半期報告書-第25期(2024/01/01-2024/06/30)

【提出】
2024/08/09 15:31
【資料】
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【項目】
37項目
文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)経営成績の分析
当社グループは、「私たちは、モチベーションエンジニアリングによって、組織と個人に変革の機会を提供し、意味のあふれる社会を実現する」というミッションのもと、経営学・社会システム論・行動経済学・心理学等の学術的成果を取り入れた当社グループの基幹技術「モチベーションエンジニアリング」を用いて、多くの組織と個人の変革をサポートしております。当中間連結会計期間の日本経済は、雇用・所得環境の改善に伴い、引き続き緩やかな景気回復が見られました。しかし、マイナス金利の解除後も円安基調が継続しているほか、不安定な国際情勢による地政学的リスクの存在により、その先行きは依然として不透明な状況です。このような経済状況下、企業が変化に適応するための人的資本経営推進のニーズ、具体的には、従業員エンゲージメント(会社と従業員の相互理解・相思相愛度合い)の向上や人材確保・育成のニーズはますます高まっていると認識しております。
このような経営環境下、当社グループの売上収益は18,003百万円(前年同期比107.7%)、売上総利益は9,889百万円(同111.9%)、営業利益は2,668百万円(同120.5%)、親会社の所有者に帰属する中間利益は1,677百万円(同133.6%)となりました。
当中間連結会計期間において、売上収益はコンサル・クラウド事業やALT配置事業の伸長により、前年同期比で増加しました。売上総利益は、利益率の高いコンサル・クラウド事業とオープンワーク株式会社(以下、「オープンワーク」という。)を含む人材紹介事業の伸長により、前年同期比で大幅に増加しました。営業利益についても、注力事業のコンサル・クラウド事業が成長を牽引したことから、前年同期比で大幅に増加しました。また、親会社の所有者に帰属する中間利益は、営業利益の増加に伴い前年同期比で大幅増加となりました。いずれも想定通りに進捗しております。
当社グループのセグメント区分と事業区分は次のとおりであり、当中間連結会計期間におけるセグメント・事業別の概況は以下のとおりであります。
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《組織開発Division》
組織開発Divisionでは、個人から選ばれる組織(モチベーションカンパニー)創りを支援しております。具体的には、当社グループの基幹技術である「モチベーションエンジニアリング」を適用し、従業員・応募者・顧客・株主等の企業を取り巻くステークホルダーとのエンゲージメント向上を支援するサービスを提供しております。
当該セグメントでは、当中間連結会計期間における売上収益は6,810百万円(同109.7%)、セグメント利益は4,911百万円(同112.1%)となりました。当中間連結会計期間における事業別の概況は以下のとおりであります。
(コンサル・クラウド事業)
当該事業は、企業の「従業員エンゲージメント向上」のため、独自の診断フレームに基づいたエンゲージメント状態の診断、及び組織人事に関わる採用・育成・制度・風土といった変革ソリューションをワンストップで提供しております。また、企業が従業員エンゲージメントをマネジメントできるクラウドサービス「モチベーションクラウドシリーズ」を展開しております。
当該事業における当中間連結会計期間の売上収益は5,945百万円(同110.0%)、売上総利益は4,516百万円(同110.4%)となりました。
当中間連結会計期間においては、「モチベーションクラウドシリーズ」の4月から6月における新規積上げが伸長し大幅成長した結果、売上収益、売上総利益ともに前年同期比で大幅に増加しました。
コンサルティングについては、高収益化を目的に、コンサルティングからクラウドへの移行や利益率の高い人的資本コンサルティング等に注力するプロダクトポートフォリオの変更を推進しております。当中間連結会計期間においては、第1四半期連結会計期間の影響もあり前年同期を下回る結果となったものの、顧客単価については底打ちし、回復を実現しております。引き続き、大手企業に対する人的資本経営の総合支援に注力することで、下半期はさらなる回復を見込んでおります。
(IR支援事業)
当該事業は、企業の「投資家エンゲージメント向上」のため、IR領域を中心に様々なメディアやイベントを通じて、コーポレートブランディング構築をワンストップで支援しております。具体的には、株主・投資家向けの統合報告書等の紙メディア制作や、IRページ等のWEBメディア、決算説明会の動画配信等の映像メディア制作に加えて、株主総会等の場創りを行っております。
当該事業における当中間連結会計期間の売上収益は970百万円(同105.7%)、売上総利益は468百万円(同132.6%)となりました。
当中間連結会計期間においては、注力サービスである統合報告書制作が想定通りに伸長し、売上収益は前年同期比で増加、生産性の向上に伴い、売上総利益は前年同期比で大幅に増加しました。
有価証券報告書における人的資本開示の義務化を受け、非財務情報、特に人的資本情報の開示ニーズは引き続き高まっております。また、当社が提供しているモチベーションクラウドにおける診断結果の公表社数は2024年6月末時点で149社となり、従業員エンゲージメントの開示も着実に進んでおります。今後も単なる情報開示ではなく、診断・変革を踏まえた人的資本経営の魅力的な開示を支援することで、コンサル・クラウド事業とのシナジーを創出してまいります。
《個人開発Division》
個人開発Divisionでは、組織から選ばれる個人(アイカンパニー)創りを支援しております。具体的には、当社グループの基幹技術である「モチベーションエンジニアリング」をキャリアスクール・学習塾のビジネスに適用し、小学生から社会人までを対象に、目標設定から個人の課題把握、学習プランの策定・実行に至るサービスをワンストップで提供しております。
当該セグメントの当中間連結会計期間における売上収益は3,215百万円(同101.8%)、セグメント利益は1,470百万円(同105.7%)となりました。当中間連結会計期間における事業別の概況は以下のとおりであります。
(キャリアスクール事業)
当該事業は、大学生や社会人の「キャリア向上」のため、パソコンスクールの「AVIVA」、資格スクールの「DAIEI」、外国語スクールの「ロゼッタストーン・ラーニングセンター」、「ロゼッタストーン Premium Club」及び「ハミングバード」の5つのサービスを提供しております。
当該事業における当中間連結会計期間の売上収益は2,838百万円(同100.8%)、売上総利益は1,319百万円(同104.7%)となりました。
当中間連結会計期間においては、新規講座の拡充などにより顧客単価が向上した結果、売上収益は前年同期を上回る結果となりました。加えて、2022年10月から進めている構造改革の結果、当中間連結会計期間の売上総利益率は46.5%となり、前中間連結会計期間の44.8%と比較して想定通り向上しております。引き続きオンラインでのサービス提供を拡大することで、事業効率と顧客価値の向上を同時実現してまいります。
(学習塾事業)
当該事業は、小・中・高校生の「学力向上」のため、中学受験を目指す小学生を対象にした個別指導学習塾「SS-1」と、中高生向けの学習塾「モチベーションアカデミア」の2つの進学塾を、通学・オンラインの形態にて展開しております。特に「モチベーションアカデミア」では、一般的な学習塾とは異なり単なる学力向上にとどまらず、社会で活躍するためのスキル獲得も支援しております。
当該事業における当中間連結会計期間の売上収益は377百万円(同110.3%)、売上総利益は151百万円(同116.0%)となりました。
当中間連結会計期間においては、在籍者数と顧客単価がいずれも増加した結果、売上収益、売上総利益ともに前年同期比で大幅増加となりました。引き続き、オンライン授業による学びの機会を通塾可能地域にとどまらない幅広い層に提供することで、新規入会者数を伸長させてまいります。
《マッチングDivision》
マッチングDivisionでは、組織と個人をつなぐ機会提供としてALT(Assistant Language Teacher)配置事業と人材紹介事業を展開しております。当社グループの基幹技術である「モチベーションエンジニアリング」を適用し、企業や自治体が求めるスキル要件にとどまらず、データをもとに個人の特性とのマッチングを可能にする「フィッティング」も行うことで、定着率の高いマッチングを実現しております。
当該セグメントの当中間連結会計期間における売上収益は8,356百万円(同106.7%)、セグメント利益は3,856百万円(同110.5%)となりました。当中間連結会計期間における事業別の概況は以下のとおりであります。
(ALT配置事業)
当該事業は、日本で働きたい外国籍人材と自治体のフィッティングとして、全国の小・中・高等学校へのALTの派遣及び英語指導の請負をサービスとして提供しております。本事業は、顧客との信頼関係や実績が重視されるため参入障壁が非常に高く、当社グループは民間企業で圧倒的No.1のシェアを確立しております。
当該事業における当中間連結会計期間の売上収益は6,369百万円(同105.5%)、売上総利益は1,900百万円(同109.9%)となりました。
当中間連結会計期間においては、ALT配置人数が想定通り増加した結果、売上収益、売上総利益ともに前年同期比で増加となりました。当該事業は、ALTの社会保険加入義務化の影響により、2023年12月期まで厳しい競争環境下にありました。2024年12月期については、競争環境がフラット化したことに加え、ターゲット顧客へのコミュニケーションを強化した結果、2024年4月からの新年度の契約は想定通りに回復し、4月から6月の平均ALT配置人数は3,100人を超える結果となりました。引き続き、質の高いALTの派遣という強みを活かし、また、オンライン化やICTの活用も進めながら、シェアの拡大を目指してまいります。
(人材紹介事業)
当該事業では、求職者と企業のフィッティングとして、事業成長に必要な人材を企業に紹介する人材紹介サービスを展開しております。就職・転職の情報プラットフォームをはじめ、大学生を対象とした人材紹介など幅広いマッチング機会を提供しております。
当該事業における当中間連結会計期間の売上収益は2,006百万円(同110.4%)、売上総利益は1,975百万円(同110.8%)となりました。
当中間連結会計期間においては、特に成長率の高いオープンワークにて、登録ユーザー数、社員クチコミ・評価スコア数を着実に積上げております。中でもダイレクトリクルーティングサービス「OpenWorkリクルーティング」は、積極的なマーケティング投資により、Web履歴書登録数が増加し、累計Web履歴書登録数(社会人・学生)が約119万件まで増加しました。また、既存顧客の採用活動の活性化、求人数の増加等の取り組みの結果、求人企業の採用活動、求職者からの応募も活発に行われ、当該サービスの売上収益は1,140百万円(同128.5%)となりました。
今後も引き続き、組織開発Divisionとのシナジーを拡大しながら、個人のスキルだけでなく、求職者の性格等のタイプも考慮することで、フィッティング支援を加速してまいります。
《ベンチャー・インキュベーション》
当社グループでは、各Divisionの他に、ベンチャー・インキュベーションを展開しております。ベンチャー・インキュベーションでは、出資に加え、当社グループの組織人事コンサルティングのノウハウ等を提供し、上場を目指す成長ベンチャー企業を組織面からも支援しております。出資先の主な選定基準は、「“モチベーションカンパニー”創りへの共感」「株式上場を目指していること」の2点です。なお、ベンチャー・インキュベーションにて発生した売却益等は、要約中間連結財政状態計算書の利益剰余金、又は要約中間連結損益計算書のその他の収益・その他の費用に計上いたします。
(2)財政状態の分析
当中間連結会計期間末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ441百万円増加し、31,284百万円となりました。これは主として、その他の長期金融資産が302百万円減少した一方で、営業債権及びその他の債権が826百万円増加したこと等によるものです。
当中間連結会計期間末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ216百万円増加し、18,119百万円となりました。これは主として、リース負債が386百万円減少した一方で、有利子負債及びその他の金融負債が415百万円増加したこと等によるものです。
当中間連結会計期間末の資本合計は、前連結会計年度末に比べ224百万円増加し、13,164百万円となりました。これは主として、自己株式の取得、剰余金の配当により減少した一方で、親会社の所有者に帰属する中間利益及びその他の包括利益を計上したこと等によるものです。
(3)キャッシュ・フローの分析
当中間連結会計期間において、現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は139百万円増加し、当中間連結会計期間末の残高は7,529百万円となりました。
当中間連結会計期間における各キャッシュ・フローは次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当中間連結会計期間において、営業活動により獲得した資金は前年同期より125百万円増加し、2,267百万円となりました。これは主として、営業債権及びその他の債権の増減が前年同期に比べ427百万円増加、棚卸資産の増減額が前年同期に比べ133百万円増加、その他が前年同期に比べ208百万円減少、法人所得税の支払額が前年同期に比べ364百万円増加したことにより資金が減少した一方で、税引前中間利益が前年同期に比べ444百万円増加、営業債務及びその他の債務の増減が前年同期に比べ432百万円増加、法人所得税の還付額が前年同期に比べ440百万円増加したことにより資金が増加したこと等によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当中間連結会計期間において、投資活動により獲得した資金は10百万円となりました(前年同期は257百万円の使用)。これは主として、有形固定資産の取得による支出が前年同期に比べ89百万円増加、無形資産の取得による支出が前年同期に比べ74百万円増加、投資有価証券の取得による支出が前年同期に比べ220百万円増加したことにより資金が減少した一方で、投資有価証券の売却による収入が前年同期に比べ758百万円増加したことにより資金が増加したこと等によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当中間連結会計期間において、財務活動により使用した資金は前年同期より1,270百万円増加し、2,141百万円となりました。これは主として、長期借入れによる収入が前年同期に比べ4,100百万円増加したことにより資金が増加した一方で、短期借入金の純増減額が前年同期に比べ3,200百万円減少、前年同期に発生した非支配持分からの払込による収入が無かったこと、自己株式の取得による支出が前年同期に比べ1,193百万円増加、預け金の増減額が前年同期に比べ216百万円増加したことにより資金が減少したこと等によるものです。
(4)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当中間連結会計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
(6)研究開発活動
該当事項はありません。