生不動産の仕入れ及び金融事業の営業貸付金の拡大については、今後も積極的な展開を行ってまいりますが、タクシー事業等の新規事業展開による用地等の取得については、状況に応じ賃貸物件を借りることも考慮し、不動産分譲事業においては、販売用不動産の回転期間の短縮化を図ってまいります。また、当社グループが営業活動により獲得した資金を有効に運用するため、CMS(キャッシュ・マネジメント・システム)を活用して資金効率の向上を図ること等により、有利子負債の削減に努めてまいります。
4.重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
詳細につきましては、「第一部 企業情報 第5 経理の状況 1連結財務諸表等(1)連結財務諸表「注記事項」(重要な会計上の見積り)及び2財務諸表等(1)財務諸表「注記事項」(重要な会計上の見積り)」に記載しております。