有価証券報告書-第19期(平成25年4月1日-平成26年3月31日)

【提出】
2014/06/18 15:05
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業績等の概要

(1) 業績
当連結会計年度における世界経済は、米国においては消費や雇用情勢が堅調に推移し回復基調となりました。欧州においては緩やかな景気回復基調の中で地域的な紛争等、下振れ懸念は払拭されない状況の中で推移いたしました。また、中国をはじめとする新興国においては成長スピードの減速感がみられ、総じて、世界経済はまだら模様の様相を呈しました。一方、わが国経済においては、東日本大震災の本格的な復興需要や東京オリンピック招致に伴う公共投資の増加などを背景に、いわゆるアベノミクスと呼ばれる政府主導の強力な経済政策と、日銀による金融緩和策により企業業績が着実に改善していることに加え、円安・株高による資産効果により、まだまだ不透明ながらも景気回復に向けた明るい兆しがみえつつあります。
このような事業環境のもと、当連結会計年度における当社グループでは、中期3ヵ年計画の最終年度としての過去最高営業利益である8億円を計画し達成する締め括りの年と位置づけておりました。中期3ヵ年計画を達成することは勿論でありますが、今後の継続的な安定成長をするために重要かつ必要な先行投資を第1四半期連結累計期間より徹底的に実施することを計画し、通常年度より大きな下半期利益偏重型となることを当初より計画しておりましたが、第4四半期連結会計期間では、全セグメントにおいてフロー収益が前年同期比で約40%アップとなり、連結四半期会計期間として過去最高の収益となり好調に推移いたしました。また、当連結会計年度では既存従業員の2割以上にあたる新卒87名を増員し、新たに新卒研修機関であるキャリアプロデュース営業部を併設している東東京支店を設立し、またアジア市場での本格的な拠点展開の促進に向けて設立した当社100%子会社である上海思達典雅信息系統有限公司(英文名:STARTIA SHANGHAI INC.)も中国国内での営業許可を取得し営業を開始いたしました。さらに、台湾におきまして電子ブック作成ソフトの販売実績のある宏馬數位科技股份有限公司(英文名:Horma Service Co.,Ltd)との業務・資本提携契約を締結しアジアでの販売も開始いたしました。海外事業におきましては、事業を開始して間もないため苦戦しておりますが、今後の布石として積極的な投資を進めております。また、社内システムのセキュリティ強化など積極的な事業展開を図りました。
当連結会計年度におきましては、継続的に成長を遂げていくために、これまで積み上げてきたストック売上高の安定的・計画的な更なる積み増しと、そのために必要な他の追随を許さない付加価値の高い独自サービスの研究開発と、拠点・人材増員及び育成に取り組んでまいりました。
このような徹底的な先行投資も重要事項と考え、その先行投資による一時的な生産性の低下もありましたが、結果として、極端な下半期偏重型ではありますが、連続での増収増益を継続し過去最高の収益となりました。
当社グループにおきましては、安定的な増収と過去最高益達成の年度とし、目先の利益だけに囚われない中長期に亘る継続的な利益基盤構築に向けて、事業ごとの収益性や成長性を分析し、将来においてどの事業に経営資源を配分するか判断し、将来への必要な投資を惜しむことのない一方で、サービス提供を通じて継続的な収入が得られるストック型ビジネスを成長させる施策をとっております。
その結果、当連結会計年度における業績は、売上高8,167,614千円(前期比23.0%増)、営業利益829,940千円(前期比26.5%増)、経常利益856,106千円(前期比30.6%増)、当期純利益432,038千円(前期比10.5%増)となりました。
なお、セグメントの業績を示すと、次の通りであります。
(ウェブソリューション関連事業)
当連結会計年度におけるウェブソリューション関連事業は、以下の通りであります。
ウェブソリューション関連事業におきましては、ActiBookやCMS Blue Monkey、さらにはCOCOARを始めとしたWebアプリケーションの企画、開発、販売に留まらず、Web制作やアクセスアップコンサルティング、システムの受託開発・カスタマイズといった顧客の売上増大や業務効率アップを目的としたWebアプリケーションに関するトータルソリューションを提供しております。
当連結会計年度におきましては、2012年11月に投入したCOCOARの販売が好調に推移いたしました。特に、新卒社員に対して重点的な教育活動を行ったことによる、新卒社員の早期戦力化と、ActiBookの既存顧客に対してCOCOARを中心に重ね売りをしていくことで、売上高を大きく伸ばすことができました。
ActiBookに関しましては、社内文書の電子化を見据えた「CLM(クローズド・ループ・マーケティング)」を強化するための機能拡張を中心に行い、その結果、大手メーカー企業などを中心に87社に対して、CLM目的での導入を実現できました。また、メインターゲットである印刷会社市場に対しても導入企業数が前期比約63%アップと好調に推移いたしました。
Web事業につきましては、アクセスアップコンサルティングを強化したことにより、2014年3月度のストック売上高が前年同月比で約99%アップと好調に推移しております。また、このアクセスアップコンサルティングのノウハウをWeb制作のフロー収益を稼ぎ出す分野にも展開し、中規模層の単価の高いWeb制作案件の受注も増加してきております。
さらに、2013年12月には「Plusdb(プラスディービー)」(以下「Plusdb」といいます)という、今までシステム開発が必要だったデータベースシステムを簡単に低価格で作成・構築ができるサービスをリリースしており、新たな切り口で提案できる環境が整いました。
その結果、ウェブソリューション関連事業の当連結会計年度における業績は、売上高1,943,938千円(前期比31.2%増)、セグメント利益(営業利益)323,102千円(前期比95.2%増)となりました。
(ネットワークソリューション関連事業)
当連結会計年度におけるネットワークソリューション関連事業は、以下の通りであります。
ゲートウェイ関連の商材である、「Digit@Link マネージドゲート」や「Digit@Link ネットレスQ」、低価格でクラウドサービスが利用できる、「Digit@Link セキュアSAMBA」などで、引き続き堅調に顧客数を伸ばすことができました。
また、既存顧客への営業活動として、MFP導入顧客へネットレスQの提案、マネージドゲート顧客に対してのインテグレーション提案がそれぞれ順調に活動できたことで、大きくフロー収益を伸ばすことができました。
インテグレーションに関しましては、アライアンス企業との協業体制を強化したことで、営業の生産性を向上させる結果となっており、引き続き技術力の強化を行ってまいります。
クラウド関連サービスにおきましては、顧客数の増加に対応するためにサービス基盤の改修を行っており、快適なサービス提供と新しいサービス立ち上げのための設備投資を継続して行ってまいります。
その結果、ネットワークソリューション関連事業の当連結会計年度における業績は、売上高2,160,313千円(前期比17.2%増)、セグメント利益(営業利益)301,589千円(前期比16.8%減)となりました。
(ビジネスソリューション関連事業)
当連結会計年度におけるビジネスソリューション関連事業は、以下の通りであります。
ビジネスソリューション関連事業におきましては、営業効率の強化策として実施した営業組織の販売手法別組織への再編が3年目を迎え、更なる業務効率向上を行ってまいりました。当連結会計年度におけるビジネスソリューション関連商材につきましては堅調に推移いたしました。
ビジネスホン販売に関しましては、多様化する顧客のニーズに応え快適な通信環境の構築とワークスタイルの変革を推進していくことを目指し、従来のレガシー型と市場ニーズの高まるクラウド型IP電話サービスを展開しております。中でもレガシー型の製品の販売におきましては、リース期間満了を迎える既存顧客のリプレイス需要の高まりと入社後2年を経過した社員の成長を受け、売上高を伸ばし、堅調に推移いたしました。
MFP販売に関しましては、これまでアプローチしきれていなかった東東京地区に支店を設立し、同地区の既存顧客に対する販売が好調だったこと、また新卒研修機関として同支店に併設されたキャリアプロデュース営業部の運営により、新卒の早期育成が実現できたことや新規開拓での販売も増加したことにより堅調に推移いたしました。
ソフトバンクテレコム株式会社が提供する電話サービスであるおとくラインの受付案内、登録作業、現地調査等の加入に必要な手続きを同社に代わって行う回線接続受付に関しましては、大口顧客の多回線の受注活動が堅調だったこと、またテレフォンアポインターの導入により営業人員の生産性向上に寄与したこともあり、堅調に推移いたしました。
その一方で、平成27年3月期以降の生産効率向上のための先行投資として、拠点展開及びメンテナンス・サポート部門の先行増員により製造原価が大幅に増加いたしました。
その結果、ビジネスソリューション関連事業の当連結会計年度における業績は、売上高4,063,363千円(前期比22.6%増)、セグメント利益(営業利益)254,650千円(前期比50.2%増)となりました。
(2) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」といいます)の当連結会計年度末残高は2,195,880千円となり、前連結会計年度末と比較して326,939千円の資金の増加となりました。
当連結会計年度に係る区分ごとのキャッシュ・フローの状況は以下の通りです。
① 営業活動によるキャッシュ・フロー
当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは638,255千円の収入となりました(前連結会計年度は566,772千円の収入)。その主な内容は、税金等調整前当期純利益784,432千円の計上や減価償却費240,493千円の計上がありましたが、その一方で法人税等の支払額333,313千円や未払金の増加149,261千円があったことなどによるものであります。
② 投資活動によるキャッシュ・フロー
当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは286,183千円の支出となりました(前連結会計年度は591,548千円の支出)。その主な内容は、定期預金の払戻による収入246,389千円がありましたが、その一方で、固定資産の取得による支出424,825千円や定期預金の預入による支出98,732千円、投資有価証券の取得による支出18,626千円があったことなどによるものであります。
③ 財務活動によるキャッシュ・フロー
当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは24,973千円の支出となりました(前連結会計年度は146,419千円の支出)。その主な内容は、配当金の支払額39,395千円があったことなどによるものであります。