有価証券報告書-第31期(2025/01/01-2025/12/31)
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、設備投資や個人消費の持ち直し、また、雇用情勢に改善の動きがみられるなど緩やかな回復基調で推移いたしました。しかしながら、消費者物価の上昇及び米国の通商政策等による景気の下振れリスクの存在並びに高いボラティリティーで推移する外国為替市場の影響など、先行きにつきましては不透明な状況が継続しております。
このような環境の中、当社グループは、ブライダル市場、ホテル市場及びウェルネス&リラクゼーション(W&R)市場における新たな価値の創造、高品質かつ魅力あふれる店舗づくりと付加価値の高いサービスの提供に取り組み、多様化するお客様のニーズに的確に対応することで、売上高の拡大と収益性の向上に努めてまいりました。
ホテル事業においては、訪日外国人数が2025年12月推計値で累計42百万人(前年比15.8%増:日本政府観光局「訪日外客数(2025年12月推計値)」)と年間過去最高となるなど、引き続き高い水準で推移しております。この影響から「ホテル インターコンチネンタル 東京ベイ」(東京都港区)をはじめとする国内ラグジュアリーホテルについては、総じて安定した状況で推移いたしました。また、昨年取得いたしました「Kaimana Beach Hotel」(米国ハワイ州)及び「Kimpton Palladian Hotel」(米国ワシントン州)につきましては、更なるレベニューマネジメント及びコストコントロールを実施し収益力向上に努めました。2025年4月には国内5施設目となる「ANAホリデイ・イン東京ベイ」(東京都品川区)の開業並びに同年5月には「W Hotel Dallas Victory」(米国テキサス州)を取得するなど、事業ポートフォリオの拡充と米国市場での運営基盤の強化に注力いたしました。
婚礼事業においては、受注件数が9,387件(前年同期比0.2%減)と一部施設の撤退により微減となりましたが、施行単価においては、緩やかに回復しております。一方、受注件数につきましては不採算店舗の閉鎖や改装による休館等の影響により8,880件(同11.6%減)と減少し、また、海外挙式においては為替相場の影響により日本人の海外渡航者数の戻りの遅れにより、一部において引き続き厳しい状況が継続しております。
W&R事業においては、昨年実施いたしました不採算店舗の退店等により収益が安定し、黒字体質の顕在化を図ることができました。
この結果、当連結会計年度の経営成績等は以下のとおりとなりました。
イ. 財政状態
当連結会計年度末における資産総額は、前連結会計年度末に比べ28,426百万円増加し、140,138百万円となりました。
当連結会計年度末における負債総額は、前連結会計年度末に比べ22,664百万円増加し、100,345百万円となりました。
当連結会計年度末における純資産総額は、前連結会計年度末に比べ5,762百万円増加し、39,792百万円となりました。
ロ. 経営成績
当連結会計年度の売上高は73,095百万円(前年同期比15.0%増)となり、利益面につきましては、営業利益9,540百万円(同28.8%増)、営業外費用において有利子負債の増加に伴う支払利息が1,526百万円の計上となったことから経常利益は7,494百万円(同3.0%減)となりました。また、特別利益において前述いたしました「W Hotel Dallas Victory」の運営会社であるVictory Hotel Dunhill HN LLC他の持分取得に伴う段階取得に係る差益1,259百万円及び負ののれん発生益1,033百万円の計上となりました。一方、特別損失においては、保有する投資有価証券の一部について、投資会社の業績推移及び事業計画等を確認し、実質価額について慎重に検討した結果、減損処理による投資有価証券評価損2,571百万円の計上となり、親会社株主に帰属する当期純利益は4,768百万円(同7.4%減)となりました。
セグメント別の業績は次のとおりであります。
(婚礼事業)
当連結会計年度においては、店舗改装による一部休館及び閉鎖等により婚礼施行件数が9,387件(同0.2%減)と微減となりましたが、婚礼施行単価については引き続き緩やかに回復しており、売上高は増加いたしました。利益面においてはエネルギーコスト、仕入外注費を含む原材料価格の上昇を婚礼施行単価の回復が吸収し増加いたしました。
この結果、当セグメントの売上高は38,800百万円(同8.6%増)、セグメント利益は7,314百万円(同26.5%増)となりました。
(ホテル事業)
当連結会計年度においては、ホテル婚礼施行件数が1,612件(同1.8%減)と微減となりましたが、昨年取得した米国2施設の売上寄与、また、国内ラグジュアリーホテルにおいては過去最高を記録した訪日外国人数の影響から宿泊稼働率及び宿泊単価が堅調に推移し、売上高、セグメント利益ともに増加いたしました。
この結果、当セグメントの売上高は31,345百万円(同26.0%増)、セグメント利益は4,355百万円(同18.5%増)となりました。
(W&R事業)
当連結会計年度においては、昨年不採算店舗の退店を進めた英国式リフレクソロジーサロン「クイーンズウェイ」の影響もありましたが、複合温浴施設「美楽温泉SPA-HERBS」がニフティ温泉ランキングにおいて6年連続の1位となり、来館者数及び飲食売上高が過去最高となったことから売上高は微増となり、セグメント利益につきましては、不採算店舗の退店により前年同期を上回りました。
この結果、当セグメントの売上高は2,949百万円(同0.0%増)、セグメント利益は169百万円(同69.2%増)となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は前連結会計年度末に比べ6,808百万円増加し、27,903百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの変動要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果獲得した資金は10,340百万円(前年同期比0.5%減)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益が7,139百万円及び減価償却費が4,171百万円となったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は7,258百万円(前年同期は11,132百万円の使用)となりました。これは主に、設備投資に伴う有形固定資産の取得による支出が3,459百万円及び連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出が3,407百万円となったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果獲得した資金は3,597百万円(前年同期比31.7%増)となりました。これは主に、長期借入金の返済による支出が25,480百万円及び社債の償還による支出が1,205百万円ありましたが、長期借入れによる収入が26,623百万円及び社債の発行による収入が4,875百万円となったことによるものであります。
なお、当社グループのキャッシュ・フロー関連指標の推移は次のとおりであります。
(注) 自己資本比率 :自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率 :株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ :営業キャッシュ・フロー/利払い
1.各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。
2.営業キャッシュ・フローは連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。また、利払いにつきましては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。
3.2021年12月期のキャッシュ・フロー対有利子負債比率及びインタレスト・カバレッジ・レシオにつきましては営業活動によるキャッシュ・フローがマイナスであるため記載しておりません。
③ 施行、受注及び販売の実績
イ. 婚礼施行実績
当連結会計年度の婚礼施行実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
ロ. 婚礼受注状況
当連結会計年度の婚礼受注状況をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
ハ. 販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) セグメント間取引については、相殺消去しております。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成されております。重要な会計方針につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。この連結財務諸表の作成にあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を与える見積りについては、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性の存在により、これら見積りと異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。
イ.繰延税金資産の回収可能性
繰延税金資産につきましては、将来の課税所得を合理的に見積り、回収可能性を十分に検討したうえで回収可能見込額を計上しております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得に依存するため、事業計画や市場環境の変化により、その見積りに変更が生じた場合には、繰延税金資産の計上額に影響を及ぼす可能性があります。
ロ.固定資産の減損
当社グループは、主に各施設ごとに資産をグルーピングしております。固定資産のうち減損の兆候がある資産又は資産グループについて、その資産又は資産グループから生じる将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。減損の兆候の把握、減損損失の認識及び測定につきましては慎重に検討しておりますが、事業計画や市場環境の変化により、将来キャッシュ・フローの見積額の前提条件や仮定に変更が生じた場合は、減損損失の計上が必要となる可能性があります。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
経営成績等
イ. 財政状態
(資産)
当連結会計年度末における資産総額は、前連結会計年度末に比べ28,426百万円増加し、140,138百万円となりました。これは主に、当連結会計年度より連結の範囲に含めた、「W Hotel Dallas Victory」及び「ANAホリデイ・イン東京ベイ」に係る建物及び構築物が26,728百万円増加したことによるものであります。
(負債)
当連結会計年度末における負債総額は、前連結会計年度末に比べ22,664百万円増加し、100,345百万円となりました。これは主に、上記2施設の取得に伴い長期借入金(1年内含む)14,565百万円及び社債(1年内含む)3,750百万円がそれぞれ増加したことによるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産総額は、前連結会計年度末に比べ5,762百万円増加し、39,792百万円となりました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益の計上等により利益剰余金が4,198百万円増加したことによるものであります。
ロ.経営成績
当社グループは売上高、営業利益及び経常利益を経営における重要指標と位置付けております。当連結会計年度における期初計画に対する実績の達成状況は、次のとおりであります。
当連結会計年度の売上高につきましては、訪日外国人数が過去最高を更新するなどインバウンドの増加による宿泊稼働率・宿泊単価が堅調に推移した結果、ホテル事業が全体を牽引いたしました。また、婚礼事業においても回復が遅れておりました婚礼施行単価が緩やかに回復し、計画比2,140百万円(計画比3.0%増)増加の73,095百万円となりました。
利益面につきましては、ホテル事業の増収効果、また、婚礼商材の内製化の推進及び全社を挙げたコスト削減を実施し、営業利益は計画比739百万円(同8.4%増)増加し9,540百万円、経常利益につきましては、有利子負債の増加に伴う支払利息の計上等により、計画比374百万円(同4.8%減)減少し7,494百万円となりました。
ハ. キャッシュ・フローの状況分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性については以下のとおりであります。
当社グループにおける資金需要は、主に仕入外注費、地代家賃及び販売費及び一般管理費等の営業費用の支払により生じる経常運転資金、既存借入金の返済資金及びホテルやゲストハウス等の建物の取得及び改装、設備の更新による設備投資資金であります。これら資金については、経常運転資金及び返済資金については営業キャッシュ・フローから、設備投資資金については主に社債発行や長期借入金など金融機関からの資金調達により賄う方針としております。
また、資金流動性を確保するため、取引金融機関との間に1,500百万円の当座貸越契約を締結しております。なお、当連結会計年度末において当座貸越契約を使用した借入残高はありません。
③ 経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第一部[企業情報]第2[事業の状況]3[事業等のリスク]」で述べましたとおり、協力会社を含めた時代の変化に対応し得るサービス(ソフト又は人材)の品質確保、及びそれに付随するコストの変化、ブライダル市場の縮小を招くような冠婚葬祭等社会文化の著しい変化及び出店予定地の確保等が、経営成績に重要な影響を与える可能性があると認識しております。
④ 経営戦略の現状と見通し
当社グループは、安定的かつ継続的に成長できる企業体であり続けるために、財務体質の強化を図りつつ、収益性を総合的に向上させるべく5つの基本戦略を掲げております。
イ. 出店戦略
持続可能な成長を遂げるため、当社グループは今後も綿密なマーケティング分析による出店地選定と施設計画に基づいた出店を行います。出店対象商圏としては、景気動向や都市化による人口減の影響を受けにくく、将来的に安定した需要が見込める東京都心部・大阪並びに名古屋中心部等の大都市圏を中心に、それぞれの都市圏におけるエリアシェア戦略に基づいたポートフォリオを構築します。エリアシェア戦略は、単に出店数を目標値とするのではなく、エリアの人材育成状況や、経営方針に基づく出店・運営構想とも連動しながら計画しております。
また、既存のゲストハウスにつきましても3年程度のサイクルでリニューアルを行い、常に新鮮さと品質を維持することで、顧客獲得率の安定化を図っております。
ロ. 商品開発力
当社グループに蓄積した経験・ノウハウと多くの取引先企業による高水準のサービスとを融合させることにより、お客様の趣味や趣向を高いレベルで実現できる商品とサービスの提供を目指します。
ハ. 提案力及び販売力
お客様の多様なニーズ=「夢」を的確に捉え、その「実現」のための商品提案力と販売力の向上を目指します。顧客サービス充実のための婚礼演出力強化が同業他社との差別化に繋がるものと考え、各スタッフのサービス提案力向上のための教育研修制度を確立することで、今後も更に高いレベルの人材の開発に力を入れてまいります。
また当社の商品告知・広告戦略は結婚情報誌等への有料広告に大きく依存しており、同業他社との受注競争に勝つためには、より魅力ある広告制作が必須となります。当社グループは、ゲストハウスのデザイン、サービス内容等を最大限にアピールするため、写真を中心とした魅力的な誌面づくりに取り組んでおります。また併行し、インターネットやSNS等、新たな集客媒体の開拓についても積極的に行っております。
海外挙式につきましては、集客力並びに成約率の向上を図るために、国内における集客拠点であります海外サロン並びに販売チャンネルの強化を図っております。
ニ. 利益率向上
高い収益性を確保するために、経営の合理化と業務効率の向上を図ります。
ホ. 資金調達
健全な財務体質の維持、資本効率の向上、株式価値の希薄化等への十分な配慮を行い、資本コストを重視した資金調達を実行します。
今後の事業戦略につきましては、婚礼事業国内部門において、様々な挙式スタイルへ対応すると同時に、多様なコンセプトの披露宴スタイルを提供し、運営受託型ビジネス・再生型ビジネス等多様な事業形態により、財務基盤を健全化しつつ、安定的かつ高利益率の事業ポートフォリオを構築してまいります。
ホテル事業につきましては、「ホテル婚礼」における高単価顧客の取り込み、ゲストハウスとホテルを融合させた従来にない全く新しい価値を持った複合施設の出店を行ってまいります。
海外事業につきましては、ハワイにおいては大聖堂挙式・ハウスウエディング等多様化する顧客ニーズに対応した挙式の提供、また海外事業全体として直営プロデュースを通じ、クオリティ・ブランド力を提供することで、デスティネーション・ウエディングへの取組みを継続・強化してまいります。
W&R事業につきましては、既存店のリモデルによる店舗の活性化、女性が生き生きと輝くための「美」「健康」をサポートするフィットネス事業の開発を行ってまいります。
⑤ 経営者の問題認識と今後の方針について
経営者の問題認識と今後の方針につきましては、「第一部[企業情報]第2[事業の状況]1[経営方針、経営環境及び対処すべき課題等]」に記載のとおり、当社グループの既存ターゲットから派生するゲストハウスの追加出店をエリア展開するのみならず、婚礼スタイル・価格帯・人数等、より多様化する社会ニーズに応えるための、ターゲット別ポートフォリオを構築していくことであります。当社グループの今後の出店計画、人材の確保と育成は、既存事業所の事業計画の枠に捉われず、ターゲット別に構築された事業計画に沿った出店形態やコストの考え方に基づき、より多様化するとともに柔軟性を高めてまいります。
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、設備投資や個人消費の持ち直し、また、雇用情勢に改善の動きがみられるなど緩やかな回復基調で推移いたしました。しかしながら、消費者物価の上昇及び米国の通商政策等による景気の下振れリスクの存在並びに高いボラティリティーで推移する外国為替市場の影響など、先行きにつきましては不透明な状況が継続しております。
このような環境の中、当社グループは、ブライダル市場、ホテル市場及びウェルネス&リラクゼーション(W&R)市場における新たな価値の創造、高品質かつ魅力あふれる店舗づくりと付加価値の高いサービスの提供に取り組み、多様化するお客様のニーズに的確に対応することで、売上高の拡大と収益性の向上に努めてまいりました。
ホテル事業においては、訪日外国人数が2025年12月推計値で累計42百万人(前年比15.8%増:日本政府観光局「訪日外客数(2025年12月推計値)」)と年間過去最高となるなど、引き続き高い水準で推移しております。この影響から「ホテル インターコンチネンタル 東京ベイ」(東京都港区)をはじめとする国内ラグジュアリーホテルについては、総じて安定した状況で推移いたしました。また、昨年取得いたしました「Kaimana Beach Hotel」(米国ハワイ州)及び「Kimpton Palladian Hotel」(米国ワシントン州)につきましては、更なるレベニューマネジメント及びコストコントロールを実施し収益力向上に努めました。2025年4月には国内5施設目となる「ANAホリデイ・イン東京ベイ」(東京都品川区)の開業並びに同年5月には「W Hotel Dallas Victory」(米国テキサス州)を取得するなど、事業ポートフォリオの拡充と米国市場での運営基盤の強化に注力いたしました。
婚礼事業においては、受注件数が9,387件(前年同期比0.2%減)と一部施設の撤退により微減となりましたが、施行単価においては、緩やかに回復しております。一方、受注件数につきましては不採算店舗の閉鎖や改装による休館等の影響により8,880件(同11.6%減)と減少し、また、海外挙式においては為替相場の影響により日本人の海外渡航者数の戻りの遅れにより、一部において引き続き厳しい状況が継続しております。
W&R事業においては、昨年実施いたしました不採算店舗の退店等により収益が安定し、黒字体質の顕在化を図ることができました。
この結果、当連結会計年度の経営成績等は以下のとおりとなりました。
イ. 財政状態
当連結会計年度末における資産総額は、前連結会計年度末に比べ28,426百万円増加し、140,138百万円となりました。
当連結会計年度末における負債総額は、前連結会計年度末に比べ22,664百万円増加し、100,345百万円となりました。
当連結会計年度末における純資産総額は、前連結会計年度末に比べ5,762百万円増加し、39,792百万円となりました。
ロ. 経営成績
当連結会計年度の売上高は73,095百万円(前年同期比15.0%増)となり、利益面につきましては、営業利益9,540百万円(同28.8%増)、営業外費用において有利子負債の増加に伴う支払利息が1,526百万円の計上となったことから経常利益は7,494百万円(同3.0%減)となりました。また、特別利益において前述いたしました「W Hotel Dallas Victory」の運営会社であるVictory Hotel Dunhill HN LLC他の持分取得に伴う段階取得に係る差益1,259百万円及び負ののれん発生益1,033百万円の計上となりました。一方、特別損失においては、保有する投資有価証券の一部について、投資会社の業績推移及び事業計画等を確認し、実質価額について慎重に検討した結果、減損処理による投資有価証券評価損2,571百万円の計上となり、親会社株主に帰属する当期純利益は4,768百万円(同7.4%減)となりました。
セグメント別の業績は次のとおりであります。
(婚礼事業)
当連結会計年度においては、店舗改装による一部休館及び閉鎖等により婚礼施行件数が9,387件(同0.2%減)と微減となりましたが、婚礼施行単価については引き続き緩やかに回復しており、売上高は増加いたしました。利益面においてはエネルギーコスト、仕入外注費を含む原材料価格の上昇を婚礼施行単価の回復が吸収し増加いたしました。
この結果、当セグメントの売上高は38,800百万円(同8.6%増)、セグメント利益は7,314百万円(同26.5%増)となりました。
(ホテル事業)
当連結会計年度においては、ホテル婚礼施行件数が1,612件(同1.8%減)と微減となりましたが、昨年取得した米国2施設の売上寄与、また、国内ラグジュアリーホテルにおいては過去最高を記録した訪日外国人数の影響から宿泊稼働率及び宿泊単価が堅調に推移し、売上高、セグメント利益ともに増加いたしました。
この結果、当セグメントの売上高は31,345百万円(同26.0%増)、セグメント利益は4,355百万円(同18.5%増)となりました。
(W&R事業)
当連結会計年度においては、昨年不採算店舗の退店を進めた英国式リフレクソロジーサロン「クイーンズウェイ」の影響もありましたが、複合温浴施設「美楽温泉SPA-HERBS」がニフティ温泉ランキングにおいて6年連続の1位となり、来館者数及び飲食売上高が過去最高となったことから売上高は微増となり、セグメント利益につきましては、不採算店舗の退店により前年同期を上回りました。
この結果、当セグメントの売上高は2,949百万円(同0.0%増)、セグメント利益は169百万円(同69.2%増)となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は前連結会計年度末に比べ6,808百万円増加し、27,903百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの変動要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果獲得した資金は10,340百万円(前年同期比0.5%減)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益が7,139百万円及び減価償却費が4,171百万円となったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は7,258百万円(前年同期は11,132百万円の使用)となりました。これは主に、設備投資に伴う有形固定資産の取得による支出が3,459百万円及び連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出が3,407百万円となったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果獲得した資金は3,597百万円(前年同期比31.7%増)となりました。これは主に、長期借入金の返済による支出が25,480百万円及び社債の償還による支出が1,205百万円ありましたが、長期借入れによる収入が26,623百万円及び社債の発行による収入が4,875百万円となったことによるものであります。
なお、当社グループのキャッシュ・フロー関連指標の推移は次のとおりであります。
| 2021年 12月期 | 2022年 12月期 | 2023年 12月期 | 2024年 12月期 | 2025年 12月期 | |
| 自己資本比率(%) | 22.5 | 26.1 | 29.2 | 28.9 | 26.6 |
| 時価ベースの 自己資本比率(%) | 16.3 | 19.8 | 19.9 | 19.2 | 19.8 |
| キャッシュ・フロー対 有利子負債比率(年) | - | 6.0 | 6.1 | 5.7 | 7.5 |
| インタレスト・ カバレッジ・レシオ(倍) | - | 16.2 | 16.0 | 13.3 | 6.7 |
(注) 自己資本比率 :自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率 :株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ :営業キャッシュ・フロー/利払い
1.各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。
2.営業キャッシュ・フローは連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。また、利払いにつきましては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。
3.2021年12月期のキャッシュ・フロー対有利子負債比率及びインタレスト・カバレッジ・レシオにつきましては営業活動によるキャッシュ・フローがマイナスであるため記載しておりません。
③ 施行、受注及び販売の実績
イ. 婚礼施行実績
当連結会計年度の婚礼施行実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| 当連結会計年度 (自 2025年1月1日 至 2025年12月31日) | ||
| セグメントの名称 | 施行件数(件) | 前年同期比(%) |
| 婚礼事業 | 9,387 | 99.8 |
| ホテル事業 | 1,612 | 98.2 |
| 合計 | 10,999 | 99.6 |
ロ. 婚礼受注状況
当連結会計年度の婚礼受注状況をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| 当連結会計年度 (自 2025年1月1日 至 2025年12月31日) | ||||
| セグメントの名称 | 受注件数(件) | 前年同期比(%) | 受注件数残高(件) | 前年同期比(%) |
| 婚礼事業 | 8,880 | 88.4 | 5,667 | 91.8 |
| ホテル事業 | 1,657 | 96.7 | 1,229 | 103.8 |
| 合計 | 10,537 | 89.6 | 6,896 | 93.7 |
ハ. 販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| 当連結会計年度 (自 2025年1月1日 至 2025年12月31日) | ||
| セグメントの名称 | 金額(百万円) | 前年同期比(%) |
| 婚礼事業 | 38,800 | 108.6 |
| ホテル事業 | 31,345 | 126.0 |
| W&R事業 | 2,949 | 100.0 |
| 合計 | 73,095 | 115.0 |
(注) セグメント間取引については、相殺消去しております。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成されております。重要な会計方針につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。この連結財務諸表の作成にあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を与える見積りについては、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性の存在により、これら見積りと異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。
イ.繰延税金資産の回収可能性
繰延税金資産につきましては、将来の課税所得を合理的に見積り、回収可能性を十分に検討したうえで回収可能見込額を計上しております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得に依存するため、事業計画や市場環境の変化により、その見積りに変更が生じた場合には、繰延税金資産の計上額に影響を及ぼす可能性があります。
ロ.固定資産の減損
当社グループは、主に各施設ごとに資産をグルーピングしております。固定資産のうち減損の兆候がある資産又は資産グループについて、その資産又は資産グループから生じる将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。減損の兆候の把握、減損損失の認識及び測定につきましては慎重に検討しておりますが、事業計画や市場環境の変化により、将来キャッシュ・フローの見積額の前提条件や仮定に変更が生じた場合は、減損損失の計上が必要となる可能性があります。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
経営成績等
イ. 財政状態
(資産)
当連結会計年度末における資産総額は、前連結会計年度末に比べ28,426百万円増加し、140,138百万円となりました。これは主に、当連結会計年度より連結の範囲に含めた、「W Hotel Dallas Victory」及び「ANAホリデイ・イン東京ベイ」に係る建物及び構築物が26,728百万円増加したことによるものであります。
(負債)
当連結会計年度末における負債総額は、前連結会計年度末に比べ22,664百万円増加し、100,345百万円となりました。これは主に、上記2施設の取得に伴い長期借入金(1年内含む)14,565百万円及び社債(1年内含む)3,750百万円がそれぞれ増加したことによるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産総額は、前連結会計年度末に比べ5,762百万円増加し、39,792百万円となりました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益の計上等により利益剰余金が4,198百万円増加したことによるものであります。
ロ.経営成績
当社グループは売上高、営業利益及び経常利益を経営における重要指標と位置付けております。当連結会計年度における期初計画に対する実績の達成状況は、次のとおりであります。
| 実績(百万円) | 計画(百万円) | 増減(百万円) | 増減率(%) | |
| 売上高 | 73,095 | 70,954 | 2,140 | 3.0 |
| 営業利益 | 9,540 | 8,800 | 739 | 8.4 |
| 経常利益 | 7,494 | 7,869 | △374 | △4.8 |
当連結会計年度の売上高につきましては、訪日外国人数が過去最高を更新するなどインバウンドの増加による宿泊稼働率・宿泊単価が堅調に推移した結果、ホテル事業が全体を牽引いたしました。また、婚礼事業においても回復が遅れておりました婚礼施行単価が緩やかに回復し、計画比2,140百万円(計画比3.0%増)増加の73,095百万円となりました。
利益面につきましては、ホテル事業の増収効果、また、婚礼商材の内製化の推進及び全社を挙げたコスト削減を実施し、営業利益は計画比739百万円(同8.4%増)増加し9,540百万円、経常利益につきましては、有利子負債の増加に伴う支払利息の計上等により、計画比374百万円(同4.8%減)減少し7,494百万円となりました。
ハ. キャッシュ・フローの状況分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性については以下のとおりであります。
当社グループにおける資金需要は、主に仕入外注費、地代家賃及び販売費及び一般管理費等の営業費用の支払により生じる経常運転資金、既存借入金の返済資金及びホテルやゲストハウス等の建物の取得及び改装、設備の更新による設備投資資金であります。これら資金については、経常運転資金及び返済資金については営業キャッシュ・フローから、設備投資資金については主に社債発行や長期借入金など金融機関からの資金調達により賄う方針としております。
また、資金流動性を確保するため、取引金融機関との間に1,500百万円の当座貸越契約を締結しております。なお、当連結会計年度末において当座貸越契約を使用した借入残高はありません。
③ 経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第一部[企業情報]第2[事業の状況]3[事業等のリスク]」で述べましたとおり、協力会社を含めた時代の変化に対応し得るサービス(ソフト又は人材)の品質確保、及びそれに付随するコストの変化、ブライダル市場の縮小を招くような冠婚葬祭等社会文化の著しい変化及び出店予定地の確保等が、経営成績に重要な影響を与える可能性があると認識しております。
④ 経営戦略の現状と見通し
当社グループは、安定的かつ継続的に成長できる企業体であり続けるために、財務体質の強化を図りつつ、収益性を総合的に向上させるべく5つの基本戦略を掲げております。
イ. 出店戦略
持続可能な成長を遂げるため、当社グループは今後も綿密なマーケティング分析による出店地選定と施設計画に基づいた出店を行います。出店対象商圏としては、景気動向や都市化による人口減の影響を受けにくく、将来的に安定した需要が見込める東京都心部・大阪並びに名古屋中心部等の大都市圏を中心に、それぞれの都市圏におけるエリアシェア戦略に基づいたポートフォリオを構築します。エリアシェア戦略は、単に出店数を目標値とするのではなく、エリアの人材育成状況や、経営方針に基づく出店・運営構想とも連動しながら計画しております。
また、既存のゲストハウスにつきましても3年程度のサイクルでリニューアルを行い、常に新鮮さと品質を維持することで、顧客獲得率の安定化を図っております。
ロ. 商品開発力
当社グループに蓄積した経験・ノウハウと多くの取引先企業による高水準のサービスとを融合させることにより、お客様の趣味や趣向を高いレベルで実現できる商品とサービスの提供を目指します。
ハ. 提案力及び販売力
お客様の多様なニーズ=「夢」を的確に捉え、その「実現」のための商品提案力と販売力の向上を目指します。顧客サービス充実のための婚礼演出力強化が同業他社との差別化に繋がるものと考え、各スタッフのサービス提案力向上のための教育研修制度を確立することで、今後も更に高いレベルの人材の開発に力を入れてまいります。
また当社の商品告知・広告戦略は結婚情報誌等への有料広告に大きく依存しており、同業他社との受注競争に勝つためには、より魅力ある広告制作が必須となります。当社グループは、ゲストハウスのデザイン、サービス内容等を最大限にアピールするため、写真を中心とした魅力的な誌面づくりに取り組んでおります。また併行し、インターネットやSNS等、新たな集客媒体の開拓についても積極的に行っております。
海外挙式につきましては、集客力並びに成約率の向上を図るために、国内における集客拠点であります海外サロン並びに販売チャンネルの強化を図っております。
ニ. 利益率向上
高い収益性を確保するために、経営の合理化と業務効率の向上を図ります。
ホ. 資金調達
健全な財務体質の維持、資本効率の向上、株式価値の希薄化等への十分な配慮を行い、資本コストを重視した資金調達を実行します。
今後の事業戦略につきましては、婚礼事業国内部門において、様々な挙式スタイルへ対応すると同時に、多様なコンセプトの披露宴スタイルを提供し、運営受託型ビジネス・再生型ビジネス等多様な事業形態により、財務基盤を健全化しつつ、安定的かつ高利益率の事業ポートフォリオを構築してまいります。
ホテル事業につきましては、「ホテル婚礼」における高単価顧客の取り込み、ゲストハウスとホテルを融合させた従来にない全く新しい価値を持った複合施設の出店を行ってまいります。
海外事業につきましては、ハワイにおいては大聖堂挙式・ハウスウエディング等多様化する顧客ニーズに対応した挙式の提供、また海外事業全体として直営プロデュースを通じ、クオリティ・ブランド力を提供することで、デスティネーション・ウエディングへの取組みを継続・強化してまいります。
W&R事業につきましては、既存店のリモデルによる店舗の活性化、女性が生き生きと輝くための「美」「健康」をサポートするフィットネス事業の開発を行ってまいります。
⑤ 経営者の問題認識と今後の方針について
経営者の問題認識と今後の方針につきましては、「第一部[企業情報]第2[事業の状況]1[経営方針、経営環境及び対処すべき課題等]」に記載のとおり、当社グループの既存ターゲットから派生するゲストハウスの追加出店をエリア展開するのみならず、婚礼スタイル・価格帯・人数等、より多様化する社会ニーズに応えるための、ターゲット別ポートフォリオを構築していくことであります。当社グループの今後の出店計画、人材の確保と育成は、既存事業所の事業計画の枠に捉われず、ターゲット別に構築された事業計画に沿った出店形態やコストの考え方に基づき、より多様化するとともに柔軟性を高めてまいります。