半期報告書-第28期(2026/01/01-2026/12/31)
(1) 経営成績の分析
当社グループ(当社及び連結子会社3社)は、遺伝子の働きを利用した「遺伝子医薬」の開発、実用化を目指し、研究開発を行う創薬系のバイオベンチャーです。遺伝子医薬のグローバルリーダーとして、自社における医薬品の開発及び開発パイプラインの拡充のための国内外企業との共同開発、業務提携、資本参加等を積極的に行っています。また、希少遺伝性疾患の有無を調べるスクリーニング検査や、主に希少疾患向けに海外で販売されていて、日本国内では販売されていない医薬品の国内への導入等も積極的に取り組んでおります。
当中間連結会計期間の事業収益は前年同期に比べ87百万円増加し5億2百万円(前年同期比21.2%増)となりました。当社グループでは、早老症治療薬「ゾキンヴィ」を販売しており、当中間連結会計期間において2億32百万円(同62.9%増)の商品売上高を計上しております。ACRLにおいては、拡大新生児スクリーニングを受託しており、手数料収入として2億70百万円(同0.7%減)を計上いたしました。
当中間連結会計期間における事業費用は、前年同期に比べ9億23百万円増加し、37億38百万円(同32.8%増)となりました。
売上原価は、前年同期に比べ10百万円増加し、2億65百万円(同4.0%増)となりました。ゾキンヴィにかかる商品売上原価は、前年同期に比べ26百万円増加し、1億19百万円(同29.1%増)となっております。ACRLにおける拡大新生児スクリーニングにかかる原価は、前年同期に比べ16百万円減少し、1億45百万円(同10.3%減)となりました。
研究開発費は、前年同期に比べ11億12百万円増加し、26億68百万円(同71.5%増)となりました。HGF遺伝子治療用製品の製造試験にかかる費用の増加により、外注費が6億43百万円増加しております。主にHGF遺伝子治療用製品の米国FDAへの申請にかかる業務委託料の増加により、支払手数料が3億74百万円増加しております。
当社グループのような研究開発型バイオベンチャー企業は先行投資が続きますが、提携戦略等により財務リスクの低減を図りながら、今後も研究開発投資を行っていく予定です。研究開発の詳細については、本報告書「(4) 研究開発活動」をご参照ください。
販売費及び一般管理費は前年同期に比べ1億99百万円減少し、8億5百万円(同19.8%減)となりました。弁護士等専門家及びコンサルタントへの報酬が減少したため、支払手数料が前年同期より1億98百万円減少しております。
この結果、当中間連結会計期間の営業損失は32億36百万円(前年同期の営業損失は24億円)となりました。
営業外収益においては、為替相場の変動により、主に連結子会社EmendoBio, Inc.(以下、「EmendoBio社」といいます。)への米ドル建貸付金の評価替を行った結果、為替差益6億82百万円(前年同期は為替差損14億91百万円)を計上しております。
この結果、当中間連結会計期間の経常損失は25億60百万円(前年同期の経常損失は38億98百万円)となりました。
これらの結果、当中間連結会計期間の親会社株主に帰属する中間純損失は27億14百万円(前年同期の親会社株主に帰属する中間純損失は39億66百万円)となりました。
(2) 財政状態の分析
当中間連結会計期間末の総資産は前連結会計年度末に比べ17億45百万円減少し、36億60百万円となりました。
流動資産は前連結会計年度末に比べ17億66百万円減少し、26億19百万円となっております。当中間連結会計期間にCantor Fitzgerald Europeを割当先とする第46回新株予約権について5億31百万円、社債の発行により6億47百万円を調達しましたが、事業費用等への支出により、現金及び預金は前連結会計年度末に比べ16億円減少して2億81百万円となりました。
当中間連結会計期間末の固定資産は前連結会計年度末に比べ21百万円増加し、10億40百万円となっております。
当中間連結会計期間末の負債は前連結会計年度末に比べ11億24百万円増加し、34億54百万円となりました。主にHGF遺伝子治療用製品の製造試験にかかる費用の増加により、買掛金が4億13百万円増加しております。米国FDAへの申請にかかる業務委託料の増加により、未払金が3億15百万円増加しております。EmendoBio社における過年度法人税の支払いにより、未払法人税等が2億83百万円減少しております。固定負債において、社債の発行により、社債が5億91百万円増加しております。
当中間連結会計期間末の純資産は前連結会計年度末に比べ28億70百万円減少し、2億5百万円となりました。Cantor Fitzgerald Europeを割当先とする第46回新株予約権の行使等により、資本金が2億70百万円、資本剰余金が2億70百万円増加しております。親会社株主に帰属する中間純損失の計上により、利益剰余金が27億14百万円減少しております。
(3) キャッシュ・フローの状況
当中間連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下、「資金」といいます。)は、前連結会計年度末に比べ16億8百万円減少し、1億87百万円となりました。当中間連結会計期間のキャッシュ・フローの状況は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当中間連結会計期間における営業活動による資金の減少は、27億53百万円(前年同期は24億77百万円の減少)となりました。未収消費税等が1億4百万円減少、仕入債務が4億7百万円増加、未払金が3億2百万円増加しましたが、税金等調整前中間純損失26億13百万円に加え、為替差益を6億84百万円計上しております。EmendoBio社において過年度の法人税を支払ったことにより、法人税等の支払額が4億円となっております。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当中間連結会計期間における投資活動による資金の減少は、1百万円(前年同期は40百万円の減少)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当中間連結会計期間における財務活動による資金の増加は、11億36百万円(前年同期は37億48百万円の増加)となりました。Cantor Fitzgerald Europeを割当先とする第46回新株予約権が行使され、新株予約権の行使による株式の発行による収入が5億29百万円となっております。Cantor Fitzgerald Europeを割当先とする普通社債を発行し、社債の発行による収入6億47百万円を計上しております。
(4) 研究開発活動
当中間連結会計期間における研究開発費は前年同期に比べ11億12百万円増加し、26億68百万円(前年同期比71.5%増)となりました。
当社グループは、遺伝子医薬を中心に医薬品の開発、実用化及びゲノム編集技術の研究開発並びにACRLにおける拡大新生児スクリーニングを始め遺伝学的検査、バイオマーカー検査等、希少遺伝性疾患検査の開発を行っております。さらに当社は国内外の企業と積極的に提携し、有望な医薬品の実用化に向けて共同開発を進めております。
以下に、当社グループの開発品並びに当社提携先の開発状況についてご説明いたします。
当社の開発プロジェクト

※HGF遺伝子治療用製品の日本国内における条件及び期限付き承認の期間満了に伴い、イスラエルKamada社及びトルコEr-Kim社との契約について両社と見直し中です。
■HGF遺伝子治療用製品(一般名:ベペルミノゲンペルプラスミド)(自社品)
HGF遺伝子治療用製品の開発につきましては、米国における軽度から中等度の包括的高度慢性下肢虚血(CLTI)に対する後期第Ⅱ相臨床試験で良好な結果が示され、FDAとの協議の結果、米国における臨床試験を完了とし、生物製剤認可申請(BLA申請)に向けた準備を進めることとなりました。2026年1月と5月にお知らせしましたFDAとのType B Meeting (※1)に続き、7月にはPre-BLA Meetingに先立つ書面での質疑応答により申請資料に関する主要な論点についてFDAとの確認を完了し、Pre-BLA Meeting(※2)を開催することなく、BLA申請(段階的提出/Rolling Submission(※3))に進むこととなりました。上市後の製品に関しましては、ベーリンガー・インゲルハイム・バイオファーマシューティカルズ社と製品の原薬製造、供給体制を構築しています。なお、上記臨床試験結果につきましては、主導医師の論文が米国心臓学会(AHA)の発行する「Circulation: Cardiovascular Interventions」に掲載されました。
国内におけるHGF遺伝子治療用製品の開発については、米国での開発の進捗を踏まえ、検討してまいります。
※1Type "B" Clinical Meeting:FDAが定める、医薬品・生物製剤の開発における主要マイルストーンで開催される「正式会合」で、開発中の医薬品や生物製剤において、臨床や製造、品質管理等、申請に向けた重要なポイントについてFDAと共同でデータ要件を確認・協議する場です。協議を通して、申請の質を高め、審査過程における問題の早期解消を図ることができます。
※2 Pre-BLA Meeting:審査段階での問題や遅延を未然に防ぐため、提出予定のBLAの内容や申請準備状況についてFDAと最終確認する場です。
※3 Rolling Submission:FDAによりファストトラックやブレイクスルー・セラピーに指定された製品の審査書類を完成した分野ごとに提出することです。
■NF-κBデコイオリゴDNA(自社品)
核酸医薬NF-κBデコイオリゴDNAについては、日本国内における第Ⅱ相臨床試験を実施中で、2026年末迄の登録完了を目指しています。米国において実施した後期第Ⅰ相臨床試験では、投与1年後でも鎮痛効果が持続するという画期的な結果となったことに加え、椎間板の修復を示唆するデータも得られ、この結果が米国の医学雑誌「The SPINE JOURNAL」に掲載されました。なお、国内の第Ⅱ相臨床試験に関して塩野義製薬株式会社と契約を締結しており、費用の一部を負担いただくとともに、試験結果に基づき第Ⅲ相臨床試験の実施について協議する予定です。
■高血圧DNAワクチン(自社品)
高血圧治療用DNAワクチンについては、オーストラリアでの第Ⅰ相/前期第Ⅱ相臨床試験は重篤な有害事象はなく、安全性に問題がないことを確認しました。今後の開発につきましては、新型コロナウイルスのDNAワクチンとは異なるプラスミドDNAの発現に関する改善策等の検討を進めてまいります。
■Tie2受容体アゴニスト(共同開発品)
Tie2受容体アゴニスト(AV-001)は、カナダのバイオ医薬品企業であるVasomune社と共同開発契約を締結しており、インフルエンザ等のウイルス性及び細菌性肺炎を含む急性呼吸窮迫症候群(ARDS)を対象とした前期第Ⅱ相臨床試験を米国で実施しています。計画した患者登録は完了しましたが、脱落症例に対応する追加の登録を第3四半期中の完了に向けて進めています。また、新たに血液透析によって認知機能に障害をもたらす細胞毒性脳浮腫を軽減し、脳の白質の機能を維持できるか評価する医師主導試験を開始しており、2026年3月に最初の患者に投与されました。さらに、重度熱傷患者の蘇生治療に向けた開発についても検討を進めています。このような新たな適応を含む血管漏出が関与する疾患領域への応用可能性を検討するため、新たなAV-001共同開発契約をVasomune社と締結しました。
Emendo社の開発プロジェクト
■ゲノム編集技術による遺伝子治療の開発
EmendoBio社では、ゲノム編集の安全な医療応用を目指し、新規CRISPRヌクレアーゼ(※4)を探索・最適化するプラットフォーム技術(OMNI Platform)を確立しており、ゲノム編集でしばしば問題視される「オフターゲット効果」(※5)を回避できるなど、新たな特徴をもった独自のOMNIヌクレアーゼを数多く作出し、特許出願及び権利化を進めています。現在イスラエルの研究所における研究成果を米国でバックアップする体制の構築、米国における研究開発活動及び導出等に取り組んでいます。また、スウェーデンのバイオ企業であるAnocca社と、2025年9月にライセンスの適用範囲を拡大する契約を新たに締結しました。さらに、スタンフォード大学医学部と共同で、EmendoBio社のゲノム編集技術を活用した、がんに対する新規ゲノム編集治療法の開発を進めています。
※4 新規CRISPRヌクレアーゼ:ゲノム編集で使用する新たなRNA誘導型DNA切断酵素で、ガイドRNAで規定した塩基配列を識別し、その標的とした塩基配列を切断する。
※5 オフターゲット効果:ゲノム編集で、DNA鎖上の目的とする塩基配列以外の別の領域に、意図せぬ突然変異を引き起こしてしまうこと。
検査受託サービス及び提携先における開発状況
■希少遺伝性疾患検査を主目的としたACRLの検査受託
ACRLでは、群馬県、沖縄県、長野県等の自治体(又はその関連団体)等から拡大新生児スクリーニング検査を受託しています。この拡大新生児スクリーニングにおいて陽性となった受検者のうち、ムコ多糖症偽陽性者を選別するための二次スクリーニング手法を新たに開発し、この二次スクリーニングに関する論文が公表されました。また、遺伝学的検査の受託とともに、拡大新生児スクリーニングの対象疾患の一部について、治療効果をモニタリングするためのバイオマーカー検査の受託も開始しています。今後は、バイオマーカー検査体制が整っていないスクリーニング対象疾患についても、検査体制の構築を進め、希少遺伝性疾患のスクリーニングから診断、治療へと一連の流れを支える包括的な検査体制の提供を目指してまいります。
■マイクロバイオームを用いた治療薬・サプリメントなどの開発
当社は、腸内細菌叢を利用した疾患治療薬や健康維持のサプリメントを開発しているイスラエルのMyBiotics Pharma Ltd.と2018年7月に資本提携しております。MyBiotics社では、腸内細菌叢の微生物の構成を再現した培養物(SuperDonor)の製造法を確立しており、クロストリジウム・ディフィシル感染症の治療薬MBX-SD-202の第Ⅰ相臨床試験をイスラエルにおいて完了いたしました。しかしながら、今般の中東地域における戦争の影響により、同社の研究開発の継続が懸念される状況となっています。
当社グループ(当社及び連結子会社3社)は、遺伝子の働きを利用した「遺伝子医薬」の開発、実用化を目指し、研究開発を行う創薬系のバイオベンチャーです。遺伝子医薬のグローバルリーダーとして、自社における医薬品の開発及び開発パイプラインの拡充のための国内外企業との共同開発、業務提携、資本参加等を積極的に行っています。また、希少遺伝性疾患の有無を調べるスクリーニング検査や、主に希少疾患向けに海外で販売されていて、日本国内では販売されていない医薬品の国内への導入等も積極的に取り組んでおります。
当中間連結会計期間の事業収益は前年同期に比べ87百万円増加し5億2百万円(前年同期比21.2%増)となりました。当社グループでは、早老症治療薬「ゾキンヴィ」を販売しており、当中間連結会計期間において2億32百万円(同62.9%増)の商品売上高を計上しております。ACRLにおいては、拡大新生児スクリーニングを受託しており、手数料収入として2億70百万円(同0.7%減)を計上いたしました。
当中間連結会計期間における事業費用は、前年同期に比べ9億23百万円増加し、37億38百万円(同32.8%増)となりました。
売上原価は、前年同期に比べ10百万円増加し、2億65百万円(同4.0%増)となりました。ゾキンヴィにかかる商品売上原価は、前年同期に比べ26百万円増加し、1億19百万円(同29.1%増)となっております。ACRLにおける拡大新生児スクリーニングにかかる原価は、前年同期に比べ16百万円減少し、1億45百万円(同10.3%減)となりました。
研究開発費は、前年同期に比べ11億12百万円増加し、26億68百万円(同71.5%増)となりました。HGF遺伝子治療用製品の製造試験にかかる費用の増加により、外注費が6億43百万円増加しております。主にHGF遺伝子治療用製品の米国FDAへの申請にかかる業務委託料の増加により、支払手数料が3億74百万円増加しております。
当社グループのような研究開発型バイオベンチャー企業は先行投資が続きますが、提携戦略等により財務リスクの低減を図りながら、今後も研究開発投資を行っていく予定です。研究開発の詳細については、本報告書「(4) 研究開発活動」をご参照ください。
販売費及び一般管理費は前年同期に比べ1億99百万円減少し、8億5百万円(同19.8%減)となりました。弁護士等専門家及びコンサルタントへの報酬が減少したため、支払手数料が前年同期より1億98百万円減少しております。
この結果、当中間連結会計期間の営業損失は32億36百万円(前年同期の営業損失は24億円)となりました。
営業外収益においては、為替相場の変動により、主に連結子会社EmendoBio, Inc.(以下、「EmendoBio社」といいます。)への米ドル建貸付金の評価替を行った結果、為替差益6億82百万円(前年同期は為替差損14億91百万円)を計上しております。
この結果、当中間連結会計期間の経常損失は25億60百万円(前年同期の経常損失は38億98百万円)となりました。
これらの結果、当中間連結会計期間の親会社株主に帰属する中間純損失は27億14百万円(前年同期の親会社株主に帰属する中間純損失は39億66百万円)となりました。
(2) 財政状態の分析
当中間連結会計期間末の総資産は前連結会計年度末に比べ17億45百万円減少し、36億60百万円となりました。
流動資産は前連結会計年度末に比べ17億66百万円減少し、26億19百万円となっております。当中間連結会計期間にCantor Fitzgerald Europeを割当先とする第46回新株予約権について5億31百万円、社債の発行により6億47百万円を調達しましたが、事業費用等への支出により、現金及び預金は前連結会計年度末に比べ16億円減少して2億81百万円となりました。
当中間連結会計期間末の固定資産は前連結会計年度末に比べ21百万円増加し、10億40百万円となっております。
当中間連結会計期間末の負債は前連結会計年度末に比べ11億24百万円増加し、34億54百万円となりました。主にHGF遺伝子治療用製品の製造試験にかかる費用の増加により、買掛金が4億13百万円増加しております。米国FDAへの申請にかかる業務委託料の増加により、未払金が3億15百万円増加しております。EmendoBio社における過年度法人税の支払いにより、未払法人税等が2億83百万円減少しております。固定負債において、社債の発行により、社債が5億91百万円増加しております。
当中間連結会計期間末の純資産は前連結会計年度末に比べ28億70百万円減少し、2億5百万円となりました。Cantor Fitzgerald Europeを割当先とする第46回新株予約権の行使等により、資本金が2億70百万円、資本剰余金が2億70百万円増加しております。親会社株主に帰属する中間純損失の計上により、利益剰余金が27億14百万円減少しております。
(3) キャッシュ・フローの状況
当中間連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下、「資金」といいます。)は、前連結会計年度末に比べ16億8百万円減少し、1億87百万円となりました。当中間連結会計期間のキャッシュ・フローの状況は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当中間連結会計期間における営業活動による資金の減少は、27億53百万円(前年同期は24億77百万円の減少)となりました。未収消費税等が1億4百万円減少、仕入債務が4億7百万円増加、未払金が3億2百万円増加しましたが、税金等調整前中間純損失26億13百万円に加え、為替差益を6億84百万円計上しております。EmendoBio社において過年度の法人税を支払ったことにより、法人税等の支払額が4億円となっております。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当中間連結会計期間における投資活動による資金の減少は、1百万円(前年同期は40百万円の減少)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当中間連結会計期間における財務活動による資金の増加は、11億36百万円(前年同期は37億48百万円の増加)となりました。Cantor Fitzgerald Europeを割当先とする第46回新株予約権が行使され、新株予約権の行使による株式の発行による収入が5億29百万円となっております。Cantor Fitzgerald Europeを割当先とする普通社債を発行し、社債の発行による収入6億47百万円を計上しております。
(4) 研究開発活動
当中間連結会計期間における研究開発費は前年同期に比べ11億12百万円増加し、26億68百万円(前年同期比71.5%増)となりました。
当社グループは、遺伝子医薬を中心に医薬品の開発、実用化及びゲノム編集技術の研究開発並びにACRLにおける拡大新生児スクリーニングを始め遺伝学的検査、バイオマーカー検査等、希少遺伝性疾患検査の開発を行っております。さらに当社は国内外の企業と積極的に提携し、有望な医薬品の実用化に向けて共同開発を進めております。
以下に、当社グループの開発品並びに当社提携先の開発状況についてご説明いたします。
当社の開発プロジェクト

※HGF遺伝子治療用製品の日本国内における条件及び期限付き承認の期間満了に伴い、イスラエルKamada社及びトルコEr-Kim社との契約について両社と見直し中です。
■HGF遺伝子治療用製品(一般名:ベペルミノゲンペルプラスミド)(自社品)
HGF遺伝子治療用製品の開発につきましては、米国における軽度から中等度の包括的高度慢性下肢虚血(CLTI)に対する後期第Ⅱ相臨床試験で良好な結果が示され、FDAとの協議の結果、米国における臨床試験を完了とし、生物製剤認可申請(BLA申請)に向けた準備を進めることとなりました。2026年1月と5月にお知らせしましたFDAとのType B Meeting (※1)に続き、7月にはPre-BLA Meetingに先立つ書面での質疑応答により申請資料に関する主要な論点についてFDAとの確認を完了し、Pre-BLA Meeting(※2)を開催することなく、BLA申請(段階的提出/Rolling Submission(※3))に進むこととなりました。上市後の製品に関しましては、ベーリンガー・インゲルハイム・バイオファーマシューティカルズ社と製品の原薬製造、供給体制を構築しています。なお、上記臨床試験結果につきましては、主導医師の論文が米国心臓学会(AHA)の発行する「Circulation: Cardiovascular Interventions」に掲載されました。
国内におけるHGF遺伝子治療用製品の開発については、米国での開発の進捗を踏まえ、検討してまいります。
※1Type "B" Clinical Meeting:FDAが定める、医薬品・生物製剤の開発における主要マイルストーンで開催される「正式会合」で、開発中の医薬品や生物製剤において、臨床や製造、品質管理等、申請に向けた重要なポイントについてFDAと共同でデータ要件を確認・協議する場です。協議を通して、申請の質を高め、審査過程における問題の早期解消を図ることができます。
※2 Pre-BLA Meeting:審査段階での問題や遅延を未然に防ぐため、提出予定のBLAの内容や申請準備状況についてFDAと最終確認する場です。
※3 Rolling Submission:FDAによりファストトラックやブレイクスルー・セラピーに指定された製品の審査書類を完成した分野ごとに提出することです。
■NF-κBデコイオリゴDNA(自社品)
核酸医薬NF-κBデコイオリゴDNAについては、日本国内における第Ⅱ相臨床試験を実施中で、2026年末迄の登録完了を目指しています。米国において実施した後期第Ⅰ相臨床試験では、投与1年後でも鎮痛効果が持続するという画期的な結果となったことに加え、椎間板の修復を示唆するデータも得られ、この結果が米国の医学雑誌「The SPINE JOURNAL」に掲載されました。なお、国内の第Ⅱ相臨床試験に関して塩野義製薬株式会社と契約を締結しており、費用の一部を負担いただくとともに、試験結果に基づき第Ⅲ相臨床試験の実施について協議する予定です。
■高血圧DNAワクチン(自社品)
高血圧治療用DNAワクチンについては、オーストラリアでの第Ⅰ相/前期第Ⅱ相臨床試験は重篤な有害事象はなく、安全性に問題がないことを確認しました。今後の開発につきましては、新型コロナウイルスのDNAワクチンとは異なるプラスミドDNAの発現に関する改善策等の検討を進めてまいります。
■Tie2受容体アゴニスト(共同開発品)
Tie2受容体アゴニスト(AV-001)は、カナダのバイオ医薬品企業であるVasomune社と共同開発契約を締結しており、インフルエンザ等のウイルス性及び細菌性肺炎を含む急性呼吸窮迫症候群(ARDS)を対象とした前期第Ⅱ相臨床試験を米国で実施しています。計画した患者登録は完了しましたが、脱落症例に対応する追加の登録を第3四半期中の完了に向けて進めています。また、新たに血液透析によって認知機能に障害をもたらす細胞毒性脳浮腫を軽減し、脳の白質の機能を維持できるか評価する医師主導試験を開始しており、2026年3月に最初の患者に投与されました。さらに、重度熱傷患者の蘇生治療に向けた開発についても検討を進めています。このような新たな適応を含む血管漏出が関与する疾患領域への応用可能性を検討するため、新たなAV-001共同開発契約をVasomune社と締結しました。
Emendo社の開発プロジェクト
■ゲノム編集技術による遺伝子治療の開発
EmendoBio社では、ゲノム編集の安全な医療応用を目指し、新規CRISPRヌクレアーゼ(※4)を探索・最適化するプラットフォーム技術(OMNI Platform)を確立しており、ゲノム編集でしばしば問題視される「オフターゲット効果」(※5)を回避できるなど、新たな特徴をもった独自のOMNIヌクレアーゼを数多く作出し、特許出願及び権利化を進めています。現在イスラエルの研究所における研究成果を米国でバックアップする体制の構築、米国における研究開発活動及び導出等に取り組んでいます。また、スウェーデンのバイオ企業であるAnocca社と、2025年9月にライセンスの適用範囲を拡大する契約を新たに締結しました。さらに、スタンフォード大学医学部と共同で、EmendoBio社のゲノム編集技術を活用した、がんに対する新規ゲノム編集治療法の開発を進めています。
※4 新規CRISPRヌクレアーゼ:ゲノム編集で使用する新たなRNA誘導型DNA切断酵素で、ガイドRNAで規定した塩基配列を識別し、その標的とした塩基配列を切断する。
※5 オフターゲット効果:ゲノム編集で、DNA鎖上の目的とする塩基配列以外の別の領域に、意図せぬ突然変異を引き起こしてしまうこと。
検査受託サービス及び提携先における開発状況
■希少遺伝性疾患検査を主目的としたACRLの検査受託
ACRLでは、群馬県、沖縄県、長野県等の自治体(又はその関連団体)等から拡大新生児スクリーニング検査を受託しています。この拡大新生児スクリーニングにおいて陽性となった受検者のうち、ムコ多糖症偽陽性者を選別するための二次スクリーニング手法を新たに開発し、この二次スクリーニングに関する論文が公表されました。また、遺伝学的検査の受託とともに、拡大新生児スクリーニングの対象疾患の一部について、治療効果をモニタリングするためのバイオマーカー検査の受託も開始しています。今後は、バイオマーカー検査体制が整っていないスクリーニング対象疾患についても、検査体制の構築を進め、希少遺伝性疾患のスクリーニングから診断、治療へと一連の流れを支える包括的な検査体制の提供を目指してまいります。
■マイクロバイオームを用いた治療薬・サプリメントなどの開発
当社は、腸内細菌叢を利用した疾患治療薬や健康維持のサプリメントを開発しているイスラエルのMyBiotics Pharma Ltd.と2018年7月に資本提携しております。MyBiotics社では、腸内細菌叢の微生物の構成を再現した培養物(SuperDonor)の製造法を確立しており、クロストリジウム・ディフィシル感染症の治療薬MBX-SD-202の第Ⅰ相臨床試験をイスラエルにおいて完了いたしました。しかしながら、今般の中東地域における戦争の影響により、同社の研究開発の継続が懸念される状況となっています。