有価証券報告書-第41期(平成26年4月1日-平成27年3月31日)

【提出】
2015/06/29 11:45
【資料】
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【項目】
98項目

財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

当連結会計年度の当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの分析は、以下のとおりであります。
なお、文中に将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は当連結会計年度末日(平成27年3月31日)現在において判断したものであり、不確実性を内在しており、あるいはリスクを含んでいるため、将来生じる実際の結果と異なる可能性があります。
(1)重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たりまして、債権の回収可能性、法人税等、退職金などに関する見積り及び判断に対して評価を行っております。
経営者は、過去の実績や状況に応じ合理的と考えられる根拠・要因に基づいて、資産・負債の簿価及び収益・費用の報告数字について判断を行っております。なお、見積りは特有の不確実性を有しているため、実際の結果はこれらの見積りと異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表の作成時に、以下の項目において使用される重要な判断と見積りが大きな影響を及ぼすと考えております。
(貸倒引当金)
当社グループは、顧客から債権が回収できない時に発生する損失の見積額について、貸倒引当金を計上しております。顧客の財務状態が悪化しその支払い能力が低下したことにより貸倒の懸念が発生した場合、回収不能見込額を追加引当する可能性があります。
(固定資産の減損)
当社グループは、管理会計上の区分であり、独立したキャッシュ・フローを生み出す最小の単位でもあるビジネスユニットごとに固定資産のグルーピングを行っております。
当該固定資産のグルーピングの方法による資産グループに減損の兆候が見られた場合、当該資産グループから得られる割引前キャッシュ・フロー等をもとに減損損失の認識の必要性を検討しております。
その結果、減損損失の認識が必要と判断された場合、固定資産の帳簿価額を回収可能価額まで減額し、減損損失の計上を行うこととしておりますが、将来の経済的環境により新たに減損損失の計上が必要となる可能性があります。
(投資の減損)
当社グループは、長期的な取引関係維持のため、特定の顧客及び金融機関の株式を所有しております。これらの株式には変動する時価がある上場株式と時価のない未上場株式が含まれます。
当社グループでは時価が著しく下落したと判断した場合、投資の減損を計上しております。未上場会社の投資の場合は、それらの会社の純資産額が簿価に比べ著しく下落し回復の可能性がないと判断した場合に減損を計上しております。
なお、当連結会計年度末における保有株式については、将来の株式市況悪化又は投資先の業績不振等により評価損の計上が必要となる可能性があります。
(繰延税金資産)
当社グループは、繰延税金資産の計上に当たっては、将来の課税所得及び実現性の高い税務計画を基に検討し、繰延税金資産の全部又は一部を将来実現できないと判断した場合、当該判断を行った期間に繰延税金資産を取崩し、費用として計上する可能性があります。
(退職給付に係る負債)
従業員退職給付費用及び債務は、数理計算上で設定される前提条件に基づいて算出されております。これらの前提条件には、割引率、退職率、統計数値に基づいて算出される死亡率などが含まれます。
割引率は日本の国債の市場利回りを在籍従業員の平均残存勤務年数で調整して算出しております。実際の結果が前提条件と異なる場合又は前提条件が変更された場合、その影響は累積され、将来にわたって規則的に認識されるため、一般的には将来期間において認識される費用及び計上される債務に影響を及ぼします。
(工事進行基準)
当社グループは、進捗部分について成果の確実性が認められる契約については、売上高及び売上原価について工事進行基準を採用し、工事の進捗率の見積りは原価比例法を採用しておりますが、工事収益総額、工事原価総額及び決算日における工事進捗について、当初の見積りに反して信頼性のある見積りができなくなった結果、成果の確実性が失われたと判断した場合、認識された収益額に影響を及ぼす可能性があります。
(2)当連結会計年度の経営成績の分析
当社グループの当連結会計年度の経営成績は、需要が縮小する分野から拡大が期待できる分野へと経営資源のシフトを行うと共に、不採算案件の発生防止、厳しい採用環境の中、必要な人材を確保するために新卒採用および業界未経験者の中途採用や外部委託を活用し受注拡大に努めてまいりました。
この結果、当連結会計年度の売上高は、13,373百万円で前連結会計年度比328百万円(前連結会計年度比2.5%増)の増となり、営業利益は採用経費などの増加も吸収し912百万円と前連結会計年度比102百万円(同12.7%増)の増、経常利益は951百万円で前連結会計年度比101百万円(同12.0%増)の増、当期純利益は524百万円で前連結会計年度比40百万円(同8.3%増)の増となりました。
(3)経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループの経営成績に重要な影響を与えるおそれのある要因として、次のようなものが考えられます。
① 開発コスト削減等を目的とした開発案件の海外シフトやクラウドコンピューティングの普及
② 顧客企業の業界再編を伴う提携や合併及び技術革新や市場競争力低下による市場からの撤退
③ 保有技術の陳腐化と要求技術とのミスマッチ
④ 情報漏洩事故発生による信用の失墜と損害賠償請求
⑤ 自然災害等による事業活動の停止
(4)資金の流動性についての分析
営業活動によるキャッシュ・フローでは、前連結会計年度より367百万円多い811百万円の資金を得ました。これは主として、税金等調整前当期純利益の計上や減価償却費及び退職給付に係る負債の増加、未払消費税や長期未払金などといった増加要因があった一方で、役員退職慰労引当金の減少や売掛債権の増加、法人税等の支払いといった減少要因があったことなどによるものであります。
投資活動によるキャッシュ・フローでは、前連結会計年度より13百万円少ない270百万円の資金を使用しました。これは主として、定期性預金の払い戻しによる収入、有価証券の償還による収入といった増加要因があった一方で、有価証券の取得による支出や投資有価証券の取得による支出などといった、減少要因があったことなどによるものであります。
財務活動によるキャッシュ・フローでは、前連結会計年度より92百万円多い223百万円の資金を使用しました。これは主として、短期借入れによる収入といった増加要因があった一方で、短期借入金の返済による支出、自己株式取得による支出といった減少要因があったことなどによるものであります。
(5)経営者の問題認識と今後の方針について
新興国の台頭による市場の変化、お客様ニーズの高度化・多様化、市場プレイヤーの流動化、人口減少による労働力の不足など、21世紀における当社グループを取り巻く環境は目まぐるしく変化し、更に激しさが増すものと思われます。
当社グループは、創立40周年を迎えたのを契機に5ケ年の新中期経営計画「共創∞」を策定しました。新たな視点から事業を再構築することで、将来にわたる継続的な成長が可能なエクセレントカンパニーの実現を目指してまいります。