有価証券報告書-第35期(2024/04/01-2025/03/31)
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1)当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
①経営成績等の状況
当社グループは、2025年3月期経営方針として「環境の変化に即応した成長の実現」を掲げ、「①既存顧客の深耕」「②ビジネスモデルの変革」「③自社IP製品×グローバルビジネスの推進」を成長戦略の柱として業務推進を行いました。
1)経営成績
当連結会計年度の経営成績は、以下のとおりとなりました。
(単位:百万円)
(環境認識)
当連結会計年度は米中摩擦やウクライナ問題の長期化、中東情勢の緊迫化など地政学リスクが高い状況が継続しましたが、国内景気は穏やかながらも回復基調が継続しました。情報サービス産業におきましては業務効率化やビジネス改革等の投資を中心に需要は堅調に推移しましたが、製造業のお客様の一部に中国景気停滞や自動車業界での不透明感などの影響の顕在化が見受けられました。
原材料コストの上昇や金利水準の高止まり等海外経済の減速懸念があることに加え、米国トランプ政権による関税を中心とした新たな通商政策の影響を踏まえた世界的な景気後退懸念や株式を始めとした各種市場の不安定化など、より一層不透明感が高まりました。
(対応方針・施策と実績)
売上高は開発事業、運用・構築事業、販売事業のすべてのセグメントで増加し、特に販売事業が好調に推移した結果、51,617百万円(前連結会計年度比9.5%増)となりました。損益面におきましては、クラウドビジネスを始めとしたより収益性の高い事業を進展させるとともに、既存事業のさらなる生産性向上や単価改善等に努めた結果、売上総利益は13,179百万円(同10.3%増)、営業利益は売上総利益の増益に加え販売費及び一般管理費の抑制により7,940百万円(同15.0%増)となりました。
経常利益は前連結会計年度には大幅な円安の影響により為替差益を計上していたのに対し、当連結会計年度では小幅な円高に伴い為替差損を計上したため8,126百万円(同5.2%減)となりました。
親会社株主に帰属する当期純利益は海外事業投融資等に関する特別損失(投資有価証券評価損210百万円・貸倒引当金繰入額1,587百万円)を計上した結果、3,377百万円(同26.3%減)となりました。
(セグメント別)
セグメント別の経営成績は以下のとおりであります。
(注)1.売上高はセグメント間の取引を相殺消去しております。
2.各セグメントの営業利益には全社費用を含んでおりません。
当連結会計年度では、前連結会計年度比で開発事業、運用・構築事業及び販売事業の全事業で増収増益となりました。
開発事業では、当社グループ顧客の主要な業種である金融業に対する業務が伸長した結果、増収増益となりました。
運用・構築事業では、製造業や金融業に対する業務が伸長し増収増益となりました。
販売事業では、株式会社AITで病院や金融業向けの大口案件があったこともあり大幅な増収増益となりました。
2)財政状態
上記経営成績の結果、当連結会計年度末の財政状態は下記のとおりとなりました。
(単位:百万円)
(総資産)
総資産は前連結会計年度末比4,119百万円増加しました。
現金及び預金の増加3,570百万円、商品及び製品の増加2,332百万円、短期貸付金の減少1,075百万円と長期貸付金の増加1,073百万円、貸倒引当金(固定)の増加1,554百万円が主な変動要因です。
(純資産)
純資産は前連結会計年度末比1,876百万円増加しました。
親会社株主に帰属する当期純利益が3,377百万円であったのに対し、配当金支払額が2,521百万円であり利益剰余金が前連結会計年度末比856百万円増加したこと等が主な変動要因です。
(自己資本比率)
上記の結果として、自己資本比率は59.9%と前連結会計年度末比1.8%低下しました。
②2025年3月期経営方針に対する取組み結果
1)経営目標値
2025年3月期の経営目標値に対し、売上高・売上総利益・営業利益・経常利益が上回る結果となりました。売上総利益率は前連結会計年度比向上したものの経営目標値を下回りましたが、特別損失計上の影響を受けた親会社株主に帰属する当期純利益を除き、販売費及び一般管理費の抑制により営業利益・経常利益は上回りました。
(単位:百万円)
ROEは安定的かつ継続的に10%以上確保することを目指しておりますが、当連結会計年度は11.3%となりました。
2)成長戦略
(ビジネスモデルの変革)
当社グループではビジネスモデル変革に向け「クラウドビジネスの強化」「コンサルティング業務の強化」「ソリューションビジネスの推進」に注力することとしており、下記のような取組を行っております。
株式会社SRAの組織であった先端技術研究所(以下、「KTL」という。)を当社の組織として2022年4月に再編いたしました。技術力のシンボルであるKTLを当社グループの統括会社である当社に移行し、グループ全体の技術やビジネスの連携を一層強化することを企図したものであり人材増強を行いながら活動しています。
クラウド型基幹システムの導入コンサルティングサービスに関しましては、2022年4月にOracle Cloud ERPの自社への導入を行うとともに、「Oracle Cloud ERP導入支援サービス」を開始いたしました。自社導入は財務会計分野を始めとして管理会計分野へと対象範囲の拡大を図っており、その知見を活かした導入支援サービスに努め、当社グループの今後のクラウドインフラビジネスやコンサルティングビジネスの柱のひとつとすべく取組んでおります。
その一環としてOracle Cloud ERPに関わる技術者養成に向けた資格取得支援のために当連結会計年度にはOracle Universityの受講支援を行いました。Oracle Cloud ERP導入のコンサルティングに関する知識・スキルの証明となる認定資格の取得保有者は11名となっており、実案件への参画や会計知識に関する資格取得と併せコンサルティング実務能力の底上げに努めております。
また、当社グループの注力分野であるクラウド関連技術の強化を図るべくAWSの認定資格の取得の奨励・支援を継続しております。
認定資格取得が200を超える企業として「AWS 200 APN Certification Distinction」に2023年度に認定された他、AWS技術者としての最高位にあたる2022 APN AWS Top Engineersの称号を2名が、Japan AWS Jr.Championの称号を1名が受けており、当社グループのクラウド関連ビジネス拡充に貢献しております。
子会社である株式会社SRA OSSは2024年に株式会社NTTデータグループとの資本業務提携を行いました、オープンソースソフトウェアのサポートサービスを同社の顧客へ拡大し、よりミッションクリティカルなシステムに適したサービスへの変革を目指しております。
(グローバルビジネスの拡大)
当社グループでは「成長性の高い東南アジアを中心とした海外市場への展開」を課題の柱のひとつとして掲げております。
株式会社SRAでは、2020年6月にNALと業務提携契約を締結いたしましたが、さらなる関係強化を図るべくNAL株式の36%取得を含む新たな資本・業務提携契約を締結し2023年度に出資を完了、人材派遣による同社の管理体制強化に向けての支援を継続し緊密な関係を維持しております。
2024年度には株式会社SRAがNALと業務提携関係にあるベトナム韓国情報通信大学の研究をサポートするプログラムを開始し、DBAを育成し現地での技術力向上を図りながらPostgresSQLサポート拡充によるビジネス拡大を目指しております。
3)株主還元
当連結会計年度におきましては、売上高・売上総利益・営業利益が経営目標値を上回り、かつ過去最高水準であったことから、前連結会計年度に比べ20円増配し1株当たりの年間配当を180円といたしました。
4)その他の取組み
(人材:活力あふれる組織づくり)
当社グループでは「優位性をもって対応できる人材を育成し、その人材を活かしたグループ経営を推進する」との方針を掲げ活動を行いました。
株式会社SRAでは事業部単位で目標を設定することで新規技術を扱える技術者の育成を推進することを企図し、クラウド及びAI/ML関連の認定資格の取得を強力に推奨・支援することにより技術者層の充実を図りました。
(ESGへの取組み)
当社グループは創業以来、「自らの職業的実践を通じ、コンピュータサイエンスの諸分野を発展させ、それによって人類の未来に貢献する」という経営理念を掲げており、ITでユーザーの満足度を最大化することを通して社会への貢献を果たすべく努力を続けております。
具体的には、創業以来広く社会に対してオープンソースソフトウェアの普及に努めているほか、自社IP製品(P-CON)によるペーパーレス推進提案を通したお客様のESG対応サポートの実施、及び社会インフラの安全性向上に資する技術に関する電力会社との共同開発等を行っております。
また、当社グループ内での取組みでは、働き方改革の一環としてテレワークや雇用延長への対応を始め、子育て支援制度の改善、多様な働き方に向けた制度の整備を行うなど、勤務環境向上のための施策を進めております。
(2)キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
①キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容
当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは5,778百万円、投資活動によるキャッシュ・フローは△264百万円、財務活動によるキャッシュ・フローは△1,907百万円でした。
その結果、当連結会計年度末における現金及び現金同等物は前連結会計年度末に比べ3,691百万円増加し19,738百万円となりました。
当社グループはベースの事業活動から得られる営業キャッシュ・フローをもとに、2025年3月期計画で掲げた「ビジネスモデルの変革」及び「株主還元の更なる充実」の実現に向け、将来の成長のための投資と株主への還元を行っております。
1)営業活動によるキャッシュ・フロー
税金等調整前当期純利益は6,401百万円であり、貸倒引当金の増減額1,551百万円、棚卸資産の増減額△2,439百万円や仕入債務の増減額2,336百万円等を勘案、法人税等支払額△3,048百万円であったこと等を反映し、営業活動によるキャッシュ・フローは5,778百万円となりました。
2)投資活動によるキャッシュ・フロー
当連結会計年度では無形固定資産の取得による支出△231百万円等により、投資活動によるキャッシュ・フローは△264百万円となりました。
3)財務活動によるキャッシュ・フロー
当社子会社である株式会社SRA OSSが株式会社NTTデータグループとの資本業務提携の一環として出資を受け入れたことに伴い連結の範囲の変更を伴わない子会社株式の売却による収入が510百万円となった他、配当金の支払額が△2,521百万円であったことなどにより財務活動によるキャッシュ・フローは△1,907百万円となりました。
②資本の財源及び資金の流動性
当社グループは、キャッシュ・マネジメント・システムを採用しており、グループ内の資金を一元的に管理しグループ会社間の資金融通を機動的に行うことにより、効率的な資金運営を行っております。
また、株式会社SRAにおいては、取引金融機関6社との間で総額5,800百万円のコミットメントライン契約を締結しており、グループベースで資金調達が必要となった場合に機動的に行えるよう備えております。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は19,738百万円、コミットメントラインの未使用枠金額は5,800百万円であることから、十分な流動性を確保しております。
(3)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。これらの見積り及び判断は、過去の実績や状況に応じて合理的と考えられる要因等に基づき行っておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果は異なる場合があります。
連結財務諸表の作成で用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。
<貸付金>短期貸付金及び長期貸付金については、貸付先の経営成績・財政状態等に注視して回収可能性を判断しており、貸付先の財政状態の悪化等により貸付金の回収可能性が著しく低下した場合は貸倒引当金を計上しております。
上述の見積り及び仮定において、将来の予測不能な事業環境の著しい悪化等により見積りに用いた仮定が変化し、貸付先の経営成績及び財政状態がさらに悪化した場合、翌連結会計年度以降の短期貸付金・長期貸付金の計上金額に重要な影響を及ぼす可能性があります。
(4)仕入、受注及び販売の実績
①仕入実績
当連結会計年度の仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.金額は、仕入価格によっております。
2.セグメント間の取引については、相殺処理しております。
②受注実績
当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.金額は、販売価格によっております。
2.セグメント間の取引については相殺処理しております。
③販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.金額は、販売価格によっております。
2.セグメント間の取引については、相殺処理しております。
3.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、総販売実績に対する割合が10%以上を占める相手先がいないため記載を省略しております。
なお、案件管理方法の変更に伴い当連結会計年度より生産実績に関する記載を行っておりません。
(1)当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
①経営成績等の状況
当社グループは、2025年3月期経営方針として「環境の変化に即応した成長の実現」を掲げ、「①既存顧客の深耕」「②ビジネスモデルの変革」「③自社IP製品×グローバルビジネスの推進」を成長戦略の柱として業務推進を行いました。
1)経営成績
当連結会計年度の経営成績は、以下のとおりとなりました。
(単位:百万円)
| 当連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) | 前連結会計年度比(%) | |
| 売上高 | 51,617 | 9.5 |
| 売上総利益 | 13,179 | 10.3 |
| 営業利益 | 7,940 | 15.0 |
| 経常利益 | 8,126 | △5.2 |
| 親会社株主に帰属する 当期純利益 | 3,377 | △26.3 |
(環境認識)
当連結会計年度は米中摩擦やウクライナ問題の長期化、中東情勢の緊迫化など地政学リスクが高い状況が継続しましたが、国内景気は穏やかながらも回復基調が継続しました。情報サービス産業におきましては業務効率化やビジネス改革等の投資を中心に需要は堅調に推移しましたが、製造業のお客様の一部に中国景気停滞や自動車業界での不透明感などの影響の顕在化が見受けられました。
原材料コストの上昇や金利水準の高止まり等海外経済の減速懸念があることに加え、米国トランプ政権による関税を中心とした新たな通商政策の影響を踏まえた世界的な景気後退懸念や株式を始めとした各種市場の不安定化など、より一層不透明感が高まりました。
(対応方針・施策と実績)
売上高は開発事業、運用・構築事業、販売事業のすべてのセグメントで増加し、特に販売事業が好調に推移した結果、51,617百万円(前連結会計年度比9.5%増)となりました。損益面におきましては、クラウドビジネスを始めとしたより収益性の高い事業を進展させるとともに、既存事業のさらなる生産性向上や単価改善等に努めた結果、売上総利益は13,179百万円(同10.3%増)、営業利益は売上総利益の増益に加え販売費及び一般管理費の抑制により7,940百万円(同15.0%増)となりました。
経常利益は前連結会計年度には大幅な円安の影響により為替差益を計上していたのに対し、当連結会計年度では小幅な円高に伴い為替差損を計上したため8,126百万円(同5.2%減)となりました。
親会社株主に帰属する当期純利益は海外事業投融資等に関する特別損失(投資有価証券評価損210百万円・貸倒引当金繰入額1,587百万円)を計上した結果、3,377百万円(同26.3%減)となりました。
(セグメント別)
セグメント別の経営成績は以下のとおりであります。
| セグメントの名称 | 売上高 (百万円) | 前連結会計年度比(%) | 営業利益 (百万円) | 前連結会計年度比 (%) |
| 開発事業 | 25,601 | 3.6 | 5,303 | 3.9 |
| 運用・構築事業 | 6,444 | 6.6 | 2,123 | 14.5 |
| 販売事業 | 19,571 | 19.6 | 2,175 | 38.1 |
| セグメント調整 | - | - | △1,661 | - |
| 合計 | 51,617 | 9.5 | 7,940 | 15.0 |
(注)1.売上高はセグメント間の取引を相殺消去しております。
2.各セグメントの営業利益には全社費用を含んでおりません。
当連結会計年度では、前連結会計年度比で開発事業、運用・構築事業及び販売事業の全事業で増収増益となりました。
開発事業では、当社グループ顧客の主要な業種である金融業に対する業務が伸長した結果、増収増益となりました。
運用・構築事業では、製造業や金融業に対する業務が伸長し増収増益となりました。
販売事業では、株式会社AITで病院や金融業向けの大口案件があったこともあり大幅な増収増益となりました。
2)財政状態
上記経営成績の結果、当連結会計年度末の財政状態は下記のとおりとなりました。
(単位:百万円)
| 当連結会計年度末 (2025年3月31日) | 前連結会計年度末比(%) | |
| 総資産 | 51,448 | 8.7 |
| 純資産 | 31,103 | 6.4 |
| 自己資本比率 | 59.9% | △1.8 |
(総資産)
総資産は前連結会計年度末比4,119百万円増加しました。
現金及び預金の増加3,570百万円、商品及び製品の増加2,332百万円、短期貸付金の減少1,075百万円と長期貸付金の増加1,073百万円、貸倒引当金(固定)の増加1,554百万円が主な変動要因です。
(純資産)
純資産は前連結会計年度末比1,876百万円増加しました。
親会社株主に帰属する当期純利益が3,377百万円であったのに対し、配当金支払額が2,521百万円であり利益剰余金が前連結会計年度末比856百万円増加したこと等が主な変動要因です。
(自己資本比率)
上記の結果として、自己資本比率は59.9%と前連結会計年度末比1.8%低下しました。
②2025年3月期経営方針に対する取組み結果
1)経営目標値
2025年3月期の経営目標値に対し、売上高・売上総利益・営業利益・経常利益が上回る結果となりました。売上総利益率は前連結会計年度比向上したものの経営目標値を下回りましたが、特別損失計上の影響を受けた親会社株主に帰属する当期純利益を除き、販売費及び一般管理費の抑制により営業利益・経常利益は上回りました。
(単位:百万円)
| 2025年3月期 目標 | 2025年3月期 実績 | |
| 売上高 | 49,500 | 51,617 |
| 売上総利益 | 13,000 | 13,179 |
| 売上総利益率 | 26.3% | 25.5% |
| 販売費及び一般管理費 | 5,700 | 5,238 |
| 営業利益 | 7,300 | 7,940 |
| 経常利益 | 7,350 | 8,126 |
| 親会社株主に帰属する 当期純利益 | 4,600 | 3,377 |
| 1株当たり当期純利益(円) | 365.49 | 267.48 |
ROEは安定的かつ継続的に10%以上確保することを目指しておりますが、当連結会計年度は11.3%となりました。
2)成長戦略
(ビジネスモデルの変革)
当社グループではビジネスモデル変革に向け「クラウドビジネスの強化」「コンサルティング業務の強化」「ソリューションビジネスの推進」に注力することとしており、下記のような取組を行っております。
株式会社SRAの組織であった先端技術研究所(以下、「KTL」という。)を当社の組織として2022年4月に再編いたしました。技術力のシンボルであるKTLを当社グループの統括会社である当社に移行し、グループ全体の技術やビジネスの連携を一層強化することを企図したものであり人材増強を行いながら活動しています。
クラウド型基幹システムの導入コンサルティングサービスに関しましては、2022年4月にOracle Cloud ERPの自社への導入を行うとともに、「Oracle Cloud ERP導入支援サービス」を開始いたしました。自社導入は財務会計分野を始めとして管理会計分野へと対象範囲の拡大を図っており、その知見を活かした導入支援サービスに努め、当社グループの今後のクラウドインフラビジネスやコンサルティングビジネスの柱のひとつとすべく取組んでおります。
その一環としてOracle Cloud ERPに関わる技術者養成に向けた資格取得支援のために当連結会計年度にはOracle Universityの受講支援を行いました。Oracle Cloud ERP導入のコンサルティングに関する知識・スキルの証明となる認定資格の取得保有者は11名となっており、実案件への参画や会計知識に関する資格取得と併せコンサルティング実務能力の底上げに努めております。
また、当社グループの注力分野であるクラウド関連技術の強化を図るべくAWSの認定資格の取得の奨励・支援を継続しております。
認定資格取得が200を超える企業として「AWS 200 APN Certification Distinction」に2023年度に認定された他、AWS技術者としての最高位にあたる2022 APN AWS Top Engineersの称号を2名が、Japan AWS Jr.Championの称号を1名が受けており、当社グループのクラウド関連ビジネス拡充に貢献しております。
子会社である株式会社SRA OSSは2024年に株式会社NTTデータグループとの資本業務提携を行いました、オープンソースソフトウェアのサポートサービスを同社の顧客へ拡大し、よりミッションクリティカルなシステムに適したサービスへの変革を目指しております。
(グローバルビジネスの拡大)
当社グループでは「成長性の高い東南アジアを中心とした海外市場への展開」を課題の柱のひとつとして掲げております。
株式会社SRAでは、2020年6月にNALと業務提携契約を締結いたしましたが、さらなる関係強化を図るべくNAL株式の36%取得を含む新たな資本・業務提携契約を締結し2023年度に出資を完了、人材派遣による同社の管理体制強化に向けての支援を継続し緊密な関係を維持しております。
2024年度には株式会社SRAがNALと業務提携関係にあるベトナム韓国情報通信大学の研究をサポートするプログラムを開始し、DBAを育成し現地での技術力向上を図りながらPostgresSQLサポート拡充によるビジネス拡大を目指しております。
3)株主還元
当連結会計年度におきましては、売上高・売上総利益・営業利益が経営目標値を上回り、かつ過去最高水準であったことから、前連結会計年度に比べ20円増配し1株当たりの年間配当を180円といたしました。
4)その他の取組み
(人材:活力あふれる組織づくり)
当社グループでは「優位性をもって対応できる人材を育成し、その人材を活かしたグループ経営を推進する」との方針を掲げ活動を行いました。
株式会社SRAでは事業部単位で目標を設定することで新規技術を扱える技術者の育成を推進することを企図し、クラウド及びAI/ML関連の認定資格の取得を強力に推奨・支援することにより技術者層の充実を図りました。
(ESGへの取組み)
当社グループは創業以来、「自らの職業的実践を通じ、コンピュータサイエンスの諸分野を発展させ、それによって人類の未来に貢献する」という経営理念を掲げており、ITでユーザーの満足度を最大化することを通して社会への貢献を果たすべく努力を続けております。
具体的には、創業以来広く社会に対してオープンソースソフトウェアの普及に努めているほか、自社IP製品(P-CON)によるペーパーレス推進提案を通したお客様のESG対応サポートの実施、及び社会インフラの安全性向上に資する技術に関する電力会社との共同開発等を行っております。
また、当社グループ内での取組みでは、働き方改革の一環としてテレワークや雇用延長への対応を始め、子育て支援制度の改善、多様な働き方に向けた制度の整備を行うなど、勤務環境向上のための施策を進めております。
(2)キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
①キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容
当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは5,778百万円、投資活動によるキャッシュ・フローは△264百万円、財務活動によるキャッシュ・フローは△1,907百万円でした。
その結果、当連結会計年度末における現金及び現金同等物は前連結会計年度末に比べ3,691百万円増加し19,738百万円となりました。
当社グループはベースの事業活動から得られる営業キャッシュ・フローをもとに、2025年3月期計画で掲げた「ビジネスモデルの変革」及び「株主還元の更なる充実」の実現に向け、将来の成長のための投資と株主への還元を行っております。
1)営業活動によるキャッシュ・フロー
税金等調整前当期純利益は6,401百万円であり、貸倒引当金の増減額1,551百万円、棚卸資産の増減額△2,439百万円や仕入債務の増減額2,336百万円等を勘案、法人税等支払額△3,048百万円であったこと等を反映し、営業活動によるキャッシュ・フローは5,778百万円となりました。
2)投資活動によるキャッシュ・フロー
当連結会計年度では無形固定資産の取得による支出△231百万円等により、投資活動によるキャッシュ・フローは△264百万円となりました。
3)財務活動によるキャッシュ・フロー
当社子会社である株式会社SRA OSSが株式会社NTTデータグループとの資本業務提携の一環として出資を受け入れたことに伴い連結の範囲の変更を伴わない子会社株式の売却による収入が510百万円となった他、配当金の支払額が△2,521百万円であったことなどにより財務活動によるキャッシュ・フローは△1,907百万円となりました。
②資本の財源及び資金の流動性
当社グループは、キャッシュ・マネジメント・システムを採用しており、グループ内の資金を一元的に管理しグループ会社間の資金融通を機動的に行うことにより、効率的な資金運営を行っております。
また、株式会社SRAにおいては、取引金融機関6社との間で総額5,800百万円のコミットメントライン契約を締結しており、グループベースで資金調達が必要となった場合に機動的に行えるよう備えております。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は19,738百万円、コミットメントラインの未使用枠金額は5,800百万円であることから、十分な流動性を確保しております。
(3)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。これらの見積り及び判断は、過去の実績や状況に応じて合理的と考えられる要因等に基づき行っておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果は異なる場合があります。
連結財務諸表の作成で用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。
<貸付金>短期貸付金及び長期貸付金については、貸付先の経営成績・財政状態等に注視して回収可能性を判断しており、貸付先の財政状態の悪化等により貸付金の回収可能性が著しく低下した場合は貸倒引当金を計上しております。
上述の見積り及び仮定において、将来の予測不能な事業環境の著しい悪化等により見積りに用いた仮定が変化し、貸付先の経営成績及び財政状態がさらに悪化した場合、翌連結会計年度以降の短期貸付金・長期貸付金の計上金額に重要な影響を及ぼす可能性があります。
(4)仕入、受注及び販売の実績
①仕入実績
当連結会計年度の仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) | 前連結会計年度比(%) |
| 販売事業(百万円) | 12,997 | 40.5 |
| 合計(百万円) | 12,997 | 40.5 |
(注)1.金額は、仕入価格によっております。
2.セグメント間の取引については、相殺処理しております。
②受注実績
当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 受注高 (百万円) | 前連結会計年度比 (%) | 受注残高 (百万円) | 前連結会計年度比 (%) |
| 開発事業 | 25,123 | △0.6 | 5,787 | △7.6 |
| 運用・構築事業 | 6,562 | 6.6 | 3,133 | 3.9 |
| 販売事業 | 22,771 | 30.9 | 9,095 | 54.3 |
| 合計 | 54,457 | 11.5 | 18,015 | 18.7 |
(注)1.金額は、販売価格によっております。
2.セグメント間の取引については相殺処理しております。
③販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) | 前連結会計年度比(%) |
| 開発事業(百万円) | 25,601 | 3.6 |
| 運用・構築事業(百万円) | 6,444 | 6.6 |
| 販売事業(百万円) | 19,571 | 19.6 |
| 合計(百万円) | 51,617 | 9.5 |
(注)1.金額は、販売価格によっております。
2.セグメント間の取引については、相殺処理しております。
3.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、総販売実績に対する割合が10%以上を占める相手先がいないため記載を省略しております。
なお、案件管理方法の変更に伴い当連結会計年度より生産実績に関する記載を行っておりません。