有価証券報告書-第61期(平成29年4月1日-平成30年3月31日)

【提出】
2018/06/22 13:04
【資料】
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【項目】
61項目
(業績等の概要)
(1) 業績
<当連結会計年度における事業環境>当連結会計年度における世界の政治情勢は、世界的な地政学リスクの高まりや保護主義の台頭等が見られた一方で、経済情勢は法人税率引き下げ等による米国経済の拡大や雇用・所得環境の改善等による中国経済の堅調な推移等、緩やかな景気拡大が続きました。日本では、金融緩和政策の継続や経済政策等により、設備投資が増加する等、緩やかな改善基調で推移いたしました。
<当連結会計年度における施策>2017年3月期から2019年3月期までの「中期経営計画」(以下、2018中計)では、ROAの改善によるROEの向上をめざし、グローバル事業(欧州、米州、中国、ASEAN)で規律ある高い成長性の維持、日本事業で成長分野への注力と事務の効率化による収益性改善を図るとともに、事業成長を支えるための戦略的な投資として、M&A、IT投資、人財投資を積極的に行っております。
当連結会計年度において、日本事業では、注力分野である伸ばす分野(社会インフラ、環境・エネルギー、ビークル、自治体公共)と蕾分野・育てる分野(食、セキュリティ、BPO)の拡大を推進してまいりました。社会インフラ分野では、2017年10月に当社が手掛ける建物リース事業におけるフロント機能を、日立キャピタルコミュニティ株式会社に集約し、建物リースから施設の開発・運営・管理までを網羅した不動産ソリューションの提供を可能とする体制を構築いたしました。環境・エネルギー分野では、2018年2月に青森県横浜町、同年3月に福島県南相馬市で合計発電容量41.6MWの風力発電所の運転を開始する等、エネルギーソリューションの提供を通じて低炭素社会への貢献をめざしております。基盤・再構築分野(ベンダーソリューション、ヘルスケア、アグリ)では、構造改革を推進しており、2017年10月にベンダーソリューション事業のフロント機能を日立キャピタルNBL株式会社に集約いたしました。今後は、基幹システムの統合等を進め、サービス品質の向上による同事業の競争力強化をめざしてまいります。また、同年4月からは、「働き方改革」プロジェクトを本格的に立ち上げ、業務の構造改革や先進的なIT活用等に取り組み、生産性の向上と時間の創出を行うことで、当社と社員がともに成長することをめざしております。2018年3月には、株式会社日立物流(以下、日立物流)と「金流×商流×物流×情流」の新たなイノベーション実現に向けた業務提携に関する基本合意を締結しました。事故ゼロ社会の実現に向けたスマート安全運行管理システムの共同研究の開始や、日立物流の完全子会社である株式会社日立オートサービスの発行済株式一部取得の協議・検討等、さらなる事業拡大を図ってまいります。
グローバル事業では、欧州事業において、2017年3月に英国政府がEUへ離脱を正式に通知いたしましたが、事業環境に大きな変化は見られず、英国事業は順調に推移しております。さらに、欧州大陸の安定成長をめざして、同年9月にオランダに新たな営業所を開設、同年11月にはビークルソリューション強化の一環として同国のLease Visie B.V.を子会社化しました。また、2018年2月にはポーランドのビークルソリューション事業強化を目的として、Planet Car Lease Polska Sp. z o. o.を子会社化しました。中国事業では、中国市場における機動的な資金調達やインフラプロジェクト向け出資、ファイナンスアレンジメント機能のさらなる強化を図るために、2017年11月に香港子会社のHitachi Capital Management(China)Ltd.を中間持株会社とする体制再編を実施、同年12月には日系企業として初めてアジアにおいて外貨建てグリーンボンドを発行しました。
また、株式会社日立製作所、株式会社三菱UFJフィナンシャル・グループ、株式会社三菱UFJ銀行及び三菱UFJリース株式会社との5社間での業務提携に基づき設立したジャパン・インフラストラクチャー・イニシアティブ株式会社(以下、JII)が2017年4月より事業を開始し、オープンな金融プラットフォームの実現を推進してまいりました。その成果として、同年9月にJIIが、英国高速鉄道のHigh Speed1(ロンドン・セントパンクラスと英仏海峡トンネル入口を結ぶ109kmの高速鉄道線路及び沿線4駅等の操業・メンテナンス事業)への投資を実行、2018年4月には日本・グアム・豪州間光海底ケーブル事業への投資契約を締結しました。
<当連結会計年度の業績>日本事業の社会インフラ(建物リース)や環境・エネルギー等の注力分野が堅調に推移したことに加え、グローバル事業の各地域が概ね堅調に推移したことにより、当連結会計年度の売上収益は前年同期比9.0%増の404,124百万円、売上総利益は同4.7%増の131,698百万円となりました。売上総利益の増加に加え、日本事業の事務のファクトリー化等による販売費及び一般管理費の減少があったものの、将来の成長を見据えた投資を実行したことにより、税引前当期利益は同3.8%減の44,295百万円、親会社の所有者に帰属する当期利益は同2.6%減の32,057百万円となりました。
次期連結会計年度においては、当連結会計年度に実行した投資の効果を創出するとともに、グローバル事業の規律ある高い成長性の持続、日本事業の事業構造改革による収益性の向上、事業成長を支える戦略的投資を推進いたします。
当連結会計年度の業績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(アカウントソリューション)
売上収益は社会インフラ(建物リース)等が堅調に推移したことにより、前年同期比5.0%増の209,374百万円となりました。
税引前当期利益は売上収益が増加したものの、将来の成長を見据えた投資を実行したことにより、同2.2%減の17,289百万円となりました。
(ベンダーソリューション)
売上収益は再リース収益や金融関連収益の減少等により、前年同期比4.5%減の25,799百万円となりました。その結果、税引前当期利益は同7.5%減の5,346百万円となりました。
(欧州)
売上収益は英国事業が堅調に推移したことや2017年1月のNoordlease Holding B.V.の連結子会社化等により、前年同期比18.6%増の104,841百万円となりました。
税引前当期利益は売上収益が増加し、貸倒関連費用が減少したものの、英国金融行為規制機構(FCA)の認可に伴うコストの発生等により、同6.7%増の16,907百万円となりました。
(米州)
売上収益はファクタリング事業やカナダ事業が好調に推移したことや2016年6月のCreekridge Capital LLCの事業買収等により、前年同期比20.4%増の21,505百万円となりました。
税引前当期利益は売上収益が増加したものの、大型トラック市況低迷に伴う貸倒処分の増加により、同14.8%減の3,701百万円となりました。
(中国)
売上収益は中国本土、香港事業が堅調に推移したこと等により、前年同期比6.8%増の16,945百万円となりました。
税引前当期利益は売上収益が増加し、貸倒関連費用が減少したものの、金利の上昇に伴う金融費用の増加等により、同3.3%増の7,677百万円となりました。
(ASEAN)
売上収益はシンガポール、タイ、マレーシア、インドネシアにおいて、それぞれ増収となったことにより、前年同期比19.2%増の15,979百万円となりました。
税引前当期利益は売上収益の増加に加え、優良顧客へのシフトが進んだことによる貸倒関連費用の減少等により、同324.6%増の998百万円となりました。
(2) キャッシュ・フロー
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況は、次のとおりであります。
(単位:百万円)
前連結会計年度
(自 2016年4月1日
至 2017年3月31日)
当連結会計年度
(自 2017年4月1日
至 2018年3月31日)
増減
営業活動に関するキャッシュ・フロー△142,653△219,623△76,969
投資活動に関するキャッシュ・フロー△52,388△36,68115,707
財務活動に関するキャッシュ・フロー216,105253,57737,471
現金及び現金同等物(期末残高)178,081174,805△3,275
フリー・キャッシュ・フロー△195,042△256,304△61,262

① 営業活動に関するキャッシュ・フロー
営業活動に関するキャッシュ・フローは、219,623百万円の資金流出となりました。この主な内訳は、オペレーティング・リース資産の取得203,230百万円、売掛金及びその他の営業債権の増加86,345百万円、買掛金及びその他の営業債務の減少70,719百万円、ファイナンス・リース債権の増加60,478百万円等であります。
② 投資活動に関するキャッシュ・フロー
投資活動に関するキャッシュ・フローは、36,681百万円の資金流出となりました。この主な内訳は、その他の有形固定資産の取得24,204百万円、その他の無形資産の取得6,582百万円、連結範囲の異動を伴う子会社株式の取得による支出4,663百万円等であります。
③ 財務活動に関するキャッシュ・フロー
財務活動に関するキャッシュ・フローは、253,577百万円の資金流入となりました。この主な内訳は、長期借入債務による調達706,009百万円、長期借入債務の返済及び償還547,932百万円、短期借入債務の増加106,400百万円等であります。
これらの結果、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末に比べて3,275百万円減少し、174,805百万円となりました。また、営業活動に関するキャッシュ・フローと投資活動に関するキャッシュ・フローを合計したフリー・キャッシュ・フローの支出は、前連結会計年度に比べて61,262百万円増加し、256,304百万円となりました。
当社は、市場環境を考慮した手元流動性管理を行うほか、金融資産の到来期限を考慮した返済期限の管理、さらには、資金調達手段及び調達先金融機関の多様化により、流動性リスク発生による影響を抑えるべく管理を行っております。また、複数の金融機関と総額50,000百万円のグローバル・コミットメントライン契約(マルチカレンシー、マルチボロワー型)を締結し、流動性リスク対策の強化を行っており、当連結会計年度末における流動性は十分に確保されていると認識しております。
(販売の状況)
(1) 取扱高実績
当連結会計年度における取扱高実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
当連結会計年度
(自 2017年4月1日
至 2018年3月31日)
金額(百万円)対前年増減率(%)
アカウントソリューション850,987△2.8
ベンダーソリューション177,432△1.4
欧州592,34320.7
米州533,21214.5
中国235,41613.3
ASEAN101,70414.7
報告セグメント計2,491,0977.9
その他又は消去等18,229△30.5
合計2,509,3277.5

(注) 1 取扱高合計に対し10%以上に該当する販売先はありません。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 売上収益実績
当連結会計年度における売上収益実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
当連結会計年度
(自 2017年4月1日
至 2018年3月31日)
金額(百万円)対前年増減率(%)
アカウントソリューション209,3745.0
ベンダーソリューション25,799△4.5
欧州104,84118.6
米州21,50520.4
中国16,9456.8
ASEAN15,97919.2
報告セグメント計394,4449.0
その他又は消去等9,6797.7
合計404,1249.0

(注) 1 売上収益合計に対し10%以上に該当する販売先はありません。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容)
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次の通りであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1) 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、IFRSに準拠して作成しております。当社は、連結財務諸表を作成するに当たり、重要な判断や見積りを行っております。これらの見積りは、実際の結果と異なる場合があります。当社グループの会計方針については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記 3.主要な会計方針についての概要」に記載のとおりであります。
(2) 当連結会計年度末の資産、負債及び資本の状況
当社グループの当連結会計年度末の資産、負債及び資本の状況は、次のとおりです。
① 資産
当連結会計年度末の総資産残高は、主に欧州において売掛金及びその他の営業債権、及びオペレーティング・リース資産が増加したこと等により、前連結会計年度末に比し223,726百万円増加の3,468,756百万円となりました。
② 負債
当連結会計年度末の負債残高は、主に社債が増加したこと等により、前連結会計年度末に比し193,797百万円増加の3,075,649百万円となりました。
③ 資本
当連結会計年度末の資本残高は、親会社の所有者に帰属する当期利益32,057百万円を計上したことによる増加、剰余金の配当を10,052百万円実施したことによる減少、及びその他の包括利益累計額が7,047百万円増加したこと等の結果、親会社の所有者に帰属する持分が増加し、前連結会計年度末に比し29,929百万円増加の393,107百万円となりました。
(3) 当連結会計年度の経営成績の分析
当社グループの当連結会計年度の経営成績は、次のとおりです。
① 売上収益
日本事業の社会インフラ(建物リース)や環境・エネルギー等の注力分野が堅調に推移したことに加え、グローバル事業の各地域が概ね堅調に推移したことにより、売上収益は前年同期比9.0%増の404,124百万円となりました。
② 親会社の所有者に帰属する当期利益
売上総利益の増加に加え、日本事業の事務のファクトリー化等による販売費及び一般管理費の減少があったものの、将来の成長を見据えた投資を実行したことにより、親会社の所有者に帰属する当期利益は前年同期比2.6%減の32,057百万円となりました。
③ 親会社の所有者に帰属する1株当たり当期利益
上記の結果、親会社の所有者に帰属する1株当たり当期利益は前年同期比2.6%減の274.26円となりました。
(4) 経営成績に重要な影響を及ぼす要因について
内部統制が有効に機能しなかったあるいは内部統制体制の構築・整備において想定されていない問題が発生した場合、市場金利の急激な変動により調達コストが増加した場合、当社グループの信用力が低下してあるいは金融市場の混乱や市場環境が変化して資金調達が困難となる場合、経済情勢・景気動向の悪化により信用リスクが増加して貸倒引当金繰入等の負担が増加した場合、予想を上回る市場環境の変化や技術革新等によってリース物件の当初の見積残価よりも実際の処分価額が下回る場合あるいは事業資産に係る修繕・撤去費用が変動した場合、事業構造転換が遅れる又はできなかった場合、システム停止等が発生した場合、各種法令や社会規範が遵守されず罰則の適用や社会的信頼の喪失があった場合、提携先の破綻・不正等が発生して当社グループが提携先の責任を負担した場合、法規制等の変更が行なわれた場合、人的資源が確保できない場合、地震、風水害などの自然災害や感染症の流行などが発生した場合、各国・地域固有の法規制・税制等の変更及び景気変動による事業環境の変化があった場合などに、当社グループの経営成績に重要な影響を及ぼす可能性があります。
(5) 経営戦略の現状と見通し
当社は、経営方針として「社会価値創造企業」を定め、「成長セカンドステージ」と位置付ける「2016~2018年度 中期経営計画」では、絶えず変動する事業環境に対し“変化”と“成長”を続けることで、目標の達成と中長期での企業価値向上を実現してまいります。
(6) 資本の財源及び資金の流動性についての分析
当連結会計年度における資本の財源及び資金の流動性についての分析は、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (2)キャッシュ・フロー」に記載しております。
(7) 経営者の問題認識と今後の方針について
当社は、絶えず変動する事業環境に対応し、更なる成長戦略の実現をめざすとともに、経営基盤強化を推進していくことが必要となっております。
「2016年度~2018年度 中期経営計画」では、事業環境に左右されない“変化”と“成長”による目標の達成と、ミッション(経営方針)である「地球環境を考え、社会の発展と人々の豊かなくらしを実現するため新しい価値を創造し提供する社会価値創造企業」をめざしております。
成長戦略においては、地域特性に応じた強み(らしさ)を追求し、日本における事業構造改革の継続や、欧州・米州・中国・ASEANを中心に面の拡大を推進するとともに、グループ共通戦略(「日立グループビジネス」、「株式会社三菱UFJフィナンシャル・グループ、三菱UFJリース株式会社との資本業務提携によるシナジー創出」、「ビークルソリューション」、「環境・エネルギー」、「販売金融」)をグローバルに展開してまいります。
経営基盤強化においては、質の高いリスクマネジメント体制を構築し、財務リスクや信用リスク管理を強化してまいります。
経営成績等の状況の概要に係る主要な項目における差異に関する情報
IFRSにより作成した連結財務諸表における主要な項目と日本基準により作成した場合の連結財務諸表におけるこれらに相当する項目との差異に関する事項
(のれんの償却に関する事項)
のれんについて、日本基準では一定期間にわたり償却しておりましたが、IFRSでは、IFRS移行日(2013年4月1日)以降の償却を停止しております。この影響により、IFRSでは日本基準に比べて、当連結会計年度の販売費及び一般管理費が3,030百万円減少しております。

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