有価証券報告書-第52期(平成30年6月1日-令和1年5月31日)

【提出】
2019/08/23 14:11
【資料】
PDFをみる
【項目】
146項目
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態の状況
当連結会計年度末の資産につきましては10,628百万円となり、前連結会計年度末に比べ562百万円増加しました。流動資産は5,784百万円となり、前連結会計年度末に比べ409百万円増加となりました。固定資産は4,844百万円となり、前連結会計年度末に比べ153百万円増加しました。主な要因は、売掛金及び電子記録債権の増加と、税効果に伴う繰延税金資産が増加したことによります。
負債につきましては1,806百万円となり、前連結会計年度末に比べ254百万円増加しました。主な要因は、前連結会計年度末に比べ賞与引当金が増加したことによります。
純資産につきましては、8,822百万円となり、前連結会計年度末に比べ307百万円増加しました。主な要因は、当連結会計年度において利益剰余金の配当が行われたものの、当期純利益が増加したことにより、純資産が増加しました。
この結果、自己資本比率は83.0%(前連結会計年度末では84.6%)となりました。
② 経営成績の状況
当連結会計年度(以下、当期)におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善が続く中、企業収益の改善と設備投資の増加を背景に緩やかな回復基調が続いたものの、通商問題の動向や中国経済の先行き、海外経済の不確実性の高まりや金融資本市場の変動の影響など、先行きが不透明な状態が継続しました。
情報サービス産業におきましては、IoT、AI(人工知能)、ビッグデータなどの急速な進化に伴い、自動運転をはじめ様々な分野でのICT(情報通信技術)の活用が進む一方、サイバー攻撃などへの防御としてセキュリティ技術の高度化も求められています。
こうした環境の中、当社は、「ソフトウェアで社会インフラ分野の安全・安心、快適・便利に貢献する」を中期経営ビジョンとする新たな中期経営計画(2018年6月~2021年5月)を策定し、獲得事業の主力化と新分野の開拓、持続的成長への投資、トータル・ソフトウェア・エンジニアリング・サービスの継続を基本方針としました。
具体的には、獲得事業の主力化としては、前中期経営計画期間中に大きく拡大した自動運転/先進運転支援関連を主力事業として確立するとともに、建設機械や医療関連のIoT分野の拡大を図っております。また、AI、ネットワーク、セキュリティ、クラウドなど更なる新分野の開拓にも注力しています。持続的成長への投資としては、人材への投資、働きやすい環境や生産設備への投資などを積極的に行っており、京浜事業所の移転、川崎地区とみなとみらい地区の開発拠点新設や、教育の強化などを実施するとともに、全社員の給与ベースアップも実施しました。トータル・ソフトウェア・エンジニアリング・サービスの継続としては、ソフトウェアの要件定義、開発から運用・保守までをトータルにサービスすることで、顧客に最大のメリットを提供するという取組みを、顧客を巻き込んだ長期的な取組みとして継続しております。
一方、当社では、成果主義の報酬として業績連動賞与制度を導入しており、業績の一定割合を社員に還元しております。売上、利益とも前期、当期と連続して順調に伸展するとともに、社員への還元も増加し平均年収が大幅に増額するなど、好循環な状況が継続しています。
当期の業績としましては、全社的に良好な受注環境が継続したことに加え、前中期経営計画より取組んでいる請負化とオフショア開発の推進などにより、売上は計画を大きく上回りました。また、働き方改革の取組みにより残業時間を削減しながらも、プロジェクト管理の強化などで生産性が向上したことで利益も計画を大きく上回り、上場来最高の売上、利益となりました。こうしたことから、株主への還元として、期首の配当予想年間20円から5円増配し25円とするとともに、さらなる社員への還元として特別賞与も支給しました。
この結果、売上高は7,215百万円(前年同期比14.7%増)、営業利益は615百万円(前年同期比19.9%増)、経常利益は665百万円(前年同期比14.8%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は501百万円(前年同期比59.6%増)となりました。なお、株式会社アルゴリズム研究所を2018年6月に子会社化したことに伴い、負ののれん発生益30百万円を特別利益として計上しております。
セグメントごとの業績は次のとおりであります。
(制御システム)
制御システムでは、火力発電所向け監視・制御システムと配電自動化などが堅調に推移しました。新幹線の運行管理システムはリプレース案件が好調に推移し、在来線の運行管理システムも堅調に推移しました。また、制御システム全体で中国のグループ会社でのオフショア開発を活用したことで、売上、利益とも前年を上回りました。
この結果、売上高は1,290百万円(前年同期比8.6%増)、セグメント利益は287百万円(前年同期比5.8%増)となりました。
(自動車システム)
自動車システムでは、自動運転/先進運転支援関連は旺盛な需要が継続し、車載ネットワーク制御や基盤ソフトウェアなどが好調に推移しました。また、車載制御システムのエンジン制御と変速機制御でオフショア開発を推進するとともに、電動化案件で体制を拡大しました。
この結果、売上高は1,867百万円(前年同期比13.2%増)、セグメント利益は420百万円(前年同期比16.9%増)となりました。
(特定情報システム)
特定情報システムでは、地理情報関連は体制が縮小したものの、自動運転/先進運転支援関連は道路標識の画像認識/識別案件で体制を拡大しました。また、危機管理関連では大型請負案件が第4四半期に検収されたものの、一部案件で工程遅延によるオーバーアサインが発生しました。
この結果、売上高は594百万円(前年同期比5.9%増)、セグメント利益は107百万円(前年同期比13.4%減)となりました。
(組込システム)
組込システムでは、ストレージデバイス開発は企業向けや、新ストレージの試作開発が堅調に推移しました。
医療関連では、薬剤分包機開発でファームウェアからミドルウェアやアプリケーション領域へと担当範囲を拡大するなど、堅調に推移しました。また、建設機械のIoT案件も、堅調に推移しました。
この結果、売上高は951百万円(前年同期比19.2%増)、セグメント利益は217百万円(前年同期比11.0%増)となりました。
(産業・公共システム)
産業・公共システムでは、駅務機器開発、鉄道子会社向けのエンジニアリングサービスは好調に推移しました。航空/宇宙関連は、一部案件が保守フェーズに入ったことなどで収束したものの新たな中核プロジェクトに参画するなどで体制を拡大しました。一方、注力分野としているAI関連は新たに受注した案件などが堅調に推移し、IoT関連はセキュリティ案件で体制を拡大しました。
この結果、売上高は1,606百万円(前年同期比25.1%増)、セグメント利益は366百万円(前年同期比18.6%増)となりました。
(ITサービス)
ITサービスでは、構築業務は開発環境案件が増加するとともに、クラウド構築案件が堅調に推移しました。また、保守・運用業務は、鉄道会社のセンターリプレース案件が好調に推移しました。
この結果、売上高は905百万円(前年同期比12.2%増)、セグメント利益は162百万円(前年同期比60.6%増)となりました。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ191百万円減少し、1,596百万円(前年同期比10.7%減)となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果使用した資金は、217百万円(前年同期は501百万円の獲得)となりました。当連結会計年度においては、前連結会計年度に比べ税金等調整前当期純利益は増加したものの、売上債権の増加、法人税等の支払いが多かったことから資金使用が増加しております。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果獲得した資金は、385百万円(前年同期は525百万円の使用)となりました。当連結会計年度においては、有価証券の償還は少なかったものの、定期預金の預入が減少した結果、資金獲得が増加しております。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、359百万円(前年同期は301百万円の使用)となりました。当連結会計年度においては、配当並びに自己株式の取得を行ったことから、資金使用が増加しております。
④ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称生産高(千円)前年同期比(%)
制御システム1,002,513+9.4
自動車システム1,447,697+12.2
特定情報システム487,032+11.4
組込システム733,634+21.8
産業・公共システム1,239,839+27.1
ITサービス743,192+5.2
合計5,653,910+14.7

(注)1.金額は製造原価によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b.受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称受注高(千円)前年同期比(%)受注残高(千円)前年同期比(%)
制御システム1,309,610+28.3210,509+10.0
自動車システム1,854,562+11.0243,090△5.2
特定情報システム651,033+27.3141,902+66.5
組込システム939,996+16.573,136△13.2
産業・公共システム1,710,090+22.9326,765+46.7
ITサービス935,126+8.5118,284+33.7
合計7,400,419+18.11,113,687+19.9

(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
c.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称販売高(千円)前年同期比(%)
制御システム1,290,488+8.6
自動車システム1,867,985+13.2
特定情報システム594,365+5.9
組込システム951,160+19.2
産業・公共システム1,606,078+25.1
ITサービス905,299+12.2
合計7,215,377+14.7

(注)1.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
相手先前連結会計年度当連結会計年度
販売高(千円)割合(%)販売高(千円)割合(%)
株式会社日立製作所1,655,93126.31,716,74923.8
日立オートモティブシステムズ
株式会社
1,135,60718.11,244,30917.3

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。なお、この連結財務諸表の作成に当たりましては、「第5 経理の状況」に記載のとおりです。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
イ)経営成績等の状況
売上高は、旺盛な需要が継続した自動車システムをはじめとし各セグメントとも受注環境が好調に推移し、前中期経営計画より取組んでいる請負化と中国のグループ会社でのオフショア開発の推進に加えて、協力会社の活用が進んだことなどにより、前連結会計年度に比べ926百万円増加し、7,215百万円(前年同期比14.7%増)となりました。
営業利益は、持続的成長への投資する一方でプロジェクト管理の強化などにより生産性が大きく向上したことや、サービス価値向上などが顧客に評価され受注条件が改善されたことなどで、前連結会計年度に比べ102百万円増加し、615百万円(前年同期比19.9%増)となりました。
経常利益は、営業利益が増加したことにより、前連結会計年度に比べ85百万円増加し、665百万円(前年同期比14.8%増)となりました。
親会社株主に帰属する当期純利益は、前期では50周年記念事業費84百万円を特別損失として計上しており、当期では株式会社アルゴリズム研究所を子会社化したことに伴う負ののれん発生益30百万円を特別利益として計上したことから、501百万円(前年同期比59.6%増)となりました。
なお、セグメントごとの業績につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ② 経営成績の状況」に記載のとおりであります。
当期は中期経営計画(2018年6月~2021年5月)の初年度として、獲得事業の主力化と新分野の開拓、持続的成長への投資、トータル・ソフトウェア・エンジニアリング・サービスの継続に取り組んでまいりました。
前中期経営計画から注力分野として取り組んでいる自動運転/先進運転支援関連は、順調に拡大し主力事業として成長しました。新分野の開拓では、AI関連、IoT/セキュリティ関連、クラウド/ネットワーク関連が拡大しております。持続的成長への投資としては、計画に沿って事業所の移転、開発拠点の新設など働きやすい環境や生産設備への投資に加え、全社員の給与ベースアップなど人材への投資についても積極的に実施いたしました。期首計画では、投資効果は数年後になると見込んでいたものの、生産性の向上が図られるなどで想定以上に当期の利益面に反映されました。
ロ)資本の財源及び資金の流動性についての分析
(a)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概況 ② キャッシュ・フローの状況」に記載の通りであります。
(b)資金需要
当社グループの営業活動において必要な資金は、主にソフトウェアの開発・運用・保守業務を行うための運転資金(主に人件費・外注費等)と事業活動を維持していくための管理費、継続的な発展を実現するための人材投資(採用・教育費等)が主になります。また投資活動においては、事業シナジーを意図した投資有価証券の取得や、余剰資金を有効活用するための債券投資が主になります。今後も持続的な成長を目指し、人材投資と事業シナジーを意図した投資を進めていく予定であります。
(c)財政政策
当社グループでは、営業活動及び投資活動ともに内部資金を充当しており、有利子負債による調達は行っておりません。尚、当社グループでは、資本効率の向上と持続的な企業価値創造を目指し、自己株式の取得・保有・消却の基本方針を以下のとおり定め、取り組んでおります。
i)自己株式の取得に係る基本方針
・当社は、株主に対する利益還元を経営の重要政策と位置付けており、安定的な配当の継続と配当性向概ね50%以上の目標に加え、自己株式取得による利益還元も弾力的に実施していきます。
・当社は、資本効率の向上を図るため、自己株式の取得を進めていきます。
ⅱ)自己株式の保有・消却に係る基本方針
・当社は、M&A戦略(M&Aや業務資本提携等)を実施するため、一定の自己株式を保有します。
・当社は、役職員と共に持続的な企業価値創造を実現していくため、その動機付けの原資として一定の自己株式を保有します。
・当社は、株主の自己株式処分による希薄化の懸念を少しでも払拭できるよう、自己株式の保有については、発行済株式総数の10%程度を上限とし、それを超過する部分は、原則として毎期消却します。

IRBANK 採用情報

フルスタックエンジニア

  • 10年以上蓄積したファイナンスデータとAIを掛け合わせて、投資の意思決定を加速させるポジションです。
  • UI からデータベースまで一貫して関われるポジションです。

プロダクトMLエンジニア

  • MLとLLMを掛け合わせ、分析から予測までをスピーディかつ正確な投資体験に落とし込むポジションです。

AI Agent エンジニア

  • 開示資料・決算・企業データを横断し、投資家の意思決定を支援するAI Agent機能を設計・実装するポジションです。
  • RAG・検索・ランキングを含む情報取得/推論パイプラインの設計から運用まで一気通貫で担います。

UI/UXデザイナー

  • IRBANK初の一人目デザイナーとして、複雑な金融情報を美しく直感的に届ける体験をつくるポジションです。

Webメディアディレクター

  • 月間500万PVを超える、大規模DBサイトを運営できます。
  • これから勢いよく伸びるであろうサービスの根幹部分を支えるポジションです。

クラウドインフラ & セキュリティエンジニア

  • Google Cloud 上でマイクロサービス基盤の信頼性・可用性・セキュリティを担うポジションです。
  • 大規模金融データを安全かつ高速に処理するインフラを設計・構築できます。

学生インターン

  • 月間500万PVを超える日本最大級のIRデータプラットフォームの運営に携わり、金融・データ・プロダクトの現場を学生のうちから体験できます。

マーケティングマネージャー

  • IRBANKのブランドと文化の構築。
  • 百万人の現IRBANKユーザーとまだIRBANKを知らない数千万人に対してマーケティングをしてみたい方。