有価証券報告書-第21期(令和2年1月1日-令和2年12月31日)
経営成績等の状況の概要
1.業績
当社グループは、「私たちは、モチベーションエンジニアリングによって、組織と個人に変革の機会を提供し、意味のあふれる社会を実現する」という企業理念のもと、心理学・行動経済学・社会システム論などを背景にした当社グループの基幹技術“モチベーションエンジニアリング“を用い、多くの企業と個人の変革をサポートしております。当社グループ関連業界においても、働き方改革の推進に伴って労働生産性向上や人材雇用促進に対する需要が増加しており、市場は緩やかな成長傾向にありましたが、2020年2月以降、新型コロナウイルス感染症拡大により大きな影響を受けています。個人消費や人材採用は回復傾向にありますが、依然として景気の先行きは不透明な状況にあります。
このような経営環境下、当社グループの売上収益は35,278百万円(前期比92.4%)、売上総利益が14,653百万円(同100.4%)、営業利益が241百万円(同12.0%)、親会社の所有者に帰属する当期利益が△996百万円(同△91.8%)となりました。
当社グループのセグメント区分と事業区分は次のとおりであり、当連結会計年度におけるセグメント・事業別の概況は以下のとおりであります。なお、当連結会計年度より、オープンワーク株式会社を連結範囲に含めたことに伴い、事業区分を変更しております。前年同期比較については、前年同期の数値を変更後の区分に組み替えた数値で比較しております。

《組織開発ディビジョン》
組織開発ディビジョンでは、当社グループの基幹技術である“モチベーションエンジニアリング”を活用し、法人顧客を対象として、企業を取り巻くステークホルダー(社員・応募者・顧客・株主)との関係構築と関係強化を支援するサービスを展開しております。
当該セグメントでは、当連結会計年度における売上収益は9,923百万円(同84.6%)、セグメント利益は6,824百万円(同88.7%)と、前年同期と比較して大幅減となりました。当連結会計年度における事業別の概況は以下のとおりであります。
(コンサル・クラウド事業)
当該事業は、社員のモチベーションを組織の成長エンジンとする会社“モチベーションカンパニー”を世に多く創出することをコンセプトとして活動しております。サービス提供手法としては、独自の診断フレームに基づいて従業員エンゲージメントを診断し、採用・育成・制度・風土など、組織人事にかかわる変革ソリューションをワンストップで提供しております。また、クライアント企業自身が従業員エンゲージメントをマネジメントできるクラウドサービスとして、「モチベーションクラウドシリーズ」を展開しております。
当該事業における当連結会計年度の売上収益は7,808百万円(同87.9%)、売上総利益は6,146百万円(同88.1%)となりました。
「コンサルティング」においては、第2四半期連結会計期間における研修のキャンセルや延期、中小企業における人材投資抑制などの影響を受けて、売上、売上総利益ともに前年度と比較して大幅に減少しました。一方で、オンラインでの新人・管理職育成などをはじめ、テレワーク下における従業員エンゲージメント向上に関するニーズはますます高まってきており、第3四半期連結会計期間以降は、再び成長基調へと転じています。さらに、ESG投資の拡大に伴い「人的資本」に対する投資家からの注目も高まっており、当社にとって大きな機会であると認識しております。今後は、そのニーズを着実に捉え、“モチベーションエンジニアリング”を活用したワンストップソリューションに提供によって、顧客単価の向上を実現していきます。
「モチベーションクラウドシリーズ」は、HRテック(人材×テクノロジー)領域として、従業員エンゲージメント(会社と従業員の相互理解・相思相愛度合い)をマネジメントするためのクラウドサービスです。これはサブスクリプションモデルの商品であり、2016年7月よりサービス提供を開始致しました。
多くの企業の経営課題が、従業員や応募者といった人材を対象とする「労働市場」への適応にシフトしている昨今の環境変化の中、企業の従業員エンゲージメントを向上させることは、重要な経営テーマとなっております。さらに、新型コロナウイルス感染症拡大によってテレワークが普及し、従業員の様子が見えにくくなったことから、組織状態の可視化をはじめ、従業員エンゲージメント向上の重要性はより一層高まっていると捉えています。
第2四半期連結会計期間においては、経営環境が悪化した中小・ベンチャー企業を中心に退会・休会が発生しましたが、年間を通じて大手企業を中心に新規導入が大きく伸長し、2020年12月単月における「モチベーションクラウドシリーズ」の月会費売上の合計額は、200,927千円となり、第3四半期連結会計期間以降再び成長基調へと転じています。
今後は、リーディングカンパニーを中心とした大手企業向け新規導入のさらなる強化に加えて、顧客自らが組織改善に向けて自走できるプロダクト開発を推進することで、地方優良企業をはじめとした全国の企業への展開を加速していきます。
(イベント・メディア事業)
当該事業は、企業の“モチベーションカンパニー創り”をサポートするため、事業活動上での様々なコミュニケーションシーンにおけるイベントやメディアを制作しております。イベント制作としては、周年記念イベント、採用説明会、プロモーションイベント、株主総会など、リアル・バーチャルにおける場創りをサポートすることでステークホルダーへの興味喚起や理解促進を支援しております。また、メディア制作としては、社内報、会社説明パンフレット、株主向けのアニュアルレポートなどの紙メディアに加えて、会社ホームページ、IRページ等のWEBメディア、商品説明映像や決算説明会・株主総会動画配信などの映像メディアも手がけております。
当該事業における当連結会計年度の売上収益は2,604百万円(同75.9%)、売上総利益は960百万円(同84.9%)となりました。
当連結会計年度については、新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受けて、第2四半期連結会計期間以降「イベント」が大幅に減少しました。景気感応度の低い「IR系メディア」は順調に推移したものの、顧客企業の予算削減に伴い社内メディア制作が減少したことなどを受けて、売上収益、売上総利益ともに前年比で大幅減となりました。
今後は、WEB、映像を活用したオンラインイベントを積極的に推進しつつ、引き続き、好調な「IR系メディア」に注力してまいります。
《個人開発ディビジョン》
個人開発ディビジョンでは、主体的・自立的に自らのキャリアや人生を切り拓く個人を“アイカンパニー(自分株式会社)”と定義して、“アイカンパニー”の輩出を支援しております。具体的には、当社グループの基幹技術である“モチベーションエンジニアリング”をキャリアスクール・学習塾等のビジネスに適用し、小学生から社会人に対して、目標設定から個人の課題把握、学習プランの策定・実行に至るまでワンストップでサービスを提供しています。
当該セグメントでは、当連結会計年度における売上収益は6,732百万円(同85.9%)、セグメント利益は2,121百万円(同75.2%)となりました。当連結会計年度における事業別の概況は以下の通りであります。
(キャリアスクール事業)
当該事業は、大学生や社会人を主な対象とした、パソコンスクールの「AVIVA」、資格スクールの「DAIEI」、プログラミングスクールの「AVIVA PRO」、外国語スクール「ロゼッタストーンラーニングセンター」、「ロゼッタストーンプレミアムクラブ」および「ハミングバード」の6つのサービスブランドを掲げ、個人のキャリア向上を目的としたワンストップのサービスを提供しております。これまでは、継続的な学習サポートに向けて教室での受講を主としていましたが、緊急事態宣言発令や新しい生活様式を受けて、現在は通学・オンラインの両サービスを提供しています。
当該事業における当連結会計年度の売上収益は6,071百万円(同85.0%)、売上総利益は1,799百万円(同70.9%)となりました。
当連結会計年度においては、新型コロナウイルス感染症拡大によって、本来新規入会者が増える4、5月に全国で一斉に教室を休校するなど、売上収益、売上総利益ともに、前年比で大幅に減少しました。
一方で、第2四半期連結会計期間に早急にオンライン授業の体制を整備し、着実に学びのニーズを捉えたことで、第3四半期連結会計期間以降、売上収益は回復傾向にあります。今後は、拠点だけに依存しないバーチャル空間での価値提供によって受講者の成果創出を支援するとともに、就職先としての企業とのマッチングの強化も図っていきます。また、それらの取り組みを支えるプラットフォームとして「i-Company CLUB」を進化させることで、個人の真の市場価値向上サポートを実現します。
(学習塾事業)
当該事業は一般的な学習塾と異なり、生徒の学力向上はもちろん、世に多くの“アイカンパニー”を輩出することを事業コンセプトに展開しております。サービス内容としては中高生向けの学習塾「モチベーションアカデミア」を展開しており、単なる受験指導にとどまらず、社会で活躍するためのスキル開発の場を提供しております。さらに、中学受験生を対象にした個別指導学習塾「SS-1」を展開しております。将来的には、当グループのキャリアスクール事業が持つ「プログラミング教育」や「英会話教育」といったアセットも活用し、小学生から高校生まで一気通貫で社会に役立つスキル開発の場を提供することを目指しております。キャリアスクール事業同様、緊急事態宣言発令や新しい生活様式を受けて、現在は通学・オンラインの両サービスを提供しています。
当該事業における当連結会計年度の売上収益は666百万円(同94.6%)、売上総利益は323百万円(同112.1%)となりました。
当連結会計年度については、キャリアスクール同様、新型コロナウイルス感染症拡大によって、本来新規入会者が増える4、5月に全国で一斉に教室を休校するなど、売上収益は前年比で大幅に減少しました。なお、当該事業は単一プロダクトになります。
今後は、引き続きオンラインでの価値提供を継続するとともに、コンサル・クラウド事業で培った社会人育成のノウハウをさらに転用することによって、従来の学習塾には成し得ない小学生から高校生、社会人までワンストップのサービス提供を目指してまいります。
《マッチングディビジョン》
マッチングディビジョンでは、当社グループの基幹技術である“モチベーションエンジニアリング”を人材紹介・派遣事業に転用した「エンゲージメント・マッチング」をコンセプトにサービスを展開しております。企業が求めるテクニカルスキル要件とのマッチングだけではなく、当社が保有するデータをもとに個人の特性と企業の特性とのマッチングを行うことで、「求人ニーズのある組織」と「キャリアアップをしたい個人」の相思相愛創りを実現しています。主に、日本で働きたい外国籍人材や、就職希望の学生、転職希望者、派遣就労者を対象としています。
当該セグメントの当連結会計年度における売上収益は19,427百万円(同99.7%)、セグメント利益は6,336百万円(同130.8%)と、前年同期比で売上収益は微減、セグメント利益は大幅増となりました。当連結会計年度における事業別の概況は以下のとおりであります。
(海外人材紹介・派遣事業)
当該事業は、全国の小・中・高等学校の外国語指導講師(ALT:Assistant Language Teacher)の派遣および英語指導の請負をサービスとして提供しております。また、顧客との信頼関係や実績が重視されるため、参入障壁が非常に高い本事業において、当社グループは民間企業で圧倒的なNo.1のシェアを確立しております。さらに、外国人雇用ニーズの高まりを捉え、外国人雇用を促進したい企業に外国人の採用・育成・労務サポートをワンストップで提供する事業を展開しております。
日本では、文部科学省の英語教育改革によって、英語学習開始の早期化が進んでいます。2020年度には、小学校3年生から英語教育開始、小学校5年生から正式教科扱いとなり、それに伴って急速にALTの配置が進んでおります。一方で、全自治体への配置は完了していないことから、今後も日本における英語教育市場は、引き続き拡大傾向にあると捉えています。
当該事業における当連結会計年度の売上収益は12,931百万円(同102.9%)、売上総利益は3,782百万円(同109.9%)となりました。
当連結会計年度については、4、5月に全国一斉休校が発生したものの、夏休みに休校分の授業消化が発生するなど、年間を通じて安定的に推移し、売上収益、売上総利益ともに増加しました。なお、当該事業は単一プロダクトになります。
今後は、入国の状況を注視しつつ、日本のさらなる英語教育の拡大を見据え、引き続き質の高い外国人講師のマッチングによる英語指導、及び生産性向上に努めてまいります。
(国内人材紹介・派遣事業)
当該事業では、組織の成長において必要となる人材を、紹介や派遣という形式でサービスを提供しております。主な事業としては、就職を希望している学生を企業の説明会や面接に接続させる新卒動員・紹介、転職を希望している社会人を企業とマッチングさせる中途紹介、販売員・事務員などの人材派遣等を行っております。第1四半期連結会計期間より連結対象範囲となったオープンワーク株式会社は、日本最大級の社員クチコミによる転職・就職者向け情報プラットフォーム「OpenWork」の運営を行っており、人材紹介企業への送客を主な収益源としております。
当該事業における当連結会計年度の売上収益は6,535百万円(同94.1%)、売上総利益は2,586百万円(同181.2%)となりました。
当連結会計年度については、新型コロナウイルス感染症拡大による派遣先の休業や企業の雇用人数抑制などの影響を受け、売上収益は前年比で減少しました。一方で、粗利率の高いオープンワーク株式会社のグループインによって、売上総利益は前年比で大幅増となりました。
「人材派遣」においては、従来のアパレル派遣から需要の見込めるスーパー・コールセンターへのポートフォリオの変更によって派遣稼働人数の減少は下げ止まり回復傾向にあります。「人材紹介」においては、オープンワーク株式会社が保有するアセットに、当社グループが持つ組織・個人データのアセットとの連携を図ることで、組織と個人の真の相互理解・相思相愛を実現する「エンゲージメント・マッチング」を加速してまいります。
生産、受注及び販売の実績
1.生産実績
当社グループは、コンサルティング業等を主体としており、生産実績の記載はしておりません。
2.受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
(注)2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
(注)2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析
1.財政状態の分析
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ3,703百万円減少し、41,083百万円となりました。これは主として、オープンワーク株式会社の子会社化に伴い、持分法で会計処理されている投資が2,788百万円減少したことに加え、その他の流動資産が3,848百万円減少した一方で、運転資金の確保およびオープンワーク株式会社の子会社化により現金及び現金同等物が4,289百万円増加したこと等によるものです。
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ1,587百万円減少し、36,166百万円となりましたこれは主として、拠点の移転決議に伴い、有利子負債及びその他の金融負債が1,656百万円減少したことによるものです。
当連結会計年度末の資本合計は、前連結会計年度末に比べ2,115百万円減少し、4,917百万円となりました。これは主として、当期利益の減少に伴い利益剰余金が減少したことに加え、上場株式の売却に伴いその他の資本の構成要素が減少したこと等によるものです。
2.経営成績の分析
(1)売上収益
当連結会計年度の売上収益は、前期比7.6%減の35,278百万円となりました。セグメント別には、組織開発ディビジョンで前期比15.4%減の9,923百万円、個人開発ディビジョンでは、前年比14.1%減の6,732百万円、マッチングディビジョンで前期比0.3%減の19,427百万円となりました。
(2)売上原価
当連結会計年度の売上原価は、前期比12.6%減の20,624百万円となり、原価率は58.5%となりました。
(3)販売費及び一般管理費
当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、前期比9.2%増の12,852百万円となりました。
(4)営業利益
当連結会計年度の営業利益は、前期比88.0%減の241百万円となりました。
(5)親会社の所有者に帰属する当期利益
当連結会計年度の親会社の所有者に帰属する当期利益は、前期比191.8%減の△996百万円となりました。
3.キャッシュ・フローの分析
当連結会計年度において、現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は4,289百万円増加し、当連結会計年度末の残高は6,449百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローは次の通りであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において、営業活動により獲得した資金は、前期より143百万円増加し、3,970百万円となりました。これは主として、税引前当期利益が58百万円と前期に比べ1,845百万円減少した一方で、減損損失が前期に比べ1,427百万円増加したことや減価償却費及び償却費が前期に比べ、317百万円増加したこと等によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において、投資活動により獲得した資金は、1,969百万円(前期は2,990百万円の使用)となりました。これは主として、前払金の支出が無かったこと等によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において、財務活動により使用した資金は、1,647百万円(前期は655百万円の使用)となりました。これは主として、前期に比べ、短期借入金の純増減額が4,640百万円増加した一方で、長期借入による収入が無かった(前年は5,255百万円)こと等によるものです。
(資本の財源及び資金の流動性)
当社グループは、事業に必要な資金を安定的に確保することを基本方針としております。
当社グループの資金需要は、人件費等の運転資金のほか、ソフトウエア開発費用、M&A費用等の事業投資資金があります。これらの資金需要に対して、自己資本または金融機関からの借入による資金調達にて対応していくこととしております。
財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
1.財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」に記載しております。
2.キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容
当社グループのキャッシュ・フローの状況の分析・検討内容については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」に記載しております。
3.資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、売上原価の主な構成要素であります人件費、ソフトウェア開発費等の外注費、及び有利子負債の返済及び利息の支払い等があります。また、株主還元については、財務の健全性等に留意しつつ、配当政策に基づき実施してまいります。
当連結会計年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は28,379百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は6,449百万円となっております。なお、安定的な運転資金の調達方法として、金融機関との間で当座貸越契約を締結しており、当連結会計年度末における当該契約の借入未実行残高は6,600百万円となっております。なお新型コロナウイルスの感染拡大による財政状態への影響は、現在のところ軽微でありますが、より機動的かつ安定的な資金調達手段を確保するとともに、財務基盤の一段の強化を図ることを目的として、合計6,000百万円のコミットメントライン契約を締結しております。
今後の動きについては引き続き注視しつつ、財政状態へ重大な影響を与える可能性のある事象が生じた場合などにおいては、適時に対応の検討を行ってまいります。
また、当社グループは、健全な財務体質、継続的な営業活動によるキャッシュ・フロー創出能力により、今後も事業成長を確保する目的で手元流動性を高める資金調達や、個別投資案件への資金調達は可能であると考えております。
4.重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループにおける重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 連結財務諸表注記4 重要な会計上の見積り及び見積りを行う判断」に記載しています。
また、新型コロナウィルス感染症の影響等についても同様に、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 連結財務諸表注記4 重要な会計上の見積り及び見積りを行う判断」に記載しております。
1.業績
当社グループは、「私たちは、モチベーションエンジニアリングによって、組織と個人に変革の機会を提供し、意味のあふれる社会を実現する」という企業理念のもと、心理学・行動経済学・社会システム論などを背景にした当社グループの基幹技術“モチベーションエンジニアリング“を用い、多くの企業と個人の変革をサポートしております。当社グループ関連業界においても、働き方改革の推進に伴って労働生産性向上や人材雇用促進に対する需要が増加しており、市場は緩やかな成長傾向にありましたが、2020年2月以降、新型コロナウイルス感染症拡大により大きな影響を受けています。個人消費や人材採用は回復傾向にありますが、依然として景気の先行きは不透明な状況にあります。
このような経営環境下、当社グループの売上収益は35,278百万円(前期比92.4%)、売上総利益が14,653百万円(同100.4%)、営業利益が241百万円(同12.0%)、親会社の所有者に帰属する当期利益が△996百万円(同△91.8%)となりました。
当社グループのセグメント区分と事業区分は次のとおりであり、当連結会計年度におけるセグメント・事業別の概況は以下のとおりであります。なお、当連結会計年度より、オープンワーク株式会社を連結範囲に含めたことに伴い、事業区分を変更しております。前年同期比較については、前年同期の数値を変更後の区分に組み替えた数値で比較しております。

《組織開発ディビジョン》
組織開発ディビジョンでは、当社グループの基幹技術である“モチベーションエンジニアリング”を活用し、法人顧客を対象として、企業を取り巻くステークホルダー(社員・応募者・顧客・株主)との関係構築と関係強化を支援するサービスを展開しております。
当該セグメントでは、当連結会計年度における売上収益は9,923百万円(同84.6%)、セグメント利益は6,824百万円(同88.7%)と、前年同期と比較して大幅減となりました。当連結会計年度における事業別の概況は以下のとおりであります。
(コンサル・クラウド事業)
当該事業は、社員のモチベーションを組織の成長エンジンとする会社“モチベーションカンパニー”を世に多く創出することをコンセプトとして活動しております。サービス提供手法としては、独自の診断フレームに基づいて従業員エンゲージメントを診断し、採用・育成・制度・風土など、組織人事にかかわる変革ソリューションをワンストップで提供しております。また、クライアント企業自身が従業員エンゲージメントをマネジメントできるクラウドサービスとして、「モチベーションクラウドシリーズ」を展開しております。
当該事業における当連結会計年度の売上収益は7,808百万円(同87.9%)、売上総利益は6,146百万円(同88.1%)となりました。
「コンサルティング」においては、第2四半期連結会計期間における研修のキャンセルや延期、中小企業における人材投資抑制などの影響を受けて、売上、売上総利益ともに前年度と比較して大幅に減少しました。一方で、オンラインでの新人・管理職育成などをはじめ、テレワーク下における従業員エンゲージメント向上に関するニーズはますます高まってきており、第3四半期連結会計期間以降は、再び成長基調へと転じています。さらに、ESG投資の拡大に伴い「人的資本」に対する投資家からの注目も高まっており、当社にとって大きな機会であると認識しております。今後は、そのニーズを着実に捉え、“モチベーションエンジニアリング”を活用したワンストップソリューションに提供によって、顧客単価の向上を実現していきます。
「モチベーションクラウドシリーズ」は、HRテック(人材×テクノロジー)領域として、従業員エンゲージメント(会社と従業員の相互理解・相思相愛度合い)をマネジメントするためのクラウドサービスです。これはサブスクリプションモデルの商品であり、2016年7月よりサービス提供を開始致しました。
多くの企業の経営課題が、従業員や応募者といった人材を対象とする「労働市場」への適応にシフトしている昨今の環境変化の中、企業の従業員エンゲージメントを向上させることは、重要な経営テーマとなっております。さらに、新型コロナウイルス感染症拡大によってテレワークが普及し、従業員の様子が見えにくくなったことから、組織状態の可視化をはじめ、従業員エンゲージメント向上の重要性はより一層高まっていると捉えています。
第2四半期連結会計期間においては、経営環境が悪化した中小・ベンチャー企業を中心に退会・休会が発生しましたが、年間を通じて大手企業を中心に新規導入が大きく伸長し、2020年12月単月における「モチベーションクラウドシリーズ」の月会費売上の合計額は、200,927千円となり、第3四半期連結会計期間以降再び成長基調へと転じています。
今後は、リーディングカンパニーを中心とした大手企業向け新規導入のさらなる強化に加えて、顧客自らが組織改善に向けて自走できるプロダクト開発を推進することで、地方優良企業をはじめとした全国の企業への展開を加速していきます。
(イベント・メディア事業)
当該事業は、企業の“モチベーションカンパニー創り”をサポートするため、事業活動上での様々なコミュニケーションシーンにおけるイベントやメディアを制作しております。イベント制作としては、周年記念イベント、採用説明会、プロモーションイベント、株主総会など、リアル・バーチャルにおける場創りをサポートすることでステークホルダーへの興味喚起や理解促進を支援しております。また、メディア制作としては、社内報、会社説明パンフレット、株主向けのアニュアルレポートなどの紙メディアに加えて、会社ホームページ、IRページ等のWEBメディア、商品説明映像や決算説明会・株主総会動画配信などの映像メディアも手がけております。
当該事業における当連結会計年度の売上収益は2,604百万円(同75.9%)、売上総利益は960百万円(同84.9%)となりました。
当連結会計年度については、新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受けて、第2四半期連結会計期間以降「イベント」が大幅に減少しました。景気感応度の低い「IR系メディア」は順調に推移したものの、顧客企業の予算削減に伴い社内メディア制作が減少したことなどを受けて、売上収益、売上総利益ともに前年比で大幅減となりました。
今後は、WEB、映像を活用したオンラインイベントを積極的に推進しつつ、引き続き、好調な「IR系メディア」に注力してまいります。
《個人開発ディビジョン》
個人開発ディビジョンでは、主体的・自立的に自らのキャリアや人生を切り拓く個人を“アイカンパニー(自分株式会社)”と定義して、“アイカンパニー”の輩出を支援しております。具体的には、当社グループの基幹技術である“モチベーションエンジニアリング”をキャリアスクール・学習塾等のビジネスに適用し、小学生から社会人に対して、目標設定から個人の課題把握、学習プランの策定・実行に至るまでワンストップでサービスを提供しています。
当該セグメントでは、当連結会計年度における売上収益は6,732百万円(同85.9%)、セグメント利益は2,121百万円(同75.2%)となりました。当連結会計年度における事業別の概況は以下の通りであります。
(キャリアスクール事業)
当該事業は、大学生や社会人を主な対象とした、パソコンスクールの「AVIVA」、資格スクールの「DAIEI」、プログラミングスクールの「AVIVA PRO」、外国語スクール「ロゼッタストーンラーニングセンター」、「ロゼッタストーンプレミアムクラブ」および「ハミングバード」の6つのサービスブランドを掲げ、個人のキャリア向上を目的としたワンストップのサービスを提供しております。これまでは、継続的な学習サポートに向けて教室での受講を主としていましたが、緊急事態宣言発令や新しい生活様式を受けて、現在は通学・オンラインの両サービスを提供しています。
当該事業における当連結会計年度の売上収益は6,071百万円(同85.0%)、売上総利益は1,799百万円(同70.9%)となりました。
当連結会計年度においては、新型コロナウイルス感染症拡大によって、本来新規入会者が増える4、5月に全国で一斉に教室を休校するなど、売上収益、売上総利益ともに、前年比で大幅に減少しました。
一方で、第2四半期連結会計期間に早急にオンライン授業の体制を整備し、着実に学びのニーズを捉えたことで、第3四半期連結会計期間以降、売上収益は回復傾向にあります。今後は、拠点だけに依存しないバーチャル空間での価値提供によって受講者の成果創出を支援するとともに、就職先としての企業とのマッチングの強化も図っていきます。また、それらの取り組みを支えるプラットフォームとして「i-Company CLUB」を進化させることで、個人の真の市場価値向上サポートを実現します。
(学習塾事業)
当該事業は一般的な学習塾と異なり、生徒の学力向上はもちろん、世に多くの“アイカンパニー”を輩出することを事業コンセプトに展開しております。サービス内容としては中高生向けの学習塾「モチベーションアカデミア」を展開しており、単なる受験指導にとどまらず、社会で活躍するためのスキル開発の場を提供しております。さらに、中学受験生を対象にした個別指導学習塾「SS-1」を展開しております。将来的には、当グループのキャリアスクール事業が持つ「プログラミング教育」や「英会話教育」といったアセットも活用し、小学生から高校生まで一気通貫で社会に役立つスキル開発の場を提供することを目指しております。キャリアスクール事業同様、緊急事態宣言発令や新しい生活様式を受けて、現在は通学・オンラインの両サービスを提供しています。
当該事業における当連結会計年度の売上収益は666百万円(同94.6%)、売上総利益は323百万円(同112.1%)となりました。
当連結会計年度については、キャリアスクール同様、新型コロナウイルス感染症拡大によって、本来新規入会者が増える4、5月に全国で一斉に教室を休校するなど、売上収益は前年比で大幅に減少しました。なお、当該事業は単一プロダクトになります。
今後は、引き続きオンラインでの価値提供を継続するとともに、コンサル・クラウド事業で培った社会人育成のノウハウをさらに転用することによって、従来の学習塾には成し得ない小学生から高校生、社会人までワンストップのサービス提供を目指してまいります。
《マッチングディビジョン》
マッチングディビジョンでは、当社グループの基幹技術である“モチベーションエンジニアリング”を人材紹介・派遣事業に転用した「エンゲージメント・マッチング」をコンセプトにサービスを展開しております。企業が求めるテクニカルスキル要件とのマッチングだけではなく、当社が保有するデータをもとに個人の特性と企業の特性とのマッチングを行うことで、「求人ニーズのある組織」と「キャリアアップをしたい個人」の相思相愛創りを実現しています。主に、日本で働きたい外国籍人材や、就職希望の学生、転職希望者、派遣就労者を対象としています。
当該セグメントの当連結会計年度における売上収益は19,427百万円(同99.7%)、セグメント利益は6,336百万円(同130.8%)と、前年同期比で売上収益は微減、セグメント利益は大幅増となりました。当連結会計年度における事業別の概況は以下のとおりであります。
(海外人材紹介・派遣事業)
当該事業は、全国の小・中・高等学校の外国語指導講師(ALT:Assistant Language Teacher)の派遣および英語指導の請負をサービスとして提供しております。また、顧客との信頼関係や実績が重視されるため、参入障壁が非常に高い本事業において、当社グループは民間企業で圧倒的なNo.1のシェアを確立しております。さらに、外国人雇用ニーズの高まりを捉え、外国人雇用を促進したい企業に外国人の採用・育成・労務サポートをワンストップで提供する事業を展開しております。
日本では、文部科学省の英語教育改革によって、英語学習開始の早期化が進んでいます。2020年度には、小学校3年生から英語教育開始、小学校5年生から正式教科扱いとなり、それに伴って急速にALTの配置が進んでおります。一方で、全自治体への配置は完了していないことから、今後も日本における英語教育市場は、引き続き拡大傾向にあると捉えています。
当該事業における当連結会計年度の売上収益は12,931百万円(同102.9%)、売上総利益は3,782百万円(同109.9%)となりました。
当連結会計年度については、4、5月に全国一斉休校が発生したものの、夏休みに休校分の授業消化が発生するなど、年間を通じて安定的に推移し、売上収益、売上総利益ともに増加しました。なお、当該事業は単一プロダクトになります。
今後は、入国の状況を注視しつつ、日本のさらなる英語教育の拡大を見据え、引き続き質の高い外国人講師のマッチングによる英語指導、及び生産性向上に努めてまいります。
(国内人材紹介・派遣事業)
当該事業では、組織の成長において必要となる人材を、紹介や派遣という形式でサービスを提供しております。主な事業としては、就職を希望している学生を企業の説明会や面接に接続させる新卒動員・紹介、転職を希望している社会人を企業とマッチングさせる中途紹介、販売員・事務員などの人材派遣等を行っております。第1四半期連結会計期間より連結対象範囲となったオープンワーク株式会社は、日本最大級の社員クチコミによる転職・就職者向け情報プラットフォーム「OpenWork」の運営を行っており、人材紹介企業への送客を主な収益源としております。
当該事業における当連結会計年度の売上収益は6,535百万円(同94.1%)、売上総利益は2,586百万円(同181.2%)となりました。
当連結会計年度については、新型コロナウイルス感染症拡大による派遣先の休業や企業の雇用人数抑制などの影響を受け、売上収益は前年比で減少しました。一方で、粗利率の高いオープンワーク株式会社のグループインによって、売上総利益は前年比で大幅増となりました。
「人材派遣」においては、従来のアパレル派遣から需要の見込めるスーパー・コールセンターへのポートフォリオの変更によって派遣稼働人数の減少は下げ止まり回復傾向にあります。「人材紹介」においては、オープンワーク株式会社が保有するアセットに、当社グループが持つ組織・個人データのアセットとの連携を図ることで、組織と個人の真の相互理解・相思相愛を実現する「エンゲージメント・マッチング」を加速してまいります。
生産、受注及び販売の実績
1.生産実績
当社グループは、コンサルティング業等を主体としており、生産実績の記載はしておりません。
2.受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 受注高 (百万円) | 前年同期比 (%) | 受注残高 (百万円) | 前年同期比 (%) | |
組織開発ディビジョン | 9,419 | 80.5 | 4,793 | 99.0 | |
個人開発ディビジョン | 6,763 | 84.7 | 1,761 | 102.2 | |
マッチングディビジョン | 19,104 | 98.5 | 7,215 | 100.6 | |
その他 | 18 | 61.2 | - | - | |
合計 | 35,307 | 90.3 | 13,771 | 100.2 |
(注)1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
(注)2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 販売高 (百万円) | 前年同期比 (%) | |
組織開発ディビジョン | 9,469 | 83.9 | |
個人開発ディビジョン | 6,725 | 86.0 | |
マッチングディビジョン | 19,064 | 100.1 | |
その他 | 18 | 61.2 | |
合計 | 35,278 | 92.4 |
(注)1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
(注)2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析
1.財政状態の分析
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ3,703百万円減少し、41,083百万円となりました。これは主として、オープンワーク株式会社の子会社化に伴い、持分法で会計処理されている投資が2,788百万円減少したことに加え、その他の流動資産が3,848百万円減少した一方で、運転資金の確保およびオープンワーク株式会社の子会社化により現金及び現金同等物が4,289百万円増加したこと等によるものです。
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ1,587百万円減少し、36,166百万円となりましたこれは主として、拠点の移転決議に伴い、有利子負債及びその他の金融負債が1,656百万円減少したことによるものです。
当連結会計年度末の資本合計は、前連結会計年度末に比べ2,115百万円減少し、4,917百万円となりました。これは主として、当期利益の減少に伴い利益剰余金が減少したことに加え、上場株式の売却に伴いその他の資本の構成要素が減少したこと等によるものです。
2.経営成績の分析
(1)売上収益
当連結会計年度の売上収益は、前期比7.6%減の35,278百万円となりました。セグメント別には、組織開発ディビジョンで前期比15.4%減の9,923百万円、個人開発ディビジョンでは、前年比14.1%減の6,732百万円、マッチングディビジョンで前期比0.3%減の19,427百万円となりました。
(2)売上原価
当連結会計年度の売上原価は、前期比12.6%減の20,624百万円となり、原価率は58.5%となりました。
(3)販売費及び一般管理費
当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、前期比9.2%増の12,852百万円となりました。
(4)営業利益
当連結会計年度の営業利益は、前期比88.0%減の241百万円となりました。
(5)親会社の所有者に帰属する当期利益
当連結会計年度の親会社の所有者に帰属する当期利益は、前期比191.8%減の△996百万円となりました。
3.キャッシュ・フローの分析
当連結会計年度において、現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は4,289百万円増加し、当連結会計年度末の残高は6,449百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローは次の通りであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において、営業活動により獲得した資金は、前期より143百万円増加し、3,970百万円となりました。これは主として、税引前当期利益が58百万円と前期に比べ1,845百万円減少した一方で、減損損失が前期に比べ1,427百万円増加したことや減価償却費及び償却費が前期に比べ、317百万円増加したこと等によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において、投資活動により獲得した資金は、1,969百万円(前期は2,990百万円の使用)となりました。これは主として、前払金の支出が無かったこと等によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において、財務活動により使用した資金は、1,647百万円(前期は655百万円の使用)となりました。これは主として、前期に比べ、短期借入金の純増減額が4,640百万円増加した一方で、長期借入による収入が無かった(前年は5,255百万円)こと等によるものです。
(資本の財源及び資金の流動性)
当社グループは、事業に必要な資金を安定的に確保することを基本方針としております。
当社グループの資金需要は、人件費等の運転資金のほか、ソフトウエア開発費用、M&A費用等の事業投資資金があります。これらの資金需要に対して、自己資本または金融機関からの借入による資金調達にて対応していくこととしております。
財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
1.財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」に記載しております。
2.キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容
当社グループのキャッシュ・フローの状況の分析・検討内容については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」に記載しております。
3.資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、売上原価の主な構成要素であります人件費、ソフトウェア開発費等の外注費、及び有利子負債の返済及び利息の支払い等があります。また、株主還元については、財務の健全性等に留意しつつ、配当政策に基づき実施してまいります。
当連結会計年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は28,379百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は6,449百万円となっております。なお、安定的な運転資金の調達方法として、金融機関との間で当座貸越契約を締結しており、当連結会計年度末における当該契約の借入未実行残高は6,600百万円となっております。なお新型コロナウイルスの感染拡大による財政状態への影響は、現在のところ軽微でありますが、より機動的かつ安定的な資金調達手段を確保するとともに、財務基盤の一段の強化を図ることを目的として、合計6,000百万円のコミットメントライン契約を締結しております。
今後の動きについては引き続き注視しつつ、財政状態へ重大な影響を与える可能性のある事象が生じた場合などにおいては、適時に対応の検討を行ってまいります。
また、当社グループは、健全な財務体質、継続的な営業活動によるキャッシュ・フロー創出能力により、今後も事業成長を確保する目的で手元流動性を高める資金調達や、個別投資案件への資金調達は可能であると考えております。
4.重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループにおける重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 連結財務諸表注記4 重要な会計上の見積り及び見積りを行う判断」に記載しています。
また、新型コロナウィルス感染症の影響等についても同様に、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 連結財務諸表注記4 重要な会計上の見積り及び見積りを行う判断」に記載しております。