半期報告書-第65期(令和4年4月1日-令和5年3月31日)

【提出】
2022/12/23 9:00
【資料】
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【項目】
78項目
(経営成績等の状況の概要)
(1) 業績
当連結中間会計期間における国内経済は、新型コロナ禍の影響が引き続く中、ロシアによるウクライナ侵攻や急激な円安に起因した原材料費高騰などによる物価上昇が市民生活を直撃し、広告市況も大きな影響を受けました。
このような状況下において、放送事業部門、不動産賃貸事業部門が増収、情報処理事業部門、その他の事業部門が減収となり、連結売上高は87億15百万円(前年同期比1.8%減)となりました。経常利益は4億28百万円(前年同期比54.3%減)、親会社株主に帰属する中間純利益は2億71百万円(前年同期比50.6%減)となりました。
セグメントごとの業績は、以下のとおりです。
①放送事業
放送事業では、世界情勢等に起因した原材料費高騰などの影響でスポット市況が不調な状況が続き、福岡地区へのスポットCM投下量が低下したこともあり、放送事業収入の柱であるスポット収入は前年同期比1.5%減となりました。その一方で、新型コロナ禍の影響で実施できなかった番組等の再開がローカルタイム収入に結びつき、タイム収入は前年同期比0.8%増となりました。また、九州国立博物館で開催した展覧会が盛況だったことなどにより催物収入は前年同期比105.5%増となりました。費用面では、レギュラー番組の復活や新番組に伴う番組制作費等の増加で売上原価が増加し、新型コロナ禍の影響緩和に伴う営業活動の活発化で販売費及び一般管理費も増加しました。
以上の結果、当セグメントの売上高は前年同期比1.2%増の63億64百万円、セグメント利益(営業利益)は前年同期比50.3%減の2億30百万円となりました。
②不動産賃貸事業
不動産賃貸事業では、賃貸オフィスビルTNC放送会館で夏季空調使用量増加に伴って空調収入が増加、行動制限緩和による駐車場利用の増加に伴って駐車場収入が増加したほか、入居率の微増で家賃収入が僅かに増加しました。費用面では主に、電力料単価の上昇に伴って電気代や空調原価が増加しました。
以上の結果、当セグメントの売上高は前年同期比1.3%増の6億68百万円、セグメント利益(営業利益)は前年同期比1.6%増の1億16百万円となりました。
③情報処理事業
情報処理事業では、大型システムの本番稼働に向けた準備作業や、放送局向けシステムの次期バージョンの先行投資開発を行ったことなどにより、減収となりました。費用面では、新型コロナ禍の影響緩和に伴う事業活動の活発化で売上原価、販売費及び一般管理費ともに増加しました。
以上の結果、当セグメントの売上高は前年同期比11.0%減の12億63百万円、セグメント利益(営業利益)は前年同期比90.3%減の24百万円となりました。
④その他の事業
その他の事業では、キャスティング部門が前年同時期のような大型案件がなく大幅減収となり、メディア事業部門も文化催事等のイベント実施がなく減収となりました。一方で、番組制作部門がレギュラー番組制作の復活や特番制作の受注で増収、人材派遣部門が派遣スタッフの増加により増収となりましたが、その他の事業全体では減収となりました。費用面では、人員増に伴う労務費の増加などがありました。
以上の結果、当セグメントの売上高は前年同期比4.0%減の12億33百万円、セグメント損益(営業損益)は6百万円の損失(前年同期は19百万円の利益)となりました。
(2) キャッシュ・フローの状況
当中間連結会計期間末の現金及び現金同等物(以下、「資金」という)は、188億33百万円(前中間連結会計期間末169億64百万円)となりました。前中間連結会計期間に比べて、営業活動による収入が減少、投資活動による支出が増加、財務活動による支出が減少しました。その結果、資金は6億55百万円増加しました(前年同期比3.6%増)。当中間連結会計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動で得られた資金は、前中間連結会計期間に比べて3億61百万円減少し(前年同期比29.4%減)、8億67百万円となりました。これは主に、税金等調整前中間純利益4億31百万円、売上債権の増減額7億22百万円、減価償却費4億6百万円、法人税等の支払額4億26百万円があったことなどによります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動で使用した資金は、前中間連結会計期間に比べて12億67百万円増加し(前中間連結会計期間は10億99百万円の収入)、1億68百万円となりました。これは主に、定期預金の預入による支出5億2百万円、定期預金の払戻による収入4億90百万円、投資有価証券の取得による支出6億15百万円、投資有価証券の売却及び償還による収入5億63百万円があったことなどによります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動で使用した資金は、前中間連結会計期間に比べて1億50百万円減少し(前年同期比77.1%減)、44百万円となりました。これは主に、配当金の支払額41百万円があったことなどによります。

(生産、受注及び販売の状況)
当社グループは、受注生産形態をとらないものがほとんどで、販売品目は多岐にわたり、セグメントごとに生産規模及び受注規模を金額あるいは数量で示すことはしていません。このため生産、受注及び販売の状況については、「経営成績等の状況の概要」におけるセグメントの業績に関連付けて示しています。また、当中間連結会計期間における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
セグメントの名称販売高(千円)前年同期比(%)
放送事業6,309,323+1.2
不動産賃貸事業509,040+1.5
情報処理事業1,240,249-12.3
その他の事業657,062-9.4
合 計8,715,675-1.8

(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しています。
2 最近2中間連結会計期間における主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
相手先前中間連結会計期間当中間連結会計期間
販売高(千円)割合(%)販売高(千円)割合(%)
㈱電 通1,658,00018.71,623,84418.6
㈱博報堂DYメディアパートナーズ1,030,73011.6973,13711.2
㈱フジテレビジョン784,3808.8760,6678.7


(経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容)
文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものです。
(1) 財政状態の分析
①資産
当中間連結会計期間末の資産合計は、現金及び預金、棚卸資産などが増加した一方で、受取手形、売掛金及び契約資産、その他の流動資産、有形固定資産、投資有価証券などが減少したことにより、前連結会計年度末に比べて5億97百万円減少し(前年同期比1.4%減)、432億86百万円となりました。
②負債
当中間連結会計期間末の負債合計は、退職給付に係る負債などが増加した一方で、その他の流動負債などが減少したことにより、前連結会計年度末に比べて6億70百万円減少し(前年同期比11.7%減)、50億68百万円となりました。
③純資産
当中間連結会計期間末の純資産合計は、親会社株主に帰属する中間純利益を2億71百万円計上し、利益剰余金が2億28百万円増加、その他有価証券評価差額金が1億88百万円減少、非支配株主持分が33百万円増加したことにより、前連結会計年度末に比べて73百万円増加し(前年同期比0.2%増)、382億17百万円となりました。
(2) 経営成績の分析
①売上高
当中間連結会計期間の売上高は、放送事業が主に催物収入の増加で増収、不動産賃貸事業が主に空調料収入や駐車場収入の増加で増収となった一方で、情報処理事業が主に大型システムの更新準備やシステム開発の段階であることによる減収、その他の事業が主に前年同期の大型案件に対する反動減等で減収となったことなどにより、前中間連結会計期間に比べて1億58百万円減少し(前年同期比1.8%減)、87億15百万円となりました。
②営業利益
当中間連結会計期間の営業利益は、放送事業が主に番組制作費等の売上原価の増加などで減益、情報処理事業が主に営業活動の活発化に伴う費用増で減益、その他事業が主に労務費等の増加で減益となった一方で不動産賃貸事業は僅かに増益でしたが、放送事業と情報処理事業の減益幅が大きかったことにより、前中間連結会計期間に比べて4億86百万円減少し(前年同期比57.5%減)、3億59百万円となりました。
③経常利益
当中間連結会計期間の経常利益は、営業利益が4億86百万円減少、営業外収益が20百万円減少、営業外費用が僅かに増加したことなどにより、前中間連結会計期間に比べて5億8百万円減少し(前年同期比54.3%減)、4億28百万円となりました。
④親会社株主に帰属する中間純利益
当中間連結会計期間の親会社株主に帰属する中間純利益は、経常利益が5億8百万円減少、特別利益が2百万円増加、法人税等が1億63百万円減少したことなどにより、前中間連結会計期間に比べて2億77百万円減少し(前年同期比50.6%減)、2億71百万円となりました。

(3) キャッシュ・フローの状況の分析
当中間連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前中間連結会計期間末に比べて18億68百万円増加し、188億33百万円となりました。
詳細については、「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (2)キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。