有価証券報告書-第62期(平成30年4月1日-平成31年3月31日)
(業績等の概要)
(1) 業績
<当連結会計年度における事業環境>当連結会計年度における世界の経済情勢は、英国や米国、日本各国の経済が堅調に推移した一方で、中国において経済成長の鈍化がみられました。こうしたなかで、英国のEU離脱に向けた調整が難航していること、米中における貿易摩擦が強まる等の政治情勢も加わり、世界的な景気減退の兆しがみられる等、先行きについては不透明感が高まっております。
<当連結会計年度における施策>「2016~2018年度中期経営計画」(以下、2018中計)では、ROAの改善によるROEの向上をめざし、グローバル事業(欧州、米州、中国、ASEAN)における規律ある高い成長性の維持、日本事業での成長分野への注力と事務の効率化による収益性改善を図るとともに、その成長を支えるための戦略的な投資として、M&A、IT投資、人財投資を積極的に行ってまいりました。
当連結会計年度において、日本事業では、注力分野(社会インフラ、環境・エネルギー、ビークル、自治体公共)の拡大及び事業構造改革による収益力向上を図ってまいりました。2018年6月には地域創生及び資源循環型社会構築への貢献をめざし、日立グリーンエナジー株式会社が、青森県において、ながいも残渣等を活用したバイオガス発電事業を行う合同会社農業連携BG投資組合1号に出資し、同年11月に発電システムの商用運転を開始しました。同年12月には、株式会社日立物流(以下、日立物流)と「金流×商流×物流×情流」の新たなイノベーション実現に向けた業務提携契約等を締結し、これを基に本年2月に日立物流の子会社である株式会社日立オートサービスの発行済株式の40%を取得しました。今後、スマート安全運行管理システム等、日立物流との間で様々な施策を推進してまいります。さらに、本年1月には事業構造改革の柱のひとつとして進めてきたベンダーソリューション事業のシステム統合が完了しました。ベンダーソリューション事業におけるこの取り組みと株式会社日立製作所のAIを活用した中小企業向け小口融資審査の自動化率向上に向けた実証実験等が高く評価され、2018年5月には「攻めのIT経営銘柄2018」において、「IT経営注目企業2018」に選定され、同年11月には「平成30年度(第36回)IT賞」において、「IT奨励賞」を受賞しました。また、本年2月には資金調達手段の多様化の一環として、岡山県新見市の太陽光発電事業の設備資金に充当することを目的に、総額100億円のグリーンボンドを発行しました。
グローバル事業では、地域特性に応じたリスクコントロールや外部環境に左右されない体制の構築により、規律ある高い成長性の維持をめざしております。欧州事業においては、2018年6月に英国におけるビジネスファイナンスの拡大を目的に、Hitachi Capital (UK) PLCがFranchise Finance Limitedを子会社化しました。同年7月には、事業シナジーの創出を目的として、オランダのNoordlease Holding B.V.が同国北部に拠点を持つNoordlease B.V.と中部に拠点を持つLease Visie B.V.を組織統合し、営業網をオランダ全域に広げるとともに、社名をHitachi Capital Mobility Holding Netherlands B.V.に変更しました。本年1月には欧州大陸でのビークルソリューション事業強化と展開地域の拡大を目的に、ドイツ及びオーストリアで事業を行っているMaske Fleet GmbHを完全子会社化しました。今後も英国での安定成長とともに、欧州大陸における事業強化と市場拡大を推進することで、欧州事業の持続的成長を図ってまいります。米州事業においては、本年2月、ITベンダー向けのサプライチェーンファイナンスに強みのある米国のGlobal Technology Finance, LLCの事業買収を行いました。また、カナダでは新規事業としてコマーシャル・ファイナンスの取り組みを開始するなど、持続的な事業強化を図っております。ASEAN事業においては、2018年9月にタイで開設した株式会社日立製作所のLumada Center Southeast Asiaに対して建物リースを提供しました。本年2月には、Hitachi Capital Asia Pacific Pte. Ltd.と日立グループにて海水淡水化を手掛けるHitachi Aqua-Tech Engineering Pte. Ltd.が共同で製品とファイナンスをパッケージ化、モルディブ共和国の水道インフラ整備事業の設備機器を受注するなど、日立グループとの連携を強化しております。
当社、株式会社日立製作所、株式会社三菱UFJフィナンシャル・グループ、株式会社三菱UFJ銀行及び三菱UFJリース株式会社の5社間の業務提携により設立したジャパン・インフラストラクチャー・イニシアティブ株式会社の事業では、日本・グアム・豪州間光海底ケーブル事業への投資、英国の鉄道関連事業への出資及び自動運転・先進運転支援システムの実現に必要な高精度3次元道路地図の提供を行うダイナミックマップ基盤株式会社への出資決定等を行いました。
<当連結会計年度の業績>当連結会計年度は、日本事業においてこれまで取り組んできた事業構造改革が奏功したことに加えて、注力分野(環境・エネルギー・ビークル等)が伸長、さらには、グローバル事業の欧州、米州、ASEANが順調に推移したことから、売上収益は前年同期比12.2%増の453,253百万円、売上総利益は同6.6%増の140,393百万円となりました。
一方で、中国において大口ファクタリング取引に対する引当金を20,665百万円計上したことにより、当連結会計年度の税引前当期利益は前年同期比26.2%減の32,706百万円、親会社の所有者に帰属する当期利益は同39.6%減の19,363百万円となり、ROAは1.0%、OHRは59.0%となりました。
この結果、2018中計においては、目標に対して未達となりましたが、今般の中国事案(大口ファクタリングの不正常取引に対する引当金20,665百万円)を除いた税引前当期利益は前年同期比20.5%増の53,371百万円となりました。
2019年度は、良質債権の維持を確固たるものとするため、大口ファクタリング事業等の抜本的見直しなど、再発防止を徹底し、目標の達成をめざしてまいります。
<経営上の目標の達成状況>
当連結会計年度の業績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(日本:アカウントソリューション)
売上収益は、2018中計で注力分野と位置付けた、環境・エネルギーやビークルの事業が堅調に推移したこと等により、前年同期比9.6%増の229,381百万円となりました。
税引前当期利益は、売上収益の増加に加えて、ベンダーソリューション事業の子会社(日立キャピタルNBL株式会社)集約等による事業構造改革、さらには、販売費及び一般管理費の減少等により、同31.4%増の22,718百万円となりました。
(日本:ベンダーソリューション)
売上収益は、取扱高が緩やかに増加したものの、日本の低金利環境の継続に伴う金融関連収益の減少により、前年同期比3.3%減の24,956百万円となりました。
税引前当期利益は、ベンダーソリューション事業の子会社(日立キャピタルNBL株式会社)集約等による事業構造改革、さらには、販売費及び一般管理費の減少等により、同16.8%増の6,245百万円となりました。
(欧州)
売上収益は、英国事業はBrexitの影響がみられず、コンシューマーファイナンス事業が好調に推移したこと等により、前年同期比21.2%増の127,091百万円となりました。
税引前当期利益は、売上収益が21.2%増加したものの、販売費及び一般管理費等も増加し、同8.0%増の18,251百万円となりました。
(米州)
売上収益は、米国のトラックファイナンス事業やカナダ事業等が好調に推移したことにより、前年同期比25.3%増の26,945百万円となりました。
税引前当期利益は、売上収益の増加に加えて、貸倒関連費用が減少したこと等により、同37.8%増の5,100百万円となりました。
(中国)
売上収益は、前年同期比9.8%増の18,600百万円となりましたが、税引前当期利益は、大口ファクタリングの不正常取引に対して20,665百万円の引当金を計上したことにより、13,895百万円の損失となりました。
※詳細は2019年7月25日付「特別調査委員会の調査報告書受領及び公表に関するお知らせ」に添付されている「調査報告書(開示版)」を ご参照ください。
(ASEAN)
売上収益は、シンガポール、タイ、マレーシア、インドネシアにおいて、地域特性に合わせた事業展開により、すべての会社が増収となったことから、前年同期比9.7%増の17,534百万円となりました。
税引前当期利益は、売上収益の増加に加えて、経営基盤の強化を進めたことで販売費及び一般管理費が減少し、同49.6%増の1,493百万円となりました。
(2) キャッシュ・フロー
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況は、次のとおりであります。
(単位:百万円)
① 営業活動に関するキャッシュ・フロー
営業活動に関するキャッシュ・フローは、176,507百万円の資金流出となりました。この主な内訳は、オペレーティング・リース資産の取得167,219百万円、売掛金及びその他の営業債権の増加127,396百万円、ファイナンス・リース債権の増加68,122百万円、及びオペレーティング・リース資産の売却46,616百万円等です。
② 投資活動に関するキャッシュ・フロー
投資活動に関するキャッシュ・フローは、56,268百万円の資金流出となりました。この主な内訳は、有価証券の取得及び定期預金の預入21,500百万円、その他の有形固定資産の取得21,470百万円、連結範囲の異動を伴う子会社株式の取得による支出4,922百万円等です。
③ 財務活動に関するキャッシュ・フロー
財務活動に関するキャッシュ・フローは、277,131百万円の資金流入となりました。この主な内訳は、長期借入債務による調達770,327百万円、長期借入債務の返済及び償還607,994百万円、及び短期借入債務の増加125,709百万円等です。
これらの結果、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末に比べて45,053百万円増加し、219,858百万円となりました。また、営業活動に関するキャッシュ・フローと投資活動に関するキャッシュ・フローを合計したフリー・キャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べて23,528百万円増加し、232,775百万円の支出となりました。
当社は、市場環境を考慮した手元流動性管理を行うほか、金融資産の到来期限を考慮した返済期限の管理、さらには、資金調達手段及び調達先金融機関の多様化により、流動性リスク発生による影響を抑えるべく管理を行っております。また、複数の金融機関と総額50,000百万円のグローバル・コミットメントライン契約(マルチカレンシー、マルチボロワー型)を締結し、流動性リスク対策の強化を行っており、当連結会計年度末における流動性は十分に確保されていると認識しております。
(販売の状況)
(1) 取扱高実績
当連結会計年度における取扱高実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 取扱高合計に対し10%以上に該当する販売先はありません。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 売上収益実績
当連結会計年度における売上収益実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 売上収益合計に対し10%以上に該当する販売先はありません。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容)
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次の通りであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1) 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、IFRSに準拠して作成しております。当社は、連結財務諸表を作成するに当たり、重要な判断や見積りを行っております。これらの見積りは、実際の結果と異なる場合があります。当社グループの会計方針については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記 3.主要な会計方針についての概要」に記載のとおりであります。
(2) 当連結会計年度末の資産、負債及び資本の状況
当社グループの当連結会計年度末の資産、負債及び資本の状況は、次のとおりです。
① 資産
当連結会計年度末の総資産残高は、主に欧州及び米州において、売掛金及びその他の営業債権、ファイナンス・リース債権が増加したこと等により、前連結会計年度末に比し304,028百万円増加の3,772,784百万円となりました。
② 負債
当連結会計年度末の負債残高は、主に欧州において社債を発行したこと、及び米州において短期借入金が増加したこと等により、前連結会計年度末に比し306,716百万円増加の3,382,365百万円となりました。
③ 資本
当連結会計年度末の資本残高は、IFRS第9号(2014年7月改訂)の適用による期首利益剰余金4,419百万円の減少、親会社の所有者に帰属する当期利益19,363百万円を計上したことによる増加、剰余金の配当を10,401百万円実施したことによる減少、及びその他の包括利益累計額が5,876百万円減少したこと等の結果、親会社の所有者に帰属する持分が減少し、前連結会計年度末に比し2,688百万円減少の390,418百万円となりました。
(3) 当連結会計年度の経営成績の分析
当社グループの当連結会計年度の経営成績は、次のとおりです。
① 売上収益
日本事業においてこれまで取り組んできた事業構造改革が奏功したことに加えて、注力分野(環境・エネルギー・ビークル等)が伸長、さらには、グローバル事業の欧州、米州、ASEANが順調に推移したことから、売上収益は前年同期比12.2%増の453,253百万円となりました。
② 親会社の所有者に帰属する当期利益
中国において大口ファクタリング取引に対する引当金を20,665百万円計上したことにより、親会社の所有者に帰属する当期利益は前年同期比39.6%減の19,363百万円となりました。
③ 親会社の所有者に帰属する1株当たり当期利益
上記の結果、親会社の所有者に帰属する1株当たり当期利益は前年同期比39.6%減の165.69円となりました。
(4) 経営成績に重要な影響を及ぼす要因について
内部統制が有効に機能しなかったあるいは内部統制体制の構築・整備において想定されていない問題が発生した場合、市場金利の急激な変動により調達コストが増加した場合、当社グループの信用力が低下してあるいは金融市場の混乱や市場環境が変化して資金調達が困難となる場合、経済情勢・景気動向の悪化により信用リスクが増加して貸倒引当金繰入等の負担が増加した場合、予想を上回る市場環境の変化や技術革新等によってリース物件の当初の見積残価よりも実際の処分価額が下回る場合あるいは事業資産に係る修繕・撤去費用が変動した場合、サイバー攻撃や機密情報の漏洩が発生した場合、システム停止等が発生した場合、反社会的勢力との取引をはじめ各種法令や社会規範が遵守されず罰則の適用や社会的信頼の喪失があった場合、提携先の破綻・不正等が発生して当社グループが提携先の責任を負担した場合、法規制等の変更が行なわれた場合、人的資源が確保できない場合、地震、風水害などの自然災害や感染症の流行などが発生した場合、各国・地域固有の法規制・税制等の変更及び景気変動による事業環境の変化があった場合などに、当社グループの経営成績に重要な影響を及ぼす可能性があります。
(5) 経営戦略の現状と見通し
<2016~2018年度中期経営計画>当社は、経営方針である「社会価値創造企業」の実現をめざし、「成長セカンドステージ」と位置づける「2016~2018年度中期経営計画」においては、絶えず変動する事業環境を踏まえ、“変化”と“成長”を続けることで、目標の達成、中長期での企業価値向上を図るべく、事業戦略及び施策を推進いたしました。
とりわけ、グローバル事業における高い成長の維持、日本事業での成長分野への注力と事務の効率化による収益性改善を図るともに、その成長を支えるための戦略的な投資としてM&A、IT投資、人財投資を積極的に行ってまいりました。
<2019年3月期>当連結会計年度においては、当社子会社である日立商業保理(中国)有限公司が行ったファクタリング取引における不正常取引に関する全容把握とその抜本的な原因を究明するため、2019年6月17日に特別調査委員会を設置、調査を行ったことから、有価証券報告書の提出延期、さらには、中国のファクタリング取引の一部債権に対する大口の引当金を計上する事態となりました。
<2020年3月期>2020年3月期においては、中国での事案を受けて、良質債権の維持を確固たるものとするため、大口ファクタリング事業等の抜本的見直し、さらには、リスクマネジメントのより一層の強化など、再発防止の徹底に努めてまいります。
今後の見通しにつきましては、「(7)経営者の問題認識と今後の方針について」をご参照ください。
(6) 資本の財源及び資金の流動性についての分析
当連結会計年度における資本の財源及び資金の流動性についての分析は、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (2)キャッシュ・フロー」に記載しております。
(7) 経営者の問題認識と今後の方針について
<問題認識>当社グループを取り巻く事業環境は、世界的な金融緩和の継続や、ポピュリズムを背景とした英国のEU離脱問題、保護主義の台頭、及び米中における貿易摩擦等、先行きはさらに不透明な環境が続く見通しです。また、地政学リスクや金融市場におけるシステミックリスク等により、世界的な景気減速懸念が顕在化しつつあります。加えて、AI、IoT、ロボティクス等、テクノロジーの進展とさらなる5Gの普及により、さまざまな分野でイノベーションや産業構造の大きな変化が見込まれます。
そのようななか、外部環境に左右されない事業ポートフォリオの構築やリスク管理の高度化、さらに、金融ビジネスからの脱却をめざし、付加価値の高い事業への選択と集中、及びより効率的な経営体質への変革、また、それらを実現するための明確な戦略の立案とその着実な実行が必要不可欠となっております。
<今後の方向性>今後、当社グループは、様々な社会課題やお客様の経営課題の解決と持続的成長を両立させるべく、事業モデルシフトを加速してまいります。具体的には、単なるファイナンス会社からの脱却を図り、コア事業(ファイナンス・サービス・事業化)を有機的に結びつけた組合せ事業の推進を加速し、付加価値の高い事業モデルを拡大させてまいります。また、効率的且つ生産性の高い経営に向け、より一層の業務プロセスの効率化とリソース配置の最適化に取組み、フロント・ミドル・バックオフィスにおいて、先進的なテクノロジーの積極的な活用に努めていきます。さらに、メガトレンドからみた将来成長が見込まれる事業分野への経営資源のシフトを行うとともに、デジタライゼーションに向けた研究開発投資とM&Aの活用により、企業価値向上と社会から絶えず必要とされる企業をめざしてまいります。
経営成績等の状況の概要に係る主要な項目における差異に関する情報
IFRSにより作成した連結財務諸表における主要な項目と日本基準により作成した場合の連結財務諸表におけるこれらに相当する項目との差異に関する事項
(のれんの償却に関する事項)
のれんについて、日本基準では一定期間にわたり償却しておりましたが、IFRSでは、IFRS移行日(2013年4月1日)以降の償却を停止しております。この影響により、IFRSでは日本基準に比べて、当連結会計年度の販売費及び一般管理費が3,423百万円減少しております。
(特定金融会社等の開示に関する内閣府令に基づく営業貸付金の状況)
「特定金融会社等の開示に関する内閣府令」(平成11年5月19日 大蔵省令第57号)に基づく、提出会社個別に
おける営業貸付金の状況は以下の通りです。
① 貸付金の種別残高内訳 2019年3月31日現在
(注) 事業者向貸付残高には、関係会社向け貸付337,129百万円が含まれております。
② 資金調達内訳 2019年3月31日現在
(注) 当事業年度における貸付金譲渡金額は11,719百万円です。
③ 業種別貸付金残高内訳 2019年3月31日現在
④ 担保別貸付金残高内訳 2019年3月31日現在
⑤ 期間別貸付金残高内訳 2019年3月31日現在
(注) 期間は約定期間によっております。
(特定金融会社等の会計の整理に関する内閣府令に基づく不良債権の注記)
「特定金融会社等の会計の整理に関する内閣府令」(平成11年5月19日 総理府・大蔵省令32号)第21条第2項に基づく、前事業年度末及び当事業年度末現在における、提出会社個別の営業貸付金にかかる不良債権の内訳は以下の通りです。
本項目における数値は、日本会計基準により作成しています。
(注) 1 破綻先債権とは、元本又は利息の支払の遅延が相当期間継続していることその他の事由により元本又は利息の取立て又は弁済の見込みがないものとして未収利息を計上しなかった貸付金(以下、「未収利息不計上貸付金」という。)のうち、法人税法施行令第96条第1項第3号のイからホまでに掲げる事由が生じているものです。
2 延滞債権とは、未収利息不計上貸付金であって、破綻先債権及び債務者の経営再建又は支援を図ることを目的として利息の支払を猶予したもの以外のものです。
3 3ヶ月以上延滞債権とは、元本又は利息の支払が、約定支払日の翌日から3ヶ月以上遅延している貸付金で、破綻先債権及び延滞債権に該当しないものです。
4 貸付条件緩和債権とは、債務者の経営再建又は支援を図ることを目的として、金利の減免、利息の支払猶予、元本の返済猶予、債権放棄その他の債務者に有利となる取決めを行った貸付金で、破綻先債権、延滞債権及び3ヶ月以上延滞債権に該当しないものです。
(1) 業績
<当連結会計年度における事業環境>当連結会計年度における世界の経済情勢は、英国や米国、日本各国の経済が堅調に推移した一方で、中国において経済成長の鈍化がみられました。こうしたなかで、英国のEU離脱に向けた調整が難航していること、米中における貿易摩擦が強まる等の政治情勢も加わり、世界的な景気減退の兆しがみられる等、先行きについては不透明感が高まっております。
<当連結会計年度における施策>「2016~2018年度中期経営計画」(以下、2018中計)では、ROAの改善によるROEの向上をめざし、グローバル事業(欧州、米州、中国、ASEAN)における規律ある高い成長性の維持、日本事業での成長分野への注力と事務の効率化による収益性改善を図るとともに、その成長を支えるための戦略的な投資として、M&A、IT投資、人財投資を積極的に行ってまいりました。
当連結会計年度において、日本事業では、注力分野(社会インフラ、環境・エネルギー、ビークル、自治体公共)の拡大及び事業構造改革による収益力向上を図ってまいりました。2018年6月には地域創生及び資源循環型社会構築への貢献をめざし、日立グリーンエナジー株式会社が、青森県において、ながいも残渣等を活用したバイオガス発電事業を行う合同会社農業連携BG投資組合1号に出資し、同年11月に発電システムの商用運転を開始しました。同年12月には、株式会社日立物流(以下、日立物流)と「金流×商流×物流×情流」の新たなイノベーション実現に向けた業務提携契約等を締結し、これを基に本年2月に日立物流の子会社である株式会社日立オートサービスの発行済株式の40%を取得しました。今後、スマート安全運行管理システム等、日立物流との間で様々な施策を推進してまいります。さらに、本年1月には事業構造改革の柱のひとつとして進めてきたベンダーソリューション事業のシステム統合が完了しました。ベンダーソリューション事業におけるこの取り組みと株式会社日立製作所のAIを活用した中小企業向け小口融資審査の自動化率向上に向けた実証実験等が高く評価され、2018年5月には「攻めのIT経営銘柄2018」において、「IT経営注目企業2018」に選定され、同年11月には「平成30年度(第36回)IT賞」において、「IT奨励賞」を受賞しました。また、本年2月には資金調達手段の多様化の一環として、岡山県新見市の太陽光発電事業の設備資金に充当することを目的に、総額100億円のグリーンボンドを発行しました。
グローバル事業では、地域特性に応じたリスクコントロールや外部環境に左右されない体制の構築により、規律ある高い成長性の維持をめざしております。欧州事業においては、2018年6月に英国におけるビジネスファイナンスの拡大を目的に、Hitachi Capital (UK) PLCがFranchise Finance Limitedを子会社化しました。同年7月には、事業シナジーの創出を目的として、オランダのNoordlease Holding B.V.が同国北部に拠点を持つNoordlease B.V.と中部に拠点を持つLease Visie B.V.を組織統合し、営業網をオランダ全域に広げるとともに、社名をHitachi Capital Mobility Holding Netherlands B.V.に変更しました。本年1月には欧州大陸でのビークルソリューション事業強化と展開地域の拡大を目的に、ドイツ及びオーストリアで事業を行っているMaske Fleet GmbHを完全子会社化しました。今後も英国での安定成長とともに、欧州大陸における事業強化と市場拡大を推進することで、欧州事業の持続的成長を図ってまいります。米州事業においては、本年2月、ITベンダー向けのサプライチェーンファイナンスに強みのある米国のGlobal Technology Finance, LLCの事業買収を行いました。また、カナダでは新規事業としてコマーシャル・ファイナンスの取り組みを開始するなど、持続的な事業強化を図っております。ASEAN事業においては、2018年9月にタイで開設した株式会社日立製作所のLumada Center Southeast Asiaに対して建物リースを提供しました。本年2月には、Hitachi Capital Asia Pacific Pte. Ltd.と日立グループにて海水淡水化を手掛けるHitachi Aqua-Tech Engineering Pte. Ltd.が共同で製品とファイナンスをパッケージ化、モルディブ共和国の水道インフラ整備事業の設備機器を受注するなど、日立グループとの連携を強化しております。
当社、株式会社日立製作所、株式会社三菱UFJフィナンシャル・グループ、株式会社三菱UFJ銀行及び三菱UFJリース株式会社の5社間の業務提携により設立したジャパン・インフラストラクチャー・イニシアティブ株式会社の事業では、日本・グアム・豪州間光海底ケーブル事業への投資、英国の鉄道関連事業への出資及び自動運転・先進運転支援システムの実現に必要な高精度3次元道路地図の提供を行うダイナミックマップ基盤株式会社への出資決定等を行いました。
<当連結会計年度の業績>当連結会計年度は、日本事業においてこれまで取り組んできた事業構造改革が奏功したことに加えて、注力分野(環境・エネルギー・ビークル等)が伸長、さらには、グローバル事業の欧州、米州、ASEANが順調に推移したことから、売上収益は前年同期比12.2%増の453,253百万円、売上総利益は同6.6%増の140,393百万円となりました。
一方で、中国において大口ファクタリング取引に対する引当金を20,665百万円計上したことにより、当連結会計年度の税引前当期利益は前年同期比26.2%減の32,706百万円、親会社の所有者に帰属する当期利益は同39.6%減の19,363百万円となり、ROAは1.0%、OHRは59.0%となりました。
この結果、2018中計においては、目標に対して未達となりましたが、今般の中国事案(大口ファクタリングの不正常取引に対する引当金20,665百万円)を除いた税引前当期利益は前年同期比20.5%増の53,371百万円となりました。
2019年度は、良質債権の維持を確固たるものとするため、大口ファクタリング事業等の抜本的見直しなど、再発防止を徹底し、目標の達成をめざしてまいります。
<経営上の目標の達成状況>
| 2016~2018年度 中期経営計画 | ||||
| 2017年3月期 (実績) | 2018年3月期 (実績) | 2019年3月期 (実績) | 2019年3月期 (目標) | |
| 税引前当期利益 | 460億円 | 442億円 | 327億円 | 500億円 |
| [期初目標に対する達成率] | [98%] | [107%] | [65%] | - |
| ROA(営業資産残高税引前利益率) | 1.5% | 1.4% | 1.0% | 1.7% |
| OHR(販管費分配率) | 60.7% | 60.9% | 59.0% | 60%未満 |
| (ご参考)ROE(親会社所有者帰属持分当期利益率) | 9.6% | 8.8% | 5.1% | 9%超 |
当連結会計年度の業績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(日本:アカウントソリューション)
売上収益は、2018中計で注力分野と位置付けた、環境・エネルギーやビークルの事業が堅調に推移したこと等により、前年同期比9.6%増の229,381百万円となりました。
税引前当期利益は、売上収益の増加に加えて、ベンダーソリューション事業の子会社(日立キャピタルNBL株式会社)集約等による事業構造改革、さらには、販売費及び一般管理費の減少等により、同31.4%増の22,718百万円となりました。
(日本:ベンダーソリューション)
売上収益は、取扱高が緩やかに増加したものの、日本の低金利環境の継続に伴う金融関連収益の減少により、前年同期比3.3%減の24,956百万円となりました。
税引前当期利益は、ベンダーソリューション事業の子会社(日立キャピタルNBL株式会社)集約等による事業構造改革、さらには、販売費及び一般管理費の減少等により、同16.8%増の6,245百万円となりました。
(欧州)
売上収益は、英国事業はBrexitの影響がみられず、コンシューマーファイナンス事業が好調に推移したこと等により、前年同期比21.2%増の127,091百万円となりました。
税引前当期利益は、売上収益が21.2%増加したものの、販売費及び一般管理費等も増加し、同8.0%増の18,251百万円となりました。
(米州)
売上収益は、米国のトラックファイナンス事業やカナダ事業等が好調に推移したことにより、前年同期比25.3%増の26,945百万円となりました。
税引前当期利益は、売上収益の増加に加えて、貸倒関連費用が減少したこと等により、同37.8%増の5,100百万円となりました。
(中国)
売上収益は、前年同期比9.8%増の18,600百万円となりましたが、税引前当期利益は、大口ファクタリングの不正常取引に対して20,665百万円の引当金を計上したことにより、13,895百万円の損失となりました。
※詳細は2019年7月25日付「特別調査委員会の調査報告書受領及び公表に関するお知らせ」に添付されている「調査報告書(開示版)」を ご参照ください。
(ASEAN)
売上収益は、シンガポール、タイ、マレーシア、インドネシアにおいて、地域特性に合わせた事業展開により、すべての会社が増収となったことから、前年同期比9.7%増の17,534百万円となりました。
税引前当期利益は、売上収益の増加に加えて、経営基盤の強化を進めたことで販売費及び一般管理費が減少し、同49.6%増の1,493百万円となりました。
(2) キャッシュ・フロー
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況は、次のとおりであります。
(単位:百万円)
| 前連結会計年度 (自 2017年4月1日 至 2018年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) | 増減 | |
| 営業活動に関するキャッシュ・フロー | △219,623 | △176,507 | 43,115 |
| 投資活動に関するキャッシュ・フロー | △36,681 | △56,268 | △19,587 |
| 財務活動に関するキャッシュ・フロー | 253,577 | 277,131 | 23,553 |
| 現金及び現金同等物(期末残高) | 174,805 | 219,858 | 45,053 |
| フリー・キャッシュ・フロー | △256,304 | △232,775 | 23,528 |
① 営業活動に関するキャッシュ・フロー
営業活動に関するキャッシュ・フローは、176,507百万円の資金流出となりました。この主な内訳は、オペレーティング・リース資産の取得167,219百万円、売掛金及びその他の営業債権の増加127,396百万円、ファイナンス・リース債権の増加68,122百万円、及びオペレーティング・リース資産の売却46,616百万円等です。
② 投資活動に関するキャッシュ・フロー
投資活動に関するキャッシュ・フローは、56,268百万円の資金流出となりました。この主な内訳は、有価証券の取得及び定期預金の預入21,500百万円、その他の有形固定資産の取得21,470百万円、連結範囲の異動を伴う子会社株式の取得による支出4,922百万円等です。
③ 財務活動に関するキャッシュ・フロー
財務活動に関するキャッシュ・フローは、277,131百万円の資金流入となりました。この主な内訳は、長期借入債務による調達770,327百万円、長期借入債務の返済及び償還607,994百万円、及び短期借入債務の増加125,709百万円等です。
これらの結果、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末に比べて45,053百万円増加し、219,858百万円となりました。また、営業活動に関するキャッシュ・フローと投資活動に関するキャッシュ・フローを合計したフリー・キャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べて23,528百万円増加し、232,775百万円の支出となりました。
当社は、市場環境を考慮した手元流動性管理を行うほか、金融資産の到来期限を考慮した返済期限の管理、さらには、資金調達手段及び調達先金融機関の多様化により、流動性リスク発生による影響を抑えるべく管理を行っております。また、複数の金融機関と総額50,000百万円のグローバル・コミットメントライン契約(マルチカレンシー、マルチボロワー型)を締結し、流動性リスク対策の強化を行っており、当連結会計年度末における流動性は十分に確保されていると認識しております。
(販売の状況)
(1) 取扱高実績
当連結会計年度における取扱高実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| 当連結会計年度 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) | |||
| 金額(百万円) | 対前年増減率(%) | ||
| アカウントソリューション | 802,990 | △5.6 | |
| ベンダーソリューション | 181,971 | 2.6 | |
| 欧州 | 662,687 | 11.9 | |
| 米州 | 721,770 | 35.4 | |
| 中国 | 251,027 | 6.6 | |
| ASEAN | 116,103 | 14.2 | |
| 報告セグメント計 | 2,736,550 | 9.9 | |
| その他及び消去等 | 8,544 | △53.1 | |
| 合計 | 2,745,094 | 9.4 | |
(注) 1 取扱高合計に対し10%以上に該当する販売先はありません。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 売上収益実績
当連結会計年度における売上収益実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| 当連結会計年度 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) | |||
| 金額(百万円) | 対前年増減率(%) | ||
| アカウントソリューション | 229,381 | 9.6 | |
| ベンダーソリューション | 24,956 | △3.3 | |
| 欧州 | 127,091 | 21.2 | |
| 米州 | 26,945 | 25.3 | |
| 中国 | 18,600 | 9.8 | |
| ASEAN | 17,534 | 9.7 | |
| 報告セグメント計 | 444,509 | 12.7 | |
| その他及び消去等 | 8,743 | △9.7 | |
| 合計 | 453,253 | 12.2 | |
(注) 1 売上収益合計に対し10%以上に該当する販売先はありません。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容)
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次の通りであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1) 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、IFRSに準拠して作成しております。当社は、連結財務諸表を作成するに当たり、重要な判断や見積りを行っております。これらの見積りは、実際の結果と異なる場合があります。当社グループの会計方針については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記 3.主要な会計方針についての概要」に記載のとおりであります。
(2) 当連結会計年度末の資産、負債及び資本の状況
当社グループの当連結会計年度末の資産、負債及び資本の状況は、次のとおりです。
① 資産
当連結会計年度末の総資産残高は、主に欧州及び米州において、売掛金及びその他の営業債権、ファイナンス・リース債権が増加したこと等により、前連結会計年度末に比し304,028百万円増加の3,772,784百万円となりました。
② 負債
当連結会計年度末の負債残高は、主に欧州において社債を発行したこと、及び米州において短期借入金が増加したこと等により、前連結会計年度末に比し306,716百万円増加の3,382,365百万円となりました。
③ 資本
当連結会計年度末の資本残高は、IFRS第9号(2014年7月改訂)の適用による期首利益剰余金4,419百万円の減少、親会社の所有者に帰属する当期利益19,363百万円を計上したことによる増加、剰余金の配当を10,401百万円実施したことによる減少、及びその他の包括利益累計額が5,876百万円減少したこと等の結果、親会社の所有者に帰属する持分が減少し、前連結会計年度末に比し2,688百万円減少の390,418百万円となりました。
(3) 当連結会計年度の経営成績の分析
当社グループの当連結会計年度の経営成績は、次のとおりです。
① 売上収益
日本事業においてこれまで取り組んできた事業構造改革が奏功したことに加えて、注力分野(環境・エネルギー・ビークル等)が伸長、さらには、グローバル事業の欧州、米州、ASEANが順調に推移したことから、売上収益は前年同期比12.2%増の453,253百万円となりました。
② 親会社の所有者に帰属する当期利益
中国において大口ファクタリング取引に対する引当金を20,665百万円計上したことにより、親会社の所有者に帰属する当期利益は前年同期比39.6%減の19,363百万円となりました。
③ 親会社の所有者に帰属する1株当たり当期利益
上記の結果、親会社の所有者に帰属する1株当たり当期利益は前年同期比39.6%減の165.69円となりました。
(4) 経営成績に重要な影響を及ぼす要因について
内部統制が有効に機能しなかったあるいは内部統制体制の構築・整備において想定されていない問題が発生した場合、市場金利の急激な変動により調達コストが増加した場合、当社グループの信用力が低下してあるいは金融市場の混乱や市場環境が変化して資金調達が困難となる場合、経済情勢・景気動向の悪化により信用リスクが増加して貸倒引当金繰入等の負担が増加した場合、予想を上回る市場環境の変化や技術革新等によってリース物件の当初の見積残価よりも実際の処分価額が下回る場合あるいは事業資産に係る修繕・撤去費用が変動した場合、サイバー攻撃や機密情報の漏洩が発生した場合、システム停止等が発生した場合、反社会的勢力との取引をはじめ各種法令や社会規範が遵守されず罰則の適用や社会的信頼の喪失があった場合、提携先の破綻・不正等が発生して当社グループが提携先の責任を負担した場合、法規制等の変更が行なわれた場合、人的資源が確保できない場合、地震、風水害などの自然災害や感染症の流行などが発生した場合、各国・地域固有の法規制・税制等の変更及び景気変動による事業環境の変化があった場合などに、当社グループの経営成績に重要な影響を及ぼす可能性があります。
(5) 経営戦略の現状と見通し
<2016~2018年度中期経営計画>当社は、経営方針である「社会価値創造企業」の実現をめざし、「成長セカンドステージ」と位置づける「2016~2018年度中期経営計画」においては、絶えず変動する事業環境を踏まえ、“変化”と“成長”を続けることで、目標の達成、中長期での企業価値向上を図るべく、事業戦略及び施策を推進いたしました。
とりわけ、グローバル事業における高い成長の維持、日本事業での成長分野への注力と事務の効率化による収益性改善を図るともに、その成長を支えるための戦略的な投資としてM&A、IT投資、人財投資を積極的に行ってまいりました。
<2019年3月期>当連結会計年度においては、当社子会社である日立商業保理(中国)有限公司が行ったファクタリング取引における不正常取引に関する全容把握とその抜本的な原因を究明するため、2019年6月17日に特別調査委員会を設置、調査を行ったことから、有価証券報告書の提出延期、さらには、中国のファクタリング取引の一部債権に対する大口の引当金を計上する事態となりました。
<2020年3月期>2020年3月期においては、中国での事案を受けて、良質債権の維持を確固たるものとするため、大口ファクタリング事業等の抜本的見直し、さらには、リスクマネジメントのより一層の強化など、再発防止の徹底に努めてまいります。
今後の見通しにつきましては、「(7)経営者の問題認識と今後の方針について」をご参照ください。
(6) 資本の財源及び資金の流動性についての分析
当連結会計年度における資本の財源及び資金の流動性についての分析は、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (2)キャッシュ・フロー」に記載しております。
(7) 経営者の問題認識と今後の方針について
<問題認識>当社グループを取り巻く事業環境は、世界的な金融緩和の継続や、ポピュリズムを背景とした英国のEU離脱問題、保護主義の台頭、及び米中における貿易摩擦等、先行きはさらに不透明な環境が続く見通しです。また、地政学リスクや金融市場におけるシステミックリスク等により、世界的な景気減速懸念が顕在化しつつあります。加えて、AI、IoT、ロボティクス等、テクノロジーの進展とさらなる5Gの普及により、さまざまな分野でイノベーションや産業構造の大きな変化が見込まれます。
そのようななか、外部環境に左右されない事業ポートフォリオの構築やリスク管理の高度化、さらに、金融ビジネスからの脱却をめざし、付加価値の高い事業への選択と集中、及びより効率的な経営体質への変革、また、それらを実現するための明確な戦略の立案とその着実な実行が必要不可欠となっております。
<今後の方向性>今後、当社グループは、様々な社会課題やお客様の経営課題の解決と持続的成長を両立させるべく、事業モデルシフトを加速してまいります。具体的には、単なるファイナンス会社からの脱却を図り、コア事業(ファイナンス・サービス・事業化)を有機的に結びつけた組合せ事業の推進を加速し、付加価値の高い事業モデルを拡大させてまいります。また、効率的且つ生産性の高い経営に向け、より一層の業務プロセスの効率化とリソース配置の最適化に取組み、フロント・ミドル・バックオフィスにおいて、先進的なテクノロジーの積極的な活用に努めていきます。さらに、メガトレンドからみた将来成長が見込まれる事業分野への経営資源のシフトを行うとともに、デジタライゼーションに向けた研究開発投資とM&Aの活用により、企業価値向上と社会から絶えず必要とされる企業をめざしてまいります。
経営成績等の状況の概要に係る主要な項目における差異に関する情報
IFRSにより作成した連結財務諸表における主要な項目と日本基準により作成した場合の連結財務諸表におけるこれらに相当する項目との差異に関する事項
(のれんの償却に関する事項)
のれんについて、日本基準では一定期間にわたり償却しておりましたが、IFRSでは、IFRS移行日(2013年4月1日)以降の償却を停止しております。この影響により、IFRSでは日本基準に比べて、当連結会計年度の販売費及び一般管理費が3,423百万円減少しております。
(特定金融会社等の開示に関する内閣府令に基づく営業貸付金の状況)
「特定金融会社等の開示に関する内閣府令」(平成11年5月19日 大蔵省令第57号)に基づく、提出会社個別に
おける営業貸付金の状況は以下の通りです。
① 貸付金の種別残高内訳 2019年3月31日現在
| 貸付種別 | 件数 | 残高 | 平均約定金利 | |||
| 構成割合 | 構成割合 | |||||
| 消費者向 | 無担保 (住宅向を除く) | 件 - | % - | 百万円 - | % - | % - |
| 有担保 (住宅向を除く) | - | - | - | - | - | |
| 住宅向 | 8,049 | 99.46 | 56,459 | 13.31 | 1.35 | |
| 計 | 8,049 | 99.46 | 56,459 | 13.31 | 1.35 | |
| 事業者向 | 計 | 43 | 0.53 | 367,609 | 86.68 | 0.41 |
| 合計 | 8,092 | 100.00 | 424,068 | 100.00 | 0.54 | |
(注) 事業者向貸付残高には、関係会社向け貸付337,129百万円が含まれております。
② 資金調達内訳 2019年3月31日現在
| 借入先等 | 残高 | 平均調達金利 | |
| 金融機関等からの借入 | 百万円 489,447 | % 0.39 | |
| その他 | 656,384 | 0.28 | |
| 社債・CP | 633,000 | 0.26 | |
| 合計 | 1,145,831 | 0.32 | |
| 自己資本 | 250,336 | - | |
| 資本金・出資額 | 9,983 | - | |
(注) 当事業年度における貸付金譲渡金額は11,719百万円です。
③ 業種別貸付金残高内訳 2019年3月31日現在
| 業種別 | 先数 | 残高 | ||
| 構成割合 | 構成割合 | |||
| 製造業 | 件 - | % - | 百万円 - | % - |
| 建設業 | - | - | - | - |
| 電気・ガス・ 熱供給・水道業 | 6 | 0.10 | 42,856 | 10.10 |
| 運輸・通信業 | 1 | 0.01 | 27,213 | 6.41 |
| 卸売・小売業、飲食店 | - | - | - | - |
| 金融・保険業 | - | - | - | - |
| 不動産業・ 物品賃貸業 | 4 | 0.06 | 290,286 | 68.45 |
| サービス業 | - | - | - | - |
| 個人 | 5,818 | 99.69 | 56,459 | 13.31 |
| その他 | 7 | 0.11 | 7,253 | 1.71 |
| 合計 | 5,836 | 100.00 | 424,068 | 100.00 |
④ 担保別貸付金残高内訳 2019年3月31日現在
| 受入担保の種類 | 残高 | 構成割合 | |
| 有価証券 | 百万円 - | % - | |
| うち株式 | - | - | |
| 債権 | 1,667 | 0.36 | |
| うち預金 | - | - | |
| 商品 | - | - | |
| 不動産 | 56,459 | 12.48 | |
| 財団 | - | - | |
| その他 | 1,470 | 0.32 | |
| 計 | 59,596 | 13.16 | |
| 保証 | 28,196 | 6.23 | |
| 無担保 | 364,442 | 80.58 | |
| 合計 | 452,234 | 100.00 | |
⑤ 期間別貸付金残高内訳 2019年3月31日現在
| 期間別 | 件数 | 残高 | ||
| 構成割合 | 構成割合 | |||
| 1年以下 | 件 13 | % 0.16 | 百万円 181,821 | % 42.87 |
| 1年超 5年以下 | 25 | 0.30 | 151,119 | 35.63 |
| 5年超 10年以下 | 3 | 0.03 | 24,307 | 5.73 |
| 10年超 15年以下 | 346 | 4.27 | 9,142 | 2.15 |
| 15年超 20年以下 | 1,560 | 19.27 | 6,921 | 1.63 |
| 20年超 25年以下 | 2,021 | 24.97 | 12,357 | 2.91 |
| 25年超 | 4,124 | 50.96 | 38,399 | 9.05 |
| 合計 | 8,092 | 100,00 | 424,068 | 100,00 |
| 1件当たりの平均約定期間 | 6.94年 | |||
(注) 期間は約定期間によっております。
(特定金融会社等の会計の整理に関する内閣府令に基づく不良債権の注記)
「特定金融会社等の会計の整理に関する内閣府令」(平成11年5月19日 総理府・大蔵省令32号)第21条第2項に基づく、前事業年度末及び当事業年度末現在における、提出会社個別の営業貸付金にかかる不良債権の内訳は以下の通りです。
本項目における数値は、日本会計基準により作成しています。
| 前事業年度末 (百万円) | 当事業年度末 (百万円) | |
| 破綻先債権 | 13 | 8 |
| 延滞債権 | - | - |
| 3ヶ月以上延滞債権 | 28 | 22 |
| 貸出条件緩和債権 | 55 | 44 |
(注) 1 破綻先債権とは、元本又は利息の支払の遅延が相当期間継続していることその他の事由により元本又は利息の取立て又は弁済の見込みがないものとして未収利息を計上しなかった貸付金(以下、「未収利息不計上貸付金」という。)のうち、法人税法施行令第96条第1項第3号のイからホまでに掲げる事由が生じているものです。
2 延滞債権とは、未収利息不計上貸付金であって、破綻先債権及び債務者の経営再建又は支援を図ることを目的として利息の支払を猶予したもの以外のものです。
3 3ヶ月以上延滞債権とは、元本又は利息の支払が、約定支払日の翌日から3ヶ月以上遅延している貸付金で、破綻先債権及び延滞債権に該当しないものです。
4 貸付条件緩和債権とは、債務者の経営再建又は支援を図ることを目的として、金利の減免、利息の支払猶予、元本の返済猶予、債権放棄その他の債務者に有利となる取決めを行った貸付金で、破綻先債権、延滞債権及び3ヶ月以上延滞債権に該当しないものです。