四半期報告書-第24期第2四半期(2023/04/01-2023/06/30)

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2023/08/10 15:37
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38項目
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。なお、当社グループは、子会社である株式会社リンクエージェント(旧 株式会社リンクスタッフィング)が運営する国内人材派遣事業に関して、2022年1月1日をもって株式会社iDAに譲渡したため、これらの事業を非継続事業に分類しております。このため、売上収益、売上総利益、営業利益については継続事業の金額を表示し、親会社の所有者に帰属する四半期利益については、継続事業及び非継続事業の合算を表示しております。
(1)経営成績の分析
当社グループは、「私たちは、モチベーションエンジニアリングによって、組織と個人に変革の機会を提供し、意味のあふれる社会を実現する」というミッションのもと、経営学・社会システム論・行動経済学・心理学等の学術的成果を取り入れた、当社グループの基幹技術「モチベーションエンジニアリング」を用いて多くの組織と個人の変革をサポートしております。当第2四半期連結累計期間の日本経済は、新型コロナウイルス感染症の拡大防止に伴う行動制限が緩和されたことで社会経済活動の正常化が進み、引き続き緩やかな景気の持ち直しがみられました。一方、国内の物価上昇に加え、世界各国の金利上昇による世界経済の停滞リスクは引き続き存在しており、その先行きは依然として不透明な状況です。このような経済状況下、企業が変化に適応するための人的資本経営推進のニーズはますます高まっていくと認識しております。
このような経営環境下、当社グループの売上収益は16,715百万円(前年同期比99.7%)、売上総利益が8,838百万円(同104.3%)、営業利益が2,215百万円(同112.5%)、親会社の所有者に帰属する四半期利益が1,255百万円(同122.3%)となりました。なお、当社グループは、IAS第12号「法人所得税」(2021年5月改訂)を第1四半期連結会計期間から適用しております。本改訂は遡及適用され、親会社の所有者に帰属する四半期利益は、前第2四半期連結累計期間において118百万円増加し、当第2四半期連結累計期間において34百万円減少しております。遡及適用を行う前の当第2四半期連結累計期間の親会社の所有者に帰属する四半期利益は1,290百万円(遡及修正を行う前の前年同期比142.1%)となります。
当社グループのセグメント区分と事業区分は次のとおりであり、当第2四半期連結累計期間におけるセグメント・事業別の概況は以下のとおりであります。
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《組織開発Division》
組織開発Divisionでは、個人から選ばれる組織(モチベーションカンパニー)創りを支援しております。具体的には、当社グループの基幹技術である“モチベーションエンジニアリング”を適用し、従業員・応募者・顧客・株主等の企業を取り巻くステークホルダーのエンゲージメント向上を支援するサービスを提供しております。
当該セグメントでは、当第2四半期連結累計期間における売上収益は6,209百万円(同100.8%)、セグメント利益は4,379百万円(同103.7%)となりました。当第2四半期連結累計期間における事業別の概況は以下のとおりであります。
(コンサル・クラウド事業)
当該事業は、企業の「従業員エンゲージメント向上」に向けて、独自の診断フレームに基づいたエンゲージメント状態の診断、及び組織人事に関わる採用・育成・制度・風土といった変革ソリューションをワンストップで提供しております。また、企業が従業員エンゲージメントをマネジメントできるクラウドサービス「モチベーションクラウドシリーズ」を展開しております。
当該事業における当第2四半期連結累計期間の売上収益は5,403百万円(同100.5%)、売上総利益は4,092百万円(同106.6%)となりました。
当第2四半期連結累計期間においては、売上収益はコンサルティングの一時的な停滞に伴い前年同期比で横ばい、売上総利益は利益率の高いクラウドの伸長により、前年同期比で増加しました。コンサルティングについては、第1四半期連結累計期間に引き続き、2023年3月期からの有価証券報告書における人的資本開示の義務化の対応に企業が追われ、「変革」の優先順位が低下したことで、前年同期を下回る結果となりました。7月以降、企業の開示対応が落ち着くことで開示内容の改善ニーズの増加が想定されることから、下半期に向けて大きな伸長を見込んでおります。また、管理会計制度の変更によって組織間連携を促進し、クロスセルを拡大させることで、多様化する顧客の人的資本経営ニーズへの対応力を高めてまいります。
(IR支援事業)
当該事業は、企業の「投資家エンゲージメント向上」に向けて、IR領域を中心に様々なメディアやイベントを通じて、コーポレートブランディング構築をワンストップで支援しております。具体的には、株主・投資家向けの統合報告書等の紙メディア制作や、IRページ等のWEBメディア、決算説明会の動画配信等の映像メディア制作に加えて、株主総会をはじめとするリアル・バーチャルにおける場創りを行っております。
当該事業における当第2四半期連結累計期間の売上収益は918百万円(同100.2%)、売上総利益は353百万円(同79.4%)となりました。
当第2四半期連結累計期間においては、注力サービスである統合報告書制作は伸長したものの、WEBサイト制作が減少したため、売上収益は前年同期比で横ばいとなりました。また、売上総利益は制作に係る人件費の増加に伴い、前年同期比で大幅減少となりました。
有価証券報告書における人的資本開示の義務化の動きを受け、非財務情報、特に人的資本情報の開示ニーズはさらに高まっております。今後は単なる情報開示ではなく、診断・変革を踏まえた人的資本経営の魅力的な開示を支援することで、コンサル・クラウド事業ともシナジーを創出してまいります。
《個人開発Division》
個人開発Divisionでは、組織から選ばれる個人(アイカンパニー)創りを支援しております。具体的には、当社グループの基幹技術である“モチベーションエンジニアリング”をキャリアスクール・学習塾のビジネスに適用し、小学生から社会人までを対象に、目標設定から個人の課題把握、学習プランの策定・実行に至るサービスをワンストップで提供しております。
当該セグメントの当第2四半期連結累計期間における売上収益は3,158百万円(同86.2%)、セグメント利益は1,391百万円(同92.5%)となりました。当第2四半期連結累計期間における事業別の概況は以下のとおりであります。
(キャリアスクール事業)
当該事業は、大学生や社会人の「キャリア向上」に向けて、パソコンスクールの「AVIVA」、資格スクールの「DAIEI」、外国語スクールの「ロゼッタストーン・ラーニングセンター」、「ロゼッタストーンプレミアムクラブ」及び「ハミングバード」の5つのサービスを提供しております。
当該事業における当第2四半期連結累計期間の売上収益は2,816百万円(同83.8%)、売上総利益は1,260百万円(同91.6%)となりました。
当第2四半期連結累計期間においては、BtoBサービス(従業員向けリスキリング支援)においてスキル研修のリピートに苦戦したことに加えて、BtoCサービスにおいて校舎数が減少したことで、売上収益は前年同期比で大幅減少となりました。また、オンライン講座等の増加により利益率が向上したものの、売上総利益も前年同期比で減少となりました。
BtoCサービスは、引き続き構造改革を進めております。具体的には、コロナ禍を通じた学びのニーズの変化を踏まえて全ての講座・サポートのオンライン提供を進めることで、校舎の移転・撤退を推進しております。2022年9月末に81校だった校舎数は、2023年6月末には54校に減少、オンライン講座の売上高は66百万円(前第3四半期連結会計期間)から127百万円(当第2四半期連結会計期間)へと向上しております。今後も、顧客価値の向上と事業効率の改善を同時に実現してまいります。また、BtoBサービスについては、単発のITスキル強化研修の提供から、福利厚生メニューを従業員自らが選択できる企業制度である「カフェテリアプラン」の一環として提供する等、リピート率の高いサービスの提供へと移行を進めてまいります。
(学習塾事業)
当該事業は、小・中・高校生の「学力向上」に向けて、中高生向けの学習塾「モチベーションアカデミア」と中学受験生を対象にした個別指導学習塾「SS-1」の2つの進学塾を展開しております。「モチベーションアカデミア」では、一般的な学習塾とは異なり、単なる受験指導にとどまらず、社会で活躍するためのスキル獲得を支援しております。将来的には、当社グループのキャリアスクール事業が持つ「プログラミング教育」や「英会話教育」といったアセットも活用し、小学生から高校生まで一気通貫で社会に役立つスキル開発の場を提供することを目指してまいります。また、キャリアスクール事業同様、コロナ禍における生活様式の変化を受けて、現在は通学・オンラインの両サービスを提供しております。
当該事業における当第2四半期連結累計期間の売上収益は342百万円(同111.5%)、売上総利益は130百万円(同101.6%)となりました。
当第2四半期連結累計期間においては、受験終了後の継続率向上に伴う受講者数の増加により、売上収益は前年同期比で大幅増加となりました。売上総利益は原価にかかる人員増加の影響により、前年同期比で微増となりました。今後も引き続き、継続率の向上に加えて、オンラインでの授業によって学びの機会を幅広い層に提供することで、新規入会者数を伸長させてまいります。
《マッチングDivision》
マッチングDivisionでは、組織と個人をつなぐ機会を提供しております。具体的には、当社グループの基幹技術である“モチベーションエンジニアリング”を適用し、ALT(Assistant Language Teacher)配置や人材紹介事業を展開しております。企業や自治体が求めるスキル要件にとどまらず、当社グループが保有するデータをもとにした個人の特性とのマッチングという組織と個人の「フィッティング支援」も行うことで、定着率の高いマッチングを実現しております。
当該セグメントの当第2四半期連結累計期間における売上収益は7,831百万円(同104.6%)、セグメント利益は3,490百万円(同108.2%)となりました。当第2四半期連結累計期間における事業別の概況は以下のとおりであります。
(ALT配置事業)
当該事業は、日本で働きたい外国籍人材と自治体のフィッティングに向けて、全国の小・中・高等学校へのALTの派遣及び英語指導の請負をサービスとして提供しております。本事業は、顧客との信頼関係や実績が重視されるため参入障壁が非常に高く、当社グループは民間企業で圧倒的なNo.1のシェアを確立しております。
当該事業における当第2四半期連結累計期間の売上収益は6,037百万円(同97.5%)、売上総利益は1,729百万円(同88.7%)となりました。
当第2四半期連結累計期間においては、売上収益は前年同期比微減、売上総利益は2022年10月からの社会保険加入対象の拡大に伴い、前年同期比で大幅減少となりました。今後は、強みであるALTの質向上に加えて、オンライン化やICT活用といった、多様化する自治体のニーズに応えることで、ALT配置事業の安定成長を目指してまいります。
(人材紹介事業)
当該事業では、求職者と企業のフィッティングに向けて、組織の成長において必要な人材を企業に紹介する人材紹介サービスを展開しております。主に、転職を希望している社会人を企業とマッチングさせる中途紹介、そして就職を希望している学生を企業の説明会や面接に接続させる新卒動員・紹介を行っております。
当該事業における当第2四半期連結累計期間の売上収益は1,816百万円(同139.1%)、売上総利益は1,783百万円(同138.7%)となりました。
当第2四半期連結累計期間においては、特に成長率の高いオープンワーク株式会社にて、登録ユーザー数、社員クチコミ・評価スコアデータ件数を着実に積み上げております。中でもダイレクトリクルーティングサービス(OpenWorkリクルーティング)は、自然検索経由でのサイト訪問数が増加したことに加え、マーケティングを強化したことで、新規Web履歴書登録数が増加し、累計Web履歴書登録数(社会人・学生)が約89万件まで増加しました。また、前連結会計年度に推進した既存顧客の活性化や求人数の増加等の取り組みの結果、求人企業・登録エージェント企業の採用活動が活性化し、当サービスの売上収益は887百万円となりました。
今後も引き続き、組織開発Divisionとのシナジーを拡大しながら、個人のスキルだけでなく、求職者の性格等のタイプも考慮することで、フィッティング支援を加速してまいります。
《ベンチャー・インキュベーション》
当社グループでは、各Divisionの他に、ベンチャー・インキュベーションを展開しております。ベンチャー・インキュベーションでは、出資に加え、当社グループの組織人事コンサルティングのノウハウ等を提供し、上場を目指す成長ベンチャー企業を組織面からも支援しております。出資先の主な選定基準は、①“モチベーションカンパニー”創りへの共感、②株式上場を目指していること、の2点です。なお、ベンチャー・インキュベーションにて発生した売却益等は、要約四半期連結財政状態計算書の利益剰余金、又は要約四半期連結損益計算書のその他の収益・その他の費用に計上いたします。
(2)財政状態の分析
当第2四半期連結会計期間末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ1,963百万円増加し、30,871百万円となりました。これは主として、現金及び現金同等物が1,013百万円、その他の長期金融資産が889百万円増加したこと等によるものです。
当第2四半期連結会計期間末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ346百万円減少し、17,318百万円となりました。これは主として、未払法人所得税が142百万円増加した一方で、営業債務及びその他の債務が345百万円、有利子負債及びその他の金融負債が308百万円減少したこと等によるものです。
当第2四半期連結会計期間末の資本合計は、前連結会計年度末に比べ2,310百万円増加し、13,553百万円となりました。これは主として、その他の資本構成要素が1,078百万円増加、また剰余金の配当を実施した一方で、親会社の所有者に帰属する四半期利益を計上したこと等に伴い、利益剰余金が519百万円増加したこと等によるものです。
(3)キャッシュ・フローの分析
当第2四半期連結累計期間において、現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は1,013百万円増加し、当第2四半期連結会計期間末の残高は7,126百万円となりました。
当第2四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローは次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当第2四半期連結累計期間において、営業活動により獲得した資金は前年同期より782百万円増加し、2,141百万円となりました。これは主として、税引前四半期利益が前年同期に比べ310百万円増加、その他が前年同期より531百万円増加したことにより資金が増加したこと等によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当第2四半期連結累計期間において、投資活動により使用した資金は257百万円となりました(前年同期は402百万円の獲得)。これは主として、無形資産の取得による支出が前年同期に比べ255百万円減少、資産除去債務の履行による支出が前年同期に比べ240百万円減少したことにより資金が増加した一方で、前年同期に発生した事業譲渡による収入が無かったこと、敷金及び保証金の返還による収入が前年同期に比べ781百万円減少したことにより資金が減少したこと等によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当第2四半期連結累計期間において、財務活動により使用した資金は前年同期より988百万円減少し、871百万円となりました。これは主として、長期借入れによる収入が前年同期に比べ1,300百万円減少したことにより資金が減少した一方で、短期借入金の純増減額が前年同期に比べ1,100百万円増加、長期借入金の返済による支出が前年同期に比べ723百万円減少、非支配持分からの払込による収入が452百万円発生したことにより資金が増加したこと等によるものです。
(4)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
(6)研究開発活動
該当事項はありません。