四半期報告書-第150期第3四半期(平成27年9月1日-平成27年11月30日)

【提出】
2016/01/14 15:08
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【項目】
27項目

財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

(1)業績
当第3四半期連結累計期間におけるわが国の経済は、海外景気の下振れが懸念されるなか、個人消費や設備投資の持ち直し、雇用情勢の改善などから、景気は緩やかな回復基調で推移いたしました。
このような状況下、当企業グループはより一層の経営の効率化を図り、積極的な営業活動を展開いたしました。
以上の結果、当第3四半期連結累計期間は、売上高70,063百万円(前年同期比2.8%増)、営業利益5,816百万円(同4.3%減)、経常利益5,136百万円(同0.0%増)となり、特別利益542百万円、特別損失700百万円を計上し、四半期純利益は3,268百万円(同2.4%減)となりました。
セグメントの業績は次のとおりであります。
(映像関連事業)
配給は、3月、4月に連続公開の「ソロモンの偽証」(前後篇二部作)、9月公開の「天空の蜂」は、作品として高い評価を得ましたが厳しい結果となりました。5月公開の「駆込み女と駆出し男」、11月公開の「グラスホッパー」を中心に高稼働しました。また、6月公開のアニメ「ラブライブ! The School Idol Movie」は、熱心なファンの支持を得て大ヒットとなりました。その他、ODS作品として「機動戦士ガンダム THE ORIGIN Ⅱ 哀しみのアルテイシア」等を公開し、収益に貢献しました。
興行は、㈱松竹マルチプレックスシアターズ運営の各劇場が堅調に推移しています。夏には、「ジュラシック・ワールド」をはじめ、ヒット作品が多かったことと、自社配給作品を効果的に展開したこと等も奏功し、多くの劇場で8月の興行記録を更新しました。また、新宿ピカデリーの近隣に競合館が開業しましたが、独自の宣伝展開や番組編成を強化した結果、引き続き高い稼働率となり、全国トップクラスの動員を維持しました。
テレビ制作、映像ソフト、テレビ放映権販売、海外向け作品販売等は堅調に推移しました。
この結果、当第3四半期連結累計期間の売上高は38,004百万円(前年同期比5.2%増)、セグメント利益は2,321百万円(同6.5%増)となりました。
(演劇事業)
新開場3年目となりました歌舞伎座は、3月に「菅原伝授手習鑑」の通し上演、6月に「新薄雪物語」の通し上演を行うなど、若手花形俳優も積極的に起用しながらの意欲的な公演に取り組みました。また、「七月大歌舞伎」「十一月吉例顔見世大歌舞伎」が高稼働しました。
新橋演舞場は、国民的人気漫画「ONE PIECE」を原作にした、スーパー歌舞伎Ⅱ「ワンピース」を10月から二ヶ月連続で上演し、大盛況となりました。その他、藤山直美主演のスーパー喜劇「かぐや姫」、10年目の節目を迎えた「滝沢歌舞伎」、歌舞伎NEXTと銘打ちました意欲作「阿弖流為」など毎月充実した舞台を繰り広げました。
大阪松竹座は、4月のスーパー喜劇「かぐや姫」、10月の「阿弖流為」は、新橋演舞場での公演に引き続き活況を呈し、好成績を収めました。関西ジャニーズJr.公演、OSK日本歌劇団「レビュー春のおどり」、片岡愛之助主演の「六月花形歌舞伎」が収益に貢献しました。
南座は、「三月花形歌舞伎」では、次世代を担う若手歌舞伎俳優の活躍で舞台を盛り上げました。また、9月にベストセラー絵本として知られる「あらしのよるに」を歌舞伎化、親子連れでの観劇も目立ち、大好評の公演となりました。
その他の松竹公演では、「平成中村座 陽春大歌舞伎」が大賑わいの公演となり、日生劇場「嵐が丘」、サンシャイン劇場「広島に原爆を落とす日」は、高い評価を得ました。シネマ歌舞伎、METライブビューイング、その他演劇関連事業は、堅調に推移しました。
この結果、当第3四半期連結累計期間の売上高は19,838百万円(前年同期比1.4%減)、セグメント利益は2,030百万円(同20.3%減)となりました。
(不動産事業)
不動産賃貸は、歌舞伎座タワー、築地松竹ビル(銀座松竹スクエア)、新宿松竹会館、有楽町センタービル(マリオン)、松竹倶楽部ビル、大船の松竹ショッピングセンター、新木場倉庫等が満室稼働し、安定収入に貢献しました。各ビルともに効率的運営、管理費等の経費削減に努め、計画通りの利益を確保しました。
この結果、当第3四半期連結累計期間の売上高は7,599百万円(前年同期比0.9%増)、セグメント利益は2,962百万円(同9.4%増)となりました。
(その他)
プログラム・キャラクター商品は、「ラブライブ!The School Idol Movie」「ARIA The AVVENIRE」「機動戦士ガンダム THE ORIGIN I 青い瞳のキャスバル」等、コアファンを有するアニメ作品が好調で、同作品の商品が牽引し、通販サイトFroovieでの商品受注も堅調に推移しました。劇場商品以外の新たな展開として、歌舞伎とふなっしーのキャラクターコラボ商品を開発し、好調な売上となりました。
イベント事業は、東京タワーでの「お化け屋敷」や関西での「巨大昆虫ワールド」等を実施し好評を博しました。また、3月に成田空港出発ロビーにオープンした歌舞伎のギャラリーとショップ機能を併せ持つ「Kabuki Gate」は、多くの国内外のお客様で賑わいを見せました。その他では、東京駅の「松竹歌舞伎屋本舗」、大井競馬場の競馬観戦型レストラン「ダイアモンドターン」等が好調に推移しました。
貸衣裳事業、清掃事業及び舞台大道具製作事業は堅調な成績をあげています。
この結果、当第3四半期連結累計期間の売上高は4,620百万円(前年同期比5.2%増)、セグメント利益は446百万円(同20.5%減)となりました。
(2)財政状態
当第3四半期連結会計期間末における総資産は、前連結会計年度末に比べ7,854百万円増加し、202,507百万円となりました。これは主に現金及び預金、及び投資有価証券の増加等によるものであります。
負債は、前連結会計年度末に比べ1,924百万円増加し、120,106百万円となりました。これは主に長期借入金の増加等によるものであります。
純資産は、前連結会計年度末に比べ5,930百万円増加し、82,400百万円となりました。これは主に利益剰余金及びその他有価証券評価差額金の増加等によるものであります。
(3)事業上及び財務上の対処すべき課題
当第3四半期連結累計期間において、当企業グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
(4)研究開発活動
該当事項はありません。