有価証券報告書-第28期(2023/03/01-2024/02/29)

【提出】
2024/05/30 16:00
【資料】
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【項目】
152項目
(1) 経営成績等の状況の概要
① 財政状態及び経営成績の状況
イ.連結会計年度の全社経営成績
(単位:百万円、%)
前連結会計年度当連結会計年度増減額増減率
売上高32,23537,0794,84315.0
営業利益4673,2432,775593.2
経常利益8383,1312,292273.4
親会社株主に帰属する
当期純利益
8753,4152,539290.2
営業利益率1.58.7+7.2

当連結会計年度(2023年3月1日~2024年2月29日)におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症が2023年5月に感染症法上の分類において5類に移行されるなど、新型コロナウイルス感染拡大防止のための行動制限や入国規制が撤廃され、社会全体でアフターコロナに向けた動きが加速し定着したことで、景気に緩やかな回復が見られました。景気の回復は外食需要の回復や、鉄道・航空旅客数増加、宿泊業の活況等にも現れ、渡航制限解除や円安による割安感も手伝い訪日外国人による消費拡大が、内需を押し上げております。
一方、ウクライナ情勢等による資源価格及び原材料価格の上昇や、世界的な金融引締めによる為替変動、円安の進行や物価高など、景気の先行きについては依然として不透明な状況が続いております。
このような環境の中、当社グループは、2026年2月期を最終年度とする「連結中期経営計画(2024年2月期-2026年2月期)計数目標の補正に関するお知らせ」(以下、中期経営計画という。)を2024年4月に公表し、経営理念である「お客様歓喜」のもと、「連結売上高400億円」「連結営業利益40億円」「ROE20%以上」の財務目標と共に、女性管理職比率20%以上など非財務目標を掲げ、経営ビジョンを創造的であり革新的であるブランドを創出する「ブランドカンパニーへ」と変更いたしました。
これらの実現に向け、回復基調にある国内消費やインバウンド需要を着実に捉え、業績の早期回復を図るため、各事業における重点施策の推進にスピードを上げて取り組んでおります。
また、圧倒的なカッコよさという価値観で、すべてのステークホルダーに対して「熱狂的な歓喜」を呼び起こすための事業ポートフォリオを構築すべく、お客様の期待を上回る商品やサービスの付加価値を提案することで、お客様一人一人の満足度を向上させていくとともに、消費需要やライフスタイルなどの外部環境の変化に対応するための、複数の成長軸をもった持続的成長の実現と企業価値の向上を図ってまいります。
以上の結果、当社グループの当連結会計年度の経営成績は、売上高37,079百万円(前年同期比15.0%増)、営業利益3,243百万円(前年同期比593.2%増)、経常利益3,131百万円(前年同期比273.4%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は3,415百万円(前年同期比290.2%増)となりました。
ロ.連結会計年度のセグメント業績
『飲食・アミューズメント事業』
従来の飲食店とは一味違った「非日常性」と「食への熱狂的なこだわり」を基本コンセプトとしたレストラン及び居酒屋等を自社グループで業態開発し、国内では都心部及び主要都市を中心に飲食店を展開しております。
また、高級感のあるビリヤード、ダーツ、カラオケ、シミュレーションゴルフ、複合カフェ等の店舗展開を「BAGUS」ブランドにて運営し、その他カプセルホテル「GLANSIT」等を都内中心にアミューズメント店舗を直営にて展開しております。
(単位:百万円、%)
前連結会計年度当連結会計年度増減額増減率
売上高29,46334,7295,26617.9
セグメント利益8734,1953,321380.1
セグメント利益率3.012.1+9.1

当連結会計年度における飲食・アミューズメント事業は、新型コロナウイルス感染症への行動制限が撤廃されたことで、経済活動は正常化に進み始め、都心部を中心に急激に人流が回復いたしました。しかしながら、資源価格の高騰と円安による食材価格やエネルギー価格の上昇の影響を受けており、依然として予断を許さない状況が続いております。
このような状況を踏まえ、飲食・アミューズメント事業においては、原価高騰対策や継続的なコスト削減等の各種施策により収益の確保に努めるとともに、不採算店舗の解消や新たな顧客層の獲得のため、業態変更を3店舗実施し、ビリヤード・ダーツ・カラオケ業態の各店舗にて、各種イベント等の開催、インターネットカフェ業態においては、ダーツ等もお楽しみいただけるエリア改装を行い、アミューズメント併設となった店舗においては24時間いつでも利用可能なコースプランをご用意する等、各種施策を推進し、顧客満足度の向上や新規顧客へのアプローチを行いました。
さらに、コロナ禍において休業しておりましたカプセルホテル「GLANSIT AKIHABARA」「GLANSIT KYOTO KAWARAMACHI」を、2024年2月22日より営業再開いたしました。
また、中期経営計画の重点施策である「グループ経営力の強化」「LTVの最大化」の実現のため以下の取り組みを実施いたしました。
当社グループによるIPコンテンツを活用するノウハウを生かし、株式会社エスエルディー2店舗、株式会社ダイヤモンドダイニング1店舗において、同一コンテンツのコラボカフェ開催を実施するなど当社グループ間の垣根を越えた施策の実現や、LTVの最大化実現のため、BAGUS公式アプリをリニューアルし、ビリヤード・ダーツ・カラオケ業態とインターネットカフェ業態で、共通ポイントによる相互送客等の推進に努めてまいりました。
主な出店状況については、「ふわとろオムライス EGG BOMB イオンモール浦和美園店」を埼玉県さいたま市緑区に、「Park South Sandwich FUKUOKA」を福岡県福岡市中央区の福岡大名ガーデンシティに、「韓国大衆酒場 ラッキーソウル 渋谷文化村通り店」を東京都渋谷区宇田川町に、「焼鳥トリフク食堂」を東京都港区台場のアクアシティお台場に、「24/7 café apartment 池袋」を東京都豊島区南池袋に、「WARAYAKI funsista」を東京都品川区西五反田に新規出店いたしました。
以上の結果、当連結会計年度における売上高は34,729百万円(前年同期比17.9%増)、セグメント利益は4,195百万円(前年同期比380.1%増)となりました。
また、当連結会計年度の店舗展開状況につきましては、以下のとおりであります。
『直営店舗出退店等の状況』
既存店新店退店合計業態変更
飲食事業2846192713
アミューズメント事業52--52-
合計3366193233

『ホテル・不動産事業』
「湘南を世界のSHONANへ」というスローガンのもと、湘南の感度の高いビーチカルチャーをベースとした、人々の暮らしにかかわる事業に注力しており、神奈川県におけるホテル運営事業の他、飲食事業、貸コンテナ事業、賃貸事業、戸建て不動産販売事業、シェアハウス事業等、複数の事業を展開しております。
(単位:百万円、%)
前連結会計年度当連結会計年度増減額増減率
売上高2,7722,349△422△15.3
セグメント利益846341△504△59.7
セグメント利益率30.514.5△16.0

当連結会計年度におけるホテル・不動産事業を取り巻く環境におきましては、新型コロナウイルス感染症の位置づけが2023年5月8日から「5類感染症」となり、社会・経済活動が一段と正常化に向かうなか、渡航制限解除による訪日外国人観光客が増加し、政府による全国旅行支援の後押しも受け国内旅行の需要も継続して回復傾向にあります。しかしながら、ウクライナ情勢等によるエネルギー資源・原材料価格の高騰や急激な為替変動等もあり、依然として厳しい経営環境が続いております。
このような状況を踏まえ、国内旅行者の需要を最大限に取り込むため、ホテル運営では、「FREAK’S STORE」ブランドと「8HOTEL」のコラボアイテム、「BILLABONG」ブランドとオリジナルコラボレーション水着の販売や「KAMAKURA HOTEL」において期間限定で日帰り貸切サウナプランの実施等、新たな取組みを実施することで認知度や顧客満足度の向上に努めてまいりました。
さらに、前連結会計年度から継続して、神奈川県からの要請を受け、新型コロナウイルス感染症の軽症者の受け入れ施設として、「PARK IN HOTEL ATSUGI」を第1四半期連結累計期間(2023年3月1日~2023年5月31日)まで提供(一棟有償借上げ)することで、逼迫する地域医療の軽減に努めてまいりました。
コンテナ運営では、各種施策を継続的に実施したことに加え、需要が増加しているバイクコンテナ等が高い稼働率を保っていることから、セグメント利益は順調に推移しております。
また、日本最大級のエシカルイベント「カーニバル湘南2023」に出店参加等、地域貢献や環境保全に努め、顧客ニーズに応える施設づくりを行いました。
以上の結果、当連結会計年度における売上高は2,349百万円(前年同期比15.3%減)、セグメント利益は341百万円(前年同期比59.7%減)となりました。
ハ.連結貸借対照表の状況
(単位:百万円、%)
前連結会計年度当連結会計年度増減額増減率
総資産35,24834,292△955△2.7
純資産6,3369,7383,40153.7
自己資本比率15.826.5+10.7

当連結会計年度末における総資産の残高は、前連結会計年度末に比べ955百万円減少し、34,292百万円となりました。主な要因といたしましては、繰延税金資産が849百万円増加したものの、現金及び預金が1,737百万円減少したこと等によるものであります。
負債につきましては、前連結会計年度末に比べ4,357百万円減少し、24,554百万円となりました。主な要因といたしましては、短期借入金、長期借入金(1年内返済予定の長期借入金を含む)がそれぞれ3,067百万円、783百万円減少したこと等によるものであります。
純資産は、前連結会計年度末に比べ3,401百万円増加し、9,738百万円となりました。主な要因といたしましては、利益剰余金が3,376百万円増加したこと等によるものであります。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における当社グループの現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末と比べ1,721百万円減少し、10,600百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において営業活動の結果獲得した資金は3,396百万円(前年同期は4,498百万円の獲得)となりました。主な要因といたしましては、税金等調整前当期純利益、減価償却費がそれぞれ2,475百万円、662百万円あったこと等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において投資活動の結果使用した資金は981百万円(前年同期は505百万円の使用)となりました。主な要因といたしましては、有形固定資産の取得による支出が758百万円あったこと等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において財務活動の結果使用した資金は4,118百万円(前年同期は204百万円の使用)となりました。主な要因といたしましては、短期借入金の純増減額、長期借入金の返済による支出がそれぞれ△3,003百万円、△852百万円あったこと等によるものであります。
(参考)キャッシュ・フロー関連指標の推移
2021年2月期2022年2月期2023年2月期2024年2月期
自己資本比率(%)△3.112.715.826.5
時価ベースの自己資本比率(%)34.925.137.171.7
キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年)--5.15.6
インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)--30.025.6

自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い
(注1) いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。
(注2) 株式時価総額は、自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しております。
(注3) キャッシュ・フローは、営業キャッシュ・フローを使用しております。
(注4) 有利子負債は連結貸借対照表に計上されている負債のうち、利子を支払っているすべての負債を対象としております。また、利払いは連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。
(注5) 2021年2月期及び2022年2月期の「キャッシュ・フロー対有利子負債比率」及び「インタレスト・カバレッジ・レシオ」については、営業キャッシュ・フローがマイナスであるため記載しておりません。
③ 仕入及び販売の実績
イ.仕入実績
当連結会計年度における仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(単位:百万円、%)
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2023年3月1日 至 2024年2月29日)
前年同期比
飲食・アミューズメント事業7,496112.2
ホテル・不動産事業456128.5
合計7,953113.1

(注) 金額は、仕入価格によっております。
ロ.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(単位:百万円、%)
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2023年3月1日 至 2024年2月29日)
前年同期比
飲食・アミューズメント事業34,729117.9
ホテル・不動産事業2,34984.7
合計37,079115.0


(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計上の見積り及び見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」及び「第5 経理の状況 2 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
② 経営成績等の状況に関する分析・検討内容
(経営成績)
当連結会計年度における経営成績の状況につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況 イ.連結会計年度の全社経営成績」に記載のとおりであります。
(財政状態)
財政状態の分析につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況 ハ.連結貸借対照表の状況」に記載のとおりであります。
③ 経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
④ キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループの主な資金需要は、運転資金需要と設備資金需要であります。運転資金需要としては、中核2事業における仕入、販売費及び一般管理費等の営業費用によるものであります。また、設備資金需要としては、飲食・アミューズメント事業における店舗の開店、改装やホテル・不動産事業におけるホテルの改修等によるものであります。
資本財源についての分析は、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
継続的なコスト削減や状況に応じた追加施策を実施してまいりますが、資金が不足する場合には、主に、金融機関からの借入金で対応していく方針であります。
⑤ 経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
「経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等」につきましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。