有価証券報告書-第9期(平成30年4月1日-平成31年3月31日)

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2019/06/26 16:46
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(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績、及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるグローバル経済は、米国や国内では雇用環境の改善や堅調な個人消費を背景に緩やかな回復基調が続いておりますが、米中間の貿易摩擦の深刻化に伴う金融資本市場への影響、中国や欧州経済の減速などにより、世界経済や個人消費の先行きは依然として不透明な状況が続いております。
このような事業環境の下、当社グループは事業の構造改革を実施し、AV事業とデジタルライフ事業の業務統合による設計・生産・販売までのプロセスの最適化や、事業拡大を見込むOEM事業、及びAI/IoT分野の強化に適した技術の部門編成を行い、効率的かつ機動性の高い組織体制への変革に取り組んでまいりました。
AV事業においては、欧州ではステレオレシーバーの販売が好調に推移したものの、欧州子会社における倉庫移管やAqipa GmbH(以下、「AQIPA 社」といいます。)への事業譲渡時の出荷体制整備の遅れに伴う販売の機会損失が発生しました。国内では高付加価値のUltra HD ブルーレイ再生に対応したユニバーサルディスクプレーヤーが伸長しておりますが、ホームオーディオ市場全体では縮小傾向が続いております。北米では主力AVレシーバーが各販売チャネルで堅調に推移し、オンキヨーブランド、パイオニアブランドともに高い市場プレゼンスを維持しております。
デジタルライフ事業においては、補聴器や集音器といった潜在需要の高い聴こえサポートの商品群や、ノイズキャンセリングイヤホンやワイヤレスイヤホンに代表される高付加価値製品の販売が堅調に推移しました。
OEM事業においては、有機ELや8Kテレビへの当社製スピーカーや音質チューニングの提供による付加価値提案を強化しております。また、生産拡大と競争力の向上を進めるインド合弁会社では、販売のネットワーク構築と生産体制の整備を進めました。
新規分野ではAI/IoT化する生活用品・家電製品のソリューション開発に取り組み、音の再生方法に自由度が広がる加振器と音声技術を組み合わせた用途提案等を通じて、顧客ニーズの獲得と販売拡大を図っております。さらには、他社商品や他業種のコールセンター・修理の業務受託サービスを展開することで、広く生活情報を吸収して知見の幅を広げる取り組みも進めました。
以上の結果、当連結会計年度における売上高は前年同期比14.9%減収の43,836百万円となりました。営業損益につきましては前年同期比28百万円減益の1,052百万円の営業損失となり、経常損益は前年同期比270百万円改善の1,676百万円の経常損失となりました。また、親会社株主に帰属する当期純損益につきましては、投資有価証券売却益1,648百万円、減損損失867百万円等を特別損益に、圧縮記帳積立金取崩による655百万円を含む法人税等調整額839百万円を計上し、親会社株主に帰属する当期純利益は前年同期比3,461百万円増益の34百万円となりました。
また、当期末における総資産は、現金及び預金の減少6,166百万円、受取手形及び売掛金の増加1,969百万円、たな卸資産の減少3,039百万円及び投資有価証券の売却1,600百万円等により、10,668百万円減少の21,003百万円となりました。
負債は、主に支払手形及び買掛金の減少4,570百万円や未払金の減少2,273百万円及び新株予約権付社債の減少2,000百万円等により、10,540百万円減少の18,430百万円となりました。
純資産は、親会社株主に帰属する当期純利益の計上等による利益剰余金の増加377百万円、資本金の増加398百万円、その他有価証券評価差額金の減少515百万円、土地再評価差額金の減少342百万円等により、前年同期比128百万円減少の2,572百万円となりました。
なお、当社グループは、「第2 事業の状況 1.経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3)目標とする経営指標」において、有利子負債から現金及び現金同等物を控除したネットデットをゼロとすることを目標としておりますが、当連結会計年度においては3,049百万円となり、前年同期比3,603百万円の増加となりました。

セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
AV事業
AV事業における売上高は、欧州ではステレオレシーバー、国内ではUltra HDブルーレイ再生に対応したユニバーサルディスクプレーヤーが好調に推移しました。北米では主力AVレシーバーが大手量販と専門性の高いカスタムインストレーションの各販売チャネルで堅調に推移しましたが、国内市場の縮小や欧州子会社における倉庫移管やAQIPA 社への事業譲渡時の出荷体制整備の遅れに伴う販売の機会損失、及び子会社売上高の減少等により、前年同期比14.2%減収の29,726百万円となりました。
損益につきましては、構造改革や欧州子会社の事業譲渡による販売効率の強化が進んだものの、売上高減少による売上総利益の減少が響き、前年同期比810百万円減益の1,784百万円のセグメント利益にとどまりました。
デジタルライフ事業
デジタルライフ事業における売上高は、欧州・国内ともに高付加価値のワイヤレスイヤホンが好調に推移し、国内では聴こえサポート商品が安定した販売を続けたものの、AV事業と同様に欧州における販売の機会損失の発生と子会社売上高の減少、及び国内を中心に不採算モデルの整理を進めた結果、前年同期比32.9%減収の6,736百万円となりました。
損益につきましては、構造改革やAV事業との企画・生産・品質管理・販売までの業務統合による効率化やオペレーションの整備が進み、不採算モデルの早期処分や販売促進・研究開発の関連費用の見直しによる利益確保の施策を進めたことから、前年同期比838百万円改善の146百万円のセグメント利益となりました。
OEM事業
OEM事業における売上高は、基幹カテゴリの車載用スピーカーや「Sound by Onkyo」などのサブブランドを付したテレビ用スピーカーの販売が伸長し、コールセンター・修理の業務受託サービスが堅調に推移したことから、前年同期比7.4%増収の7,373百万円となりました。
損益につきましては、インド合弁会社の生産移管の遅れに伴う操業度のロスや、加振器・AI/IoTの戦略分野に関する投資費用に加え、業務受託関連サービスの費用が増加したこと等により、前年同期比347百万円悪化の379百万円のセグメント損失となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当期末における現金及び現金同等物(以下「キャッシュ」)の残高は、5,684百万円減少の1,478百万円となりました。当期に係る区分ごとのキャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当期における営業活動によるキャッシュ・フローは、6,823百万円の減少となりました。これは主に、仕入債務の減少等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当期における投資活動によるキャッシュ・フローは、4,751百万円の増加となりました。これは主に、投資有価証券の売却等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当期における財務活動によるキャッシュ・フローは、3,601百万円の減少となりました。これは主に、長期借入金の返済等によるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
a. 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2018年4月1日
至 2019年3月31日)
前年同期比(%)
AV事業(百万円)6,210118.5
OEM事業(百万円)4,03077.7
合計(百万円)10,24098.2

(注1) 金額は販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。
(注2) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b.受注状況
当社グループは見込生産を行っているため、該当事項はありません。
c.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2018年4月1日
至 2019年3月31日)
前年同期比(%)
AV事業(百万円)29,726△14.2
デジタルライフ事業(百万円)6,736△32.9
OEM事業(百万円)7,3737.4
合計(百万円)43,836△14.9

(注1) セグメント間の取引については相殺消去しております。
(注2) 主な相手先の販売実績及び当期販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
なお、前連結会計年度におけるONKYO U.S.A. CORPORATION、Aqipa GmbH及び当連結会計年度における株式会社エクセルについては、総販売実績に対する割合が100分の10未満のため記載を省略しております。
相手先前連結会計年度当連結会計年度
販売高(百万円)割合(%)販売高(百万円)割合(%)
株式会社エクセル6,93613.5--
ONKYO U.S.A. CORPORATION--11,30425.8
Aqipa GmbH--6,24814.3

(注3) 上記の金額には、消費税は含まれておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表はわが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成しております。その作成には経営者による会計方針の採用や、資産・負債及び収益・費用の計上並びに開示に関する経営者の見積りを必要とします。経営者は、これらの見積りについて過去の実績等を勘案して合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。 当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等(1)連結財務諸表 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当連結会計年度(以下、「当期」)における売上高は、欧州子会社における倉庫移管やAQIPA 社への事業譲渡時の出荷体制整備の遅れに伴う販売の機会損失、及び子会社売上高の減少等により、前年同期比14.9%減収の43,836百万円となりました。一方、営業損益につきましては、AV事業やデジタルライフ事業の売上高減少による売上総利益の減少に加え、インド合弁会社の生産移管の遅れに伴う操業度のロス、加振器・AI/IoTの戦略分野に関する投資費用や業務受託関連サービスの費用が増加したこと等により、前年同期比28百万円減益の1,052百万円の営業損失となりました。
③営業外損益及び経常利益
当期における営業外収益は、受取配当金27百万円、持分法による投資利益25百万円、受取保険金30百万円、社債償還益28百万円及び債務勘定整理益33百万円等により224百万円となりました。また、営業外費用は、主に前半期におけるEUR/USDのクロスレートの悪化による為替差損408百万円、金融関連等の支払手数料182百万円及び支払利息146百万円等を計上した結果、849百万円となりました。以上により、経常損益は1,676百万円の損失となり、前年同期比270百万円の増益となりました。
④特別損益及び当期純利益
当期における特別利益は、投資有価証券売却益1,648百万円等により1,914百万円の特別利益となりました。一方、特別損失は、減損損失867百万円及び投資有価証券評価損261百万円等を計上した結果、1,158百万円となりました。
また、圧縮記帳積立金取崩による655百万円を含む法人税等調整額839百万円及び非支配株主に帰属する当期純損失173百万円を計上した結果、親会社株主に帰属する当期純損益は34百万円の利益となり、前年同期比3,461百万円の増益となりました。
⑤ネットデット
当社グループは、有利子負債から現金及び現金同等物を控除したネットデットをゼロとすることを経営指標としております。当期におけるネットデットは、前年同期比3,603百万円増加の3,049百万円となりました。これは、一部有利子負債の減少はあるものの、営業活動によるキャッシュ・フローの減少等により、期末の現金及び現金同等物が有利子負債の減少を上回ったことによるものであります。
(3) 経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第一部 企業情報 第2 事業の状況 2.事業等のリスク」に記載のとおりであります。
(4) 資本の財源及び資金の流動性についての分析
① 資産、負債及び純資産の状況
当期末における総資産は、10,668百万円減少の21,003百万円となりました。これは、現金及び預金の減少6,166百万円、受取手形及び売掛金の増加1,969百万円、たな卸資産の減少3,039百万円及び投資有価証券の売却1,600百万円等によるものであります。
負債の金額は、10,540百万円減少の18,430百万円となりました。これは、支払手形及び買掛金の減少4,570百万円や未払金の減少2,273百万円及び新株予約権付社債の減少2,000百万円等によるものであります。
純資産につきましては、親会社株主に帰属する当期純利益の計上等による利益剰余金の増加377百万円、資本金の増加398百万円、その他有価証券評価差額金の減少515百万円、土地再評価差額金の減少342百万円等により、前年同期比128百万円減少の2,572百万円となり、自己資本比率は10.8%となりました。

② キャッシュ・フローの状況
当期末における現金及び現金同等物の残高は、5,684百万円減少の1,478百万円となりました。
これは主に、仕入債務の減少等により営業活動によるキャッシュ・フローが6,823百万円減少しましたが、投資有価証券の売却等により投資活動によるキャッシュ・フローが4,751百万円増加しました。しかし長期借入金の返済及び未払金の支払により財務活動によるキャッシュ・フローが3,601百万円の減少となったことによるものであります。
(5) 経営者の問題認識と今後の方針について
事業ポートフォリオの見直しにより、将来の成長に向けた収益体質の確立と財務体質の抜本的な改革を図り、デジタルライフ事業・OEM事業が事業の柱となるよう経営資源を集中していくことが、将来の成長に向けた課題であると認識しております。
当社は経営理念(ビジョン)として「VALUE CREATION」を掲げております。創業以来、人類の共通語ともいえる音楽の理想的な再生装置の開発を目指してきました。そういった長年のものづくりで培ってきた技術やノウハウに “新しい何かを加えること(+Something NEW)” で、新たな価値提案を行い、驚きと感動を提供していくことを目標とし、下記の「経営方針」の達成に向けて真剣な取り組みを続けてまいります。こうした技術及び姿勢を、今後ますますの発展が見込まれるデジタルライフ事業及びOEM事業に活かすことでさらに伸長させてまいります。
① 世界の市場で最高水準の品質と性能を維持し、心の琴線に触れる商品・サービスを提供し続けます。
② 環境との共生、調和をスローガンとし、広く社会から信頼される企業活動を行います。
③ グループ全体で経営効率の向上を図り、利益を創出することで、企業価値の向上に努めます。
(6) 重要事象等について
当社グループは、2013年度より経常損失が継続しており、当連結会計年度においても1,676百万円の経常損失を計上しております。また、取引先に対する営業債務の支払遅延が2019年3月末現在で3,874百万円存在しております。当該状況により、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況が存在しております。
当該状況を早期に解消するため、当社グループは構造改革による固定費削減や、設計・生産・販売までの徹底した効率化を行い、また欧州子会社の事業譲渡によって運転資金の改善を図る等、財務基盤の強化を進めてまいりました。
さらに、将来の成長に向けた収益体質の確立と、財務体質の抜本的な改革を図るため、経営改善施策として事業ポートフォリオの見直しを進めてまいりました。その結果、十分な運転資金を確保し、支払遅延の速やかな解消、既存借入金の返済、及び事業再生に向けたデジタルライフ事業・OEM事業への集中投資を図ることが、当社の持続的な成長にとって最適な選択肢であると判断し、2019年5月21日付にて当社ホームAV事業の譲渡契約を締結いたしました。本株式譲渡及び本事業譲渡の概要については、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(重要な後発事象)」に注記しております。
さらに当該財務体質の改善をより確実なものとするために、積極的なエクイティファイナンスを実施すべく、現在特定の相手先と協議を行っております。また、2019年6月26日開催の当社定時株主総会において、発行可能株式総数を拡大する定款の一部変更の議案が承認されており、将来の事業拡大に備えた機動的な資金調達を図ってまいります。
なお、主要な仕入取引先や借入先に対しては、本施策について丁寧な説明を行い、相手先からは概ね良好な反応を得られております。
また、今後はデジタルライフ事業での商品販売戦略の再構築、OEM事業の拡大による収益性の改善を図り、成長の柱となるよう経営資源を集中してまいります。

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