有価証券報告書-第53期(令和1年6月1日-令和2年5月31日)
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態の状況
当連結会計年度末の資産につきましては11,295百万円となり、前連結会計年度末に比べ666百万円増加しました。流動資産は6,471百万円となり、前連結会計年度末に比べ687百万円増加となりました。固定資産は4,824百万円となり、前連結会計年度末に比べ20百万円減少しました。主な要因は、売掛金及び電子記録債権が増加したことによります。
負債につきましては1,898百万円となり、前連結会計年度末に比べ92百万円増加しました。主な要因は、前連結会計年度末に比べ流動負債のその他の内未払消費税等が増加したことによります。
純資産につきましては、9,396百万円となり、前連結会計年度末に比べ574百万円増加しました。主な要因は、当連結会計年度において配当及び自己株式の取得が行われたものの、それ以上に親会社株主に帰属する当期純利益及び投資有価証券の時価上昇に伴うその他有価証券評価差額金が増加したことによります。
この結果、自己資本比率は83.2%(前連結会計年度末では83.0%)となりました。
② 経営成績の状況
当連結会計年度(以下、当期)におけるわが国経済は、輸出が弱含む中、製造業を中心に弱さが一段と増した状況が続いているものの、雇用・所得環境の改善など緩やかな回復が続くことが期待された一方で、米国通商政策の動向などの海外経済の動向や金融資本市場の変動の影響など不透明な状況が続きました。さらに、2020年1月以降の新型コロナウイルス感染症の世界的な拡大により、国内外の経済に与える影響は先が見通せない状況となっております。
情報サービス産業におきましては、IoT、AI(人工知能)、ビッグデータなどの急速な進化に伴い、自動運転をはじめ様々な分野でのICT(情報通信技術)の活用が進む一方、サイバー攻撃などへの防御としてセキュリティ技術の高度化も求められており堅調に推移すると見込まれていましたが、新型コロナウイルス感染症の拡大によりIT投資の動向については慎重に見極めていく必要が生じています。
こうした環境の中、当社は、「ソフトウェアで社会インフラ分野の安全・安心、快適・便利に貢献する」を中期経営ビジョンとする新たな中期経営計画(2018年6月~2021年5月)を策定し、獲得事業の主力化と新分野の開拓、持続的成長への投資、トータル・ソフトウェア・エンジニアリング・サービスの継続を基本方針としました。
具体的には、獲得事業の主力化と新分野の開拓については、前中期経営計画期間中に大きく拡大した自動運転/先進運転支援関連を主力事業化した一方、建設機械や医療関連のIoT分野については継続して拡大を図っております。また、AI、ネットワーク、セキュリティ、クラウドなど更なる新分野の開拓にも積極的に取組んでおります。持続的成長への投資については、人材への投資、働きやすい環境や生産設備への投資などを計画的に実施しており、本社および横浜事業所の移転拡張、日立事業所のリノベーションを完了いたしました。トータル・ソフトウェア・エンジニアリング・サービスの継続については、ソフトウェアの要件定義、開発から運用・保守までをトータルにサービスすることで、顧客に最大のメリットを提供するという取組みを、顧客を巻き込んだ長期的な取組みとして継続しております。
当期の経営成績としましては、全社的に良好な受注環境が継続したことに加え、前中期経営計画より取組んでいる請負化とオフショア開発の推進などにより、売上は計画を上回りました。また、働きやすい環境への投資や働き方改革に取組みながらも、プロジェクト管理の強化などで生産性が向上したことで利益も計画を大きく上回り、売上、利益とも上場来最高を3期連続で更新いたしました。
この結果、売上高は7,770百万円(前年同期比7.7%増)、営業利益は727百万円(前年同期比18.3%増)、経常利益は785百万円(前年同期比18.1%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は558百万円(前年同期比11.5%増)となりました。
なお、2019年9月30日開催の当社取締役会において、株主の皆様への一層の利益還元と機動的な資本政策の遂行を目的として自己株式を取得することを決議し、2019年11月22日までに取得上限株式数である200千株の買付を実施いたしました。また、新型コロナウイルス感染防止対策として、リモートワーク環境の整備を進める一方、国内外出張・会議・研修の中止や顧客との開発スケジュールの見直しなどがありましたが、当期における業績への影響は軽微でした。
セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
(制御システム)
制御システムでは、火力発電所向け監視・制御システムは開発量が減少したものの、次世代制御ミドルは堅調に推移しました。また、東京圏輸送管理システムと新幹線の運行管理システムは好調に推移したことに加え、品質確保と高効率化を図ったことで、利益率が向上しました。
この結果、売上高は1,344百万円(前年同期比4.2%増)、セグメント利益は317百万円(前年同期比10.2%増)となりました。
(自動車システム)
自動車システムでは、自動運転/先進運転支援関連は旺盛な需要が継続し、車載ネットワーク制御や基盤ソフトウェアなどが好調に推移しました。また、電動化案件は横ばいで推移し、エンジン制御と変速機制御は開発量が減少しました。
この結果、売上高は1,887百万円(前年同期比1.0%増)、セグメント利益は449百万円(前年同期比7.1%増)となりました。
(特定情報システム)
特定情報システムでは、危機管理関連は開発量が増加したことに加え、作業効率化を進めたことにより、売上、利益とも前年を上回りました。地理情報関連と映像監視関連は堅調に推移しました。また、自動運転/先進運転支援関連の画像認識/識別案件は、横ばいで推移しました。
この結果、売上高は699百万円(前年同期比17.7%増)、セグメント利益は169百万円(前年同期比58.0%増)となりました。
(組込システム)
組込システムでは、ストレージデバイス開発と新ストレージ開発が堅調に推移しました。IoT建設機械関連は、オペレーティングシステム周辺の開発に参画するなどで体制を拡大し、請負開発も増加しました。自動運転/先進運転支援関連のベーシックソフトウェア開発は、横ばいで推移しました。
この結果、売上高は1,044百万円(前年同期比9.9%増)、セグメント利益は254百万円(前年同期比16.8%増)となりました。
(産業・公共システム)
産業・公共システムでは、鉄道保守/設備管理関連と駅務機器の開発や、鉄道子会社向けのエンジニアリングサービスが好調に推移しました。デジタルカメラ関連やフォトイメージング関連は堅調に推移しました。また、注力分野としているロボティクス関連、AI関連、IoT関連は概ね横ばいで推移しました。
この結果、売上高は1,957百万円(前年同期比21.9%増)、セグメント利益は419百万円(前年同期比14.4%増)となりました。
(ITサービス)
ITサービスでは、構築業務はパブリッククラウド案件の受注に注力し、保守・運用業務よりリソースをシフトしたことで堅調に推移した一方、保守・運用業務は売上、利益とも前年を下回りました。
この結果、売上高は836百万円(前年同期比7.6%減)、セグメント利益は144百万円(前年同期比10.9%減)となりました。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ394百万円増加し、1,991百万円(前年同期比24.7%増)となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果獲得した資金は、246百万円(前年同期は217百万円の使用)となりました。当連結会計年度においては、前連結会計年度に比べ税金等調整前当期純利益が増加したことから、資金獲得が増加しております。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果獲得した資金は、476百万円(前年同期は385百万円の獲得)となりました。当連結会計年度においては、定期預金の払戻と有価証券の償還による収入が増加したことから、資金獲得が増加しております。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、425百万円(前年同期は359百万円の使用)となりました。当連結会計年度においては、配当金の支払と自己株式の取得を行ったことから、資金使用が増加しております。
④ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.金額は製造原価によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b.受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
c.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。なお、この連結財務諸表の作成に当たりましては、「第5 経理の状況」に記載のとおりです。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
イ)経営成績等の状況
売上高は、全社的に良好な受注環境が継続したことに加え、前中期経営計画より取組んでいる請負化と中国のグループ会社でのオフショア開発の推進に加えて、協力会社の活用が進んだことなどにより、前連結会計年度に比べ555百万円増加し、7,770百万円(前年同期比7.7%増)となりました。
営業利益は、働きやすい環境への投資や働き方改革に取組みながらも、プロジェクト管理の強化などにより生産性が向上したことで、前連結会計年度に比べ112百万円増加し、727百万円(前年同期比18.3%増)となりました。
経常利益は、営業利益が増加したことにより、前連結会計年度に比べ120百万円増加し、785百万円(前年同期比18.1%増)となりました。
親会社株主に帰属する当期純利益は、前期に株式会社アルゴリズム研究所を子会社化したことに伴う負ののれん発生益30百万円を特別利益として計上したこと、当期に那須保養所の減損損失26百万円を特別損失として計上したことなどで558百万円(前年同期比11.5%増)となりました。
なお、セグメントごとの業績につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ② 経営成績の状況」に記載のとおりであります。
当期は中期経営計画(2018年6月~2021年5月)に沿って、獲得事業の主力化と新分野の開拓、持続的成長への投資、トータル・ソフトウェア・エンジニアリング・サービスの継続に取り組んでまいりました。
前中期経営計画から注力分野として取り組んでいる自動運転/先進運転支援関連は、順調に拡大し主力事業として成長しました。新分野の開拓では、クラウド/ネットワーク関連が拡大し、AI関連、IoT/セキュリティ関連は概ね横ばいでした。働きやすい環境への投資として、横浜事業所と本社の移転・拡張、日立事業所のリノベーションを実施しました。また、働き方改革として裁量労働制を廃止しみなし残業代を支給するなどの制度改正を実施しました。
ロ)資本の財源及び資金の流動性についての分析
(a)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概況 ③ キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
(b)資金需要
当社グループの営業活動において必要な資金は、主にソフトウェアの開発・運用・保守業務を行うための運転資金(主に人件費・外注費等)と事業活動を維持していくための管理費、継続的な発展を実現するための人材投資(採用・教育費等)が主になります。また投資活動においては、事業シナジーを意図した投資有価証券の取得や、余剰資金を有効活用するための債券投資が主になります。今後も持続的な成長を目指し、人材投資と事業シナジーを意図した投資を進めていく予定であります。
(c)財政政策
当社グループでは、営業活動及び投資活動ともに内部資金を充当しており、有利子負債による調達は行っておりません。なお、当社グループでは、資本効率の向上と持続的な企業価値創造を目指し、自己株式の取得・保有・消却の基本方針を以下のとおり定め、取り組んでおります。
i)自己株式の取得に係る基本方針
・当社は、株主に対する利益還元を経営の重要政策と位置付けており、安定的な配当の継続と配当性向概ね50%以上の目標に加え、自己株式取得による利益還元も弾力的に実施していきます。
・当社は、資本効率の向上を図るため、自己株式の取得を進めていきます。
ⅱ)自己株式の保有・消却に係る基本方針
・当社は、M&A戦略(M&Aや業務資本提携等)を実施するため、一定の自己株式を保有します。
・当社は、役職員と共に持続的な企業価値創造を実現していくため、その動機付けの原資として一定の自己株式を保有します。
・当社は、株主の自己株式処分による希薄化の懸念を少しでも払拭できるよう、自己株式の保有については、発行済株式総数の10%程度を上限とし、それを超過する部分は、原則として毎期消却します。
ハ)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づき作成しております。なお、この連結財務諸表を作成するにあたっては、資産、負債、収益及び費用の数値に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いており、これらの見積り及び仮定に基づく数値は、実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。また、新型コロナウィルス感染症の影響に関しては、今後2021年5月期の一定期間にわたり当該影響が継続すると仮定しておりますが、現時点で今後の影響の広がり方や収束時期等を予測することが困難であるため、入手可能な情報のうち合理的と判断された内容のみに基づいて、会計上の見積りを行っております。
(a)繰延税金資産
当社グループは、繰延税金資産について将来の課税所得が十分に確保でき、回収可能性があると判断した将来減算一時差異について、繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、その見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じた場合、繰延税金資産計上額が変動する可能性があります。
(b)固定資産の減損
固定資産については、「固定資産の減損に係る会計基準」に基づき、対象資産のグルーピングを行い、減損処理の要否を検討しております。対象資産のグルーピングは原則として、管理会計上の事業区分を単位としており、事業環境の悪化や遊休資産等の発生で当初想定した投資回収が見込めなくなり、減損の必要性を認識した場合には、固定資産の減損処理を実施する可能性があります。
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態の状況
当連結会計年度末の資産につきましては11,295百万円となり、前連結会計年度末に比べ666百万円増加しました。流動資産は6,471百万円となり、前連結会計年度末に比べ687百万円増加となりました。固定資産は4,824百万円となり、前連結会計年度末に比べ20百万円減少しました。主な要因は、売掛金及び電子記録債権が増加したことによります。
負債につきましては1,898百万円となり、前連結会計年度末に比べ92百万円増加しました。主な要因は、前連結会計年度末に比べ流動負債のその他の内未払消費税等が増加したことによります。
純資産につきましては、9,396百万円となり、前連結会計年度末に比べ574百万円増加しました。主な要因は、当連結会計年度において配当及び自己株式の取得が行われたものの、それ以上に親会社株主に帰属する当期純利益及び投資有価証券の時価上昇に伴うその他有価証券評価差額金が増加したことによります。
この結果、自己資本比率は83.2%(前連結会計年度末では83.0%)となりました。
② 経営成績の状況
当連結会計年度(以下、当期)におけるわが国経済は、輸出が弱含む中、製造業を中心に弱さが一段と増した状況が続いているものの、雇用・所得環境の改善など緩やかな回復が続くことが期待された一方で、米国通商政策の動向などの海外経済の動向や金融資本市場の変動の影響など不透明な状況が続きました。さらに、2020年1月以降の新型コロナウイルス感染症の世界的な拡大により、国内外の経済に与える影響は先が見通せない状況となっております。
情報サービス産業におきましては、IoT、AI(人工知能)、ビッグデータなどの急速な進化に伴い、自動運転をはじめ様々な分野でのICT(情報通信技術)の活用が進む一方、サイバー攻撃などへの防御としてセキュリティ技術の高度化も求められており堅調に推移すると見込まれていましたが、新型コロナウイルス感染症の拡大によりIT投資の動向については慎重に見極めていく必要が生じています。
こうした環境の中、当社は、「ソフトウェアで社会インフラ分野の安全・安心、快適・便利に貢献する」を中期経営ビジョンとする新たな中期経営計画(2018年6月~2021年5月)を策定し、獲得事業の主力化と新分野の開拓、持続的成長への投資、トータル・ソフトウェア・エンジニアリング・サービスの継続を基本方針としました。
具体的には、獲得事業の主力化と新分野の開拓については、前中期経営計画期間中に大きく拡大した自動運転/先進運転支援関連を主力事業化した一方、建設機械や医療関連のIoT分野については継続して拡大を図っております。また、AI、ネットワーク、セキュリティ、クラウドなど更なる新分野の開拓にも積極的に取組んでおります。持続的成長への投資については、人材への投資、働きやすい環境や生産設備への投資などを計画的に実施しており、本社および横浜事業所の移転拡張、日立事業所のリノベーションを完了いたしました。トータル・ソフトウェア・エンジニアリング・サービスの継続については、ソフトウェアの要件定義、開発から運用・保守までをトータルにサービスすることで、顧客に最大のメリットを提供するという取組みを、顧客を巻き込んだ長期的な取組みとして継続しております。
当期の経営成績としましては、全社的に良好な受注環境が継続したことに加え、前中期経営計画より取組んでいる請負化とオフショア開発の推進などにより、売上は計画を上回りました。また、働きやすい環境への投資や働き方改革に取組みながらも、プロジェクト管理の強化などで生産性が向上したことで利益も計画を大きく上回り、売上、利益とも上場来最高を3期連続で更新いたしました。
この結果、売上高は7,770百万円(前年同期比7.7%増)、営業利益は727百万円(前年同期比18.3%増)、経常利益は785百万円(前年同期比18.1%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は558百万円(前年同期比11.5%増)となりました。
なお、2019年9月30日開催の当社取締役会において、株主の皆様への一層の利益還元と機動的な資本政策の遂行を目的として自己株式を取得することを決議し、2019年11月22日までに取得上限株式数である200千株の買付を実施いたしました。また、新型コロナウイルス感染防止対策として、リモートワーク環境の整備を進める一方、国内外出張・会議・研修の中止や顧客との開発スケジュールの見直しなどがありましたが、当期における業績への影響は軽微でした。
セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
(制御システム)
制御システムでは、火力発電所向け監視・制御システムは開発量が減少したものの、次世代制御ミドルは堅調に推移しました。また、東京圏輸送管理システムと新幹線の運行管理システムは好調に推移したことに加え、品質確保と高効率化を図ったことで、利益率が向上しました。
この結果、売上高は1,344百万円(前年同期比4.2%増)、セグメント利益は317百万円(前年同期比10.2%増)となりました。
(自動車システム)
自動車システムでは、自動運転/先進運転支援関連は旺盛な需要が継続し、車載ネットワーク制御や基盤ソフトウェアなどが好調に推移しました。また、電動化案件は横ばいで推移し、エンジン制御と変速機制御は開発量が減少しました。
この結果、売上高は1,887百万円(前年同期比1.0%増)、セグメント利益は449百万円(前年同期比7.1%増)となりました。
(特定情報システム)
特定情報システムでは、危機管理関連は開発量が増加したことに加え、作業効率化を進めたことにより、売上、利益とも前年を上回りました。地理情報関連と映像監視関連は堅調に推移しました。また、自動運転/先進運転支援関連の画像認識/識別案件は、横ばいで推移しました。
この結果、売上高は699百万円(前年同期比17.7%増)、セグメント利益は169百万円(前年同期比58.0%増)となりました。
(組込システム)
組込システムでは、ストレージデバイス開発と新ストレージ開発が堅調に推移しました。IoT建設機械関連は、オペレーティングシステム周辺の開発に参画するなどで体制を拡大し、請負開発も増加しました。自動運転/先進運転支援関連のベーシックソフトウェア開発は、横ばいで推移しました。
この結果、売上高は1,044百万円(前年同期比9.9%増)、セグメント利益は254百万円(前年同期比16.8%増)となりました。
(産業・公共システム)
産業・公共システムでは、鉄道保守/設備管理関連と駅務機器の開発や、鉄道子会社向けのエンジニアリングサービスが好調に推移しました。デジタルカメラ関連やフォトイメージング関連は堅調に推移しました。また、注力分野としているロボティクス関連、AI関連、IoT関連は概ね横ばいで推移しました。
この結果、売上高は1,957百万円(前年同期比21.9%増)、セグメント利益は419百万円(前年同期比14.4%増)となりました。
(ITサービス)
ITサービスでは、構築業務はパブリッククラウド案件の受注に注力し、保守・運用業務よりリソースをシフトしたことで堅調に推移した一方、保守・運用業務は売上、利益とも前年を下回りました。
この結果、売上高は836百万円(前年同期比7.6%減)、セグメント利益は144百万円(前年同期比10.9%減)となりました。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ394百万円増加し、1,991百万円(前年同期比24.7%増)となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果獲得した資金は、246百万円(前年同期は217百万円の使用)となりました。当連結会計年度においては、前連結会計年度に比べ税金等調整前当期純利益が増加したことから、資金獲得が増加しております。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果獲得した資金は、476百万円(前年同期は385百万円の獲得)となりました。当連結会計年度においては、定期預金の払戻と有価証券の償還による収入が増加したことから、資金獲得が増加しております。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、425百万円(前年同期は359百万円の使用)となりました。当連結会計年度においては、配当金の支払と自己株式の取得を行ったことから、資金使用が増加しております。
④ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 生産高(千円) | 前年同期比(%) |
| 制御システム | 1,027,296 | +2.5 |
| 自動車システム | 1,437,237 | △0.7 |
| 特定情報システム | 530,098 | +8.8 |
| 組込システム | 790,841 | +7.8 |
| 産業・公共システム | 1,538,363 | +24.1 |
| ITサービス | 692,500 | △6.8 |
| 合計 | 6,016,337 | +6.4 |
(注)1.金額は製造原価によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b.受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 受注高(千円) | 前年同期比(%) | 受注残高(千円) | 前年同期比(%) |
| 制御システム | 1,223,138 | △6.6 | 89,118 | △57.7 |
| 自動車システム | 1,891,486 | +2.0 | 247,344 | +1.8 |
| 特定情報システム | 707,519 | +8.7 | 149,729 | +5.5 |
| 組込システム | 1,015,652 | +8.0 | 43,852 | △40.0 |
| 産業・公共システム | 1,966,042 | +15.0 | 335,442 | +2.7 |
| ITサービス | 816,128 | △12.7 | 97,510 | △17.6 |
| 合計 | 7,619,968 | +3.0 | 962,997 | △13.5 |
(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
c.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 販売高(千円) | 前年同期比(%) |
| 制御システム | 1,344,529 | +4.2 |
| 自動車システム | 1,887,232 | +1.0 |
| 特定情報システム | 699,692 | +17.7 |
| 組込システム | 1,044,936 | +9.9 |
| 産業・公共システム | 1,957,365 | +21.9 |
| ITサービス | 836,903 | △7.6 |
| 合計 | 7,770,659 | +7.7 |
(注)1.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
| 相手先 | 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | ||
| 販売高(千円) | 割合(%) | 販売高(千円) | 割合(%) | |
| 株式会社日立製作所 | 1,716,749 | 23.8 | 1,879,107 | 24.2 |
| 日立オートモティブシステムズ 株式会社 | 1,244,309 | 17.3 | 1,233,506 | 15.9 |
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。なお、この連結財務諸表の作成に当たりましては、「第5 経理の状況」に記載のとおりです。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
イ)経営成績等の状況
売上高は、全社的に良好な受注環境が継続したことに加え、前中期経営計画より取組んでいる請負化と中国のグループ会社でのオフショア開発の推進に加えて、協力会社の活用が進んだことなどにより、前連結会計年度に比べ555百万円増加し、7,770百万円(前年同期比7.7%増)となりました。
営業利益は、働きやすい環境への投資や働き方改革に取組みながらも、プロジェクト管理の強化などにより生産性が向上したことで、前連結会計年度に比べ112百万円増加し、727百万円(前年同期比18.3%増)となりました。
経常利益は、営業利益が増加したことにより、前連結会計年度に比べ120百万円増加し、785百万円(前年同期比18.1%増)となりました。
親会社株主に帰属する当期純利益は、前期に株式会社アルゴリズム研究所を子会社化したことに伴う負ののれん発生益30百万円を特別利益として計上したこと、当期に那須保養所の減損損失26百万円を特別損失として計上したことなどで558百万円(前年同期比11.5%増)となりました。
なお、セグメントごとの業績につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ② 経営成績の状況」に記載のとおりであります。
当期は中期経営計画(2018年6月~2021年5月)に沿って、獲得事業の主力化と新分野の開拓、持続的成長への投資、トータル・ソフトウェア・エンジニアリング・サービスの継続に取り組んでまいりました。
前中期経営計画から注力分野として取り組んでいる自動運転/先進運転支援関連は、順調に拡大し主力事業として成長しました。新分野の開拓では、クラウド/ネットワーク関連が拡大し、AI関連、IoT/セキュリティ関連は概ね横ばいでした。働きやすい環境への投資として、横浜事業所と本社の移転・拡張、日立事業所のリノベーションを実施しました。また、働き方改革として裁量労働制を廃止しみなし残業代を支給するなどの制度改正を実施しました。
ロ)資本の財源及び資金の流動性についての分析
(a)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概況 ③ キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
(b)資金需要
当社グループの営業活動において必要な資金は、主にソフトウェアの開発・運用・保守業務を行うための運転資金(主に人件費・外注費等)と事業活動を維持していくための管理費、継続的な発展を実現するための人材投資(採用・教育費等)が主になります。また投資活動においては、事業シナジーを意図した投資有価証券の取得や、余剰資金を有効活用するための債券投資が主になります。今後も持続的な成長を目指し、人材投資と事業シナジーを意図した投資を進めていく予定であります。
(c)財政政策
当社グループでは、営業活動及び投資活動ともに内部資金を充当しており、有利子負債による調達は行っておりません。なお、当社グループでは、資本効率の向上と持続的な企業価値創造を目指し、自己株式の取得・保有・消却の基本方針を以下のとおり定め、取り組んでおります。
i)自己株式の取得に係る基本方針
・当社は、株主に対する利益還元を経営の重要政策と位置付けており、安定的な配当の継続と配当性向概ね50%以上の目標に加え、自己株式取得による利益還元も弾力的に実施していきます。
・当社は、資本効率の向上を図るため、自己株式の取得を進めていきます。
ⅱ)自己株式の保有・消却に係る基本方針
・当社は、M&A戦略(M&Aや業務資本提携等)を実施するため、一定の自己株式を保有します。
・当社は、役職員と共に持続的な企業価値創造を実現していくため、その動機付けの原資として一定の自己株式を保有します。
・当社は、株主の自己株式処分による希薄化の懸念を少しでも払拭できるよう、自己株式の保有については、発行済株式総数の10%程度を上限とし、それを超過する部分は、原則として毎期消却します。
ハ)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づき作成しております。なお、この連結財務諸表を作成するにあたっては、資産、負債、収益及び費用の数値に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いており、これらの見積り及び仮定に基づく数値は、実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。また、新型コロナウィルス感染症の影響に関しては、今後2021年5月期の一定期間にわたり当該影響が継続すると仮定しておりますが、現時点で今後の影響の広がり方や収束時期等を予測することが困難であるため、入手可能な情報のうち合理的と判断された内容のみに基づいて、会計上の見積りを行っております。
(a)繰延税金資産
当社グループは、繰延税金資産について将来の課税所得が十分に確保でき、回収可能性があると判断した将来減算一時差異について、繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、その見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じた場合、繰延税金資産計上額が変動する可能性があります。
(b)固定資産の減損
固定資産については、「固定資産の減損に係る会計基準」に基づき、対象資産のグルーピングを行い、減損処理の要否を検討しております。対象資産のグルーピングは原則として、管理会計上の事業区分を単位としており、事業環境の悪化や遊休資産等の発生で当初想定した投資回収が見込めなくなり、減損の必要性を認識した場合には、固定資産の減損処理を実施する可能性があります。