有価証券報告書-第24期(令和1年7月1日-令和2年6月30日)
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー
(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況
に関する認識及び分析・検討内容は以下のとおりであります。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1) 経営成績等の概況
中期経営計画「BE GLOBAL 2023」の主要定量目標と進捗
当社グループは2018年9月に「世界に通用するソフトウェア企業となる」ことを目標とする2023年6月期までの5ヶ年の新中期経営計画「BE GLOBAL 2023」を策定し、その中で「売上」「ストック売上比率」「営業利益」「売上成長率+営業利益率」「ROE」「配当」の6項目について目標を公表しております。
それぞれの項目の目標および当連結会計年度における進捗状況は以下の通りです。

[売上高]
売上高は2023年6月期に180~220億円とすることを目標としております。これは前連結会計年度の売上高から平均成長率10%前後で売上成長を実現した場合の売上高となりますが、当連結会計年度は、ビジネス・インテリジェンス事業およびアウトソーシング事業が大幅に伸長するとともに、連結会計関連事業についても、当連結会計年度において収束方向に向かう予定であった大型案件が追加の売上を伴い継続したことなどから、15,691百万円となりました。前連結会計年度比11.5%増を実現しており、中期計画目標に向かって順調に進捗していると認識しております。
[ストック売上比率]
当社グループでは、当中期計画期間の中でビジネスモデルの変革を実現することを目指して、全売上高に占めるストック売上(ソフトウエアの保守料のような毎期継続的に発生する売上)の比率である「ストック売上比率」を70%まで向上することを目標として設定しております。
当連結会計年度のストック売上比率に関しては32.6%と前連結会計年度と比較してほぼ横ばいとなっておりますが、アウトソーシング事業の成長や連結会計関連事業におけるクラウド売上の増加など、成果が出始めている部分がある一方で、ビジネス・インテリジェンス事業を中心にストック型ではない売上が好調であった影響もあり、総額としては、前連結会計年度比15.9%増と大きく増加していることから、目標達成が完全に困難な状況となったものとは認識しておりません。ビジネスモデルの変革に向けて継続的に取り組んでまいります。
[営業利益]
当社グループでは、営業利益の成長を重視しており、平均成長率18%を長期的な目標としております。当中期経営計画でもこの平均成長率をベースとして2023年6月期に31~38億円を達成することを目標としております。
当連結会計年度は、競争力を向上するための報酬水準の向上やオフィスの開設・増床などに伴う費用が増加傾向に ありますが、増収の影響に加えて、収益性の高い案件の受注、プロジェクト品質や生産性の向上に努めたこと、さらには新型コロナウイルス感染症の拡大が見られ始めた以降は、今後の不透明な状況に備えて不要不急の費用の節減に努めたことなどにより、2,278百万円となりました。前連結会計年度比15.9%増を実現しており、売上高と同様に中期計画目標に向かって順調に進捗していると認識しております。
[売上高成長率+営業利益率]
当中期経営計画では、収益性の向上と規模の拡大の両面を、バランスをとりながら推進すべく「売上成長率+営業利益率」を指標として取り入れ、この値を全世界的に見ても上位水準である40ポイント以上とすることを目標としております。
当連結会計年度は、売上高成長率が11.5%と順調であったことに加え、営業利益率も14.5%と前連結会計年度より0.5ポイント改善した結果、26.0%となりました。前連結会計年度より4.2ポイント低下し、まだ目標値からは乖離がある状況であり、さらなる売上成長の加速化または収益性の向上に向けて取り組む必要があるものと認識しております。
[ROE]
当中期経営計画の実現のためには、既存の3事業の成長だけではなく、内部投資あるいは外部成長の取り込みなど、投資的な活動も必要であると認識しておりますが、投資活動を実施する際の目安として、当社グループが長期的に20%前後を維持しているROEについて、継続して20%以上を維持できることを目標として設定しております。
当連結会計年度も、23.5%とこの水準を上回る値を実現しており、順調であると認識しております。
[配当]
当社グループでは、配当を株主還元政策の重要事項として位置付け、純資産配当率などの指標に注目し、毎期の業績に大きく左右されることなく、配当金額を安定的に維持・向上していくことを指向しております。2023年6月期には1株あたり15円の配当を行えるだけの経営成績および財務状況を実現することを目指しております。
当連結会計年度は、継続的な安定配当の基本方針のもと、1株当たり1.5円増配の9円としております。当中期計画期間内で増配幅を若干大きくせねば目標が達成できない水準ではあるものの、現時点で目標を下方修正せねばならないような状況にはないものと認識しております。
なお、経営成績等の状況に関する詳細な分析は以下のとおりです。
(2) 経営成績の状況
当連結会計年度における連結業績は以下のとおりです。
| (単位:百万円[単位未満切捨て]) | ||||
| 第23期(2019年6月期) | 第24期(2020年6月期) (当連結会計年度) | 前連結会計年度比 | ||
| 増減額 | 増減率(%) | |||
| 売上高 | 14,077 | 15,691 | 1,613 | 11.5 |
| 営業利益 | 1,966 | 2,278 | 312 | 15.9 |
| 経常利益 | 1,972 | 2,282 | 309 | 15.7 |
| 親会社株主に帰属する 当期純利益 | 1,317 | 1,537 | 220 | 16.8 |
連結売上高に関しては、ビジネス・インテリジェンス事業およびアウトソーシング事業が大幅に伸長するとともに、連結会計関連事業についても、当連結会計年度において収束方向に向かう予定であった大型案件が追加の売上を伴い継続したことなどから、15,691百万円(前連結会計年度比11.5%増)と2桁の成長を実現することができました。
2018年9月に発表した中期経営計画において、経営目標のひとつとして掲げたストック売上(例えばソフトウエアの保守料など、継続的に発生する売上)比率の向上については、アウトソーシング事業の成長や連結会計関連事業におけるクラウド売上の増加など、成果が出始めている部分がある一方で、ビジネス・インテリジェンス事業を中心にストック型ではない売上が好調であった影響もあり、総額としては前連結会計年度比15.9%増となったものの、売上全体に対する比率としては 32.6%とほぼ横ばいとなっております。
利益に関しては、競争力を向上するための報酬水準の向上やオフィスの開設・増床などに伴う費用が増加傾向にありますが、増収の影響に加えて、収益性の高い案件の受注、プロジェクト品質や生産性の向上に努めたこと、さらには新型コロナウイルス感染症の拡大が見られ始めた以降は、今後の不透明な状況に備えて不要不急の費用の節減に努めたことなどにより、営業利益2,278百万円(前連結会計年度比15.9%増)、経常利益2,282百万円(前連結会計年度比15.7%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は1,537百万円(前連結会計年度比16.8%増)と、いずれも5期連続増益を達成し、過去最高の水準となりました。
なお、新型コロナウイルス感染症の拡大により、IT投資の先送り、あるいは影響が甚大な一部の業種については凍結をされる国内企業も見られ始めており、当社グループの受注にも一部影響が出ておりますが、当連結会計年度の経営成績への影響は限定的なものにとどまっております。
各報告セグメントの状況は以下のとおりです。
| a.売上高 (単位:百万円 [単位未満切捨て]) | ||||
| 第23期(2019年6月期) | 第24期(2020年6月期) (当連結会計年度) | 前連結会計年度比 | ||
| 増減額 | 増減率(%) | |||
| 連結会計関連事業 | 8,034 | 8,485 | 451 | 5.6 |
| ビジネス・ インテリジェンス事業 | 4,990 | 5,767 | 776 | 15.6 |
| アウトソーシング事業 | 1,629 | 2,062 | 432 | 26.5 |
| セグメント間取引消去 | △576 | △624 | △47 | - |
| 連結売上高 | 14,077 | 15,691 | 1,613 | 11.5 |
| b.営業利益 (単位:百万円 [単位未満切捨て]) | ||||
| 第23期(2019年6月期) | 第24期(2020年6月期) (当連結会計年度) | 前連結会計年度比 | ||
| 増減額 | 増減率(%) | |||
| 連結会計関連事業 | 1,293 | 1,616 | 323 | 25.0 |
| ビジネス・ インテリジェンス事業 | 636 | 692 | 55 | 8.8 |
| アウトソーシング事業 | 318 | 364 | 45 | 14.4 |
| 全社費用及び当社と セグメントとの取引消去等 | △281 | △394 | △112 | - |
| 連結営業利益 | 1,966 | 2,278 | 312 | 15.9 |
連結会計関連事業については、期初の段階では前連結会計年度まで大きく売上に貢献していた大型案件が収束方向に向かうと想定しておりましたが、当連結会計年度についても追加の売上を伴って継続することができました。 大型案件以外の売上も堅調に推移しているため、売上高は8,485百万円(前連結会計年度比5.6%増)と増収を実現しました。また、人員増による人件費の増加やオフィスの新設・改修に伴う費用増加など、増加している費用負担がある一方で、プロジェクト品質や生産性の向上に努めるとともに、特に新型コロナウイルス感染症の拡大が見られ始めた以降は、今後の不透明な状況に備えて不要不急の費用の節減に努めた成果として、全体の収益性は改善することができました。これらの結果、営業利益は1,616百万円(前連結会計年度比25.0%増)と増益を実現し、営業利益率も改善しております。
ビジネス・インテリジェンス事業については、デジタルトランスフォーメーション推進の一環として、企業の経営情報の可視化への投資意欲が旺盛な市場動向は継続しており、売上高5,767百万円(前連結会計年度比15.6%増)と大幅に増加しました。一方で営業利益については、報酬水準の向上や人員増加に伴う人件費増加及び新オフィスの開設に係る費用の増加などの影響もあり、692百万円(前連結会計年度比8.8%増)と、増益幅は小さいものとなっております。
アウトソーシング事業については、グループ・ガバナンス・システムの強化・検討やそれに伴う経理部門の役割の見直しなどを背景に需要が旺盛な状況が継続しており、さらには資金管理などの連結決算・開示以外の分野に関する売上も増加した結果、売上高は2,062百万円(前連結会計年度比26.5%増)と大幅な増収となりました。人員増加に伴うオフィスの増床、及び新型コロナウイルス感染症が拡大する中でも、社員の健康と安全を確保しながらお客様への高品質なサービス提供を継続するためのオフィス環境の整備などの費用増はありながらも、営業利益も364百万円(前連結会計年度比14.4%増)と増益になっております。
(生産、受注及び販売の実績)
a. 生産実績
該当事項はありません。
b. 受注実績
当連結会計年度の受注実績をセグメント別に示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 受注高(百万円) | 前年同期比(%) | 受注残高(百万円) | 前年同期比(%) |
| 連結会計関連事業 | 8,313 | 6.9 | 1,999 | △8.0 |
| ビジネス・インテリジェンス事業 | 5,417 | 2.9 | 854 | △29.1 |
| アウトソーシング事業 | 2,160 | 19.5 | 950 | 11.4 |
| セグメント間取引消去 | △533 | △21.1 | △208 | △31.1 |
| 合計 | 15,357 | 8.4 | 3,595 | △8.5 |
(注)上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
c. 販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメント別に示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 販売高(百万円) | 前年同期比(%) | ||
| 連結会計関連事業 | 8,485 | 5.6 | ||
| ビジネス・インテリジェンス事業 | 5,767 | 15.6 | ||
| アウトソーシング事業 | 2,062 | 26.5 | ||
| セグメント間取引消去 | △624 | - | ||
| 合計 | 15,691 | 11.5 | ||
(注)1.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、当該割合が100分の10以上の主要な相手先がいないため記載しておりません。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(3) 財政状態の状況
当連結会計年度末の資産合計は、11,780百万円(前連結会計年度末比1,365百万円増)となりました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益1,537百万円を主な要因とした現金及び預金の増加1,175百万円や、売掛金及び受取手形の減少182百万円などにより、流動資産が1,106百万円増加したことに加え、オフィスの増床やネットワーク整備などによる有形固定資産の増加192百万円、ITインフラ環境の整備などによる無形固定資産の増加26百万円などにより、固定資産が258百万円増加したことによるものです。
一方、負債合計は4,586百万円(前連結会計年度末比69百万円増)となりました。これは主に、前受収益の増加218百万円、未払法人税等の減少174百万円、買掛金の減少83百万円、未払金及び未払費用の減少43百万円によるものです。
また、純資産合計は親会社株主に帰属する当期純利益1,537百万円の計上と剰余金の配当281百万円の支払いにより、7,194百万円(前連結会計年度末比1,296百万円増)となりました。この結果、自己資本比率は61.1%(前連結会計年度末は56.6%)と、前連結会計年度に比べ4.5%向上する一方、有利子負債もなく安定性の高い財務バランスを保っていると考えております。
(4) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ1,175百万円増加し、6,370百万円となりました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は以下のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果獲得した資金は、1,890百万円となりました。(前連結会計年度は1,320百万円の獲得)
増加要因の主な内訳は、税金等調整前当期純利益2,282百万円、固定資産の減価償却費227百万円、前受収益の増加額218百万円、売上債権の減少額182百万円あり、減少要因の主な内訳は、法人税等の支払額913百万円、未払金及び未払費用の減少額10百万円などであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、420百万円となりました。(前連結会計年度は455百万円の使用)
支出の主な内訳は、オフィスの増床やネットワーク整備などによる有形固定資産の取得236百万円、ITインフラ環境の整備などによる無形固定資産の取得121百万円、敷金及び保証金の差入138百万円などであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、294百万円となりました。(前連結会計年度は232百万円の使用)
支出の主な内訳は、配当金の支払額281百万円であります。
(5) 資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループでは、持続的な企業価値の向上とそれを通じた株主還元の向上を実現するために、資本効率を向上させつつ、財務の健全性・柔軟性も確保された最適な資本構成を維持・追求することを基本方針としております。
当社グループの主な所要資金は、オフィス及びIT関連の設備投資や、経常の運転資金であり、これら所要資金については、適宜、自己資金及び銀行からの借入により調達しております。
なお、当連結会計年度末において借入金の残高はありません。また、現金及び預金6,335百万円を保有しており、必要な資金は確保されていると認識しております。
資金の流動性については、グループ間の資金管理契約によりグループ各社における余剰資金の有効活用に努め、更に金融機関との間にコミットメントライン契約を締結していることにより、急な資金需要や不測の事態にも備えております。
(6) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たり、当連結会計年度における資産・負債及び収益・費用の報告金額並びに開示に影響を与える将来に関する見積りを実施する必要があります。経営者は、これらの見積りについて、当連結会計年度末時点において過去の実績やその他の様々な要因を勘案し、合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、将来においてこれらの見積りとは異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載のとおりであります。特に次の重要な会計方針が、連結財務諸表作成における重要な見積りの判断に大きな影響を及ぼすと考えております。
①繰延税金資産
当社グループでは、将来の課税所得を合理的に見積り、繰延税金資産の回収可能性の判断をしております。将来の課税所得に関する予測は、過去の実績や一定の仮定のもとに行っているため、経営環境等の変化により、課税所得の見積りの変更が必要となった場合には、繰延税金資産の計上額が変動し、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
②賞与引当金
賞与引当金は、従業員に対する翌連結会計年度賞与支給見込額のうち当期間対応額を計上しておりまが、実際の支給額は支給時点における外部環境及び当社グループの状況を勘案のうえ決定されるため、実際の支給額が見積りと異なる場合には追加の費用計上が必要となる可能性があります。
③受注損失引当金
当社グループは、受注契約に係る将来の損失に備えるため、翌連結会計年度以降の損失発生見込額を計上しております。実際の発生原価が見積りと異なる場合、追加の引当金計上が必要となる可能性があります。
また、新型コロナウイルス感染症による影響は、1.経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題、にて記載しております。