有価証券報告書-第52期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績およびキャッシュ・フロー(以下「経営成績」という。)の状況の概要は次の通りであります。
① 財政状態および経営成績の状況
当期における国内経済は、消費税率引上げ、大型台風などの自然災害、さらに、年度末には国内外における新型コロナウイルス感染症拡大の影響から厳しい状態が続いており、企業活動や個人消費は停滞し、先行き不透明な状況となりました。介護業界におきましては、わが国の高齢化率(総人口に占める65歳以上人口の割合)が2019年には28.4%に上昇、また2018年度の介護費が10兆円を超える等、その需要は拡大しております。さらに、2019年10月には消費税率引上げへの対応として、基本報酬が増額改定されるとともに、介護職員特定処遇改善加算が創設されました。
このような状況のもと、当社グループは、顧客獲得のための営業活動や人員配置の適正化を図る一方で、将来の成長に資する先行投資を実行いたしました。合わせて新型コロナウイルス感染症対策本部を設置し、感染予防および事業継続について対応いたしました。
2020年3月にデイサービスにおいて新型コロナウイルス感染症予防のための利用控えの影響があったものの、第2四半期以降のデイサービス利用率および顧客数が伸長した結果、売上高は91,196百万円(前期比5.6%増)、営業利益は4,240百万円(同2.8%増)、経常利益は3,972百万円(同5.0%増)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、特別損失の計上により1,965百万円(同9.4%減)となりました。
当連結会計年度末における事業所数は、47都道府県700ヵ所(本社含む)となりました。
<セグメント毎の経営成績>第1四半期連結会計期間から、当社グループが2025年にありたい姿として描く『ツクイ ビジョン2025』の実現に向けて、地域戦略による力強い成長をより迅速に推進するための基盤改革の一環として、報告セグメントの区分を変更しております。詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表注記事項 (セグメント情報等)」をご参照ください。
なお、前年同期との比較については、前年同期の数値を変更後の区分方法に基づき作成した数値で比較しております。
(注) 売上高および経常利益または損失(△)(同率)のセグメント合計額の差異は、各セグメント間での内部取引額です。
(デイサービス事業)
顧客獲得のための営業活動の継続、利用率向上に努めるとともに、差別化を図るため各種加算取得を進めました。2020年2月の利用率は58.5%(前年同月比3.0pt増)、利用者数の伸長率は前年同月比+6.9%と順調であったものの、2020年3月には利用率55.8%(同0.04pt減)、利用者数の伸長率は前年同月比+0.7%と新型コロナウイルス感染症予防のための利用控えの影響が顕著となりました。一方で、中重度者ケア体制加算の対象事業所数は77.6%(同4.6pt増)、要介護者への提供回数に占める個別機能訓練加算Ⅰの算定率は31.5%(同3.7pt増)、個別機能訓練加算Ⅱの算定率は73.2%(同2.2pt増)となりました。さらに、新たな加算であるADL維持等加算のデイサービス全事業所取得に向けた準備を進めました。
これらの結果、3月に新型コロナウイルス感染症予防のための利用控えの影響があったものの、通期では第2四半期以降のデイサービス利用率および顧客数が伸長したことから、売上高は56,304百万円(前期比6.1%増)、経常利益は2,759百万円(同22.4%増)となりました。
当連結会計年度において新規出店8ヵ所および契約終了に伴う移転2ヵ所を行った結果、デイサービス提供事業所数は、521ヵ所(同8ヵ所増)となりました。
(住まい事業)
サービスの質の向上や、営業活動を強化し入居促進に努めたことにより入居者数が増加しました。また、グループホームを2ヵ所開設いたしました。住まい事業においては、新型コロナウイルス感染症防止のため2020年2月下旬より施設の見学等を中止しておりますが、業績への影響はありませんでした。
これらの結果、売上高は18,565百万円(前期比8.1%増)、経常利益は1,180百万円(同22.1%増)となりました。
住まい提供事業所数
(在宅事業)
訪問介護および訪問入浴における厳しい採用環境のなか人材確保に取り組んだものの、期待通りに進まず業績に影響を与える結果となりました。一方、運営を受託する住まいにおけるサービス提供については、入居者のニーズに応じた生活支援サービスや介護サービスを提供しました。さらに、訪問看護サービスを起点とした医療連携を推進し、訪問看護事業所8ヵ所を開設いたしました。
これらの結果、売上高は8,037百万円(前期比0.6%増)の増収および訪問看護事業所の開設準備に係る費用により経常利益32百万円(同83.8%減)となりました。
(人材事業)
株式会社ツクイスタッフの人材事業は、安定した人材供給のため、求人および広告宣伝への投資を強化するとともに、社内組織再編などの基盤構築をすすめ営業機能の強化を図りました。
この結果、売上高は8,257百万円(前期比1.6%増)、経常利益は人件費および求人費の増加に伴い357百万円(同14.5%減)となりました。
当連結会計年度末における支店数は、38ヵ所(同2ヵ所増)となりました。
(リース事業)
株式会社ツクイキャピタルのリース事業は、引き続き車両リース取引の拡大を図るとともに、グループ外への営業活動を推進しました。
この結果、売上高は1,307百万円(前期比52.2%増)、経常利益は85百万円(同320.8%増)となりました。
(その他)
「その他」の区分は、報告セグメントに含まれない事業セグメントであり、インターネット通販事業、ツクイ・ケアテック投資事業有限責任組合、新規事業等を含んでおります。
新規事業では、フードサービス事業や、介護サービス事業周辺領域のニーズに対応するためのトータルサポート事業等、新たな価値を創造する新規事業へ先行投資しました。
この結果、売上高は1,179百万円(前期比890.7%増)、フードサービスの事業所への導入拡大に係る費用により経常損失は435百万円(前期は79百万円の経常損失)となりました。
<財政状態の状況>(資産)
当連結会計年度末における総資産は、78,971百万円となり、前連結会計年度末に比べ4.5%、3,383百万円増加いたしました。
増加の主な要因は、売掛金2,127百万円(前連結会計年度末比26.9%増)、車両運搬具(純額)1,271百万円(前連結会計年度末比32.6%増)、ソフトウェア仮勘定618百万円(前連結会計年度末比259.6%増)によるものであります。
(負債)
当連結会計年度末における総負債は、53,645百万円となり、前連結会計年度末に比べ4.7%、2,430百万円増加いたしました。
増加の主な要因は、長期借入金1,515百万円(前連結会計年度末比47.7%増)、未払法人税等638百万円(前連結会計年度末比77.6%増)、未払費用446百万円(前連結会計年度末比40.1%増)によるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産は、25,326百万円となり、前連結会計年度末に比べ3.9%、953百万円増加いたしました。
増加の主な要因は、親会社株主に帰属する当期純利益1,965百万円、株主資本以外の項目の当期変動額(純額)228百万円によるものであります。
減少の主な要因は、剰余金の配当719百万円、自己株式の取得500百万円によるものであります。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、デイサービスやグループホーム等
の有形固定資産の取得による支出や、リース事業における福祉車両の取得による支出等の要因により一部相殺
されたものの、税金等調整前当期純利益の計上3,580百万円(前年同期比100.5%)、リース事業における長期
借入れによる収入の増加2,140百万円(前年同期比81.4%)、預金の担保解除による収入1,349百万円(前年同
期なし)等により、前連結会計年度末に比べ1,818百万円増加し、当連結会計年度末には、11,009百万円となり
ました。
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況とその増減要因は、以下の通りであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により得られた資金は4,245百万円となりました。これは主に税金等調整前当期純利益3,580百万円、減価償却費の計上3,269百万円、支払利息440百万円に対し、売上債権の増加額2,127百万円、法人税等の支払額1,328百万円等の結果であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、1,124百万円となりました。これは主に、預金の担保解除による収入1,349百万円、貸付金の回収による収入425百万円に対し、有形固定資産の取得による支出2,433百万円、無形固定資産の取得による支出409百万円等の結果であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、1,303百万円となりました。これは主に、長期借入れによる収入2,140百万円、非支配株主からの払込みによる収入150百万円に対し、ファイナンス・リース債務の返済による支出1,759百万円、配当金の支払額720百万円、長期借入金の返済による支出624百万円、自己株式の取得による支出500百万円等の結果であります。
③ 生産、受注および販売の実績
a. 生産実績および受注実績
当社グループは、デイサービス事業、住まい事業、在宅事業、人材事業およびリース事業を中心にサービス事業を行っており、生産および受注に該当する事項はありません。
b. 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次の通りであります。
(単位:百万円)
(注) 1.セグメント間の取引については相殺消去をしております。
2.上記の金額には、消費税が含まれておりません。
3.デイサービス事業のその他には、福祉用具販売売上が含まれております。
4.住まい事業には、有料老人ホーム売上、グループホーム売上、サービス付き高齢者向け住宅売上、とその併設サービスの売上が含まれております。
5.在宅事業には、訪問介護売上、訪問入浴売上、居宅介護支援売上、訪問看護売上、運営を受託している住まい系サービス売上等が含まれております。
6.人材事業には、人材派遣売上、紹介予定派遣売上、職業紹介売上、委託事業売上、教育研修事業売上が含まれております。
7.リース事業には、リース売上が含まれております。
8.その他は、報告セグメントに含まれない事業セグメントであり、インターネット通販売上が含まれております。
9.最近2連結会計年度の主要な販売先および当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次の通りであります。
(注) 上記の金額には消費税等は含まれておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次の通りであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づいて作成されております。連結財務諸表の作成に当たっては決算日における財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローの状況に影響を与えるような経営者の見積りおよび予測を必要としております。当社グループは過去の実績値や状況を踏まえ合理的と判断される前提に基づき、見積りおよび予測を行っております。
新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、2020年4月7日に政府が発令した緊急事態宣言、その後の4月16日の緊急事態宣言の全国拡大により、当社グループのデイサービスにおいても、感染予防のための利用控えによる売上高の減少等の影響が発生しております。
新型コロナウイルス感染症の今後の拡大や収束時期等を合理的に予測することは困難なため、新型コロナウイルス感染症に関連する情報を踏まえて、2021年3月期中に概ね収束するとの仮定のもと、繰延税金資産の回収可能性の判断や減損損失の判定等の会計上の見積りを会計処理に反映しております。
しかしながら、新型コロナウイルス感染症拡大による影響は不確定要素が多く、上記の仮定と異なる情勢となった場合には、翌連結会計年度の当社グループの財政状態、経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容
a. 経営成績
当社は、介護保険法の適用を受けるサービスの提供を内容とするため、介護保険制度の改正の影響を受けることになります。介護保険制度は、通常3年ごとに介護保険法の改正および介護報酬の改定が行われており、それにともない経営成績が影響を受ける可能性があります。
主要な事業であるデイサービスにおいては、2012年4月、2015年4月、2018年4月と3回続けて厳しい報酬改定が行われております。このような状況のなか、当社は利益面ではその影響を受けるものの、利用率の向上や各種加算の取得、事業所の新規開設等により17期連続の増収をしております。

当連結会計年度における当社グループの売上高は91,196百万円(前期比5.6%増)、営業利益は4,240百万円(同2.8%増)、経常利益は3,972百万円(同5.0%増)と増収増益、親会社株主に帰属する当期純利益は、特別損失の計上により1,965百万円(同9.4%減)と減益になりました。
b. 資本の財源および資金の流動性
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、人件費および、施設運営やサービス提供にかかる経費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、デイサービスや有料老人ホーム、サービス付き高齢者向け住宅などの施設開設等によるものであります。
当社グループにおきまして、既存事業の投資や、新たな価値を創造する新規事業開発の取り組み、成長が見込める分野に対してのM&Aに対しては、積極的に必要な資本的支出を継続していく予定であります。
資本の財源につきましては、自己資金を主とし、金融機関からの借入等など最適な方法による資金調達により対応することを基本としております。
資金の流動性につきましては、現金及び現金同等物、当座貸越枠に加え新型コロナウイルス感染症の一段の拡大と長期化に備え、安定的な資金調達の体制を構築するため、取引金融機関との間でシンジケートローン方式によるコミットメントライン契約を締結することで十分な流動性を確保しております。
なお、当連結会計年度末における借入金およびリース債務を含む有利子負債の残高は、37,549百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、11,009百万円となっております。
③ 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
「第二次 中期経営計画」(2018年4月~2021年3月)の2年目である当連結会計年度の達成状況は、以下の通りです。
当連結会計年度における当社グループの売上高は91,196百万円(計画比1.1%減)とわずかに計画未達、営業利益は4,240百万円(同11.8%増)、経常利益は3,972百万円(同14.2%増)と計画達成、親会社株主に帰属する当期純利益は、特別損失の計上により1,965百万円(同4.8%減)と計画未達になりました。
ROEは、計画比0.4pt減の8.2%となりました。
(注) 各セグメントの合計と連結との差異は、連結上の調整額です。
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績およびキャッシュ・フロー(以下「経営成績」という。)の状況の概要は次の通りであります。
① 財政状態および経営成績の状況
当期における国内経済は、消費税率引上げ、大型台風などの自然災害、さらに、年度末には国内外における新型コロナウイルス感染症拡大の影響から厳しい状態が続いており、企業活動や個人消費は停滞し、先行き不透明な状況となりました。介護業界におきましては、わが国の高齢化率(総人口に占める65歳以上人口の割合)が2019年には28.4%に上昇、また2018年度の介護費が10兆円を超える等、その需要は拡大しております。さらに、2019年10月には消費税率引上げへの対応として、基本報酬が増額改定されるとともに、介護職員特定処遇改善加算が創設されました。
このような状況のもと、当社グループは、顧客獲得のための営業活動や人員配置の適正化を図る一方で、将来の成長に資する先行投資を実行いたしました。合わせて新型コロナウイルス感染症対策本部を設置し、感染予防および事業継続について対応いたしました。
2020年3月にデイサービスにおいて新型コロナウイルス感染症予防のための利用控えの影響があったものの、第2四半期以降のデイサービス利用率および顧客数が伸長した結果、売上高は91,196百万円(前期比5.6%増)、営業利益は4,240百万円(同2.8%増)、経常利益は3,972百万円(同5.0%増)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、特別損失の計上により1,965百万円(同9.4%減)となりました。
当連結会計年度末における事業所数は、47都道府県700ヵ所(本社含む)となりました。
<セグメント毎の経営成績>第1四半期連結会計期間から、当社グループが2025年にありたい姿として描く『ツクイ ビジョン2025』の実現に向けて、地域戦略による力強い成長をより迅速に推進するための基盤改革の一環として、報告セグメントの区分を変更しております。詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表注記事項 (セグメント情報等)」をご参照ください。
なお、前年同期との比較については、前年同期の数値を変更後の区分方法に基づき作成した数値で比較しております。
| (単位:百万円) | |||||
| 2019年3月期 | 2020年3月期 | 増減額 | 増減率 | ||
| 売上高 | 86,349 | 91,196 | +4,847 | +5.6% | |
| デイサービス事業 | 53,063 | 56,304 | +3,240 | +6.1% | |
| 住まい事業 | 17,175 | 18,565 | +1,390 | +8.1% | |
| 在宅事業 | 7,986 | 8,037 | +50 | +0.6% | |
| 人材事業 | 8,130 | 8,257 | +126 | +1.6% | |
| リース事業 | 859 | 1,307 | +448 | +52.2% | |
| その他 | 119 | 1,179 | +1,060 | +890.7% | |
| 経常利益又は損失(△) (同率) | 3,783 (4.4%) | 3,972 (4.4%) | +189 | +5.0% | |
| デイサービス事業 (同率) | 2,253 (4.2%) | 2,759 (4.9%) | +505 | +22.4% | |
| 住まい事業 (同率) | 967 (5.6%) | 1,180 (6.4%) | +213 | +22.1% | |
| 在宅事業 (同率) | 199 (2.5%) | 32 (0.4%) | △167 | △83.8% | |
| 人材事業 (同率) | 417 (5.1%) | 357 (4.3%) | △60 | △14.5% | |
| リース事業 (同率) | 20 (2.4%) | 85 (6.5%) | +64 | +320.8% | |
| その他 (同率) | △79 (△66.7%) | △435 (△37.0%) | △356 | ― % | |
(注) 売上高および経常利益または損失(△)(同率)のセグメント合計額の差異は、各セグメント間での内部取引額です。
(デイサービス事業)
顧客獲得のための営業活動の継続、利用率向上に努めるとともに、差別化を図るため各種加算取得を進めました。2020年2月の利用率は58.5%(前年同月比3.0pt増)、利用者数の伸長率は前年同月比+6.9%と順調であったものの、2020年3月には利用率55.8%(同0.04pt減)、利用者数の伸長率は前年同月比+0.7%と新型コロナウイルス感染症予防のための利用控えの影響が顕著となりました。一方で、中重度者ケア体制加算の対象事業所数は77.6%(同4.6pt増)、要介護者への提供回数に占める個別機能訓練加算Ⅰの算定率は31.5%(同3.7pt増)、個別機能訓練加算Ⅱの算定率は73.2%(同2.2pt増)となりました。さらに、新たな加算であるADL維持等加算のデイサービス全事業所取得に向けた準備を進めました。
これらの結果、3月に新型コロナウイルス感染症予防のための利用控えの影響があったものの、通期では第2四半期以降のデイサービス利用率および顧客数が伸長したことから、売上高は56,304百万円(前期比6.1%増)、経常利益は2,759百万円(同22.4%増)となりました。
当連結会計年度において新規出店8ヵ所および契約終了に伴う移転2ヵ所を行った結果、デイサービス提供事業所数は、521ヵ所(同8ヵ所増)となりました。
(住まい事業)
サービスの質の向上や、営業活動を強化し入居促進に努めたことにより入居者数が増加しました。また、グループホームを2ヵ所開設いたしました。住まい事業においては、新型コロナウイルス感染症防止のため2020年2月下旬より施設の見学等を中止しておりますが、業績への影響はありませんでした。
これらの結果、売上高は18,565百万円(前期比8.1%増)、経常利益は1,180百万円(同22.1%増)となりました。
住まい提供事業所数
| 事業所数 | 総室(戸)数 | |
| 介護付有料老人ホーム | 28 | 2,175 |
| サービス付き高齢者向け住宅(自社運営) | 5 | 331 |
| グループホーム | 41 | 765 |
(在宅事業)
訪問介護および訪問入浴における厳しい採用環境のなか人材確保に取り組んだものの、期待通りに進まず業績に影響を与える結果となりました。一方、運営を受託する住まいにおけるサービス提供については、入居者のニーズに応じた生活支援サービスや介護サービスを提供しました。さらに、訪問看護サービスを起点とした医療連携を推進し、訪問看護事業所8ヵ所を開設いたしました。
これらの結果、売上高は8,037百万円(前期比0.6%増)の増収および訪問看護事業所の開設準備に係る費用により経常利益32百万円(同83.8%減)となりました。
(人材事業)
株式会社ツクイスタッフの人材事業は、安定した人材供給のため、求人および広告宣伝への投資を強化するとともに、社内組織再編などの基盤構築をすすめ営業機能の強化を図りました。
この結果、売上高は8,257百万円(前期比1.6%増)、経常利益は人件費および求人費の増加に伴い357百万円(同14.5%減)となりました。
当連結会計年度末における支店数は、38ヵ所(同2ヵ所増)となりました。
(リース事業)
株式会社ツクイキャピタルのリース事業は、引き続き車両リース取引の拡大を図るとともに、グループ外への営業活動を推進しました。
この結果、売上高は1,307百万円(前期比52.2%増)、経常利益は85百万円(同320.8%増)となりました。
(その他)
「その他」の区分は、報告セグメントに含まれない事業セグメントであり、インターネット通販事業、ツクイ・ケアテック投資事業有限責任組合、新規事業等を含んでおります。
新規事業では、フードサービス事業や、介護サービス事業周辺領域のニーズに対応するためのトータルサポート事業等、新たな価値を創造する新規事業へ先行投資しました。
この結果、売上高は1,179百万円(前期比890.7%増)、フードサービスの事業所への導入拡大に係る費用により経常損失は435百万円(前期は79百万円の経常損失)となりました。
<財政状態の状況>(資産)
当連結会計年度末における総資産は、78,971百万円となり、前連結会計年度末に比べ4.5%、3,383百万円増加いたしました。
増加の主な要因は、売掛金2,127百万円(前連結会計年度末比26.9%増)、車両運搬具(純額)1,271百万円(前連結会計年度末比32.6%増)、ソフトウェア仮勘定618百万円(前連結会計年度末比259.6%増)によるものであります。
(負債)
当連結会計年度末における総負債は、53,645百万円となり、前連結会計年度末に比べ4.7%、2,430百万円増加いたしました。
増加の主な要因は、長期借入金1,515百万円(前連結会計年度末比47.7%増)、未払法人税等638百万円(前連結会計年度末比77.6%増)、未払費用446百万円(前連結会計年度末比40.1%増)によるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産は、25,326百万円となり、前連結会計年度末に比べ3.9%、953百万円増加いたしました。
増加の主な要因は、親会社株主に帰属する当期純利益1,965百万円、株主資本以外の項目の当期変動額(純額)228百万円によるものであります。
減少の主な要因は、剰余金の配当719百万円、自己株式の取得500百万円によるものであります。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、デイサービスやグループホーム等
の有形固定資産の取得による支出や、リース事業における福祉車両の取得による支出等の要因により一部相殺
されたものの、税金等調整前当期純利益の計上3,580百万円(前年同期比100.5%)、リース事業における長期
借入れによる収入の増加2,140百万円(前年同期比81.4%)、預金の担保解除による収入1,349百万円(前年同
期なし)等により、前連結会計年度末に比べ1,818百万円増加し、当連結会計年度末には、11,009百万円となり
ました。
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況とその増減要因は、以下の通りであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により得られた資金は4,245百万円となりました。これは主に税金等調整前当期純利益3,580百万円、減価償却費の計上3,269百万円、支払利息440百万円に対し、売上債権の増加額2,127百万円、法人税等の支払額1,328百万円等の結果であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、1,124百万円となりました。これは主に、預金の担保解除による収入1,349百万円、貸付金の回収による収入425百万円に対し、有形固定資産の取得による支出2,433百万円、無形固定資産の取得による支出409百万円等の結果であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、1,303百万円となりました。これは主に、長期借入れによる収入2,140百万円、非支配株主からの払込みによる収入150百万円に対し、ファイナンス・リース債務の返済による支出1,759百万円、配当金の支払額720百万円、長期借入金の返済による支出624百万円、自己株式の取得による支出500百万円等の結果であります。
③ 生産、受注および販売の実績
a. 生産実績および受注実績
当社グループは、デイサービス事業、住まい事業、在宅事業、人材事業およびリース事業を中心にサービス事業を行っており、生産および受注に該当する事項はありません。
b. 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次の通りであります。
(単位:百万円)
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) | 前年同期比(%) |
| デイサービス事業 | ||
| 通所介護(デイサービス) | 49,764 | 106.4 |
| 訪問介護 | 3,275 | 101.7 |
| 訪問入浴介護 | 1,209 | 99.6 |
| 居宅介護支援(ケアプラン作成) | 1,561 | 106.3 |
| 運営受託 | 390 | 108.6 |
| 小規模多機能 | 85 | 1,305.8 |
| その他 | 16 | 87.0 |
| 小計 | 56,304 | 106.1 |
| 住まい事業 | 18,565 | 108.1 |
| 在宅事業 | 8,037 | 100.6 |
| 人材事業 | 8,145 | 101.8 |
| リース事業 | 14 | 1,228.7 |
| 報告セグメント計 | 91,068 | 105.6 |
| その他 | 128 | 107.6 |
| 合 計 | 91,196 | 105.6 |
(注) 1.セグメント間の取引については相殺消去をしております。
2.上記の金額には、消費税が含まれておりません。
3.デイサービス事業のその他には、福祉用具販売売上が含まれております。
4.住まい事業には、有料老人ホーム売上、グループホーム売上、サービス付き高齢者向け住宅売上、とその併設サービスの売上が含まれております。
5.在宅事業には、訪問介護売上、訪問入浴売上、居宅介護支援売上、訪問看護売上、運営を受託している住まい系サービス売上等が含まれております。
6.人材事業には、人材派遣売上、紹介予定派遣売上、職業紹介売上、委託事業売上、教育研修事業売上が含まれております。
7.リース事業には、リース売上が含まれております。
8.その他は、報告セグメントに含まれない事業セグメントであり、インターネット通販売上が含まれております。
9.最近2連結会計年度の主要な販売先および当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次の通りであります。
| 相手先 | 前連結会計年度 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) | ||
| 金額(百万円) | 割合(%) | 金額(百万円) | 割合(%) | |
| 神奈川県国民健康保険団体連合会 | 9,517 | 11.0 | 9,752 | 10.7 |
(注) 上記の金額には消費税等は含まれておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次の通りであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づいて作成されております。連結財務諸表の作成に当たっては決算日における財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローの状況に影響を与えるような経営者の見積りおよび予測を必要としております。当社グループは過去の実績値や状況を踏まえ合理的と判断される前提に基づき、見積りおよび予測を行っております。
新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、2020年4月7日に政府が発令した緊急事態宣言、その後の4月16日の緊急事態宣言の全国拡大により、当社グループのデイサービスにおいても、感染予防のための利用控えによる売上高の減少等の影響が発生しております。
新型コロナウイルス感染症の今後の拡大や収束時期等を合理的に予測することは困難なため、新型コロナウイルス感染症に関連する情報を踏まえて、2021年3月期中に概ね収束するとの仮定のもと、繰延税金資産の回収可能性の判断や減損損失の判定等の会計上の見積りを会計処理に反映しております。
しかしながら、新型コロナウイルス感染症拡大による影響は不確定要素が多く、上記の仮定と異なる情勢となった場合には、翌連結会計年度の当社グループの財政状態、経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容
a. 経営成績
当社は、介護保険法の適用を受けるサービスの提供を内容とするため、介護保険制度の改正の影響を受けることになります。介護保険制度は、通常3年ごとに介護保険法の改正および介護報酬の改定が行われており、それにともない経営成績が影響を受ける可能性があります。
主要な事業であるデイサービスにおいては、2012年4月、2015年4月、2018年4月と3回続けて厳しい報酬改定が行われております。このような状況のなか、当社は利益面ではその影響を受けるものの、利用率の向上や各種加算の取得、事業所の新規開設等により17期連続の増収をしております。

当連結会計年度における当社グループの売上高は91,196百万円(前期比5.6%増)、営業利益は4,240百万円(同2.8%増)、経常利益は3,972百万円(同5.0%増)と増収増益、親会社株主に帰属する当期純利益は、特別損失の計上により1,965百万円(同9.4%減)と減益になりました。
b. 資本の財源および資金の流動性
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、人件費および、施設運営やサービス提供にかかる経費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、デイサービスや有料老人ホーム、サービス付き高齢者向け住宅などの施設開設等によるものであります。
当社グループにおきまして、既存事業の投資や、新たな価値を創造する新規事業開発の取り組み、成長が見込める分野に対してのM&Aに対しては、積極的に必要な資本的支出を継続していく予定であります。
資本の財源につきましては、自己資金を主とし、金融機関からの借入等など最適な方法による資金調達により対応することを基本としております。
資金の流動性につきましては、現金及び現金同等物、当座貸越枠に加え新型コロナウイルス感染症の一段の拡大と長期化に備え、安定的な資金調達の体制を構築するため、取引金融機関との間でシンジケートローン方式によるコミットメントライン契約を締結することで十分な流動性を確保しております。
なお、当連結会計年度末における借入金およびリース債務を含む有利子負債の残高は、37,549百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、11,009百万円となっております。
③ 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
「第二次 中期経営計画」(2018年4月~2021年3月)の2年目である当連結会計年度の達成状況は、以下の通りです。
当連結会計年度における当社グループの売上高は91,196百万円(計画比1.1%減)とわずかに計画未達、営業利益は4,240百万円(同11.8%増)、経常利益は3,972百万円(同14.2%増)と計画達成、親会社株主に帰属する当期純利益は、特別損失の計上により1,965百万円(同4.8%減)と計画未達になりました。
ROEは、計画比0.4pt減の8.2%となりました。
| (単位:百万円) | |||||
| 2020年3月期 計画 | 2020年3月期 実績 | 増減額 | 増減率 | ||
| 売上高 | 92,221 | 91,196 | △1,024 | △1.1% | |
| デイサービス事業 | 56,938 | 56,304 | △634 | △1.1% | |
| 住まい事業 | 18,397 | 18,565 | +168 | +0.9% | |
| 在宅事業 | 8,308 | 8,037 | △271 | △3.3% | |
| 人材事業 | 8,466 | 8,257 | △209 | △2.5% | |
| リース事業 | 1,297 | 1,307 | +9 | +0.8% | |
| その他 | 211 | 1,179 | +967 | +458.3% | |
| 経常利益又は損失(△) (同率) | 3,478 (3.8%) | 3,972 (4.4%) | +493 | +14.2% | |
| デイサービス事業 (同率) | 2,816 (4.9%) | 2,759 (4.9%) | △57 | △2.0% | |
| 住まい事業 (同率) | 714 (3.9%) | 1,180 (6.4%) | +466 | +65.3% | |
| 在宅事業 (同率) | △173 (△2.1%) | 32 (0.4%) | +205 | ― % | |
| 人材事業 (同率) | 464 (5.5%) | 357 (4.3%) | △107 | △23.2% | |
| リース事業 (同率) | 53 (4.1%) | 85 (6.5%) | +31 | +58.9% | |
| その他 (同率) | △134 (△63.7%) | △435 (△37.0%) | △301 | ― % | |
(注) 各セグメントの合計と連結との差異は、連結上の調整額です。