四半期報告書-第21期第3四半期(令和2年7月1日-令和2年9月30日)

【提出】
2020/11/12 15:32
【資料】
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【項目】
18項目
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)経営成績の分析
当社グループは、「私たちは、モチベーションエンジニアリングによって、組織と個人に変革の機会を提供し、意味のあふれる社会を実現する」という企業理念のもと、心理学・行動経済学・社会システム論などを背景にした当社グループの基幹技術“モチベーションエンジニアリング“を用い、多くの企業と個人の変革をサポートしております。当社グループ関連業界においても、働き方改革の推進に伴って労働生産性向上や人材雇用促進に対する需要が増加しており、市場は緩やかな成長傾向にありましたが、2020年2月以降、新型コロナウイルス感染症拡大により大きな影響を受けています。緊急事態宣言の解除以降、個人消費や人材採用は回復傾向にありますが、依然として景気の先行きは不透明な状況にあります。
このような経営環境下、当社グループの売上収益は26,056百万円(前年同期比91.2%)、売上総利益が10,729百万円(同97.9%)、営業利益が1,452百万円(同75.0%)、親会社の所有者に帰属する四半期利益が790百万円(同68.5%)となりました。
当社グループのセグメント区分と事業区分は次のとおりであり、当第3四半期連結累計期間におけるセグメント・事業別の概況は以下のとおりであります。なお、第1四半期連結会計期間より、オープンワーク株式会社を連結範囲に含めたことに伴い、事業区分を変更しております。前年同期比較については、前年同期の数値を変更後の区分に組み替えた数値で比較しております。
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《組織開発ディビジョン》
組織開発ディビジョンでは、当社グループの基幹技術である“モチベーションエンジニアリング”を活用し、法人顧客を対象として、企業を取り巻くステークホルダー(社員・応募者・顧客・株主)との関係構築と関係強化を支援するサービスを展開しております。
当該セグメントでは、当第3四半期連結累計期間における売上収益は7,297百万円(同82.6%)、セグメント利益は5,010百万円(同86.0%)と、前年同期と比較して大幅減となりました。当第3四半期連結累計期間における事業別の概況は以下のとおりであります。
(コンサル・クラウド事業)
当該事業は、社員のモチベーションを組織の成長エンジンとする会社“モチベーションカンパニー”を世に多く創出することをコンセプトとして活動しております。サービス提供手法としては、独自の診断フレームに基づいて従業員エンゲージメントを診断し、採用・育成・制度・風土など、組織人事にかかわる変革ソリューションをワンストップで提供しております。また、クライアント企業自身が従業員エンゲージメントをマネジメントできるクラウドサービスとして、「モチベーションクラウドシリーズ」を展開しております。
当該事業における当第3四半期連結累計期間の売上収益は5,696百万円(同85.9%)、売上総利益は4,509百万円(同85.5%)となりました。
当第3四半期連結累計期間においては、第1四半期連結会計期間よりオンラインでの価値提供を促進した結果、研修を中心に回復傾向は見られるものの、企業理念の策定・浸透に関するコンサルティングが減少し、当第3四半期連結累計期間では、前年同期比で売上収益、売上総利益ともに大幅減となりました。
一方で、新型コロナウイルス感染症拡大に伴ってリモートワークが普及している中、従業員エンゲージメント向上に関するニーズはますます高まってきていると捉えています。さらに、ESG投資の拡大に伴い「人的資本」に対する投資家からの注目も高まっており、当社グループにとって大きな機会であると認識しております。今後は、そのニーズを着実に捉え、“モチベーションエンジニアリング”を活用した「診断」「変革」サービスの提供によって、“モチベーションカンパニー”のさらなる創出を実現してまいります。
(イベント・メディア事業)
当該事業は、企業の“モチベーションカンパニー創り”をサポートするため、事業活動上での様々なコミュニケーションシーンにおけるイベントやメディアを制作しております。イベント制作としては、周年記念イベント、採用説明会、プロモーションイベント、株主総会など、リアル・バーチャルにおける場創りをサポートすることでステークホルダーへの興味喚起や理解促進を支援しております。また、メディア制作としては、社内報、会社説明パンフレット、株主向けのアニュアルレポートなどの紙メディアに加えて、会社ホームページ、IRページ等のWEBメディア、商品説明映像や株主総会動画配信などの映像メディアも手がけております。
当該事業における当第3四半期連結累計期間の売上収益は1,980百万円(同74.4%)、売上総利益は729百万円(同83.0%)となりました。
当第3四半期連結累計期間については、第2四半期連結会計期間に引き続き、イベント自粛によって「イベント」が大幅に減少したことに加えて、「メディア」において「IR系メディア」の納期ずれの影響などを受けて、売上収益、売上総利益ともに前年同期比で大幅減となりました。
今後は、WEB、映像を活用したオンラインイベントを積極的に推進しつつ、引き続き、好調な「IR系メディア」に注力してまいります。
《個人開発ディビジョン》
個人開発ディビジョンでは、当社グループの基幹技術である“モチベーションエンジニアリング”を、キャリアスクール・学習塾等のビジネスに適用し、個人顧客を対象として、主体的・自立的なキャリア創りをトータル支援する“キャリアナビゲーション”を掲げてサービスを展開しております。
当該セグメントの当第3四半期連結累計期間における売上収益は4,935百万円(同82.2%)、セグメント利益は1,495百万円(同67.8%)となりました。当第3四半期連結累計期間における事業別の概況は以下のとおりであります。
(キャリアスクール事業)
当該事業は、組織に依存することなく主体的・自立的に行動する人材を“アイカンパニー(自分株式会社)”と定義して、“アイカンパニー”の輩出を支援しております。具体的なサービスとして、大学生や社会人を主な対象とした、パソコンスクールの「AVIVA」、資格スクールの「DAIEI」、プログラミングスクールの「AVIVA PRO」、外国語スクール「ロゼッタストーンラーニングセンター」、「ロゼッタストーンプレミアムクラブ」および「ハミングバード」の6つのサービスブランドを掲げ、個人のキャリア向上を目的としたワンストップのサービスを提供しております。これまでは、継続的な学習サポートに向けて教室での受講を主としていましたが、緊急事態宣言発令や新しい生活様式を受けて、現在は通学・オンラインの両サービスを提供しています。また、サブスクリプションモデルの会員制サービスである「i-Company CLUB」によって、受講者の継続的な学びをサポートしています。
当該事業における当第3四半期連結累計期間の売上収益は4,473百万円(同81.3%)、売上総利益は1,280百万円(同63.7%)となりました。
当該事業は、第2四半期連結会計期間において、緊急事態宣言の発令に伴い4、5月に全国で一斉に教室を休校するなど、大きな影響を受けました。当第3四半期連結累計期間については、新規入会および受講進捗は回復してきているものの、休校分を補うまでには至らず、売上収益、売上総利益ともに前年同期と比較して、大幅に減少しました。
一方で、通学形式とオンライン形式の両方でのサービス提供によって、受講者の授業消化が進んだことから、売上単価は前年を上回る結果となりました。また、10月には「自分磨きの習慣」をサポートするサブスクリプションモデルのサービスである「i-Company CLUB」について、大幅改修を行いました。今後は、さらなる会員数の獲得と継続率の向上によって、既存受講者の追加契約などを促進していきます。
(学習塾事業)
当該事業は一般的な学習塾と異なり、生徒の学力向上はもちろん、世に多くの“アイカンパニー”を輩出することを事業コンセプトに展開しております。サービス内容としては中高生向けの学習塾「モチベーションアカデミア」を展開しており、単なる受験指導にとどまらず、社会で活躍するためのスキル開発の場を提供しております。さらに、中学受験生を対象にした個別指導学習塾「SS-1」を展開しております。将来的には、当グループのキャリアスクール事業が持つ「プログラミング教育」や「英会話教育」といったアセットも活用し、小学生から高校生まで一気通貫で社会に役立つスキル開発の場を提供することを目指しております。なお、キャリアスクール事業同様、緊急事態宣言発令や新しい生活様式を受けて、現在は通学・オンラインの両サービスを提供しています。
当該事業における当第3四半期連結累計期間の売上収益は465百万円(同92.7%)、売上総利益は215百万円(同109.1%)となりました。
当第3四半期連結累計期間については、7月以降、新規入会数は回復しているものの、4、5月の教室休校分を補うまでには至らず、売上収益は前年同期比で減少しました。なお、当該事業は単一プロダクトになります。
今後は、引き続きオンラインでの価値提供を継続するとともに、コンサル・クラウド事業で培った社会人育成のノウハウをさらに転用することによって、従来の学習塾には成し得ない小学生から高校生、社会人までワンストップのサービス提供を目指してまいります。
《マッチングディビジョン》
マッチングディビジョンでは、当社グループの基幹技術である“モチベーションエンジニアリング”を人材紹介・派遣事業に転用した“モチベーションマッチング”による、「求人ニーズのある組織」と「キャリアアップをしたい個人」の相思相愛創りをコンセプトにサービスを展開しております。主に、日本で働きたい外国籍人材や、就職希望の学生、転職希望者、派遣就労者を対象としています。
当該セグメントの当第3四半期連結累計期間における売上収益は14,458百万円(同100.3%)、セグメント利益は4,747百万円(同134.0%)と、前年同期比で売上収益は微増、セグメント利益は大幅増となりました。当第3四半期連結累計期間における事業別の概況は以下のとおりであります。
(海外人材紹介・派遣事業)
当該事業は、全国の小・中・高等学校の外国語指導講師(ALT:Assistant Language Teacher)の派遣および英語指導の請負をサービスとして提供しております。また、顧客との信頼関係や実績が重視されるため、参入障壁が非常に高い本事業において、当社グループは民間企業で圧倒的なNo.1のシェアを確立しております。さらに、外国人雇用ニーズの高まりを捉え、外国人雇用を促進したい企業に外国人の採用・育成・労務サポートをワンストップで提供する事業を展開しております。
日本では、文部科学省の英語教育改革によって、英語学習開始の早期化が進んでいます。2020年度には、小学校3年生から英語教育開始、小学校5年生から正式教科扱いとなり、それに伴って急速にALTの配置が進んでおります。一方で、全自治体への配置は完了していないことから、今後も日本における英語教育市場は、引き続き拡大傾向にあると捉えています。
当該事業における当第3四半期連結累計期間の売上収益は9,409百万円(同101.9%)、売上総利益は2,760百万円(同111.6%)となりました。
当第3四半期連結累計期間については、4、5月休校分の授業消化を夏休みに実施した自治体が多かったことから、売上収益は微増、また、低粗利案件の精査を進めたことで売上総利益は大幅増となりました。なお、当該事業は単一プロダクトになります。
今後も日本のさらなる英語教育の拡大を見据え、引き続き質の高い外国人講師のマッチングによる英語指導、及び生産性向上に努めてまいります。
(国内人材紹介・派遣事業)
当該事業では、組織の成長において必要となる人材を、紹介や派遣という形式でサービスを提供しております。主な事業としては、就職を希望している学生を企業の説明会や面接に接続させる新卒動員・紹介、転職を希望している社会人を企業とマッチングさせる中途紹介、販売員・事務員などの人材派遣等を行っております。第1四半期連結会計期間より連結対象範囲となったオープンワーク株式会社は、日本最大級の社員クチコミによる転職・就職者向け情報プラットフォーム「OpenWork」の運営を行っており、人材紹介企業への送客を主な収益源としております。
当該事業における当第3四半期連結累計期間の売上収益は5,079百万円(同97.6%)、売上総利益は2,017百万円(同184.6%)となりました。
当第3四半期連結累計期間については、従来のアパレル派遣から需要の見込めるスーパー・コールセンターへのポートフォリオの変更によって派遣稼働人数の減少は下げ止まったものの、依然として伸び悩んだ結果、売上収益は前年同期比で減少しました。一方で、粗利率の高いオープンワーク株式会社のグループインによって、売上総利益は前年同期比で大幅増となりました。
「人材派遣」においては、引き続き、需要の見込める職種へのポートフォリオの見直しを進めてまいります。
(2)財政状態の分析
当第3四半期連結会計期間末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ1,936百万円減少し、42,850百万円となりました。これは主として、オープンワーク株式会社の子会社化に伴い、持分法で会計処理されている投資が2,236百万円減少したことに加え、その他の長期金融資産が1,394百万円減少した一方で、運転資金の確保およびオープンワーク株式会社の子会社化により現金及び現金同等物が3,657百万円増加したこと等によるものです。
当第3四半期連結会計期間末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ2,260百万円減少し、35,494百万円となりました。これは主として、拠点の移転決議に伴い、有利子負債その他の金融負債が796百万円減少したことに加え、営業債務及びその他の債務が655百万円および未払法人所得税が838百万円減少したこと等によるものです。
当第3四半期連結会計期間末の資本合計は、前連結会計年度末に比べ323百万円増加し、7,356百万円となりました。これは主として、オープンワーク株式会社の子会社化に伴い非支配持分が増加した一方で、その他の長期金融資産の減少に伴い、その他の資本の構成要素が減少したこと等によるものです。
(3)キャッシュ・フローの分析
当第3四半期連結累計期間において、現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は3,657百万円増加し、当第3四半期連結累計期間末の残高は5,817百万円となりました。
当第3四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローは次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当第3四半期連結累計期間において、営業活動により獲得した資金は前年同期より472百万円減少し、1,512百万円となりました。これは主として、税引前四半期利益が前年同期に比べ551百万円減少した一方で減価償却費及び償却費が前年同期に比べ117百万円増加したこと等によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当第3四半期連結累計期間において、投資活動により獲得した資金は2,169百万円となりました(前年同期は210百万円の獲得)。これは主として、オープンワーク株式会社の子会社化に伴い連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による収入が前年同期に比べ2,290百万円増加したこと等によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当第3四半期連結累計期間において、財務活動により使用した資金は22百万円となりました(前年同期は2,729百万円の使用)。これは主として、短期借入金の純増減額が前年同期に比べ5,200百万円増加した一方、長期借入による収入がなかった(前年同期は2,285百万円)こと等によるものです。
(4)事業上及び財務上の対処すべき課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
(5)研究開発活動
該当事項はありません。