有価証券報告書-第34期(平成30年4月1日-平成31年3月31日)

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2019/06/25 15:02
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当連結会計年度における当社グループ(当社および連結子会社等)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要ならびに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりであります。
「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号 2018年2月16日)等を当連結会計年度の期首から適用しており、下記「(1) 財政状態の分析」については、当該会計基準等を遡って適用した後の数値で前連結会計年度との比較・分析を行っております。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 財政状態の分析
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べて6,201百万円増加し、135,268百万円となりました。主な要因は関係会社株式の一部売却により「現金及び預金」が増加したことや、当該株式の一部売却に伴い残存保有株式を投資有価証券勘定に振替え、時価評価したことにより、「投資有価証券」が増加したことによるものであります。
負債の部につきましては、前連結会計年度末に比べて2,485百万円増加し、60,353百万円となりました。主な要因は、「繰延税金負債」や「未払費用」が増加したことによるものであります。
純資産の部につきましては、3,715百万円増加し、74,915百万円となり、自己資本比率は52.9%となりました。
(2) 経営成績の分析
当連結会計年度における我が国経済は、年度末に向けてやや足踏み感は見られたものの、雇用・所得環境の改善や高水準な企業収益、設備投資は増加傾向にあるなど概ね緩やかな回復基調で推移しました。一方、先行きについては、米中貿易摩擦の激化、中国経済の減速、英国のEU離脱問題などに伴う世界経済への影響懸念などから不透明な状況が続いております。
当社グループが展開するサービスを取り巻く環境は、労働人口の減少、企業のグローバル化、IoT・AIをはじめとしたデジタル技術の進展などを背景に、業務の効率化やコスト競争力の強化、売上拡大などに繋がるアウトソーシングサービスの需要が拡大しています。
このような状況の中、当社グループは、既存サービスに加え、将来の成長に向けて取り組んできた新サービスなどを、日本および中国・韓国を中心としたアジア市場で積極的に展開したことで売上高が増加しました。一方、DECサービス、BPOサービスの各事業領域において、競争力のある独自サービスやデジタル技術を活用したサービスの開発と提供、海外展開の加速化などに向けた取り組みを引き続き強化しています。これら取り組みの影響などもあって売上原価、販売費及び一般管理費などが増加し収益性が低下しましたが、着実に推進していくことで将来の収益性改善に繋げていきます。
お客様企業と顧客の接点となる、マーケティング・販売・顧客コミュニケ-ションをワンストップでサポートするDECサービス事業領域では、お客様企業のニーズを先取りしたサービスを開発することで、デジタルトランスフォーメーションの促進と、売上拡大の支援に繋げていくための取り組みに注力しました。具体的には、マーケティング・販売・顧客コミュニケーションをシームレスに支援できるプラットフォームとしてLINEを活用したサービスの開発・展開を推進しました。LINEを活用したサービスは、民間企業だけでなく、官公庁・自治体でもサービスの利便性向上などを目的とした需要が高まっており、引き続き注力していきます。また新たな領域への取り組みとして、国際特許を持つ電子チケット「Quick Ticket(クイックチケット)」を起点に、スタジアムのICT化を目指した「コネクテッドスタジアム」事業や、スマートフォンから店舗へ誘導し、生活者と商品・店舗をつなぐプラットフォーム「Gotcha!mall(ガッチャ!モール)」の展開に注力しました。その他、デジタル技術を活用したサービスとして、コンタクトセンターの音声認識環境の導入から運用までをワンストップで支援する音声認識ソリューション「transpeech(トランスピーチ)」、アマゾンウェブサービスジャパンのクラウド型コンタクトセンター「Amazon Connect(アマゾンコネクト)」を活用したサービス、機械学習を自動化する最先端AI「DataRobot(データロボット)」と独自のDMP(データマネジメントプラットフォーム)である「transcosmosdecode(トランスコスモスデコード)」を組み合わせ、リターゲティング広告最適化AIを使った広告運用サービスなどをそれぞれ提供開始しました。
また、お客様企業内の業務プロセスを、デジタル技術の活用により、シンプル・スピーディかつ正確に行い運用を最適化するBPOサービス事業領域では、人のオペレーションにデジタルを融合させ、業務プロセスの効率化やコスト最適化に繋がるサービスの開発と提供に注力しました。具体的には、オペレーションの生産性向上に繋がるセンター型サービスの充実を図りました。「BPOセンター熊本」では、業界共通の受発注業務をシェアード型で提供できるサービスを展開しており、自社プラットフォームやRPAなど自動化を実装していくことでより生産性の向上に繋げていきます。また長崎県に「BPOセンター佐世保」を新設し、既に開設していた「BPOセンター亀戸」が本格稼働するなど、引き続き、センター型サービスの充実と展開に注力していきます。さらに、お客様企業内の経理・人事などのバックオフィス業務を受託するシェアードサービス会社からのサービス需要が拡大しており、こうした需要に向けた取り組みを強化しています。その他、デジタル技術を活用したサービスとして、ビルオーナー・ビル管理会社向けにICTによる施設マネジメント・ワンストップサービスや、主に製造業者向けの業務支援として、技術認証取得の業務を効率化するプラットフォームなどをそれぞれ提供開始しました。
当社グループは、DECサービスとBPOサービスをシームレスにつなぎ、顧客中心のデジタル化を支援していく、お客様企業の、よきデジタルトランスフォーメーションパートナーに向けた取り組みを強化しています。
一方、海外展開に向けた取り組みでは、サービスのグローバル展開、アジアを中心とした各ローカル市場でのサービス提供体制の強化を図りました。具体的には、日本で展開を開始した「コネクテッドスタジアム」事業や「Gotcha!mall(ガッチャ!モール)」の海外展開を開始しました。また、新たな海外サービス拠点として、台湾に初のコンタクトセンター拠点「江子翠(こうしすい)センター」を新設し、さらにインドネシアには、インドネシア市場でEC関連事業を支援する子会社「PT. transcosmos Commerce(トランスコスモスコマース)」や、コンタクトセンターサービスを中心としたオペレーション拠点「スマランセンター」および「ジャカルタ第4センター」をそれぞれ設立しました。その他、北米でのサービス体制強化に向けたオペレーション拠点の拡充を図りました。こうした取り組みにより、現在では、海外30カ国109拠点でサービス提供できる体制が確立されており、引き続き、海外展開の加速化に向けた取り組みを強化していきます。
以上の結果、当期の連結業績は、売上高284,696百万円となり前期比6.8%の増収となりました。利益につきましては、前期の大型スポット案件の反動減の影響や、前期より将来の成長に向けた先行投資の影響で販売費及び一般管理費が増加し、営業利益は5,355百万円となり前期比12.1%の減益となりました。経常利益につきましては、「投資事業組合運用益」の増加や「持分法による投資損失」の減少により営業外損益が改善したため、5,394百万円となり前期比199.3%の増益となりました。また、特別利益において「関係会社株式売却益」を計上したことにより、親会社株主に帰属する当期純利益は4,433百万円(前期は親会社株主に帰属する当期純損失2,176百万円)と大幅な増益となりました。
セグメントの業績を示すと、次のとおりであります。
(単体サービス)
当社におけるアウトソーシングサービスの需要拡大などにより、売上高は210,224百万円と前期比3.5%の増収となりました。セグメント利益は、前期の大型スポット案件の反動減や、前期実施の先行投資などの影響もあり4,415百万円と前期比24.3%の減益となりました。
(国内関係会社)
国内関係会社につきましては、上場子会社をはじめ受注が好調に推移したことや新規連結子会社の影響で、売上高は21,030百万円と前期比11.9%の増収となり、セグメント利益につきましては、上場子会社の収益性改善や一部子会社の事業再構築による採算性向上等により624百万円と前期比143.0%の増益となりました。
(海外関係会社)
海外関係会社につきましては、韓国、中国におけるサービスの受注が好調に推移し、売上高は61,974百万円と前期比17.6%の増収となり、セグメント利益は、韓国子会社の収益性改善や欧州子会社の事業再構築の影響により、313百万円(前年同期はセグメント損失24百万円)となりました。
なお、セグメント利益につきましては、連結損益計算書における営業利益をベースにしております。
(重要な会計方針および見積り)
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表作成にあたっては、期末日における資産・負債の金額および報告期間における収益・費用の金額に影響する見積り、判断および仮定を使用する必要があります。経営者はこれらの見積りについて過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
(今後の見通し)
2020年3月期については、引き続きお客様企業の売上拡大・コスト最適化といったニーズに対し、より適合したサービスの創出に注力するとともに、アジア市場を中心としたグローバルで事業展開を加速させ、当期実績を上回る業績を確保することを目指します。
なお、当社グループの事業は、あらゆる業種・業界のお客様との取引で成り立っており、変化の激しい経済環境の中、短期的な視点で企業活動の動向を見極めることは大変困難であります。よって、当社グループの2020年3月期連結業績予想については、合理的な算定ができないため記載しておりません。
(生産、受注及び販売の状況)
① 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称生産高(百万円)前年同期比(%)
単体サービス204,518+4.1
国内関係会社15,484+15.0
海外関係会社48,306+19.8
合計268,309+7.2

(注) 1 金額は外部顧客に対する生産に基づくものであります。
2 金額は販売価格で表示しており、消費税等は含まれておりません。
② 受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称受注高(百万円)前年同期比(%)受注残高(百万円)前年同期比(%)
単体サービス213,411+4.594,418+3.9
国内関係会社17,220+7.24,316+0.9
海外関係会社60,108+20.69,177+18.1
合計290,739+7.6107,911+4.8

(注) 1 金額は外部顧客に対する受注に基づくものであります。
2 金額は販売価格で表示しており、消費税等は含まれておりません。
③ 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称販売高(百万円)前年同期比(%)
単体サービス209,841+3.4
国内関係会社17,183+13.4
海外関係会社57,671+18.6
合計284,696+6.8

(注) 1 金額は外部顧客に対する売上高に基づくものであります。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(3) キャッシュ・フローの状況の分析
営業活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度と比べ3,925百万円収入が減少し、3,889百万円の収入となりました。これは、「税金等調整前当期純利益」が大幅に増加しておりますが、「持分法による投資損益(損失)」が減少したこと、「関係会社株式売却損益(利益)」が増加したこと、および「法人税等の支払額」が増加したことによるものであります。
投資活動によるキャッシュ・フローは、当連結会計年度において4,344百万円の収入(前連結会計年度は6,658百万円の支出)となりました。この主な要因は、「関係会社株式の売却による収入」が増加したことと「関係会社株式の取得による支出」が減少したことによるものであります。
財務活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度と比べ883百万円支出が減少し、3,165百万円の支出となりました。この主な要因は、「配当金の支払額」が減少したことによるものであります。
以上の結果、現金及び現金同等物の当連結会計年度末残高は、前連結会計年度末に比べて4,206百万円増加し、35,979百万円となりました。
資本の財源および資金の流動性については、下記のとおりとしております。
① 資金需要
当社グループの資金需要の主なものは、運転資金需要やセンター拡張等の設備投資のほか、業務または資本提携等、事業推進上の要請に基づく株式投資等であります。
② 財務政策
当社グループは、営業活動により得られる資金を、運転資金や設備投資資金、事業開発投資資金に充当していくことを基本としておりますが、状況に応じて、銀行借入や社債、株式発行など、その時点で最適と思われる手法で資金調達を行っていく考えであります。

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