有価証券報告書-第96期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりである。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度の我が国経済は、設備投資の増加などにより緩やかに回復していたが、米中貿易摩擦等を背景とした輸出や生産の低迷により、次第に弱含みとなった。
北陸地域の経済は、設備投資及び北陸新幹線による交流人口が高水準を維持したものの、生産活動が弱めの動きとなったことなどから、拡大の速度が一段と緩やかになった。
また、足下では新型コロナウイルス感染症の影響により、我が国の景気は大幅に下押しされ、厳しい状況にある。
このような経済情勢の中、当連結会計年度の財政状態、経営成績は以下のとおりとなった。
(財政状態)
資産合計は、前連結会計年度末に比べ198億円増の1兆5,929億円(前期末比 101.3%)となった。
負債合計は、前連結会計年度末に比べ102億円増の1兆2,564億円(同 100.8%)となった。
純資産合計は、前連結会計年度末に比べ95億円増の3,364億円(同 102.9%)となった。
(経営成績)
当連結会計年度の経営成績は、売上高(営業収益)6,280億円(前期比 100.8%)、営業利益294億円(同 229.7%)、経常利益232億円(同 349.1%)、親会社株主に帰属する当期純利益は134億円(同 532.9%)となった。
セグメントごとの経営成績(セグメント間の内部取引消去前)は、次のとおりである。
電気事業は、売上高5,708億円(同 99.4%)、営業利益208億円(同 400.9%)となった。
その他の事業は、売上高1,071億円(同 107.1%)、営業利益87億円(同 116.8%)となった。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物は、投資活動において固定資産の取得による支出を中心に751億円、財務活動により62億円減少したが、営業活動により1,014億円増加したことから、前連結会計年度末に比べ200億円増加し、当連結会計年度末には1,630億円(前期末比 114.1%)となった。
③ 生産、受注及び販売の実績
当社グループ(当社及び連結子会社)においては、電気事業が事業の大半を占めており、また、電気事業以外の事業は、広範囲かつ多種多様であり、生産、受注、販売といった画一的な区分による表示が困難である。
このため、電気事業の生産、受注及び販売の実績のみを記載している。
a. 需給実績
(注)1.融通・他社受電電力量のうち、連結子会社からの受電電力量は159百万kWhである。
2.融通・他社受電電力量の上段は受電電力量、下段は送電電力量を示しており、期末時点で把握している電力量を記載している。
3.揚水発電所の揚水用電力量とは、貯水池運営のための揚水用に使用する電力量である。
4.販売電力量の中には、営業収益には計上されない自社事業用電力量(25百万kWh)を含んでいる。
5.出水率は、自社の1988年度から2017年度までの30か年平均に対する比である。なお、連結子会社を含めた出水率は102.4%である。
6.四捨五入のため合計が一致しない場合がある。
b. 販売実績
(a)販売電力量
(※)四捨五入のため合計が一致しない場合がある。
(b)料金収入
(注) 電力には、高圧・特別高圧を含む。
c. 資材の実績
石炭、重油、原油、LNGの受払実績
(注)1.払出には、販売の払出を含む。
2.四捨五入のため合計が一致しない場合がある。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりである。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものである。
① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成している。この連結財務諸表を作成するにあたり採用する重要な会計方針については「第5 経理の状況」に記載している。
当社グループは、連結財務諸表を作成するにあたり、繰延税金資産の回収可能性、退職給付に係る負債及び資産、資産除去債務などに関して、過去の実績等を勘案し、合理的と考えられる見積り及び判断を行っているが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合がある。このうち、重要なものは以下のとおりである。
(繰延税金資産の回収可能性)
繰延税金資産の回収可能性の判断にあたっては、原子力発電所の停止の影響や将来の販売電力量等を考慮して、将来年度の課税所得を見積り、回収可能額を計上している。
なお、新型コロナウイルス感染症の今後の広がり方や収束時期は不透明であり、販売電力量等への影響は見通せないものの、現時点では、繰延税金資産の回収可能性の判断には重要な影響を及ぼすことはないと判断している。
ただし、新型コロナウイルス感染症の拡大及び長期化により電力需要等に大きな影響を与える場合には、繰延税金資産の回収可能性の判断に影響を及ぼし、翌連結会計年度の経営成績に重要な影響を与える可能性がある。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a. 売上高及び経常収益
売上高(営業収益)は小売販売電力量の減少はあるものの、卸販売電力量の増加やグループ会社の売上増加などにより、前連結会計年度に比べ51億円増の6,280億円(前期比 100.8%)となり、これに営業外収益を加えた経常収益は38億円増の6,303億円(同 100.6%)となった。
b. 経常利益及び親会社株主に帰属する当期純利益
経常利益は、小売販売電力量の減少や法的分離対応費用の増加などはあるものの、石炭及びLNG火力発電所の稼働増や減価償却費の減少、グループ会社の利益増加などにより、前連結会計年度に比べ165億円増の232億円(同 349.1%)となった。
また、親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に比べ109億円増の134億円(同 532.9%)となった。
(セグメントごとの経営成績[セグメント間の内部取引消去前営業利益])
a. 電気事業
当連結会計年度の総販売電力量については、314億96百万キロワット時となり、前連結会計年度と比較すると3.6%の増加となった。
このうち、小売販売電力量については、電灯における暖冬影響や、電力における景気影響や契約電力の減少などから、250億54百万キロワット時となり、前連結会計年度と比較すると3.9%の減少となった。また、卸販売電力量については、卸電力取引所等への販売増から、64億42百万キロワット時となり、前連結会計年度と比較すると48.4%の増加となった。
供給力については、志賀原子力発電所1・2号機が引き続き運転できなかったことや七尾大田火力発電所2号機・敦賀火力発電所2号機の計画外停止等から、厳しい状況となった。
しかしながら、水力・火力発電所の補修時期を調整するなど供給面での諸対策を講じた結果、供給を維持することができた。
収支については、売上高は、小売販売電力量の減少などから、前連結会計年度に比べ33億円減の5,708億円(前期比 99.4%)となった。
また、営業利益は、小売販売電力量の減少や法的分離対応費用の増加などはあるものの、石炭及びLNG火力発電所の稼働増や減価償却費の減少などから、前連結会計年度に比べ156億円増の208億円(同 400.9%)となった。
b. その他
売上高は、請負工事の増加などから、前連結会計年度に比べ71億円増の1,071億円(前期比 107.1%)、営業費用は、前連結会計年度に比べ58億円増の983億円(同 106.3%)となった。
この結果、営業利益は87億円(同 116.8%)となった。
(キャッシュ・フロー及び財政状態の分析)
a. キャッシュ・フロー
営業活動による現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の収入は、前連結会計年度に比べ474億円増の1,014億円(前期比 187.9%)となった。これは、税金等調整前当期純利益や未払事業税及び未払消費税等が増加したことなどによるものである。
投資活動による資金の支出は、前連結会計年度に比べ261億円減の751億円(同 74.1%)となった。これは、固定資産の取得による支出が減少したことなどによるものである。
財務活動による資金の支出は、前連結会計年度に比べ36億円減の62億円(同 63.4%)となった。これは、長期借入金の返済による支出は増加したものの、社債の発行による収入が増加したことなどによるものである。
これらの活動の結果、当連結会計年度末の資金は、前連結会計年度末に比べ200億円増の1,630億円(前期末比 114.1%)となった。
b. 資産
資産合計は、前連結会計年度末に比べ198億円増の1兆5,929億円(前期末比 101.3%)となった。これは、建設仮勘定や現金及び預金が増加したことなどによるものである。
c. 負債
負債合計は、前連結会計年度末に比べ102億円増の1兆2,564億円(前期末比 100.8%)となった。これは、未払税金の増加などによるものである。
d. 純資産
純資産合計は、前連結会計年度末に比べ95億円増の3,364億円(前期末比 102.9%)となった。これは、親会社株主に帰属する当期純利益の増加などによるものである。
(資本の財源及び資金の流動性に係る情報)
a. 資金需要
主として電気事業固定資産に係る設備投資及び修繕費、社債の償還及び借入金の返済、火力燃料の購入等に資金を充当している。
b. 資金の源泉
主として営業活動によるキャッシュ・フロー、社債の発行、金融機関からの借入等により、必要とする資金を調達している。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローに係る情報については、「(キャッシュ・フロー及び財政状態の分析)」に記載している。
(有利子負債)
有利子負債に係る情報については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表」に記載している。
なお、当連結会計年度末現在、長期発行体格付は株式会社投資格付情報センター(R&I)にてA+となっている。
また、電気事業法の下、当社により発行される社債については一般担保が付されており、償還請求において社債権者は無担保債権者よりも優先される。
c. 流動性
当社グループは、営業活動により十分なキャッシュ・フローを得ていることに加え、国内普通社債発行登録、短期社債発行枠の設定及びコミットメントライン契約により、必要に応じて資本市場及び金融機関より資金調達することが可能である。
以上により必要な現預金残高を確保するとともに、原則として元利確定の銀行預金等で運用することを定めており、十分な流動性を確保している。
(目標とする経営指標の達成状況等)
当社グループは、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおり、「北陸電力グループ2030長期ビジョン」にて、「2030年度までに連結自己資本比率30%以上」「期間平均(2019~2030)連結経常利益350億円以上」「2030年度頃までに事業ポートフォリオを連結経常利益ベースで電気事業:電気事業以外=2:1」を財務目標として掲げている。
当連結会計年度においては、連結経常利益は前連結会計年度に比べ165億円増の232億円となり、連結自己資本比率は20.2%に改善した。
今後も、「北陸を基盤とした『総合エネルギー事業』の拡大」や「新たな成長事業の開拓」に取り組み、財務目標の達成を図っていく。
また、当事業年度は3期ぶりの配当を実施することとした。今後も安定配当を継続するという基本方針を踏まえ、安定的な事業運営や持続的な成長を遂げるために必要な投資、財務基盤の強化、株主還元にバランスよく配分していく。
(事業等のリスクに係る情報)
事業等のリスクに係る情報については、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載している。
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりである。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度の我が国経済は、設備投資の増加などにより緩やかに回復していたが、米中貿易摩擦等を背景とした輸出や生産の低迷により、次第に弱含みとなった。
北陸地域の経済は、設備投資及び北陸新幹線による交流人口が高水準を維持したものの、生産活動が弱めの動きとなったことなどから、拡大の速度が一段と緩やかになった。
また、足下では新型コロナウイルス感染症の影響により、我が国の景気は大幅に下押しされ、厳しい状況にある。
このような経済情勢の中、当連結会計年度の財政状態、経営成績は以下のとおりとなった。
(財政状態)
資産合計は、前連結会計年度末に比べ198億円増の1兆5,929億円(前期末比 101.3%)となった。
負債合計は、前連結会計年度末に比べ102億円増の1兆2,564億円(同 100.8%)となった。
純資産合計は、前連結会計年度末に比べ95億円増の3,364億円(同 102.9%)となった。
(経営成績)
当連結会計年度の経営成績は、売上高(営業収益)6,280億円(前期比 100.8%)、営業利益294億円(同 229.7%)、経常利益232億円(同 349.1%)、親会社株主に帰属する当期純利益は134億円(同 532.9%)となった。
セグメントごとの経営成績(セグメント間の内部取引消去前)は、次のとおりである。
電気事業は、売上高5,708億円(同 99.4%)、営業利益208億円(同 400.9%)となった。
その他の事業は、売上高1,071億円(同 107.1%)、営業利益87億円(同 116.8%)となった。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物は、投資活動において固定資産の取得による支出を中心に751億円、財務活動により62億円減少したが、営業活動により1,014億円増加したことから、前連結会計年度末に比べ200億円増加し、当連結会計年度末には1,630億円(前期末比 114.1%)となった。
③ 生産、受注及び販売の実績
当社グループ(当社及び連結子会社)においては、電気事業が事業の大半を占めており、また、電気事業以外の事業は、広範囲かつ多種多様であり、生産、受注、販売といった画一的な区分による表示が困難である。
このため、電気事業の生産、受注及び販売の実績のみを記載している。
a. 需給実績
| 種別 | 当連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) | 前期比(%) | ||
| 発 受 電 電 力 量 | 自 社 | 水力発電電力量(百万kWh) | 6,215 | 99.7 |
| 火力発電電力量(百万kWh) | 21,851 | 108.2 | ||
| 原子力発電電力量(百万kWh) | - | - | ||
| 新エネルギー等発電電力量(百万kWh) | 5 | 110.5 | ||
| 融通・他社受電電力量(百万kWh) | 6,044 △6,442 | 91.9 148.4 | ||
| 揚水発電所の揚水用電力量(百万kWh) | △11 | 62.8 | ||
| 合計(百万kWh) | 27,661 | 96.5 | ||
| 損失電力量等(百万kWh) | △2,608 | 100.3 | ||
| 販売電力量(百万kWh) | 25,054 | 96.1 | ||
| 出水率(%) | 102.3 | - | ||
(注)1.融通・他社受電電力量のうち、連結子会社からの受電電力量は159百万kWhである。
2.融通・他社受電電力量の上段は受電電力量、下段は送電電力量を示しており、期末時点で把握している電力量を記載している。
3.揚水発電所の揚水用電力量とは、貯水池運営のための揚水用に使用する電力量である。
4.販売電力量の中には、営業収益には計上されない自社事業用電力量(25百万kWh)を含んでいる。
5.出水率は、自社の1988年度から2017年度までの30か年平均に対する比である。なお、連結子会社を含めた出水率は102.4%である。
6.四捨五入のため合計が一致しない場合がある。
b. 販売実績
(a)販売電力量
| 種別 | 当連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) | 前期比(%) |
| 電灯(百万kWh) | 7,909 | 98.0 |
| 電力(百万kWh) | 17,144 | 95.3 |
| 電灯電力合計(百万kWh) | 25,054 | 96.1 |
| 融通・他社販売(百万kWh) | 6,442 | 148.4 |
| 総販売電力量(百万kWh) | 31,496 | 103.6 |
(※)四捨五入のため合計が一致しない場合がある。
(b)料金収入
| 種別 | 当連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) | 前期比(%) |
| 電灯(百万円) | 172,744 | 97.2 |
| 電力(百万円) | 280,668 | 93.7 |
| 電灯電力合計(百万円) | 453,412 | 95.0 |
| 融通・他社販売(百万円) | 55,032 | 114.4 |
(注) 電力には、高圧・特別高圧を含む。
c. 資材の実績
石炭、重油、原油、LNGの受払実績
| 種別 | 当連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) | 前期比(%) | |
| 石炭 (t) | 期首残高 | 448,629 | 115.0 |
| 受入 | 6,067,572 | 107.7 | |
| 払出 | 6,079,189 | 109.1 | |
| 期末残高 | 437,012 | 97.4 | |
| 重油 (kl) | 期首残高 | 271,486 | 142.1 |
| 受入 | 7,785 | 3.5 | |
| 払出 | 35,232 | 24.8 | |
| 期末残高 | 244,039 | 89.9 | |
| 原油 (kl) | 期首残高 | 51,703 | 108.6 |
| 受入 | 386 | 0.2 | |
| 払出 | 34,270 | 20.6 | |
| 期末残高 | 17,819 | 34.5 | |
| LNG (t) | 期首残高 | 69,951 | 114.1 |
| 受入 | 556,545 | 126.8 | |
| 払出 | 570,114 | 132.5 | |
| 期末残高 | 56,382 | 80.6 | |
(注)1.払出には、販売の払出を含む。
2.四捨五入のため合計が一致しない場合がある。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりである。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものである。
① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成している。この連結財務諸表を作成するにあたり採用する重要な会計方針については「第5 経理の状況」に記載している。
当社グループは、連結財務諸表を作成するにあたり、繰延税金資産の回収可能性、退職給付に係る負債及び資産、資産除去債務などに関して、過去の実績等を勘案し、合理的と考えられる見積り及び判断を行っているが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合がある。このうち、重要なものは以下のとおりである。
(繰延税金資産の回収可能性)
繰延税金資産の回収可能性の判断にあたっては、原子力発電所の停止の影響や将来の販売電力量等を考慮して、将来年度の課税所得を見積り、回収可能額を計上している。
なお、新型コロナウイルス感染症の今後の広がり方や収束時期は不透明であり、販売電力量等への影響は見通せないものの、現時点では、繰延税金資産の回収可能性の判断には重要な影響を及ぼすことはないと判断している。
ただし、新型コロナウイルス感染症の拡大及び長期化により電力需要等に大きな影響を与える場合には、繰延税金資産の回収可能性の判断に影響を及ぼし、翌連結会計年度の経営成績に重要な影響を与える可能性がある。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a. 売上高及び経常収益
売上高(営業収益)は小売販売電力量の減少はあるものの、卸販売電力量の増加やグループ会社の売上増加などにより、前連結会計年度に比べ51億円増の6,280億円(前期比 100.8%)となり、これに営業外収益を加えた経常収益は38億円増の6,303億円(同 100.6%)となった。
b. 経常利益及び親会社株主に帰属する当期純利益
経常利益は、小売販売電力量の減少や法的分離対応費用の増加などはあるものの、石炭及びLNG火力発電所の稼働増や減価償却費の減少、グループ会社の利益増加などにより、前連結会計年度に比べ165億円増の232億円(同 349.1%)となった。
また、親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に比べ109億円増の134億円(同 532.9%)となった。
(セグメントごとの経営成績[セグメント間の内部取引消去前営業利益])
a. 電気事業
当連結会計年度の総販売電力量については、314億96百万キロワット時となり、前連結会計年度と比較すると3.6%の増加となった。
このうち、小売販売電力量については、電灯における暖冬影響や、電力における景気影響や契約電力の減少などから、250億54百万キロワット時となり、前連結会計年度と比較すると3.9%の減少となった。また、卸販売電力量については、卸電力取引所等への販売増から、64億42百万キロワット時となり、前連結会計年度と比較すると48.4%の増加となった。
供給力については、志賀原子力発電所1・2号機が引き続き運転できなかったことや七尾大田火力発電所2号機・敦賀火力発電所2号機の計画外停止等から、厳しい状況となった。
しかしながら、水力・火力発電所の補修時期を調整するなど供給面での諸対策を講じた結果、供給を維持することができた。
収支については、売上高は、小売販売電力量の減少などから、前連結会計年度に比べ33億円減の5,708億円(前期比 99.4%)となった。
また、営業利益は、小売販売電力量の減少や法的分離対応費用の増加などはあるものの、石炭及びLNG火力発電所の稼働増や減価償却費の減少などから、前連結会計年度に比べ156億円増の208億円(同 400.9%)となった。
b. その他
売上高は、請負工事の増加などから、前連結会計年度に比べ71億円増の1,071億円(前期比 107.1%)、営業費用は、前連結会計年度に比べ58億円増の983億円(同 106.3%)となった。
この結果、営業利益は87億円(同 116.8%)となった。
(キャッシュ・フロー及び財政状態の分析)
a. キャッシュ・フロー
営業活動による現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の収入は、前連結会計年度に比べ474億円増の1,014億円(前期比 187.9%)となった。これは、税金等調整前当期純利益や未払事業税及び未払消費税等が増加したことなどによるものである。
投資活動による資金の支出は、前連結会計年度に比べ261億円減の751億円(同 74.1%)となった。これは、固定資産の取得による支出が減少したことなどによるものである。
財務活動による資金の支出は、前連結会計年度に比べ36億円減の62億円(同 63.4%)となった。これは、長期借入金の返済による支出は増加したものの、社債の発行による収入が増加したことなどによるものである。
これらの活動の結果、当連結会計年度末の資金は、前連結会計年度末に比べ200億円増の1,630億円(前期末比 114.1%)となった。
b. 資産
資産合計は、前連結会計年度末に比べ198億円増の1兆5,929億円(前期末比 101.3%)となった。これは、建設仮勘定や現金及び預金が増加したことなどによるものである。
c. 負債
負債合計は、前連結会計年度末に比べ102億円増の1兆2,564億円(前期末比 100.8%)となった。これは、未払税金の増加などによるものである。
d. 純資産
純資産合計は、前連結会計年度末に比べ95億円増の3,364億円(前期末比 102.9%)となった。これは、親会社株主に帰属する当期純利益の増加などによるものである。
(資本の財源及び資金の流動性に係る情報)
a. 資金需要
主として電気事業固定資産に係る設備投資及び修繕費、社債の償還及び借入金の返済、火力燃料の購入等に資金を充当している。
b. 資金の源泉
主として営業活動によるキャッシュ・フロー、社債の発行、金融機関からの借入等により、必要とする資金を調達している。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローに係る情報については、「(キャッシュ・フロー及び財政状態の分析)」に記載している。
(有利子負債)
有利子負債に係る情報については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表」に記載している。
なお、当連結会計年度末現在、長期発行体格付は株式会社投資格付情報センター(R&I)にてA+となっている。
また、電気事業法の下、当社により発行される社債については一般担保が付されており、償還請求において社債権者は無担保債権者よりも優先される。
c. 流動性
当社グループは、営業活動により十分なキャッシュ・フローを得ていることに加え、国内普通社債発行登録、短期社債発行枠の設定及びコミットメントライン契約により、必要に応じて資本市場及び金融機関より資金調達することが可能である。
以上により必要な現預金残高を確保するとともに、原則として元利確定の銀行預金等で運用することを定めており、十分な流動性を確保している。
(目標とする経営指標の達成状況等)
当社グループは、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおり、「北陸電力グループ2030長期ビジョン」にて、「2030年度までに連結自己資本比率30%以上」「期間平均(2019~2030)連結経常利益350億円以上」「2030年度頃までに事業ポートフォリオを連結経常利益ベースで電気事業:電気事業以外=2:1」を財務目標として掲げている。
当連結会計年度においては、連結経常利益は前連結会計年度に比べ165億円増の232億円となり、連結自己資本比率は20.2%に改善した。
今後も、「北陸を基盤とした『総合エネルギー事業』の拡大」や「新たな成長事業の開拓」に取り組み、財務目標の達成を図っていく。
また、当事業年度は3期ぶりの配当を実施することとした。今後も安定配当を継続するという基本方針を踏まえ、安定的な事業運営や持続的な成長を遂げるために必要な投資、財務基盤の強化、株主還元にバランスよく配分していく。
(事業等のリスクに係る情報)
事業等のリスクに係る情報については、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載している。