有価証券報告書-第30期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1)当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
①経営成績等の状況
当社グループは、中期経営計画(2020年3月期~2022年3月期)において、「①ビジネスモデルの変革」
「②グローバルビジネスの拡大」「③DXへの対応」を成長戦略の柱として掲げております。
当連結会計年度はDX対応を含む「成長戦略推進のための基盤づくりの年」と位置付けて当社グループ一丸となって取組んでまいりました。
その結果、以下のような経営成績及び財政状態となりました。
1)経営成績
当連結会計年度の経営成績は、以下のとおり前連結会計年度比増収、経常利益までは増益となりましたが、特別損失の計上により親会社株主に帰属する当期純損失を計上するに至りました。
なお、新型コロナウイルスの感染拡大が顕在化したのは、当連結会計年度の終盤であったこともあり、業績への影響は限定的でした。
(単位:百万円)
(環境認識)
当連結会計年度は底堅いIT投資需要が継続する一方で、人材の確保や同業他社との競争等につきましては依然として厳しい状況にありました。
また、年度後半において世界経済の減速の兆しが見えてきたほか、新型コロナウイルスの感染が始まるなど、先行きの不透明感が増した期となりました。
(対応方針・施策と実績)
かかる環境下において、当社グループの持つ強固な顧客基盤を中心に提案型セールスを強化しつつ採算を重視した案件獲得を目指しました。
また、ビジネスパートナーとの関係強化策を講じ人材確保の確度を上げるとともに、機動的な配員により効率的な人材運用を徹底しました。
その結果、売上高は前連結会計年度比7.0%の増加、売上総利益率は22.3%から22.0%と低下したものの、海外子会社において取組み方針を見直し運営効率化を図った効果等により販売費及び一般管理費を前連結会計年度比368百万円抑制、売上総利益の増益同502百万円と合わせ、営業利益は同870百万円の大幅増益となりました。
当連結会計年度末は前連結会計年度末比為替が円高に振れたため、為替差損176百万円を計上、前連結会計年度には為替差益200百万円を計上していたため通算で376百万円の減益要因となりましたが、上記営業利益の増加もあり経常利益は前連結会計年度比482百万円の増益となりました。
しかしながら、保有している株式の大幅下落に伴う投資有価証券評価損や連結子会社の無形固定資産に係る減損損失の発生等により5,033百万円の特別損失を計上、親会社株主に帰属する当期純損失は612百万円となりました。
評価損計上の対象となった株式は主に香港市場上場株式であり、発行会社の経営成績の低下に加え市場の軟化もあり株価が大幅下落したものです。また、無形固定資産に係る減損損失は、連結子会社に関する投資収益獲得に向けた方針を変更したことに伴い、当該連結子会社で計上していたソフトウエア資産の評価を見直したことによるものであります。
(セグメント別)
セグメント別の経営成績は以下のとおりであります。
(注)1.売上高はセグメント間の取引を相殺消去しております。
2.各セグメントの営業利益には全社費用を含んでおりません。
当連結会計年度では、開発事業が前連結会計年度比で横ばいとなった一方で、運用・構築事業と販売事業での伸長が寄与し全体で増収・営業増益となりました。
開発事業では、顧客業種別で大学関連向けやサービス業向けが伸びを見せたものの、主要な業種のひとつである製造業向けでの中国経済の減速等を背景とした投資需要停滞の影響もあり、当該事業全体では横ばいとなりました。
運用・構築事業では、顧客の主要な業種である金融業、製造業及び大学関連のうち大学関連向けが好調であったほか、残りの2業種向けも堅調であり当該事業全体で相応の伸びを示しました。
販売事業では、前連結会計年度比相対的に大口の案件の積み上げがあったことに加え、費用削減の効果により大幅な増収増益となりました。
2)財政状態
上記経営成績の結果、当連結会計年度末の財政状態は下記のとおりとなりました。
(単位:百万円)
(総資産)
総資産は前連結会計年度末比1,918百万円減少しました。
現金及び預金、受取手形及び売掛金等が増加した一方で、株式の価格下落により評価損を計上した投資有価証券の残高が2,115百万円減少、減損等によりソフトウエアが1,171百万円減少したことがその主な要因であります。
(純資産)
純資産は前連結会計年度末比1,322百万円減少しました。
配当金支払と親会社株主に帰属する当期純損失の計上により利益剰余金が1,969百万円減少したことがその主な要因であります。
(自己資本比率)
上記の結果として、自己資本比率は57.4%と0.6%減少しました。
②中期経営計画に対する進捗状況
1)経営目標値
(単位:百万円)
2)成長戦略
(ビジネスモデルの変革・DXへの対応)
当社グループの中核会社である株式会社SRAにおいて、2019年4月にDX技術本部を新設しDXプラットフォーム開発ビジネスの開拓・グループ展開を推進する体制を整えました。
株式会社SRAでは、2019年11月にSolix Technologies Inc.(本社:米国カリフォルニア州サンタクララ)と、同社製品「Solix Common Data Platform(“CDP”)」を日本で販売することを合意しました。CDPは経営の意思決定をデータに基づいて行うデータドリブン経営を支援するツールであり、当社グループ各社でDX対応を進める企業に対しソリューションを提供してまいります。
株式会社SRA東北では東北電力株式会社と共同で、「AIを活用し、撮影した画像情報から送電鉄塔の腐食劣化度を診断するシステム」を開発し、電力業界として初めて2019年11月に運用を開始しました。
株式会社AITでは、データ分析ツールであるIBM SPSSとAWSを用いた株式会社荏原製作所のデータ分析環境の構築を全面的に請け負いました。同社の基幹システムから独立した形の分析環境を、インフラ構築から運用、分析支援までAll IN ONEで提供しています。
(グローバルビジネスの拡大・DXへの対応)
当社グループでは、「成長性の高い東南アジアを中心とした海外市場への展開」を課題の柱のひとつとして掲げております。
当社は、2019年4月にアジアビジネス推進室を新設し、アジア地域におけるDX関連企業との協業につき検討を進めて参りました。
株式会社SRAでは、2020年6月にNAL HOLDINGS JOINT STOCK COMPANY(本社:ベトナム ハノイ市、代表取締役社長:Pham Manh Lan、以下NAL)と業務提携を行うことを合意しました。
当社グループは、業務提携を通じてNALのAI製品を日本・欧米・アジア等へ拡販する際の支援を行うと共に、今後、日本・欧米市場向けのオフショア拡大、日本・東南アジアの日系製造企業へのAI関連製品の販売、AI・IoTなどの成長分野における研究開発などを共同で進めていくことも視野に入れています。
3)株主還元方針
当連結会計事業年度におきましては、特別損失を計上した結果当期損益が赤字の決算となりましたが、売上総利益・営業利益・経常利益は過去最高水準であり、「配当性向50%を目途に安定的な高配当を目指す」との方針のもと、前連結会計事業年度に引き続き一株当たりの年間配当110円を維持致しました。
4)その他の取組み
(人材:活力あふれる組織づくり)
「DX時代にも優位性をもって対応できる人材を育成し、その人材を活かしたグループ経営を推進する」との方針のもと、株式会社SRAにおいて目標・評価制度の改定を行ったほか、社員の自主性を重んじた希望業務へのチャレンジ制度の整備等人事制度充実を図りました。
また、人材育成施策として、多様な対象参加者やテーマを前提としたIT専門の研修プログラムの導入、ハッカソン(※注)参加やAI学習を支援する環境整備などを行いました。
(ESGへの取組み)
当社グループは創業以来、「自らの職業的実践を通じ、コンピュータサイエンスの諸分野を発展させ、それによって人類の未来に貢献する」という経営理念を掲げており、ITでユーザーの満足度を最大化することを通して社会への貢献を果たすべく努力を続けております。
当連結会計年度において運用を開始した「送電鉄塔の腐食劣化度診断システム」は、社会インフラの安全性向上に資するものであり、当社グループの事業が社会貢献に繋がる事例のひとつと考えております。
また、当社グループでは働き方改革の一環としてテレワークや雇用延長への対応を始め、多様な働き方に向けた制度の整備を行うなど、勤務環境向上のための施策を進めております。
株式会社SRAでは、事業所全体で健康づくりへの取組み実績に応じ与えられる「健康優良企業」としての認定を健康保険組合連合会から得たほか、株式会社AITでは女性活躍推進法に基づく優良企業として「えるぼし認定(二つ星)」を取得致しました。
※ハッカソン:プログラマーや設計者などのソフトウェア開発関係者が、短期間に集中的に開発作業を行うイベント
(2)キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
①キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容
当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは3,392百万円、投資活動によるキャッシュ・フローは△619百万円、財務活動によるキャッシュ・フローは△1,371百万円でした。
その結果、当連結会計年度末における現金及び現金同等物は前連結会計年度末に比べ1,373百万円増加し5,370百万円となりました。
当社グループはベースの事業活動から得られる営業キャッシュ・フローをもとに、中期経営計画で掲げている「ビジネスモデルの変革」及び「株主還元の更なる充実」の実現に向け、将来の成長のための投資と株主への還元を行っております。
1)営業活動によるキャッシュ・フロー
税金等調整前当期純損益は△13百万円の損失となりましたが、投資有価証券評価損3,958百万円、無形固定資産減損損失1,039百万円と評価性損失を計上したこと等を勘案、法人税等支払額1,683百万円であったこと等を反映し、営業活動によるキャッシュ・フローは3,392百万円となりました。
2)投資活動によるキャッシュ・フロー
当連結会計年度ではソフトウェア開発に伴う無形固定資産取得509百万円、事業投融資の一環としての投資有価証券取得1,064百万円や貸付金188百万円等を成長に向けた投資として行いました。
また、グループ全体の効率的な資金運用の一環として定期預金払戻1,324百万円を行った結果、投資活動によるキャッシュ・フローは△619百万円となりました。
3)財務活動によるキャッシュ・フロー
株主還元として、「配当性向50%を目途に安定的な高配当を目指す」との方針のもと、前連結会計年度の配当水準と同様の一株当たり年110円を維持し、1,357百万円の配当を行いました。
②資本の財源及び資金の流動性
当社グループは、キャッシュ・マネジメント・システムを採用しており、グループ内の資金を一元的に管理しグループ会社間の資金融通を機動的に行うことにより、効率的な資金運営を行っております。
また、株式会社SRAにおいては、取引金融機関6社との間で総額5,800百万円のコミットメントライン契約を締結しており、グループベースで資金調達が必要となった場合に機動的に行えるよう備えております。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は5,370百万円、コミットメントラインの未使用枠金額は5,800百万円であることから、十分な流動性を確保しております。
(3)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。これらの見積り及び判断は、過去の実績や状況に応じて合理的と考えられる要因等に基づき行っておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果は異なる場合があります。
連結財務諸表の作成で用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。
a.繰延税金資産
当社グループは、繰越欠損金や税務上と会計上の取り扱いの違いにより生じる一時差異について、税効果会計を適用し繰延税金資産を計上しております。将来の課税所得を合理的に見積り、回収可能性があると判断した将来減算一時差異について繰延税金資産を計上しておりますが、その前提となる条件や見積りに変更が生じた場合、翌連結会計年度以降の繰延税金資産の計上金額に重要な影響を与える可能性があります。
b.退職給付会計
当社グループの従業員に係る退職給付債務及び退職給付費用は、割引率、利息費用、退職率などの数理計算上で設定される前提条件の見積りに基づき算出されております。これらの見積りが変動した場合、将来の退職給付債務及び退職給付費用の計上金額に重要な影響を与える可能性があります。
なお、新型コロナウイルス感染症の感染拡大による当社グループの現時点での会計上の見積りに与える重要な影響はないものと考えております。しかしながら、今後の影響には不確定要素が多く、翌連結会計年度以降の当社グループの財政状態、経営成績等に影響を与える可能性があります。
(4)生産、仕入、受注及び販売の実績
①生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.金額は、販売価格によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3.セグメント間の取引については、相殺処理しております。
②仕入実績
当連結会計年度の仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.金額は、仕入価格によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3.セグメント間の取引については、相殺処理しております。
③受注実績
当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.金額は、販売価格によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3.セグメント間の取引については相殺処理しております。
④販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.金額は、販売価格によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3.セグメント間の取引については、相殺処理しております。
(1)当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
①経営成績等の状況
当社グループは、中期経営計画(2020年3月期~2022年3月期)において、「①ビジネスモデルの変革」
「②グローバルビジネスの拡大」「③DXへの対応」を成長戦略の柱として掲げております。
当連結会計年度はDX対応を含む「成長戦略推進のための基盤づくりの年」と位置付けて当社グループ一丸となって取組んでまいりました。
その結果、以下のような経営成績及び財政状態となりました。
1)経営成績
当連結会計年度の経営成績は、以下のとおり前連結会計年度比増収、経常利益までは増益となりましたが、特別損失の計上により親会社株主に帰属する当期純損失を計上するに至りました。
なお、新型コロナウイルスの感染拡大が顕在化したのは、当連結会計年度の終盤であったこともあり、業績への影響は限定的でした。
(単位:百万円)
| 当連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) | 前連結会計年度比(%) | |
| 売上高 | 43,642 | 7.0 |
| 売上総利益 | 9,588 | 5.5 |
| 営業利益 | 4,948 | 21.3 |
| 経常利益 | 4,951 | 10.8 |
| 親会社株主に帰属する 当期純損失 | △612 | - |
(環境認識)
当連結会計年度は底堅いIT投資需要が継続する一方で、人材の確保や同業他社との競争等につきましては依然として厳しい状況にありました。
また、年度後半において世界経済の減速の兆しが見えてきたほか、新型コロナウイルスの感染が始まるなど、先行きの不透明感が増した期となりました。
(対応方針・施策と実績)
かかる環境下において、当社グループの持つ強固な顧客基盤を中心に提案型セールスを強化しつつ採算を重視した案件獲得を目指しました。
また、ビジネスパートナーとの関係強化策を講じ人材確保の確度を上げるとともに、機動的な配員により効率的な人材運用を徹底しました。
その結果、売上高は前連結会計年度比7.0%の増加、売上総利益率は22.3%から22.0%と低下したものの、海外子会社において取組み方針を見直し運営効率化を図った効果等により販売費及び一般管理費を前連結会計年度比368百万円抑制、売上総利益の増益同502百万円と合わせ、営業利益は同870百万円の大幅増益となりました。
当連結会計年度末は前連結会計年度末比為替が円高に振れたため、為替差損176百万円を計上、前連結会計年度には為替差益200百万円を計上していたため通算で376百万円の減益要因となりましたが、上記営業利益の増加もあり経常利益は前連結会計年度比482百万円の増益となりました。
しかしながら、保有している株式の大幅下落に伴う投資有価証券評価損や連結子会社の無形固定資産に係る減損損失の発生等により5,033百万円の特別損失を計上、親会社株主に帰属する当期純損失は612百万円となりました。
評価損計上の対象となった株式は主に香港市場上場株式であり、発行会社の経営成績の低下に加え市場の軟化もあり株価が大幅下落したものです。また、無形固定資産に係る減損損失は、連結子会社に関する投資収益獲得に向けた方針を変更したことに伴い、当該連結子会社で計上していたソフトウエア資産の評価を見直したことによるものであります。
(セグメント別)
セグメント別の経営成績は以下のとおりであります。
| セグメントの名称 | 売上高 (百万円) | 前連結会計年度比(%) | 営業利益 (百万円) | 前連結会計年度比 (%) |
| 開発事業 | 22,104 | △0.0 | 3,840 | △1.8 |
| 運用・構築事業 | 5,292 | 6.1 | 1,425 | 13.7 |
| 販売事業 | 16,245 | 18.6 | 1,020 | 175.3 |
| セグメント調整 | - | - | △1,338 | - |
| 合計 | 43,642 | 7.0 | 4,948 | 21.3 |
(注)1.売上高はセグメント間の取引を相殺消去しております。
2.各セグメントの営業利益には全社費用を含んでおりません。
当連結会計年度では、開発事業が前連結会計年度比で横ばいとなった一方で、運用・構築事業と販売事業での伸長が寄与し全体で増収・営業増益となりました。
開発事業では、顧客業種別で大学関連向けやサービス業向けが伸びを見せたものの、主要な業種のひとつである製造業向けでの中国経済の減速等を背景とした投資需要停滞の影響もあり、当該事業全体では横ばいとなりました。
運用・構築事業では、顧客の主要な業種である金融業、製造業及び大学関連のうち大学関連向けが好調であったほか、残りの2業種向けも堅調であり当該事業全体で相応の伸びを示しました。
販売事業では、前連結会計年度比相対的に大口の案件の積み上げがあったことに加え、費用削減の効果により大幅な増収増益となりました。
2)財政状態
上記経営成績の結果、当連結会計年度末の財政状態は下記のとおりとなりました。
(単位:百万円)
| 当連結会計年度末 (2020年3月31日) | 前連結会計年度末比(%) | |
| 総資産 | 34,934 | △5.2 |
| 純資産 | 20,052 | △6.2 |
| 自己資本比率 | 57.4% | △0.6 |
(総資産)
総資産は前連結会計年度末比1,918百万円減少しました。
現金及び預金、受取手形及び売掛金等が増加した一方で、株式の価格下落により評価損を計上した投資有価証券の残高が2,115百万円減少、減損等によりソフトウエアが1,171百万円減少したことがその主な要因であります。
(純資産)
純資産は前連結会計年度末比1,322百万円減少しました。
配当金支払と親会社株主に帰属する当期純損失の計上により利益剰余金が1,969百万円減少したことがその主な要因であります。
(自己資本比率)
上記の結果として、自己資本比率は57.4%と0.6%減少しました。
②中期経営計画に対する進捗状況
1)経営目標値
(単位:百万円)
| 当連結会計年度 (2020年3月期) | 当初計画 | 計画比 (%) | 中期経営 計画目標値 (2022年3月期) | |
| 売上高 | 43,642 | 41,700 | 4.7 | 46,000 |
| 売上総利益 | 9,588 | 9,350 | 2.6 | 10,600 |
| 営業利益 | 4,948 | 4,500 | 10.0 | 5,600 |
| 経常利益 | 4,951 | 4,600 | 7.7 | 5,700 |
| 親会社株主に帰属する 当期純利益 | △612 | 2,500 | - | 3,400 |
2)成長戦略
(ビジネスモデルの変革・DXへの対応)
当社グループの中核会社である株式会社SRAにおいて、2019年4月にDX技術本部を新設しDXプラットフォーム開発ビジネスの開拓・グループ展開を推進する体制を整えました。
株式会社SRAでは、2019年11月にSolix Technologies Inc.(本社:米国カリフォルニア州サンタクララ)と、同社製品「Solix Common Data Platform(“CDP”)」を日本で販売することを合意しました。CDPは経営の意思決定をデータに基づいて行うデータドリブン経営を支援するツールであり、当社グループ各社でDX対応を進める企業に対しソリューションを提供してまいります。
株式会社SRA東北では東北電力株式会社と共同で、「AIを活用し、撮影した画像情報から送電鉄塔の腐食劣化度を診断するシステム」を開発し、電力業界として初めて2019年11月に運用を開始しました。
株式会社AITでは、データ分析ツールであるIBM SPSSとAWSを用いた株式会社荏原製作所のデータ分析環境の構築を全面的に請け負いました。同社の基幹システムから独立した形の分析環境を、インフラ構築から運用、分析支援までAll IN ONEで提供しています。
(グローバルビジネスの拡大・DXへの対応)
当社グループでは、「成長性の高い東南アジアを中心とした海外市場への展開」を課題の柱のひとつとして掲げております。
当社は、2019年4月にアジアビジネス推進室を新設し、アジア地域におけるDX関連企業との協業につき検討を進めて参りました。
株式会社SRAでは、2020年6月にNAL HOLDINGS JOINT STOCK COMPANY(本社:ベトナム ハノイ市、代表取締役社長:Pham Manh Lan、以下NAL)と業務提携を行うことを合意しました。
当社グループは、業務提携を通じてNALのAI製品を日本・欧米・アジア等へ拡販する際の支援を行うと共に、今後、日本・欧米市場向けのオフショア拡大、日本・東南アジアの日系製造企業へのAI関連製品の販売、AI・IoTなどの成長分野における研究開発などを共同で進めていくことも視野に入れています。
3)株主還元方針
当連結会計事業年度におきましては、特別損失を計上した結果当期損益が赤字の決算となりましたが、売上総利益・営業利益・経常利益は過去最高水準であり、「配当性向50%を目途に安定的な高配当を目指す」との方針のもと、前連結会計事業年度に引き続き一株当たりの年間配当110円を維持致しました。
4)その他の取組み
(人材:活力あふれる組織づくり)
「DX時代にも優位性をもって対応できる人材を育成し、その人材を活かしたグループ経営を推進する」との方針のもと、株式会社SRAにおいて目標・評価制度の改定を行ったほか、社員の自主性を重んじた希望業務へのチャレンジ制度の整備等人事制度充実を図りました。
また、人材育成施策として、多様な対象参加者やテーマを前提としたIT専門の研修プログラムの導入、ハッカソン(※注)参加やAI学習を支援する環境整備などを行いました。
(ESGへの取組み)
当社グループは創業以来、「自らの職業的実践を通じ、コンピュータサイエンスの諸分野を発展させ、それによって人類の未来に貢献する」という経営理念を掲げており、ITでユーザーの満足度を最大化することを通して社会への貢献を果たすべく努力を続けております。
当連結会計年度において運用を開始した「送電鉄塔の腐食劣化度診断システム」は、社会インフラの安全性向上に資するものであり、当社グループの事業が社会貢献に繋がる事例のひとつと考えております。
また、当社グループでは働き方改革の一環としてテレワークや雇用延長への対応を始め、多様な働き方に向けた制度の整備を行うなど、勤務環境向上のための施策を進めております。
株式会社SRAでは、事業所全体で健康づくりへの取組み実績に応じ与えられる「健康優良企業」としての認定を健康保険組合連合会から得たほか、株式会社AITでは女性活躍推進法に基づく優良企業として「えるぼし認定(二つ星)」を取得致しました。
※ハッカソン:プログラマーや設計者などのソフトウェア開発関係者が、短期間に集中的に開発作業を行うイベント
(2)キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
①キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容
当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは3,392百万円、投資活動によるキャッシュ・フローは△619百万円、財務活動によるキャッシュ・フローは△1,371百万円でした。
その結果、当連結会計年度末における現金及び現金同等物は前連結会計年度末に比べ1,373百万円増加し5,370百万円となりました。
当社グループはベースの事業活動から得られる営業キャッシュ・フローをもとに、中期経営計画で掲げている「ビジネスモデルの変革」及び「株主還元の更なる充実」の実現に向け、将来の成長のための投資と株主への還元を行っております。
1)営業活動によるキャッシュ・フロー
税金等調整前当期純損益は△13百万円の損失となりましたが、投資有価証券評価損3,958百万円、無形固定資産減損損失1,039百万円と評価性損失を計上したこと等を勘案、法人税等支払額1,683百万円であったこと等を反映し、営業活動によるキャッシュ・フローは3,392百万円となりました。
2)投資活動によるキャッシュ・フロー
当連結会計年度ではソフトウェア開発に伴う無形固定資産取得509百万円、事業投融資の一環としての投資有価証券取得1,064百万円や貸付金188百万円等を成長に向けた投資として行いました。
また、グループ全体の効率的な資金運用の一環として定期預金払戻1,324百万円を行った結果、投資活動によるキャッシュ・フローは△619百万円となりました。
3)財務活動によるキャッシュ・フロー
株主還元として、「配当性向50%を目途に安定的な高配当を目指す」との方針のもと、前連結会計年度の配当水準と同様の一株当たり年110円を維持し、1,357百万円の配当を行いました。
②資本の財源及び資金の流動性
当社グループは、キャッシュ・マネジメント・システムを採用しており、グループ内の資金を一元的に管理しグループ会社間の資金融通を機動的に行うことにより、効率的な資金運営を行っております。
また、株式会社SRAにおいては、取引金融機関6社との間で総額5,800百万円のコミットメントライン契約を締結しており、グループベースで資金調達が必要となった場合に機動的に行えるよう備えております。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は5,370百万円、コミットメントラインの未使用枠金額は5,800百万円であることから、十分な流動性を確保しております。
(3)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。これらの見積り及び判断は、過去の実績や状況に応じて合理的と考えられる要因等に基づき行っておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果は異なる場合があります。
連結財務諸表の作成で用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。
a.繰延税金資産
当社グループは、繰越欠損金や税務上と会計上の取り扱いの違いにより生じる一時差異について、税効果会計を適用し繰延税金資産を計上しております。将来の課税所得を合理的に見積り、回収可能性があると判断した将来減算一時差異について繰延税金資産を計上しておりますが、その前提となる条件や見積りに変更が生じた場合、翌連結会計年度以降の繰延税金資産の計上金額に重要な影響を与える可能性があります。
b.退職給付会計
当社グループの従業員に係る退職給付債務及び退職給付費用は、割引率、利息費用、退職率などの数理計算上で設定される前提条件の見積りに基づき算出されております。これらの見積りが変動した場合、将来の退職給付債務及び退職給付費用の計上金額に重要な影響を与える可能性があります。
なお、新型コロナウイルス感染症の感染拡大による当社グループの現時点での会計上の見積りに与える重要な影響はないものと考えております。しかしながら、今後の影響には不確定要素が多く、翌連結会計年度以降の当社グループの財政状態、経営成績等に影響を与える可能性があります。
(4)生産、仕入、受注及び販売の実績
①生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) | 前連結会計年度比(%) |
| 開発事業(百万円) | 22,391 | 4.5 |
| 運用・構築事業(百万円) | 5,273 | 5.9 |
| 合計(百万円) | 27,664 | 4.8 |
(注)1.金額は、販売価格によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3.セグメント間の取引については、相殺処理しております。
②仕入実績
当連結会計年度の仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) | 前連結会計年度比(%) |
| 販売事業(百万円) | 9,487 | 18.2 |
| 合計(百万円) | 9,487 | 18.2 |
(注)1.金額は、仕入価格によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3.セグメント間の取引については、相殺処理しております。
③受注実績
当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 受注高 (百万円) | 前連結会計年度比 (%) | 受注残高 (百万円) | 前連結会計年度比 (%) |
| 開発事業 | 22,186 | 4.1 | 4,103 | 2.0 |
| 運用・構築事業 | 5,512 | 10.0 | 2,432 | 10.0 |
| 販売事業 | 16,481 | 16.9 | 4,223 | 5.9 |
| 合計 | 44,181 | 9.3 | 10,758 | 5.3 |
(注)1.金額は、販売価格によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3.セグメント間の取引については相殺処理しております。
④販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) | 前連結会計年度比(%) |
| 開発事業(百万円) | 22,104 | △0.0 |
| 運用・構築事業(百万円) | 5,292 | 6.1 |
| 販売事業(百万円) | 16,245 | 18.6 |
| 合計(百万円) | 43,642 | 7.0 |
(注)1.金額は、販売価格によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3.セグメント間の取引については、相殺処理しております。