有価証券報告書-第35期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)

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2020/06/25 15:06
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当連結会計年度における当社グループ(当社および連結子会社等)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要ならびに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 財政状態の分析
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べて8,716百万円増加し、143,985百万円となりました。このうち流動資産につきましては、7,087百万円増加し、96,922百万円となりました。これは、「受取手形及び売掛金」や「商品及び製品」が増加したことによるものであります。固定資産につきましては、1,629百万円増加し、47,062百万円となりました。この主な要因は、「有形固定資産」、「無形固定資産」および「差入保証金」が増加したことによるものであります。
また、負債の部につきましては、前連結会計年度末に比べて5,662百万円増加し、66,015百万円となりました。これは主に、「買掛金」、「未払金」および「短期借入金」の増加であります。
純資産の部につきましては、3,054百万円増加し、77,969百万円となり、自己資本比率は51.5%となりました。
(2) 経営成績の分析
当連結会計年度における我が国経済は、雇用・所得環境の改善、企業収益や設備投資の増加などを背景に緩やかな回復基調で推移しておりましたが、消費増税による個人消費への影響、米中貿易摩擦の動向などに加え、特に期末にかけて新型コロナウイルス感染症の感染拡大が及ぼす世界経済への影響懸念等により、不透明感が強まる状況となっております。
当社グループが展開するサービスを取り巻く環境そのものは、労働人口の減少、企業のグローバル化、IoT・AIをはじめとしたデジタル技術の進展などを背景に、引き続き、業務の効率化やコスト競争力の強化、売上拡大などに繋がるアウトソーシングサービスの需要が拡大しています。このような状況の中、当社グループは、日本および中国・韓国を中心としたアジア市場でDECサービス・BPOサービスを積極的に展開し受注の増加に繋げました。また、受注業務の採算性改善や高収益案件の獲得などにより収益性が改善しました。さらに、国内外におけるサービスの競争力強化に向けたサービスの開発や品質の向上、サービス体制の強化などの取り組みに注力しています。
お客様企業と顧客の接点となる、マーケティング・販売・顧客コミュニケ-ションをワンストップでサポートするDECサービス事業領域では、お客様企業のニーズを先取りしたサービスを開発することで、デジタルトランスフォーメーションの促進と、売上拡大の支援に繋げていくための取り組みに注力しました。具体的には、自治体など公共分野を中心としたLINE活用支援や、AIを活用した独自の成果予測システム「transcosmos white base(トランスコスモス ホワイトベース)」の提供を開始するなど、マーケティング・販売・顧客コミュニケーションをシームレスに支援できるプラットフォームとしてLINEを活用したサービスの開発・展開を推進しました。また、電話対応と倉庫オペレーションを組み合わせ、リコール時の受付から商品回収・代替品やお詫び品の発送までを対応する「緊急コンタクトセンター+ロジスティクス」サービスや、POP(販促ツール)などの受注から発送までを管理する「販促資材マネジメントサービス」など、お客様企業ニーズを先取りしたサービスの強化・開発を推進しました。さらに、サービス品質の向上に向けた取り組みとして、当社独自の音声認識ソリューション「transpeech(トランスピーチ)」において、感情解析を用いた評価機能や、AIが自動でコールセンターの応対をチェックする「AIディフェンダー」などの機能拡充を図りました。
また、お客様企業内の業務プロセスを、デジタル技術の活用により、シンプル・スピーディかつ正確に行い運用を最適化するBPOサービス事業領域では、M&A・アライアンスによるサービス体制の強化を図りました。具体的には、東芝および東芝グループから人事勤労業務、海外人事支援業務、産業保健支援業務などを受託するシェアード会社である東芝ヒューマンアセットサービス株式会社の事業分割に伴う新設会社(現社名:TTヒューマンアセットサービス株式会社)の株式81.0%を取得し、当社の連結子会社として事業を開始しました。また、東芝グループや一般企業からドキュメントの電子化やデータ入力、アノテーションサービス、RPA関連サービスなどを受託するBPOサービス会社である東芝ピーエム株式会社(現社名:TTピーエム株式会社)の株式80.5%を譲受け、当社の連結子会社として事業を開始しました。この一連の取り組みにより、東芝グループ向けの業務拡大とサービス品質の向上を図っていくとともに、BPOサービスのさらなる高度化、高品質化を実現していきます。また、株式会社大林組と、当社、当社連結子会社の応用技術株式会社で、BIM(Building Information Modeling)を設計から生産設計、施工管理などで一貫して利用できる情報基盤の構築に向けて、共同で検討するアライアンスを締結しました。その他、在宅ワークを導入する企業のIT環境を支援するヘルプデスクサービスの提供を開始するなど、提供サービスの拡充も図りました。
引き続き当社グループは、DECサービスとBPOサービスをシームレスに繋ぎ、顧客中心のデジタル化を支援していく、お客様企業の、よきデジタルトランスフォーメーションパートナーに向けた取り組みを強化していきます。
一方、海外においては、アジアを中心とした各ローカル市場での提供サービスの拡充および体制の強化を図りました。具体的には、まず中国では、中国子会社が「Alibabaデータバンク認証サービス企業」の認証を取得しました。これにより、データバンクを通じて、Alibabaのネットサービス上のすべての販売・広告チャネル、お客様企業のデータを活用したユーザー動向の把握、動向分析によるマーケティング活動の支援を実施していきます。韓国では、Webサイトの制作と開発を行う「マーケティングコミュニケーション韓国センター(MC韓国センター)」を新たに開設し、日本語対応の可能なメンバーが日本と同水準の品質でWebサイト運用サービスの提供を開始しました。東南アジアにおいては、マレーシアに「グローバルデジタルマーケティングセンター」を開設し、多言語の広告運用・クリエイティブ制作・現地向けソーシャルメディア運用などを行う「海外多言語広告運用サービス」の提供を開始しました。またベトナムでは、「ホーチミン第三センター」を新設、既存の「ハノイセンター」を拡張するなど、1,750席のオペレーション体制へと拡充し、サービス体制の強化を図りました。こうした取り組みにより、現在では、海外29の国と地域105拠点でサービス提供できる体制が確立されており、引き続き、海外展開の加速化に向けた取り組みを強化していきます。
以上の結果、当期の連結業績は、売上高311,871百万円となり前期比9.5%の増収となりました。利益につきましては、単体サービスを中心に全セグメントで収益性が改善し、営業利益は10,689百万円となり前期比99.6%の増益、経常利益は、8,954百万円となり前期比66.0%の増益となりました。また、親会社株主に帰属する当期純利益については、前期に計上した「関係会社株式売却益」の反動減で特別利益が大幅に減少しましたが、営業利益の増益等の影響で、6,279百万円となり前期比41.6%の増益となりました。
セグメントの業績を示すと、次のとおりであります。
(単体サービス)
当社におけるアウトソーシングサービスの需要拡大などにより、売上高は227,643百万円と前期比8.3%の増収となりました。セグメント利益は、受注業務の採算性改善や販管費率の低下による収益性の改善で、7,912百万円と前期比79.2%の増益となりました。
(国内関係会社)
国内関係会社につきましては、上場子会社をはじめ受注が好調に推移したことや新規連結子会社の影響で、売上高は28,277百万円と前期比34.5%の増収となり、セグメント利益につきましては、上場子会社の収益性改善などにより1,362百万円と前期比118.2%の増益となりました。
(海外関係会社)
海外関係会社につきましては、中国、韓国、東南アジアにおける受注が好調に推移し、売上高は66,048百万円と前期比6.6%の増収となり、セグメント利益は、中国・東南アジア子会社の収益性改善などの影響により1,413百万円と前期比351.4%の大幅な増益となりました。
なお、セグメント利益につきましては、連結損益計算書における営業利益をベースにしております。
(新型コロナウイルス感染拡大に関する当社グループへの影響)
新型コロナウイルス感染拡大に関する当社グループへの影響は、依然として不確実性が高いものの、外出やイベント・キャンペーンの自粛など行政機関からの指示・要請や、感染拡大防止、従業員の安全確保を最優先とした対策などに伴い、新規案件の減少や一部既存業務の縮小、オペレーションセンターの一時的な稼働率低下といった影響が発生しつつあります。その一方で、行政機関をはじめとした新型コロナウイルス対策関連業務の支援に繋がるサービスや、企業の業務プロセスのデジタルシフト支援を通じた在宅ワークの普及促進、事業継続などを支援するサービスなどにおいて引き合いが増加しています。
引き続き、社内外への感染拡大の防止と従業員ひとりひとりの安全確保を最優先とした上で、当社が担っている社会的責任をできる限り果たしていきます。
(重要な会計上の見積りおよび当該見積りに用いた仮定)
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表作成にあたっては、期末日における資産・負債の金額および報告期間における収益・費用の金額に影響する見積り、判断および仮定を使用する必要があります。経営者はこれらの見積りについて過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積りおよび仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。
・投資の評価
当社グループは、市場価格がない株式や出資金等に関して、帳簿価額に比べて投資先企業の財政状態が一定程度悪化している場合には、投資先企業の超過収益力等が毀損していないかを判断するために事業価値を評価しております。当該事業価値の評価に基づき判断される投資額は多額であるため、会計上の見積りにおいて重要なものとなっております。
投資先企業の超過収益力等は、中長期事業計画と実績との比較分析を行い、投資先企業の直近の資本取引等を参考にし、総合的に評価しております。
当社グループは、投資先企業の超過収益力の評価は合理的であると判断しております。ただし投資先企業には、ベンチャー企業や東南アジア・南米など開発途上国の企業も多く、ビジネスモデルが社会経済ニーズにマッチせず投資先企業の経営状況が悪化した場合、当社グループの投資による出資金などが回収できなくなる可能性や、国内経済環境・国際情勢の変化による株式相場の変動や為替の変動等の影響などにより、前提条件が変化する可能性があります。その場合には、当社グループにおける投資の評価額が変動する可能性があります。
(今後の見通し)
2021年3月期については、いまだ新型コロナウイルス感染の収束時期や感染拡大による影響が全く見通せず不透明感の強い状況にありますが、引き続きお客様企業の売上拡大・コスト最適化といったニーズに対し、より適合したサービスの創出に注力するとともに、アジア市場を中心としたグローバルで事業展開を加速させ、当期実績を上回る業績を確保することを目指します。
なお、当社グループの事業は、あらゆる業種・業界のお客様との取引で成り立っており、変化の激しい経済環境の中、短期的な視点で企業活動の動向を見極めることは大変困難であります。よって、当社グループの2021年3月期連結業績予想については、合理的な算定ができないため記載しておりません。
また新型コロナウイルスの感染拡大の影響が長期化することで、当社グループのオペレーションセンターの閉鎖・縮小、さらなる企業活動の自粛に伴うサービスの需給バランスの崩れなどによって、当社グループの業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。
(生産、受注及び販売の状況)
① 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称生産高(百万円)前年同期比(%)
単体サービス220,8108.0
国内関係会社21,38438.1
海外関係会社50,9165.4
合計293,1119.2

(注) 1 金額は外部顧客に対する生産に基づくものであります。
2 金額は販売価格で表示しており、消費税等は含まれておりません。
② 受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称受注高(百万円)前年同期比(%)受注残高(百万円)前年同期比(%)
単体サービス232,5899.0100,1636.1
国内関係会社25,36547.35,59829.7
海外関係会社61,8622.99,5343.9
合計319,81710.0115,2956.8

(注) 1 金額は外部顧客に対する受注に基づくものであります。
2 金額は販売価格で表示しており、消費税等は含まれておりません。
③ 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称販売高(百万円)前年同期比(%)
単体サービス226,8448.1
国内関係会社24,08240.2
海外関係会社60,9435.7
合計311,8719.5

(注) 1 金額は外部顧客に対する売上高に基づくものであります。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(3) キャッシュ・フローの状況の分析
営業活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度と比べ4,204百万円収入が増加し、8,093百万円の収入となりました。この主な要因は、「税金等調整前当期純利益」が増加したことや「法人税等の支払額」が減少したことによる増加であります。
投資活動によるキャッシュ・フローは、当連結会計年度において6,885百万円の支出(前連結会計年度は4,344百万円の収入)となりました。この主な要因は、前連結会計年度と比べ「関係会社株式の売却による収入」が減少したことや「関係会社出資金の払込による支出」が増加したことによるものであります。
財務活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度と比べ1,072百万円支出が減少し、2,093百万円の支出となりました。この主な要因は、「短期借入れによる収入」が増加したことや前連結会計年度に計上していた「連結の範囲の変更を伴わない子会社株式の取得による支出」が減少したことによるものであります。
以上の結果、現金及び現金同等物の当連結会計年度末残高は、前連結会計年度末に比べて1,058百万円減少し、34,920百万円となりました。
資本の財源および資金の流動性については、下記のとおりとしております。
① 資金需要
当社グループの資金需要の主なものは、運転資金需要やセンター拡張等の設備投資のほか、業務または資本提携等、事業推進上の要請に基づく株式投資等であります。
② 財務政策
当社グループは、営業活動により得られる資金を、運転資金や設備投資資金、事業開発投資資金に充当していくことを基本としておりますが、状況に応じて、銀行借入や社債、株式発行など、その時点で最適と思われる手法で資金調達を行っていく考えであります。

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