有価証券報告書-第28期(令和3年4月1日-令和4年3月31日)

【提出】
2022/06/30 16:07
【資料】
PDFをみる
【項目】
130項目
当連結会計年度においても、新型コロナウィルス感染症の世界的な流行や変異株の発生等により、経済や社会、企業活動に広範な影響が生じました。一方で、新型コロナウィルス感染症が及ぼす影響の不確実性と不透明性はあるものの、新型コロナウィルス感染症を想定した新しい生活様式の実践の定着や、感染予防と経済活動の両立への世界的な取り組みにより、新型コロナウィルス感染症の感染拡大が当社グループの業績に与える影響は低減してきております。足元では、ワクチンの普及などにより、行動制限等の緩和も進み、明るい兆しが見えつつあるものの、新たな新型コロナウィルス変異株の出現など、新型コロナウィルスの今後の収束については、確かな予測ができない状況が依然として続いております。
このような状況のなか、リモートワークの導入拡大やデジタルトランスフォーメーション(DX)の加速などにより、社会・経済活動の変化や技術革新等のアフターコロナを見据えた取組みの重要性が増しております。また、2015年9月の国連サミットで採択された世界共通の目標であるSDGs(持続可能な開発目標)に対する取組みの推進も重要な課題として浸透してきております。
サイバーセキュリティ市場につきましては、大手企業を標的とするサプライチェーン攻撃や猛威を振るう「Emotet」の感染など高度化・多様化したサイバー攻撃の脅威が世界的に深刻化し、また、テレワークの急速な普及を狙ったサイバー攻撃も急増していることなどから、セキュリティ対策需要は引き続き拡大傾向にあります。今後もIT技術革新に伴うIoTデバイスやIT・OT環境を狙った攻撃、社会的・政治的な攻撃などを含め、より巧妙なサイバー攻撃が世界的に急増することが想定され、同市場は中長期的な拡大が見込まれます。実際に2022年1月に警察庁が公表した資料によれば、2021年のサイバー犯罪の国内検挙件数は前年比23.6%増の1万2,209件(確定値)となり、はじめて1万件を超えました。このようなサイバー空間における脅威の高まりを受けて、国会に警察法改正案が提出され、2022年4月にサイバー警察局が発足しました。また、中央省庁も連名での対策呼び掛けをしております。
マーケティング市場につきましても、ビッグデータ・人工知能(AI)・IoT等の技術革新が進み、DXやメタバースによる新たな事業機会の可能性が顕在化するとともに、SDGsの具現化に向けた事業機会も顕在化しております。
このような経営環境の下で、当社グループは、顧客ニーズに沿った最適なソリューション提供による受注拡大に注力いたしました。また、収益の最大化を目指し、アフターコロナも見据えたオンライン型のサイバーセキュリティトレーニングの開発・提供などソリューションの強化やアップセル・クロスセル戦略に加え、重点戦略分野であるサイバーセキュリティ分野、マーケティング分野及びこれらの関連分野における最先端の情報・技術・ノウハウの獲得並びに事業パートナーとの関係強化を推進いたしました。
これらの取組みにより、一部においてコロナ禍の影響を受けたものの、各事業部門は概ね堅調又は好調に推移し、新規ソリューションの収益化とパイプラインの拡大が順調に進捗いたしました。
また、事業のスピード化・効率化、マーケティング拠点としての活用、事業間連携や人材交流の活性化よるシナジー効果の創出などを目指し、2021年12月に東京都内に点在するグループ拠点の移転・統合を完了いたしました。
以上の結果、当連結会計年度の売上高は1,931百万円(前期比31.5%増)となりました。また、グループ拠点の移転・統合による効率化とシナジー効果もあり、売上高に対する販売費及び一般管理費の割合は41.5%(前期は54.5%)に低下しました。その結果、営業利益70百万円(前期は営業損失304百万円)、経常利益50百万円(前期は経常損失325百万円)、親会社株主に帰属する当期純利益38百万円(前期は親会社株主に帰属する当期純損失434百万円)となり、当連結会計年度の各段階利益はいずれも黒字に転換いたしました。
② 事業別概況
セグメント別の営業状況(セグメント間の内部取引消去前)は、次のとおりであります。
(セキュリティ事業)
サイバートレーニングソリューションについては、新型コロナウィルス感染拡大が続く中、テレワークの拡大等事業環境の変化も踏まえ、トレーニングのリモート提供やプログラム開発、サイバーアリーナの新設等を推進いたしました。2021年4月にはDXHR株式会社(東京都中央区、代表取締役CEO 前田 一成)との間で、近畿・中国・四国地方におけるサイバーセキュリティ教育に関する協業を目的として基本契約等を締結、7月に『CYBERGYM大阪』(大阪市東淀川区)を開設いたしました。また、2021年6月にはサイバープロセスマインド株式会社(旧社名:ATマーケティング株式会社、名古屋市中区、代表取締役 髙木 克志)との間で、中部地方におけるサイバーセキュリティ教育に関する協業を目的として契約を締結、7月に『CYBERGYM名古屋』(名古屋市中区)を開設いたしました。さらに、2021年10月には株式会社アクト(東京都文京区、代表取締役社長 小林智彦)との間で北海道・九州地方におけるサイバーセキュリティ教育に関する協業を目的として契約を締結し、2022年3月に『CYBERGYM札幌』(北海道札幌市)及び『CYBERGYM福岡』(福岡県福岡市)を開設いたしました。官公庁や大手企業を始めとする様々な新規顧客も獲得し、併せて継続的な受注も増加いたしました。また、主要メディアでも紹介され、業界内でのブランド構築や地位も向上しております。
セキュリティ診断・調査ソリューションについては、セキュリティ対策ニーズの高まりを受け、売上・受注とも好調に推移いたしました。そのなかでも、機械学習・人工知能(AI)を応用した『ImmuniWeb®AI Platform』の引き合いが特に強く、従来の脆弱性診断・ペネトレーションテスト(侵入テスト)ソリューションに加え、サイバー犯罪の急増を背景として、2021年8月にリリースしたダークウェブ等調査『ImmuniWeb®Discovery』の受注・引き合いが拡大しております。今後は、ImmuniWebシリーズのラインナップ増加を含め、更なる高付加価値ソリューションの拡充をはかるとともに、capture The Flag(CTF)開催や参加も通じて業界内での地位を高め、拡大する需要を取り込むためにホワイトハッカー人材の増強を推進いたします。
情報セキュリティ規格(プライバシーマーク、ISO27001等)のコンサルティングサービスについては、自社開発のITツール「V-Series」の活用などを通じた競合他社との差別化や協業先との連携強化により、新規取得案件、更新案件ともに引き続き堅調に推移いたしました。このコンサルティングサービスによる事業基盤を各種サイバーセキュリティソリューションの展開に活用するとともに、同サービスと連携したサイバーリスクを可視化するセキュリティリスク分析サービス『V-sec』の提供や2022年4月1日の個人情報保護法の改正法施行に伴う事業機会の獲得に注力いたしました。
また、当社グループ各社の保有する販売チャネル、セキュリティソリューションの相互活用を強力に推進し、相互連携による受注も拡大いたしました。
以上の結果、当連結会計年度の売上高は992百万円(前期比63.5%増)となりました。
(マーケティング事業)
マーケティングリサーチ部門、セールスプロモーション・広告代理部門とも中長期的な安定収益の確保及び成長の実現を目指し、引き続き、きめ細かい対応と最適なソリューション提供を通じたターゲット顧客との強固かつ広範な関係構築を推進いたしました。また、リサーチコンサルティング(オーダーメイド型の調査企画・設計・分析・実査)による顧客のマーケティング戦略や事業戦略上の課題解決の支援に注力するとともに、顧客のプロモーション活動を総合的にバックアップするため、常に最新のトレンドやマーケットニーズを見極めながら、最新のSPツールや長期にわたる企画・制作・編集実績を活かし、顧客企業と消費者の双方のニーズを満たす効果的な広告や販促プランの提案に努めました。これらの従来からの取組みに加え、オリジナルソリューションの開発、一気通貫型のソリューション提供に向けた外部企業との連携及びSDGsの具現化に向けた事業機会の獲得などを推進するとともに、iClick Interactive Asia Group Limited(香港、会長兼CEO Jian Tang博士)との連携を筆頭にインバウンドマーケティング・越境ECサービスなどのグローバルマーケティングの提供体制も構築いたしました。
受注面では、両部門において、デジタルマーケティング関連の受注が拡大し、新規顧客の開拓が順調に進捗しました。マーケティングリサーチ部門では、主要顧客を中心とした複数案件化が成果を見せ始めたことや、コロナ禍ならではの非対面リサーチが急成長してきたことで、リサーチ業務の受託が堅調に推移したほか、CXの最適化に向けた各種ソリューションの提供を本格化いたしました。セールスプロモーション・広告代理部門においても、きめ細かい対応と新規提案が奏功し、主要顧客である大手スーパーマーケットや大手食品メーカーからのデジタルマーケティング関連の受注が拡大したほか、SDGs、商品販売、VRなどの新規事業への足掛かりも構築いたしました。
以上の結果、当連結会計年度におけるマーケティング事業の売上高は960百万円(前期比9.5%増)となりました。
生産、受注及び販売の実績は、次のとおりであります。
①生産実績
当社グループは生産活動を行っておりませんので、該当事項はありません。
②受注実績
当連結会計年度におけるセキュリティ事業の受注実績は、次のとおりであります。なお、マーケティング事業の受注実績は、概ね受注から納品までの期間が短く、受注管理を行う必要性が乏しいため記載を省略しております。
セグメントの名称受注高(千円)受注残高(千円)
セキュリティ事業1,154,005594,584

(注)セグメント間取引については、相殺消去しております。
③販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称前連結会計年度
(自 2020年4月1日
至 2021年3月31日)
当連結会計年度
(自 2021年4月1日
至 2022年3月31日)
増減
金額
(千円)
金額
(千円)
金額
(千円)
前年同期比
(%)
セキュリティ事業591,607971,855380,24764.3
マーケティング事業876,928959,97883,0509.5
合計1,468,5361,931,834463,29831.5

(注)1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
相手先前連結会計年度
(自 2020年4月1日
至 2021年3月31日)
当連結会計年度
(自 2021年4月1日
至 2022年3月31日)
販売高(千円)割合(%)販売高(千円)割合(%)
株式会社マルエツ335,15122.8345,78917.9

(2) 財政状態
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べて373百万円増加し、1,020百万円となりました。
流動資産は、前連結会計年度末に比べて279百万円増加し、777百万円となりました。これは、売掛金(前連結会計年度末は受取手形及び売掛金として表示)が221百万円、契約資産が132百万円増加したことなどによります。
固定資産は、前連結会計年度末に比べて95百万円増加し、236百万円となりました。これは、グループ拠点の移転・統合などに伴い、建物及び構築物が27百万円、工具、器具及び備品が34百万円、敷金及び保証金が40百万円増加したことなどによります。
繰延資産は、前連結会計年度末並みの6百万円となりました。
流動負債は、前連結会計年度末に比べて161百万円増加し、564百万円となりました。これは、短期借入金が66百万円、1年内返済予定の長期借入金が27百万円、未払金が53百万円増加したことなどによります。
固定負債は、前連結会計年度末に比べて22百万円減少し、91百万円となりました。これは、役員退職慰労引当金が15百万円、長期借入金が12百万円減少したことなどによります。
純資産は、前連結会計年度末に比べて234百万円増加し、364百万円となりました。これは、資本金及び資本剰余金が新株式の発行及び新株予約権の行使により、それぞれ90百万円増加、親会社に帰属する当期純利益により利益剰余金が38百万円増加したことなどによります。
以上の結果、自己資本比率は前連結会計年度末の20.0%から35.3%となり、1株当たり純資産が11円72銭から30円34銭となりました。
(3) キャッシュ・フロー
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ13百万円減少し、183百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
[営業活動によるキャッシュ・フロー]
営業活動の結果、使用した資金は105百万円となりました。主な内訳は、税金等調整前当期純利益47百万円、売上債権の増加221百万円などとなります。
[投資活動によるキャッシュ・フロー]
投資活動の結果、使用した資金は168百万円となりました。主な内訳は、有形固定資産の取得による支出105百万円、敷金及び保証金の差入による支出56百万円となります。
[財務活動によるキャッシュ・フロー]
財務活動の結果、獲得した資金は261百万円となりました。主な内訳は、株式の発行による収入179百万円、短期借入金の純増加額66百万円、長期借入金による収入60百万円となります。
(4) 資本の財源及び資金の流動性について
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、第2「事業の状況」3「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」(3) キャッシュ・フローに記載のとおりであります。また、キャッシュ・フロー関連指標の推移は、次のとおりであります。
2018年3月期2019年3月期2020年3月期2021年3月期2022年3月期
自己資本比率(%)74.173.520.620.035.3
時価ベース自己資本比率(%)236.0271.6180.9511.1357.9
キャッシュ・フロー対有利子
負債比率(年)
-----
インタレスト・カバレッジ・
レシオ(倍)
-----

(注)1 自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い
2 各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。
3 株式時価総額は自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しております。
4 キャッシュ・フローは、営業キャッシュ・フローを利用しております。
5 有利子負債は連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っているすべての負債を対象としております。
6 2018年3月期、2019年3月期、2020年3月期、2021年3月期及び2022年3月期につきましては、営業活動によるキャッシュ・フローがマイナスのため、キャッシュ・フロー対有利子負債比率及びインタレスト・カバレッジ・レシオの表示はしておりません。
(5) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づいて作成されております。この連結財務諸表の作成にあたり、経営者による会計方針の選択、適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額並びに開示に影響を与える見積りを必要としております。経営者は、これらの見積りについて、過去の実績及び現状等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性を伴うため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社の連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理 の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項 3. 会計方針に関する事項」に記載しております。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。
繰延税金資産の回収可能性
当社グループは、繰延税金資産について、将来の利益計画に基づいた課税所得が十分に確保できることや、回収可能性があると判断した将来減算一時差異等について繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産の回収可能性は、将来の課税所得の見積りに依存するため、その見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じ減少した場合、繰延税金資産が減額され税金費用が計上される可能性があります。
固定資産の減損処理
当社グループは、固定資産のうち減損の兆候がある資産又は資産グループについて、当該資産又は資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。減損の兆候の把握、減損損失の認識及び測定に当たっては慎重に検討しておりますが、事業計画や市場環境の変化により、その見積り額の前提とした条件や仮定に変更が生じ減少した場合、減損処理が必要となる可能性があります。
投資有価証券の評価
当社グループは、時価のない株式等については、実質価額が著しく低下した場合は、回収可能性を考慮して減損処理を行っております。

IRBANK 採用情報

フルスタックエンジニア

  • 10年以上蓄積したファイナンスデータとAIを掛け合わせて、投資の意思決定を加速させるポジションです。
  • UI からデータベースまで一貫して関われるポジションです。

プロダクトMLエンジニア

  • MLとLLMを掛け合わせ、分析から予測までをスピーディかつ正確な投資体験に落とし込むポジションです。

AI Agent エンジニア

  • 開示資料・決算・企業データを横断し、投資家の意思決定を支援するAI Agent機能を設計・実装するポジションです。
  • RAG・検索・ランキングを含む情報取得/推論パイプラインの設計から運用まで一気通貫で担います。

UI/UXデザイナー

  • IRBANK初の一人目デザイナーとして、複雑な金融情報を美しく直感的に届ける体験をつくるポジションです。

Webメディアディレクター

  • 月間500万PVを超える、大規模DBサイトを運営できます。
  • これから勢いよく伸びるであろうサービスの根幹部分を支えるポジションです。

クラウドインフラ & セキュリティエンジニア

  • Google Cloud 上でマイクロサービス基盤の信頼性・可用性・セキュリティを担うポジションです。
  • 大規模金融データを安全かつ高速に処理するインフラを設計・構築できます。

学生インターン

  • 月間500万PVを超える日本最大級のIRデータプラットフォームの運営に携わり、金融・データ・プロダクトの現場を学生のうちから体験できます。

マーケティングマネージャー

  • IRBANKのブランドと文化の構築。
  • 百万人の現IRBANKユーザーとまだIRBANKを知らない数千万人に対してマーケティングをしてみたい方。