四半期報告書-第24期第1四半期(2023/01/01-2023/03/31)

【提出】
2023/05/12 15:35
【資料】
PDFをみる
【項目】
35項目
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。なお、当社グループは、子会社である株式会社リンクエージェント(旧 株式会社リンクスタッフィング)が運営する国内人材派遣事業に関して、2022年1月1日をもって株式会社iDAに譲渡したため、これらの事業を非継続事業に分類しております。このため、売上収益、売上総利益、営業利益については継続事業の金額を表示し、親会社の所有者に帰属する四半期利益については、継続事業及び非継続事業の合算を表示しております。
(1)経営成績の分析
当社グループは、「私たちは、モチベーションエンジニアリングによって、組織と個人に変革の機会を提供し、意味のあふれる社会を実現する」というミッションのもと、経営学・社会システム論・行動経済学・心理学などの学術的成果を取り入れた、当社グループの基幹技術「モチベーションエンジニアリング」を用い、多くの組織と個人の変革をサポートしております。当第1四半期連結累計期間の日本経済は、新型コロナウイルス感染症防止における行動制限が緩和され、景気の緩やかな持ち直しがみられました。一方、国内の物価上昇に加え、世界各国の金利上昇による世界経済の停滞リスクから、その先行きは依然として不透明な状況です。このような経済状況下、企業が変化に適応するための人的資本経営推進のニーズはますます高まっていくと認識しております。
このような経営環境下、当社グループの売上収益は8,008百万円(前年同期比100.8%)、売上総利益が4,153百万円(同103.3%)、営業利益が865百万円(同108.1%)、親会社の所有者に帰属する四半期利益が422百万円(同88.6%)となりました。なお、当社グループは、IAS第12号「法人所得税」(2021年5月改訂)を当第1四半期連結会計期間から適用しております。本改訂は遡及適用され、親会社の所有者に帰属する四半期利益は、前第1四半期連結累計期間において158百万円増加し、当第1四半期連結累計期間において2百万円増加しております。遡及適用を行う前の当第1四半期連結累計期間の親会社の所有者に帰属する四半期利益は419百万円(遡及修正を行う前の前年同期比132.0%)となります。
当社グループのセグメント区分と事業区分は次のとおりであり、当第1四半期連結累計期間におけるセグメント・事業別の概況は以下のとおりであります。
0102010_001.png
《組織開発Division》
組織開発Divisionでは、社員のモチベーションを企業の成長エンジンとする会社を“モチベーションカンパニー”と定義して、“モチベーションカンパニー”を世に多く創出することを支援しております。具体的には、当社グループの基幹技術である“モチベーションエンジニアリング”を活用し、法人顧客を対象として、企業を取り巻くステークホルダー(社員・応募者・顧客・株主)のエンゲージメント向上を支援するサービスを提供しております。
当該セグメントでは、当第1四半期連結累計期間における売上収益は2,868百万円(同112.2%)、セグメント利益は2,002百万円(同109.2%)となりました。当第1四半期連結累計期間における事業別の概況は以下のとおりであります。
(コンサル・クラウド事業)
当該事業は、企業の“モチベーションカンパニー創り”に向けて、独自の診断フレームに基づいて従業員エンゲージメントを診断し、採用・育成・制度・風土など、組織人事に関わる変革ソリューションをワンストップで提供しております。また、クライアント企業自身が従業員エンゲージメントをマネジメントできるクラウドサービスとして、「モチベーションクラウドシリーズ」を展開しております。
当該事業における当第1四半期連結累計期間の売上収益は2,557百万円(同111.9%)、売上総利益は1,898百万円(同111.4%)となりました。当第1四半期連結累計期間においては、「モチベーションクラウドシリーズ」の伸長により、売上収益、売上総利益ともに前年同期比で大幅に増加しました。
当社グループは、2000年の創業以来、企業と従業員のエンゲージメント状態を「診断」するだけでなく、「変革」まで支援してまいりました。「モチベーションクラウドシリーズ」は、従業員エンゲージメント向上を実現するHRTech(人材×テクノロジー)領域のクラウドサービスです。創業以来提供してきた組織診断サービスをクラウド化し、2016年7月よりサービス提供を開始いたしました。モチベーションクラウドは、現在、株式会社アイ・ティ・アールが発行する市場調査レポート「ITR Market View:人材管理市場2022」において、従業員エンゲージメント市場のベンダー別売上金額シェアで5年連続1位(2017~2021年度予測)を獲得しております。
当第1四半期連結累計期間において、2023年12月単月におけるモチベーションクラウドシリーズの月会費売上は430,000千円(同130.9%)を見込んでおりますが、2023年3月単月における月会費売上は339,179千円(同132.4%)となりました。モチベーションクラウドについては、超大手企業への導入や、グループ会社での横展開を推進してまいります。また、人材育成クラウドサービスであるストレッチクラウドについても、市場規模が5,000億円を超える人材育成市場において拡大を進める計画です。これらの成長戦略を実行することで、さらなる成長を実現してまいります。
(IR支援事業)
当該事業は、企業の“モチベーションカンパニー創り”に向けて、IR領域を中心に様々なメディアやイベントを通じて、企業のコーポレートブランディング構築をワンストップで支援しております。具体的には、株主・投資家向けの統合報告書などの紙メディアや、IRページ等のWEBメディア、商品説明映像や株主総会動画配信などの映像メディアに加えて、株主総会をはじめとするリアル・バーチャルにおける場創りを行っております。
当該事業における当第1四半期連結累計期間の売上収益は375百万円(同107.1%)、売上総利益は139百万円(同81.1%)となりました。
当第1四半期連結累計期間においては、統合報告書制作が伸長したことで、売上収益は前年同期比で増加しました。また、売上総利益は制作に係る人件費の増加に伴い、前年同期比大幅減少となりました。
有価証券報告書における人的資本情報開示の義務化の動きを受け、非財務情報、特に人的資本情報の開示ニーズはさらに高まっております。これらのニーズを捉えながら、「診断」「変革」の結果を「公表」するという形で、コンサル・クラウド事業ともシナジーを創出してまいります。
《個人開発Division》
個人開発Divisionでは、主体的・自立的に自らのキャリアや人生を切り拓く個人を“アイカンパニー(自分株式会社)”と定義して、“アイカンパニー”の輩出を支援しております。具体的には、当社グループの基幹技術である“モチベーションエンジニアリング”をキャリアスクール・学習塾のビジネスに適用し、小学生から社会人までを対象に、目標設定から個人の課題把握、学習プランの策定・実行に至るまでワンストップでサービスを提供しております。
当該セグメントの当第1四半期連結累計期間における売上収益は1,573百万円(同85.8%)、セグメント利益は670百万円(同82.4%)となりました。当第1四半期連結累計期間における事業別の概況は以下のとおりであります。
(キャリアスクール事業)
当該事業は、大学生や社会人を主な対象とした、パソコンスクールの「AVIVA」、資格スクールの「DAIEI」、外国語スクールの「ロゼッタストーンラーニングセンター」、「ロゼッタストーンプレミアムクラブ」及び「ハミングバード」の5つのサービスブランドを掲げ、個人のキャリア向上を目的としたワンストップのサービスを提供しております。
当該事業における当第1四半期連結累計期間の売上収益は1,402百万円(同83.5%)、売上総利益は600百万円(同81.0%)となりました。
当第1四半期連結累計期間においては、BtoCサービスは校舎の移転・撤退の影響により、BtoBサービス(従業員向けリスキリング支援)は、リピート率が課題となり、前年同期比で大幅減少となりました。
BtoCサービスは、引き続き構造改革を進めております。具体的には新型コロナウイルス感染症によって生活様式が大きく変化し、学びのニーズが対面からオンラインへ変化したことを受け、全ての講座やサポートのオンライン提供を推進しております。またBtoBサービス(従業員向けリスキリング支援)は、単発的な現場のスキル強化施策にとどまり、既存顧客のリピートに苦戦しました。この結果を踏まえ、今後は現場ではなく人事に、単発ではなく継続性の高いプログラム提供を、組織開発Divisionと連携しながら推進してまいります。
(学習塾事業)
当該事業は、一般的な学習塾と異なり、生徒の学力向上はもちろん、世に多くの“アイカンパニー”を輩出することを事業コンセプトに展開しております。サービス内容としては中高生向けの学習塾「モチベーションアカデミア」を展開しており、単なる受験指導にとどまらず、社会で活躍するためのスキル開発の場を提供しております。さらに、中学受験生を対象にした個別指導学習塾「SS-1」を展開しております。将来的には、当社グループのキャリアスクール事業が持つ「プログラミング教育」や「英会話教育」といったアセットも活用し、小学生から高校生まで一気通貫で社会に役立つスキル開発の場を提供することを目指してまいります。また、キャリアスクール事業同様、コロナ禍における生活様式の変化を受けて、現在は通学・オンラインの両サービスを提供しております。
当該事業における当第1四半期連結累計期間の売上収益は170百万円(同110.5%)、売上総利益は69百万円(同97.5%)となりました。
当第1四半期連結累計期間においては、受験終了後の継続率向上に伴い、売上収益は前年同期比で大幅増加となりました。売上総利益は人員に関連する原価の増加により、前年同期比で減少となりました。今後も引き続き、オンラインでの授業によって学びの機会を幅広い層に提供し、新規入会者数を伸長させてまいります。
《マッチングDivision》
マッチングDivisionでは、“エンゲージメント・マッチング”をコンセプトに、組織と個人をつなぐ機会を提供しております。具体的には、当社グループの基幹技術である“モチベーションエンジニアリング”を人材紹介やALT(Assistant Language Teacher)配置のビジネスに適用し、企業や自治体が求めるスキル要件にとどまらず、当社グループが保有するデータをもとにした個人の特性とのマッチングをも行うことで、定着率の高いマッチングを実現しております。
当該セグメントの当第1四半期連結累計期間における売上収益は3,816百万円(同98.9%)、セグメント利益は1,702百万円(同103.4%)となりました。当第1四半期連結累計期間における事業別の概況は以下のとおりであります。
(ALT配置事業)
当該事業は、全国の小・中・高等学校へのALTの派遣及び英語指導の請負をサービスとして提供しております。顧客との信頼関係や実績が重視されるため参入障壁が非常に高い本事業において、当社グループは民間企業で圧倒的なNo.1のシェアを確立しております。
当該事業における当第1四半期連結累計期間の売上収益は2,951百万円(同92.4%)、売上総利益は856百万円(同86.8%)となりました。
当第1四半期連結累計期間においては、2022年10月からの社会保険加入対象の拡大に伴い、価格改定を実施した影響で、一部自治体において予定価格を超えたため入札に至らず、売上収益、売上総利益ともに前年同期比で減少となりました。今後は、ますます多様化する自治体のニーズに適切に応えることで、ALT配置事業の安定成長を目指してまいります。
(人材紹介事業)
当該事業では、組織の成長において必要な人材を、人材紹介サービスという形で提供しております。主に、転職を希望している社会人を企業とマッチングさせる中途紹介、そして就職を希望している学生を企業の説明会や面接に接続させる新卒動員・紹介を行っております。
当該事業における当第1四半期連結累計期間の売上収益は872百万円(同130.6%)、売上総利益は852百万円(同128.7%)となりました。
当第1四半期連結累計期間においては、特に成長率の高いオープンワーク株式会社にて、登録ユーザー数、社員クチコミ・評価スコアデータ件数を着実に積み上げております。中でもダイレクトリクルーティングサービス(OpenWorkリクルーティング)は、自然検索経由でのサイト訪問数が増加したことに加え、マーケティングを強化したことで、新規Web履歴書登録数が増加し、累計Web履歴書登録数(社会人・学生)が約82万件まで増加しました。また、前事業年度に推進した既存顧客の活性化や求人数の増加等の取り組みの結果、求人企業・登録エージェント企業の採用活動が活性化し、当サービスの売上収益は396百万円となりました。今後も引き続き、組織開発Divisionとのシナジーを拡大しながら、個人のスキルだけでなく、求職者の性格等のタイプも考慮することで実現する、定着度の高いマッチング(フィッティング)支援を加速してまいります。
《ベンチャー・インキュベーション》
当社グループでは、各Divisionの他に、ベンチャー・インキュベーションを展開しております。ベンチャー・インキュベーションでは、出資に加え、当社グループの組織人事コンサルティングのノウハウなどを提供し、上場を目指す成長ベンチャー企業を組織面からも支援しております。出資先の主な選定基準は、①“モチベーションカンパニー”創りへの共感、②株式上場を目指していること、の2点です。なお、ベンチャー・インキュベーションにて発生した売却益等は、要約四半期連結財政状態計算書のその他の資本の構成要素、又は要約四半期連結損益計算書のその他の収益・その他の費用に計上いたします。
(2)財政状態の分析
当第1四半期連結会計期間末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ1,145百万円増加し、30,053百万円となりました。これは主として、現金及び現金同等物が949百万円増加したこと等によるものです。
当第1四半期連結会計期間末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ247百万円増加し、17,912百万円となりました。これは主として、営業債務及びその他の債務が523百万円、未払法人所得税が258百万円減少した一方で、有利子負債及びその他の金融負債が945百万円増加したこと等によるものです。
当第1四半期連結会計期間末の資本合計は、前連結会計年度末に比べ897百万円増加し、12,140百万円となりました。これは主として、支配継続子会社に対する持分変動等に伴い、資本剰余金が169百万円及び非支配持分が391百万円増加したこと等によるものです。
(3)キャッシュ・フローの分析
当第1四半期連結累計期間において、現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は949百万円増加し、当第1四半期連結会計期間末の残高は7,061百万円となりました。
当第1四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローは次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当第1四半期連結累計期間において、営業活動により獲得した資金は70百万円となりました(前年同期は41百万円の使用)。これは主として、営業債権及びその他の債権の増減が前年同期に比べ420百万円増加したことにより資金が減少した一方で、税引前四半期利益が前年同期に比べ125百万円増加、減損損失が前年同期に比べ114百万円増加、営業債務及びその他の債務の増減が前年同期に比べ200百万円増加したことにより資金が増加したこと等によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当第1四半期連結累計期間において、投資活動により使用した資金は46百万円となりました(前年同期は748百万円の獲得)。これは主として、無形資産の取得による支出が前年同期に比べ229百万円減少、前年同期に発生した資産除去債務の履行による支出が無かったことにより資金が増加した一方で、前年同期に発生した事業譲渡による収入が無かったこと、敷金及び保証金の返還による収入が前年同期に比べ832百万円減少したことにより資金が減少したこと等によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当第1四半期連結累計期間において、財務活動により獲得した資金は924百万円となりました(前年同期は377百万円の使用)。これは主として、前年同期に発生した長期借入れによる収入が無かったことにより資金が減少した一方で、短期借入金の純増減額が前年同期に比べ1,500百万円増加、長期借入金の返済による支出が前年同期に比べ706百万円減少、非支配持分からの払込による収入が452百万円発生したことにより資金が増加したこと等によるものです。
(4)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第1四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
(6)研究開発活動
該当事項はありません。