四半期報告書-第23期第1四半期(令和4年1月1日-令和4年3月31日)

【提出】
2022/05/12 15:33
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35項目
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。なお、当社グループは、子会社である株式会社リンクエージェント(旧 株式会社リンクスタッフィング)が運営する国内人材派遣事業に関して、2022年1月1日をもって株式会社iDAに譲渡したため、これらの事業を非継続事業に分類しております。このため、売上収益、売上総利益、営業利益については継続事業の金額を表示し、親会社の所有者に帰属する四半期利益については、継続事業及び非継続事業の合算を表示しております。また、前年同期比較については、前年同期の数値を譲渡後の分類で組み替えた数値で比較しております。
(1)経営成績の分析
当社グループは、「私たちは、モチベーションエンジニアリングによって、組織と個人に変革の機会を提供し、意味のあふれる社会を実現する」という企業理念のもと、心理学・行動経済学・社会システム論などを背景にした当社グループの基幹技術「モチベーションエンジニアリング」を用い、多くの企業と個人の変革をサポートしております。当第1四半期連結累計期間の日本経済は、新型コロナウイルス感染症の変異株による感染再拡大の影響を受け、依然として先行きが不透明な状況にありました。一方、このような経済情勢下の中においても、従業員エンゲージメント(会社と従業員の相互理解・相思相愛度合い)向上のニーズや、急速なデジタルトランスフォーメーション(以下、「DX」)に伴う個人のスキル強化のニーズはますます高まっていると認識しております。
このような経営環境下、当社グループの売上収益は7,947百万円(前年同期比100.0%)、売上総利益が4,019百万円(同105.3%)、営業利益が800百万円(同128.3%)、親会社の所有者に帰属する四半期利益が318百万円(同129.5%)となりました。
当社グループのセグメント区分と事業区分は次のとおりであり、当第1四半期連結累計期間におけるセグメント・事業別の概況は以下のとおりであります。
なお、当第1四半期連結会計期間より、事業区分・事業名称を変更しており、前年同期比較については、前年同期の数値を変更後の区分に組み替えた数値で比較しております。
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※株式会社リンクスタッフィングは、2022年4月1日に株式会社リンクエージェントに社名変更いたしました。
《組織開発ディビジョン》
組織開発ディビジョンでは、当社グループの基幹技術である“モチベーションエンジニアリング”を活用し、法人顧客を対象として、企業を取り巻くステークホルダー(社員・応募者・顧客・株主)との関係構築と関係強化を支援するサービスを展開しております。
当該セグメントでは、当第1四半期連結累計期間における売上収益は2,555百万円(同102.8%)、セグメント利益は1,833百万円(同103.1%)となりました。当第1四半期連結累計期間における事業別の概況は以下のとおりであります。
(コンサル・クラウド事業)
当該事業は、社員のモチベーションを組織の成長エンジンとする会社“モチベーションカンパニー”を世に多く創出することをコンセプトとして活動しております。サービス提供手法としては、独自の診断フレームに基づいて従業員エンゲージメントを診断し、採用・育成・制度・風土など、組織人事にかかわる変革ソリューションをワンストップで提供しております。また、クライアント企業自身が従業員エンゲージメントをマネジメントできるクラウドサービスとして、「モチベーションクラウドシリーズ」を展開しております。
当該事業における当第1四半期連結累計期間の売上収益は2,284百万円(同105.1%)、売上総利益は1,704百万円(同103.3%)となりました。
当第1四半期連結累計期間においては、従業員エンゲージメント向上に向けたニーズを着実に捉え、大手企業を中心にクラウド事業が伸長し、売上収益、売上総利益ともに前年同期比で増加しました。従業員の生産性向上がさらに求められる昨今、従業員エンゲージメントの向上や人材開発のニーズは増々高まっています。このニーズは長期化することが予想され、2000年の創業以来、多くの企業の組織変革を支援してきた当社グループにとって大きな機会であると捉えております。引き続き、新規顧客、特に大手企業への導入を推進し、顧客単価の向上及びさらなる成長を実現してまいります。
(IR支援事業)
当該事業は、企業の“モチベーションカンパニー創り”に向けて、IR領域を中心に様々なメディアやイベントを通じて、企業のコーポレートブランディング構築をワンストップで支援しています。具体的には、株主向けのアニュアルレポートなどの紙メディアや、IRページ等のWEBメディア、商品説明映像や株主総会動画配信などの映像メディアに加えて、株主総会をはじめとするリアル・バーチャルにおける場創りを行っております。
当該事業における当第1四半期連結累計期間の売上収益は350百万円(同89.7%)、売上総利益は171百万円(同96.6%)となりました。なお、当該事業は単一プロダクトになります。
当第1四半期連結累計期間においては、大型案件の納品タイミングの後ろ倒しに伴い、売上収益、売上総利益ともに前年同期を下回る結果となりました。
一方で、近年、非財務資本への注目が高まっており、非財務情報、特に「人的資本」の開示ニーズが高まっております。この流れを受け、今後は「人的資本」を中心に、「診断」「変革」の結果を「公表」するという形でコンサル・クラウド事業ともシナジーを創出してまいります。
《個人開発ディビジョン》
個人開発ディビジョンでは、主体的・自立的に自らのキャリアや人生を切り拓く個人を“アイカンパニー(自分株式会社)”と定義して、“アイカンパニー”の輩出を支援しております。具体的には、当社グループの基幹技術である“モチベーションエンジニアリング”をキャリアスクール・学習塾等のビジネスに適用し、小学生から社会人までを対象に、目標設定から個人の課題把握、学習プランの策定・実行に至るまでワンストップでサービスを提供しております。
当該セグメントの当第1四半期連結累計期間における売上収益は1,833百万円(同100.1%)、セグメント利益は813百万円(同124.7%)となりました。当第1四半期連結累計期間における事業別の概況は以下のとおりであります。
(キャリアスクール事業)
当該事業は、大学生や社会人を主な対象とした、パソコンスクールの「AVIVA」、資格スクールの「DAIEI」、外国語スクール「ロゼッタストーンラーニングセンター」、「ロゼッタストーンプレミアムクラブ」及び「ハミングバード」の5つのサービスブランドを掲げ、個人のキャリア向上を目的としたワンストップのサービスを提供しております。これまでは、教室での受講を主としていましたが、現在は通学・オンラインの両サービスを提供し、継続的な学びのサポートを実現しております。
当該事業における当第1四半期連結累計期間の売上収益は1,678百万円(同99.7%)、売上総利益は741百万円(同126.9%)となりました。
当第1四半期連結累計期間においては、DXに向けた従業員のスキル強化のニーズが高まり、企業内個人向けDX支援が前年同期比で206%と大きく成長しました。また、講座受講のオンライン化が進んだことによって、売上総利益が大幅に伸長し、効率的な経営を実現しています。
今後も引き続き、拠点のみに依存せず、バーチャル空間での価値提供によって受講者の成果創出を支援するとともに、ますます拡大が期待されるDX市場において、これまで培ってきたITスキル支援のノウハウや組織開発・マッチングディビジョンの顧客アセットも活用することで、さらなる成長を実現してまいります。
(学習塾事業)
当該事業は一般的な学習塾と異なり、生徒の学力向上はもちろん、世に多くの“アイカンパニー”を輩出することを事業コンセプトに展開しております。サービス内容としては中高生向けの学習塾「モチベーションアカデミア」を展開しており、単なる受験指導にとどまらず、社会で活躍するためのスキル開発の場を提供しております。さらに、中学受験生を対象にした個別指導学習塾「SS-1」を展開しております。将来的には、当社グループのキャリアスクール事業が持つ「プログラミング教育」や「英会話教育」といったアセットも活用し、小学生から高校生まで一気通貫で社会に役立つスキル開発の場を提供することを目指してまいります。また、キャリアスクール事業同様、緊急事態宣言発令や新しい生活様式を受けて、現在は通学・オンラインの両サービスを提供しています。
当該事業における当第1四半期連結累計期間の売上収益は154百万円(同104.3%)、売上総利益は71百万円(同105.1%)となりました。なお、当該事業は単一プロダクトになります。
当第1四半期連結累計期間においては、新規入会者数の回復によって受講者数が増加し、売上収益、売上総利益ともに前年同期比で増加となりました。
今後も引き続き、授業や面談のオンラインサービスのさらなるクオリティ向上によって新規入会者数を伸長させ、安定的なサービスを提供するとともに、従来の学習塾には成し得ない小学生から高校生までワンストップのサービス実現を目指してまいります。
《マッチングディビジョン》
マッチングディビジョンでは、当社グループの基幹技術である“モチベーションエンジニアリング”を人材紹介事業に転用した「エンゲージメント・マッチング」をコンセプトにサービスを展開しております。企業が求めるテクニカルスキル要件とのマッチングだけではなく、当社が保有するデータをもとに個人の特性と企業の特性とのマッチングを行うことで、定着率の高いマッチング、いわゆる「求人ニーズのある組織」と「キャリアアップをしたい個人」の相思相愛創りを実現しています。
当該セグメントの当第1四半期連結累計期間における売上収益は3,858百万円(同101.2%)、セグメント利益は1,647百万円(同106.1%)となりました。当第1四半期連結累計期間における事業別の概況は以下のとおりであります。
(ALT配置事業)
当該事業は、全国の小・中・高等学校の外国語指導講師(ALT:Assistant Language Teacher)の派遣及び英語指導の請負をサービスとして提供しております。また、顧客との信頼関係や実績が重視されるため、参入障壁が非常に高い本事業において、当社グループは民間企業で圧倒的なNo.1のシェアを確立しております。さらに、外国人雇用ニーズの高まりを捉え、外国人雇用を促進したい企業に外国人の採用・育成・労務サポートをワンストップで提供する事業を展開しております。
当該事業における当第1四半期連結累計期間の売上収益は3,194百万円(同96.6%)、売上総利益は987百万円(同93.5%)となりました。なお、当該事業は単一プロダクトになります。
当第1四半期連結累計期間においては、コロナ禍における休校の影響により、売上収益、売上総利益ともに前年同期比減となりました。
一方で、教員の英語授業準備効率化や英語力・指導力向上を目的として、2021年6月にリリースしたクラウドサービスである「Teachers Cloud」の利用学校数は着実に増加しております。利用学校数は、当第1四半期連結会計期間末で全国の公立の小・中・高等学校において5,000校に迫っており、2024年には全国の公立の小・中・高等学校の約45%にあたる14,000校への提供を計画しています。引き続き「Teachers Cloud」を教育現場におけるインフラとして拡大し、ALT配置事業のシェア拡大を実現してまいります。
(人材紹介事業)
当該事業では、組織の成長において必要となる人材を、人材紹介サービスという形で提供しております。主な事業としては、就職を希望している学生を企業の説明会や面接に接続させる新卒動員・紹介事業、転職を希望している社会人を企業とマッチングさせる中途紹介事業を行っております。
当該事業における当第1四半期連結累計期間の売上収益は667百万円(同129.7%)、売上総利益は662百万円(同131.8%)となりました。
当第1四半期連結累計期間においては、特に成長率の高いオープンワーク株式会社にて、コロナ禍でも登録ユーザー数、社員クチコミ・評価スコアデータ件数を着実に積み上げています。中でもダイレクト採用サービスは、転職市場が活発化している中、売上収益が前年同期比で約180%増加と大きく成長しています。今後も引き続き、組織開発ディビジョンの顧客基盤の活用や転職候補者のレジュメの増加に加え、マッチング率向上を実現することで、組織と個人の真の相互理解・相思相愛を実現する「エンゲージメント・マッチング」を加速してまいります。
《ベンチャー・インキュベーション》
当社グループでは、各ディビジョンの他に、ベンチャー・インキュベーションを展開しております。ベンチャー・インキュベーションでは、出資に加え、当社グループの組織人事コンサルティングのノウハウなどを提供し、上場を目指す成長ベンチャー企業を組織面からも支援しております。出資先の主な選定基準は、①“モチベーションカンパニー”創りへの共感、②株式上場を目指していること、の2点です。なお、ベンチャー・インキュベーションにて発生した売却益等は、要約四半期連結財政状態計算書のその他の資本の構成要素に計上いたします。
(2)財政状態の分析
当第1四半期連結会計期間末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ1,507百万円減少し、28,555百万円となりました。これは主として、東京統合拠点の移転に伴い、使用権資産が633百万円及びその他の長期金融資産が829百万円減少したこと等によるものです。
当第1四半期連結会計期間末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ1,627百万円減少し、19,786百万円となりました。これは主として、社会保険料に係る未払金の減少等に伴い、営業債務及びその他の債務が709百万円減少したことに加えて、未払法人所得税が301百万円、及びその他の流動負債が326百万円減少したこと等よるものです。
当第1四半期連結会計期間末の資本合計は、前連結会計年度末に比べ120百万円増加し、8,768百万円となりました。これは主として、剰余金の配当を実施した一方で、親会社の所有者に帰属する四半期利益を計上したことにより利益剰余金が106百万円増加したこと等によるものです。
(3)キャッシュ・フローの分析
当第1四半期連結累計期間において、現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は329百万円増加し、当第1四半期連結会計期間末の残高は5,247百万円となりました。
当第1四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローは次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当第1四半期連結累計期間において、営業活動により使用した資金は41百万円となりました(前年同期は482百万円の獲得)。これは主として、営業債権及びその他の債権の増減が前年同期に比べ492百万円減少したことにより資金が増加した一方で、減価償却費及び償却費が前年同期に比べ407百万円減少、営業債務及びその他の債務の増減が前年同期に比べ299百万円減少、法人税等の支払額が前年同期に比べ229百万円増加したことにより資金が減少したこと等によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当第1四半期連結累計期間において、投資活動により獲得した資金は748百万円となりました(前年同期は382百万円の使用)。これは主として、事業譲渡による収入が441百万円発生したこと、及び敷金及び保証金の返還による収入が前年同期に比べ836百万円増加したことにより資金が増加したこと等によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当第1四半期連結累計期間において、財務活動により使用した資金は前年同期より282百万円増加し、377百万円となりました。これは主として、長期借入れによる収入が前年同期に比べ1,294百万円増加したことにより資金が増加した一方で、短期借入金の純増減額が前年同期に比べ1,200百万円減少、及び長期借入金の返済による支出が前年同期に比べ554百万円増加したことにより資金が減少したこと等によるものです。
(4)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第1四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
(6)研究開発活動
該当事項はありません。