有価証券報告書-第29期(平成29年6月1日-平成30年5月31日)
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国の経済は、雇用や所得環境の改善や各種政策の効果もあり、緩やかな回復基調にありました。しかしながら、英国のEU離脱問題をはじめとする海外の政治や金融資本市場における不確実性の影響、また世界的な地政学リスクの影響を受け、先行きは不透明な状況にあります。
このような環境のもと、当社グループは、オークション関連事業において高額美術品を中心とした優良作品のオークションへの出品及び富裕層を中心とした美術品コレクターのオークションへの参加促進に努めました。また、エネルギー関連事業では低圧型太陽光発電施設の販売に集中的に取り組むとともに、新たな収益の柱となる事業の開発にも引き続き取り組み、グループ全体の安定的な収益の早期確保に向けた体制の構築に努めました。
a.財政状態
当連結会計年度末の資産合計は、前年比243,583千円減の6,188,627千円となりました。
当連結会計年度末の負債合計は、前年比140,202千円減の4,281,650千円となりました。
当連結会計年度末の純資産合計は、前年比103,380千円減少の1,906,976千円となりました。
b.経営成績
各事業の業績は次のとおりです。
1.オークション関連事業
オークション関連事業は、古美術やワイン等の一部のオークションで、今後も継続が期待できるような好成績を上げる一方、近代美術の分野では、市場全体の流通量の減少傾向が続いており、出品作品の募集環境は依然厳しい状況にあります。当連結会計年度の取扱高は前年比42.8%増の4,277,014千円、売上高は前年比60.1%増の1,475,879千円、セグメント利益は140,601千円(前年度は112,475千円のセグメント損失)となりました。
種別の業績は次のとおりです。
(注)1.取扱高の前年比増減率と売上高の前年比増減率の乖離の大きな要因のひとつに、商品売上高の増減があります。商品売上高は、オークション落札価額に対する手数料収入、カタログ収入、年会費等と同様に売上高を構成する要素であり、在庫商品を販売した場合、その販売価格(オークションでの落札の場合には落札価額)を商品売上高として、売上高に計上することとしております。
2.その他オークションは、出品の状況により随時開催しております。
ⅰ)オークション事業
当連結会計年度は、合計で29回のオークションを開催しました。内訳は、近代美術オークション及び近代美術PartⅡオークションを各6回、Bags / Jewellery & Watchesオークションを5回、近代陶芸オークションを4回、ワインオークションを3回、西洋美術オークション及び戦後美術&コンテンポラリーアートオークションを各2回のほか、手塚治虫特別オークション1回です。
近代美術オークションは、前年比で出品点数4.5%減、落札点数4.7%減となりましたが、エスティメイト下限合計額に対する落札価額の比率は平均で132.8%と高水準で推移し、また平均落札単価も前年比で36.3%と大幅に増加いたしました。
近代陶芸オークションは、前年比で出品点数17.0%減、落札点数16.6%減となりましたが、当連結会計年度も、2回の古美術を含むオークションが引き続き好調を保ち、エスティメイト下限合計額に対する落札価額の比率は平均で173.4%と高水準で推移いたしました。また平均落札単価も前年比で9.4%増加いたしました。
近代美術PartⅡオークションは、前年比で出品点数9.6%減、落札点数10.1%減となりましたが、エスティメイト下限合計額に対する落札価額の比率は平均で143.3%と高水準で推移し、また平均落札単価も前年比で21.1%増加いたしました。
その他オークションでは、取扱高ベースで、西洋美術オークションが52.7%増、ワインオークションが47.2%増、及び戦後美術&コンテンポラリーアートオークションが150.9%増と、対前年比で大幅に増加しました。さらに当連結会計年度は、新たなカテゴリーのひとつとなり得る可能性を模索して、手塚治虫特別オークションを開催し、収益に貢献いたしました。
ⅱ)オークション関連その他事業
プライベートセール部門では、機動的なアートディーリングを行うギャラリー機能に特化したShinwa Prive株式会社が高額作品の積極的な取り扱いに努め、取扱高は前年との比較で159.4%増、売上高は前年比で167.3%増とともに大幅に増加し、収益に大きく貢献いたしました。
2.エネルギー関連事業
エネルギー関連事業におきましては、50kW級の低圧型太陽光発電施設の販売事業に関しましては、改正FIT法施行による一時的な市場の混乱で、売電の開始目処が把握できる発電施設の仕入れが困難な状況が続き、仕入れ後の連系前工事の遅延などが重なったため、引き続き利回り商品としての需要はあったものの計画どおりの供給が当期中に間に合わず、18基が次年度に回ることとなり、当連結会計年度は40基の販売実績となりました。その他、自社保有の太陽光発電施設による売電事業の売上は順調に推移しました。
また、当連結会計年度より開始したマレーシアにおけるPKS事業では、約3万トンのPKSの出荷を完了いたしましたが、仕入原価の設定と現地の販売管理費が当初計画より大幅に増加したことにより、第1期は大幅な赤字業績となりました。
以上により、当連結会計年度の売上高は、前年比71.4%減の1,262,679千円、セグメント損失は、226,600千円(前年度は479,244千円のセグメント利益)となりました。
3.その他
当連結会計年度より参入したウェルスマネジメント分野における米国テキサス州の中古不動産物件紹介事業は、当初の予定よりも現地情報等の浸透に時間がかかり、購入者向けの融資にも当初の予定から約半年の時間を要したため、販売件数は合計18件と計画から大きく出遅れる結果となりました。
その他、ミャンマー連邦共和国において、少額資金を融資することにより生活水準の向上を図ることを目的としたマイクロファイナンス事業を開始し、約5,000名への少額融資を実行し、順調に事業を構築、拡大しております。
以上により、当連結会計年度の業績は、売上高2,781,368千円(前年比48.0%減)、営業損失181,854千円(前年度は364,615千円の営業利益)、経常損失265,494千円(前年度は303,389千円の経常利益)、親会社株主に帰属する当期純損失257,306千円(前年度は166,315千円の親会社株主に帰属する当期純利益)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、営業活動及び投資活動によるキャッシュ・フローの増加が財務活動によるキャッシュ・フローの減少により一部相殺され、646,400千円の資金獲得となり、当連結会計年度末の資金は1,321,150千円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローは次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において営業活動の結果増加した資金は、756,197千円(前年は1,550,695千円の使用)となりました。これは主に、売上債権の減少による増加1,536,724千円に対し、棚卸資産の増加による減少△326,412千円、前渡金の増加による減少△297,706千円及び税金等調整前当期純損失△311,608千円による資金減少によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において投資活動の結果増加した資金は、67,130千円(前年は1,253,805千円の使用)となりました。これは主に有形固定資産取得による支出67,922千円、敷金及び保証金の差入による支出17,029千円、関係会社株式の取得による支出10,000千円と定期預金の増減における払い出し増による収入227,694千円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において財務活動の結果使用した資金は、175,633千円(前年度は2,134,153千円の獲得)となりました。これは主に長期借入金による収入320,000千円、株式の発行による収入172,308千円及び社債の発行による収入147,085千円による資金増加に対し、短期借入金の純減少額による支出259,535千円、長期借入金の返済による支出446,472千円、セールアンド割賦バック取引による支出53,926千円及び配当金の支払による支出43,569千円によるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当社グループは、主に美術品等のオークション事業運営とエネルギー関連事業を行っており、生産実績の記載はしておりません。
b.受注実績
当社グループは、受注生産を行っておりませんので、受注実績の記載はしておりません。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3.主な相手先別の販売実績については、当該販売実績の総販売実績に対する割合が100分の10未満であるため、記載を省略しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たりまして、当社グループは、過去の実績値や現状等を踏まえ、合理的と判断される前提に基づき継続的に見積り、判断及び評価を行っております。
当社グループの経営陣が、当連結会計年度末において、見積り、判断及び評価等により、当社グループの連結財務諸表に重要な影響を及ぼすと考えているものとしては、貸倒引当金、棚卸資産の評価、固定資産の減損、退職給付に係る負債、繰延税金資産があげられます。
なお、見積り、判断及び評価等については、過去の実績や現状等に基づいて合理的と考えられる要因等に基づいて行っておりますが、見積りや評価には、不確実性が伴うため、実際の結果と異なる場合があります。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績等
1.財政状態の分析
当連結会計年度の資産につきましては、総資産は、前年比243,583千円減の6,188,627千円となりました。内訳は流動資産が246,568千円減の4,779,872千円、固定資産は2,984千円増の1,408,754千円となりました。流動資産の主な内訳と増減は、現金及び預金2,103,966千円(前年比486,532千円の増加)、売掛金420,699千円(1,536,724千円の減少)、商品1,226,671千円(前年比342,606千円の増加)、前渡金393,484千円(前年比297,706千円の増加)、であります。固定資産の主な内訳と増減は、機械装置及び運搬具(純額)906,273千円(前年比73,559千円の減少)、その他投資資産245,097千円(前年比64,502千円の増加)であります。
負債は前年比140,202千円減の4,281,650千円となりました。内訳は流動負債が64,832千円減の3,207,216千円、固定負債が75,369千円減の1,074,433千円となりました。流動負債の主な内訳と増減は、短期借入金1,966,500千円(前年比259,535千円の減少)、1年内返済予定の長期借入金240,672千円(前年比47,300千円の減少)オークション未払金498,114千円(前年比223,417千円の増加)であります。固定負債の主な内訳と増減は、長期借入金235,412千円(前年比99,172千円の減少)及び長期割賦未払金557,378千円(前年比53,926千円の減少)であります。
純資産は、前年比103,380千円減少の1,906,976千円となりました。この主な内訳と増減は、資本金1,073,780千円(前年比86,599千円の増加)、資本剰余金680,020千円(前年比87,555千円の増加)、利益剰余金349,607千円(前年比300,968千円の減少)、自己株式△221,063千円(前年比2,592千円の減少)であります。この結果、1株当たり純資産額は293.65円、自己資本比率は30.4%となっております。
2.経営成績
当連結会計年度の経営成績は、「(1)経営成績等の状況の概要①財政状態及び経営成績の状況b.経営成績」に記載のとおりであります。
3.キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
b.経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
オークション関連事業においては、欧米のオークション市場では、世界的にも評価の高い一部の美術品について高額取引が成立しており、全体的には縮小傾向から若干の拡大傾向に転じています。アジアでは、大きなシェアを占める中国市場の過熱感は薄れましたが、今後は安定して推移すると思われます。そのような中、日本国内の美術市場にあっては、取引全体のボリュームは対前年比で若干の増加と堅調に推移してはいるものの、依然として先行き不透明感を払拭するまでには至っておらず、特に近代美術の分野では、市場全体の流通量の減少傾向が続いており、予断を許さない状況が続いております。
この状況は、現在進行中の「日本近代美術再生プロジェクト」と題した、日本の近代美術の再評価と価値付けへの取り組みにとって極めて厳しいものではありますが、当社グループがマーケットメーカーとして機能し、安定的な実績を上げることで、市場全体の安定化と規模の拡大を実現することが可能であると確信しており、信念をもって引き続き取り組んでまいります。
また、いわゆる近代美術の巨匠といわれる作家の名品(マスターピース)クラスの作品を戦略的在庫商品として積極的に確保し、取引を通じて当社グループがオークション事業と画廊事業の両面からマーケットメーカーとしての役割をより鮮明に打ち出して日本の近代美術の再評価と価値付けに時間をかけて取り組み、日本の美術品の経済的価値を支え、更にその向上を通じて中長期的な企業価値の向上を図ってまいります。
エネルギー関連事業においては、低圧型太陽光発電施設の中古市場の開拓にも本格的に注力し、PKS事業の早期立て直しを図ります。
また、新たな取り組みとして始動した、富裕層に向けた高額ダイヤモンド販売事業を収益の柱として育てていくなど、来期も、様々な事業主体との提携を含め、柔軟な発想で当社グループの成長戦略を支える将来の安定的な収益源となる新たな事業を模索してまいります。
c.資本の財源及び資金の流動性
資金需要
当社グループの事業活動における資金需要の主なものは、オークション事業の商品仕入及び前渡金、エネルギー関連事業の売却用太陽光発電設備建設資金、各事業の販売費及び一般管理費があります。
また、設備資金需要としては、エネルギー関連事業の売電のための太陽光設備投資があります。
財務政策
当社グループの事業活動の維持拡大に必要な資金を安定的に確保するため、内部資金の活用及び金融機関からの借入を主に資金の調達を行っております。
オークション関連事業の資金については、取引行4行と計1,600,000千円の当座貸越契約を締結しており、安定的な調達を図っております。
また、昨年12月より持株会社体制への移行を行い、今後は運転資金及び設備資金管理を一元管理し、資金調達コストの低減化、全社グループでの効率的な資金活用を図ります。
d.経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
ROE(自己資本当期純利益率)を重要な指標として位置づけ、当社グループの効率的な経営の実現を目標として、15%以上を連結での中長期的な指標として掲げておりますが、当連結会計年度は、赤字業績のため算出しておりません。
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国の経済は、雇用や所得環境の改善や各種政策の効果もあり、緩やかな回復基調にありました。しかしながら、英国のEU離脱問題をはじめとする海外の政治や金融資本市場における不確実性の影響、また世界的な地政学リスクの影響を受け、先行きは不透明な状況にあります。
このような環境のもと、当社グループは、オークション関連事業において高額美術品を中心とした優良作品のオークションへの出品及び富裕層を中心とした美術品コレクターのオークションへの参加促進に努めました。また、エネルギー関連事業では低圧型太陽光発電施設の販売に集中的に取り組むとともに、新たな収益の柱となる事業の開発にも引き続き取り組み、グループ全体の安定的な収益の早期確保に向けた体制の構築に努めました。
a.財政状態
当連結会計年度末の資産合計は、前年比243,583千円減の6,188,627千円となりました。
当連結会計年度末の負債合計は、前年比140,202千円減の4,281,650千円となりました。
当連結会計年度末の純資産合計は、前年比103,380千円減少の1,906,976千円となりました。
b.経営成績
各事業の業績は次のとおりです。
1.オークション関連事業
オークション関連事業は、古美術やワイン等の一部のオークションで、今後も継続が期待できるような好成績を上げる一方、近代美術の分野では、市場全体の流通量の減少傾向が続いており、出品作品の募集環境は依然厳しい状況にあります。当連結会計年度の取扱高は前年比42.8%増の4,277,014千円、売上高は前年比60.1%増の1,475,879千円、セグメント利益は140,601千円(前年度は112,475千円のセグメント損失)となりました。
種別の業績は次のとおりです。
| 第29期 | ||||||||
| 平成30年5月期 | ||||||||
| 取扱高 | 前年比増減 | 売上高 | 前年比増減 | オークション | オークション | オークション | 落札率 | |
| (千円) | (%) | (千円) | (%) | 開催数 | 出品数 | 落札数 | (%) | |
| 近代美術オークション | 1,874,195 | 30.0 | 360,520 | 17.1 | 6 | 678 | 550 | 81.1 |
| 近代陶芸オークション | 299,205 | △8.8 | 59,814 | △13.3 | 4 | 754 | 719 | 95.4 |
| 近代美術PartⅡオークション | 245,770 | 8.7 | 58,806 | 9.7 | 6 | 1,481 | 1,313 | 88.7 |
| その他オークション (注)2 | 985,429 | 64.2 | 188,839 | 36.3 | 13 | 4,778 | 3,090 | 64.7 |
| オークション事業合計 | 3,404,599 | 31.1 | 667,981 | 17.4 | 29 | 7,691 | 5,672 | 73.8 |
| プライベートセール | 845,335 | 159.4 | 770,832 | 167.3 | ||||
| その他 | 27,080 | △62.7 | 37,066 | △42.8 | ||||
| オークション関連 その他事業合計 | 872,415 | 119.0 | 807,898 | 128.7 | ||||
| オークション関連事業合計 | 4,277,014 | 42.8 | 1,475,879 | 60.1 | ||||
(注)1.取扱高の前年比増減率と売上高の前年比増減率の乖離の大きな要因のひとつに、商品売上高の増減があります。商品売上高は、オークション落札価額に対する手数料収入、カタログ収入、年会費等と同様に売上高を構成する要素であり、在庫商品を販売した場合、その販売価格(オークションでの落札の場合には落札価額)を商品売上高として、売上高に計上することとしております。
2.その他オークションは、出品の状況により随時開催しております。
ⅰ)オークション事業
当連結会計年度は、合計で29回のオークションを開催しました。内訳は、近代美術オークション及び近代美術PartⅡオークションを各6回、Bags / Jewellery & Watchesオークションを5回、近代陶芸オークションを4回、ワインオークションを3回、西洋美術オークション及び戦後美術&コンテンポラリーアートオークションを各2回のほか、手塚治虫特別オークション1回です。
近代美術オークションは、前年比で出品点数4.5%減、落札点数4.7%減となりましたが、エスティメイト下限合計額に対する落札価額の比率は平均で132.8%と高水準で推移し、また平均落札単価も前年比で36.3%と大幅に増加いたしました。
近代陶芸オークションは、前年比で出品点数17.0%減、落札点数16.6%減となりましたが、当連結会計年度も、2回の古美術を含むオークションが引き続き好調を保ち、エスティメイト下限合計額に対する落札価額の比率は平均で173.4%と高水準で推移いたしました。また平均落札単価も前年比で9.4%増加いたしました。
近代美術PartⅡオークションは、前年比で出品点数9.6%減、落札点数10.1%減となりましたが、エスティメイト下限合計額に対する落札価額の比率は平均で143.3%と高水準で推移し、また平均落札単価も前年比で21.1%増加いたしました。
その他オークションでは、取扱高ベースで、西洋美術オークションが52.7%増、ワインオークションが47.2%増、及び戦後美術&コンテンポラリーアートオークションが150.9%増と、対前年比で大幅に増加しました。さらに当連結会計年度は、新たなカテゴリーのひとつとなり得る可能性を模索して、手塚治虫特別オークションを開催し、収益に貢献いたしました。
ⅱ)オークション関連その他事業
プライベートセール部門では、機動的なアートディーリングを行うギャラリー機能に特化したShinwa Prive株式会社が高額作品の積極的な取り扱いに努め、取扱高は前年との比較で159.4%増、売上高は前年比で167.3%増とともに大幅に増加し、収益に大きく貢献いたしました。
2.エネルギー関連事業
エネルギー関連事業におきましては、50kW級の低圧型太陽光発電施設の販売事業に関しましては、改正FIT法施行による一時的な市場の混乱で、売電の開始目処が把握できる発電施設の仕入れが困難な状況が続き、仕入れ後の連系前工事の遅延などが重なったため、引き続き利回り商品としての需要はあったものの計画どおりの供給が当期中に間に合わず、18基が次年度に回ることとなり、当連結会計年度は40基の販売実績となりました。その他、自社保有の太陽光発電施設による売電事業の売上は順調に推移しました。
また、当連結会計年度より開始したマレーシアにおけるPKS事業では、約3万トンのPKSの出荷を完了いたしましたが、仕入原価の設定と現地の販売管理費が当初計画より大幅に増加したことにより、第1期は大幅な赤字業績となりました。
以上により、当連結会計年度の売上高は、前年比71.4%減の1,262,679千円、セグメント損失は、226,600千円(前年度は479,244千円のセグメント利益)となりました。
3.その他
当連結会計年度より参入したウェルスマネジメント分野における米国テキサス州の中古不動産物件紹介事業は、当初の予定よりも現地情報等の浸透に時間がかかり、購入者向けの融資にも当初の予定から約半年の時間を要したため、販売件数は合計18件と計画から大きく出遅れる結果となりました。
その他、ミャンマー連邦共和国において、少額資金を融資することにより生活水準の向上を図ることを目的としたマイクロファイナンス事業を開始し、約5,000名への少額融資を実行し、順調に事業を構築、拡大しております。
以上により、当連結会計年度の業績は、売上高2,781,368千円(前年比48.0%減)、営業損失181,854千円(前年度は364,615千円の営業利益)、経常損失265,494千円(前年度は303,389千円の経常利益)、親会社株主に帰属する当期純損失257,306千円(前年度は166,315千円の親会社株主に帰属する当期純利益)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、営業活動及び投資活動によるキャッシュ・フローの増加が財務活動によるキャッシュ・フローの減少により一部相殺され、646,400千円の資金獲得となり、当連結会計年度末の資金は1,321,150千円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローは次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において営業活動の結果増加した資金は、756,197千円(前年は1,550,695千円の使用)となりました。これは主に、売上債権の減少による増加1,536,724千円に対し、棚卸資産の増加による減少△326,412千円、前渡金の増加による減少△297,706千円及び税金等調整前当期純損失△311,608千円による資金減少によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において投資活動の結果増加した資金は、67,130千円(前年は1,253,805千円の使用)となりました。これは主に有形固定資産取得による支出67,922千円、敷金及び保証金の差入による支出17,029千円、関係会社株式の取得による支出10,000千円と定期預金の増減における払い出し増による収入227,694千円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において財務活動の結果使用した資金は、175,633千円(前年度は2,134,153千円の獲得)となりました。これは主に長期借入金による収入320,000千円、株式の発行による収入172,308千円及び社債の発行による収入147,085千円による資金増加に対し、短期借入金の純減少額による支出259,535千円、長期借入金の返済による支出446,472千円、セールアンド割賦バック取引による支出53,926千円及び配当金の支払による支出43,569千円によるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当社グループは、主に美術品等のオークション事業運営とエネルギー関連事業を行っており、生産実績の記載はしておりません。
b.受注実績
当社グループは、受注生産を行っておりませんので、受注実績の記載はしておりません。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 平成29年6月1日 至 平成30年5月31日) | 前年同期比(%) |
| オークション関連事業(千円) | 1,475,879 | 60.1 |
| エネルギー関連事業(千円) | 1,262,679 | △71.4 |
| 報告セグメント計(千円) | 2,738,559 | △48.8 |
| その他(千円) | 42,808 | 909.7 |
| 合計(千円) | 2,781,368 | △48.0 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3.主な相手先別の販売実績については、当該販売実績の総販売実績に対する割合が100分の10未満であるため、記載を省略しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たりまして、当社グループは、過去の実績値や現状等を踏まえ、合理的と判断される前提に基づき継続的に見積り、判断及び評価を行っております。
当社グループの経営陣が、当連結会計年度末において、見積り、判断及び評価等により、当社グループの連結財務諸表に重要な影響を及ぼすと考えているものとしては、貸倒引当金、棚卸資産の評価、固定資産の減損、退職給付に係る負債、繰延税金資産があげられます。
なお、見積り、判断及び評価等については、過去の実績や現状等に基づいて合理的と考えられる要因等に基づいて行っておりますが、見積りや評価には、不確実性が伴うため、実際の結果と異なる場合があります。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績等
1.財政状態の分析
当連結会計年度の資産につきましては、総資産は、前年比243,583千円減の6,188,627千円となりました。内訳は流動資産が246,568千円減の4,779,872千円、固定資産は2,984千円増の1,408,754千円となりました。流動資産の主な内訳と増減は、現金及び預金2,103,966千円(前年比486,532千円の増加)、売掛金420,699千円(1,536,724千円の減少)、商品1,226,671千円(前年比342,606千円の増加)、前渡金393,484千円(前年比297,706千円の増加)、であります。固定資産の主な内訳と増減は、機械装置及び運搬具(純額)906,273千円(前年比73,559千円の減少)、その他投資資産245,097千円(前年比64,502千円の増加)であります。
負債は前年比140,202千円減の4,281,650千円となりました。内訳は流動負債が64,832千円減の3,207,216千円、固定負債が75,369千円減の1,074,433千円となりました。流動負債の主な内訳と増減は、短期借入金1,966,500千円(前年比259,535千円の減少)、1年内返済予定の長期借入金240,672千円(前年比47,300千円の減少)オークション未払金498,114千円(前年比223,417千円の増加)であります。固定負債の主な内訳と増減は、長期借入金235,412千円(前年比99,172千円の減少)及び長期割賦未払金557,378千円(前年比53,926千円の減少)であります。
純資産は、前年比103,380千円減少の1,906,976千円となりました。この主な内訳と増減は、資本金1,073,780千円(前年比86,599千円の増加)、資本剰余金680,020千円(前年比87,555千円の増加)、利益剰余金349,607千円(前年比300,968千円の減少)、自己株式△221,063千円(前年比2,592千円の減少)であります。この結果、1株当たり純資産額は293.65円、自己資本比率は30.4%となっております。
2.経営成績
当連結会計年度の経営成績は、「(1)経営成績等の状況の概要①財政状態及び経営成績の状況b.経営成績」に記載のとおりであります。
3.キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
b.経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
オークション関連事業においては、欧米のオークション市場では、世界的にも評価の高い一部の美術品について高額取引が成立しており、全体的には縮小傾向から若干の拡大傾向に転じています。アジアでは、大きなシェアを占める中国市場の過熱感は薄れましたが、今後は安定して推移すると思われます。そのような中、日本国内の美術市場にあっては、取引全体のボリュームは対前年比で若干の増加と堅調に推移してはいるものの、依然として先行き不透明感を払拭するまでには至っておらず、特に近代美術の分野では、市場全体の流通量の減少傾向が続いており、予断を許さない状況が続いております。
この状況は、現在進行中の「日本近代美術再生プロジェクト」と題した、日本の近代美術の再評価と価値付けへの取り組みにとって極めて厳しいものではありますが、当社グループがマーケットメーカーとして機能し、安定的な実績を上げることで、市場全体の安定化と規模の拡大を実現することが可能であると確信しており、信念をもって引き続き取り組んでまいります。
また、いわゆる近代美術の巨匠といわれる作家の名品(マスターピース)クラスの作品を戦略的在庫商品として積極的に確保し、取引を通じて当社グループがオークション事業と画廊事業の両面からマーケットメーカーとしての役割をより鮮明に打ち出して日本の近代美術の再評価と価値付けに時間をかけて取り組み、日本の美術品の経済的価値を支え、更にその向上を通じて中長期的な企業価値の向上を図ってまいります。
エネルギー関連事業においては、低圧型太陽光発電施設の中古市場の開拓にも本格的に注力し、PKS事業の早期立て直しを図ります。
また、新たな取り組みとして始動した、富裕層に向けた高額ダイヤモンド販売事業を収益の柱として育てていくなど、来期も、様々な事業主体との提携を含め、柔軟な発想で当社グループの成長戦略を支える将来の安定的な収益源となる新たな事業を模索してまいります。
c.資本の財源及び資金の流動性
資金需要
当社グループの事業活動における資金需要の主なものは、オークション事業の商品仕入及び前渡金、エネルギー関連事業の売却用太陽光発電設備建設資金、各事業の販売費及び一般管理費があります。
また、設備資金需要としては、エネルギー関連事業の売電のための太陽光設備投資があります。
財務政策
当社グループの事業活動の維持拡大に必要な資金を安定的に確保するため、内部資金の活用及び金融機関からの借入を主に資金の調達を行っております。
オークション関連事業の資金については、取引行4行と計1,600,000千円の当座貸越契約を締結しており、安定的な調達を図っております。
また、昨年12月より持株会社体制への移行を行い、今後は運転資金及び設備資金管理を一元管理し、資金調達コストの低減化、全社グループでの効率的な資金活用を図ります。
d.経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
ROE(自己資本当期純利益率)を重要な指標として位置づけ、当社グループの効率的な経営の実現を目標として、15%以上を連結での中長期的な指標として掲げておりますが、当連結会計年度は、赤字業績のため算出しておりません。