有価証券報告書-第36期(令和2年1月1日-令和2年12月31日)
(1)経営成績等の状況の概要
①財政状態及び経営成績の状況
当社グループ(当社及び当社の連結子会社)が主に事業を展開しております医療業界におきましては、新型コロナウイルス感染症の影響で、今なお多くの医師をはじめとする医療スタッフの懸命な治療と感染防止の取り組みが行われております。また、感染症拡大を背景とする外来患者の減少により一時的に医療収益が減少している中で、オンライン診療のようにICTを活用した新しい診療の在り方が広まりつつあり、今後医療機関のシステムの在り方も新しいものに変化していくであろうと思われます。
このような環境の中、当社では、医療用データマネジメントシステムClaio(クライオ)や文書作成システムDocuMaker(ドキュメーカー)から放射線部門システムまでを含めた統合ソリューションをワンストップに導入できることを強みに、大学病院をはじめとする大規模病院や地域中核病院等への販売・導入に注力するとともに、新たな代理店の開拓や既存代理店の取り扱い製品の拡大にも鋭意取り組み、事業の中心である医療情報システムソリューションでは病院案件94件及び診療所案件83件の新規導入、製品追加導入及びシステム更新を行いました。
2020年は期初の業績予想(2020年2月13日公表)に対して順調に推移し、売上高4,210,000千円の予想に対し実績4,004,859千円(対業績予想比4.9%減)ながら、営業利益は580,000千円に対し636,283千円(同9.7%増)、経常利益は583,000千円に対し643,362千円(同10.4%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は378,000千円に対し430,457千円(同13.9%増)と、コロナ禍の厳しい環境にあっても安定した技術力をもって効率的な経営を行うことができました。当社単体でも、売上高4,100,000千円の予想に対し実績3,982,323千円(対業績予想比2.9%減)、経常利益は658,000千円に対し738,919千円(同12.3%増)、当期純利益は454,000千円に対し514,871千円(同13.4%増)となりました。
なお、当連結会計年度の経営成績における前年同期比は売上高6.5%減、営業利益14.4%減、経常利益13.8%減、親会社株主に帰属する当期純利益13.8%減となり、単体では、売上高は前年同期比6.1%減、経常利益11.8%増、当期純利益13.3%増となりました。
当連結会計年度における売上の構成は下表のとおりであります。
当社はシステムメーカーとして、ソフトウエアの開発及び販売に主眼をおいております。したがって、ハードウエアの取り扱いはソフトウエアの販売に付随して行われるものであり、ハードウエアのみの販売は原則として行っておりません。なお、サポート等の販売額は、電子カルテREMORAのライセンス料を含んでおります。
(注)1.上記の金額には消費税等は含まれておりません。
2.「調整額」はセグメント間取引消去によるものです。
セグメント別の経営成績は、以下のとおりであります。
<システム開発事業>システム開発事業の経営成績は、新型コロナウイルス感染症により医療機関への出入りが制限された時期もありましたが、年間を通じて着実に案件を獲得し、売上高3,986,582千円、セグメント利益(営業利益)851,516千円となりました。なお前年同期比は、売上高5.8%減、セグメント利益(営業利益)0.6%減であります。
医療システム領域において、当社製品は高度な医療を提供する大学病院をはじめとした大規模病院において既に高い評価と安定したシェアを維持しており、病院の中核システムとして、診療に欠かすことのできない重要な役割を担っております。
これまで当社では多くの病院情報システムソリューションで院内に散在する患者情報を統合管理してきましたが、これらの情報を分かりやすく表示するポータルシステムClaioDashboardもラインナップに加わりました。ClaioDashboardでは、医師は診察時に様々な患者情報を即座に閲覧することが可能で、昨今話題となっている放射線検査などの重要所見の見落としを防止する機能も備わっております。皮切りとして2020年には大学病院2件及び大規模病院1件に導入いたしましたが、こうした機能の需要は今後ますます高まることが予見され、現段階においても多くの医療機関で導入が検討されております。
オフィスシステム領域においては、文書管理システムDocuMaker Officeを中心とする製品販売に取り組みました。
当連結会計年度においては、自治体パッケージが3案件、企業向けパッケージが1案件稼働し、2021年の商談も1月末時点で既に5件が進捗しており、自治体でも広がるテレワークへの対応に加え業務改善ソリューションとして多くの引き合いを頂いております。
医療機関のバックオフィス向けDocuMaker Officeは、2021年1月に稼働を開始した案件に加え、上期に稼働予定の案件が既に2件進行しております。今後は当社の既存ユーザーである大規模・中規模医療機関を中心に販売を拡大していくことで、医療機関のバックオフィスを支援するシステムとして、デファクトスタンダードの地位を確立してまいります。
<ヘルステック事業>ヘルステック事業の経営成績は、売上高21,247千円(前年同期比67.4%減)、セグメント損失(営業損失)215,233千円(前年同期のセグメント損失113,254千円)となりました。
当セグメントにおいては、視線分析型視野計GAP-screener(ゲイズアナライジングペリメーター、医療機器製造販売届出番号 38B2X10003000003)の販売を既に開始しております。さらに、その上位版である眼科医療機関向けGAP(同届出番号 38B2X10003000002)の京都大学での臨床研究や試験導入においても予想以上の成果が得られ、製品の機能強化と自社開発ヘッドマウントディスプレイの量産も計画通り進捗しております。
映像解析AI領域においては、午睡(保育園における乳幼児のお昼寝)時の見守りと記録業務支援を目的とした午睡モニタリングシステム「ベビモニ」を販売しております。ベビモニは、カメラ映像をAIで解析することで、同時に複数人の午睡を見守ることが可能となる製品であります。2020年11月に開催された「BabyTech® Award Japan 2020 powered by DNP 大日本印刷」では、コロナ禍における非接触型であることのメリットや、AIを活用した現場への貢献度が評価され、安全対策と見守り部門の優秀賞に選ばれました。今後も販売代理店の開拓等、さらなる販売拡大を目指してまいります。
また、新たに新型コロナウイルス感染症対策向け健康管理サービス「Wellness Passport」を開発し、販売を開始しました。現在、コロナ禍におけるイベント開催は非常に難しい状況にあり、スポーツ大会や各種イベントの中止も相次いでおります。イベントが開催された場合においても、安全性を確保しつつスムースな運営を行うことは大変な努力と工夫を要します。
Wellness Passportは、イベント前から各自が健康データを登録・管理することで、当日の本人確認や直近の健康データのチェックを、非接触で行うことが可能となる製品であります。本製品を活用することで、イベント参加者や運営スタッフ、地域の方々など、様々な関係者の安全に配慮するとともに、スムースなイベント運営を実現します。既に2020年10月開催のスポーツイベントで導入され好評を頂いており、今後もさらなる開発及びユーザーの獲得を行ってまいります。
ベビモニ・Wellness Passportの両製品とも“アフターコロナのニューノーマル”に対応する製品として、今後市場の開拓・拡大に努めてまいります。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、1,972,330千円(前連結会計年度末比10.9%増)となり、前連結会計年度末に比べて194,325千円増加しました。各キャッシュ・フローの状況と増減要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、前連結会計年度に比べ1,127,460千円減少し、542,550千円となりました。これは主として、税金等調整前当期純利益が644,362千円、市場販売目的のソフトウエアの償却費294,545千円に対し、売上債権の増加による減少161,830千円、たな卸資産の増加による減少173,380千円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、前連結会計年度に比べ221,399千円減少し、146,266千円となりました。これは主として、無形固定資産(主に市場販売目的のソフトウエア)の取得による支出227,127千円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、前連結会計年度に比べ5,367千円減少し、201,957千円となりました。これは主として、配当金の支払による支出206,700千円によるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.生産高は、当期総製造費用によっております。
2.当連結会計年度において、ヘルステック事業の生産高に著しい変動がありました。これは、販売開始に備えて視線分析型視野計GAPの量産を開始したことによるものであります。
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b.受注実績
当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.「調整額」は、セグメント間取引消去によるものであります。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①財政状態の分析
(資産の状況)
当連結会計年度末における資産の残高は3,796,913千円となり、前連結会計年度末より331,946千円増加しました。
イ.流動資産
流動資産は、現金及び預金の増加194,325千円及び受取手形及び売掛金の増加161,830千円を主たる要因とし、当連結会計年度末残高3,150,971千円(前連結会計年度末比518,791千円増)となりました。
ロ.固定資産
固定資産は、ソフトウエアの償却による減少73,668千円及びのれんの償却による減少28,801千円による無形固定資産の減少102,469千円と、投資有価証券の減少200,000千円に対する敷金の増加96,042千円による投資その他の資産の減少90,126千円を主たる要因とし、当連結会計年度末残高645,941千円(前連結会計年度末比186,845千円減)となりました。
(負債の状況)
当連結会計年度末における負債の残高は723,628千円となり、前連結会計年度末より101,230千円増加しました。
イ.流動負債
流動負債は、未払金の増加77,936千円に対し、未払法人税等の減少47,857千円を主たる要因とし、当連結会計年度末残高534,147千円(前連結会計年度末比46,631千円増)となりました。
ロ.固定負債
固定負債は、長期前受金の増加27,763千円と株式給付引当金の増加26,844千円を主たる要因とし、当連結会計年度末残高189,480千円(前連結会計年度末比54,599千円増)となりました。
(純資産の状況)
当連結会計年度末における純資産の残高は、3,073,285千円となり、前連結会計年度末より230,715千円増加しました。これは主に利益剰余金の増加224,198千円によるものであります。
②経営成績の分析
(売上高)
当連結会計年度の売上高は、4,004,859千円となりました。ソフトウエア及びハードウェアの売上高は引き続き堅調に推移するとともにメンテナンス及びライセンスの売上高が前年同期と比較して10.7%増加したことにより今後のストック収益の基盤を拡大いたしました。
また、代理店販売も着実に実績を伸ばし代理店数も引き続き増加いたしました。
(売上総利益)
当連結会計年度の売上総利益は、2,119,676千円となりました。また、売上総利益率は52.9%となりました。導入経費の増加により売上総利益率はわずかに低下しました。
(営業利益)
当連結会計年度の営業利益は、636,283千円となりました。販管費率は前年と同程度となりましたが、売上原価率の増加に伴い営業利益率は低下し、15.9%となりました。
(経常利益)
当連結会計年度の経常利益は、643,362千円となりました。営業利益率と同様に経常利益率は低下し、16.1%となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は、430,457千円となりました。また、親会社株主に帰属する当期純利益率は10.7%となりました。
③キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
a.キャッシュ・フロー
「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。
主な資金需要は、研究開発に係る人件費のほか、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。
運転資金は原則として営業活動によるキャッシュ・フローにより賄われておりますが、状況に応じて直接金融並びに間接金融を利用していく方針であります。
b.有利子負債
当連結会計年度末の有利子負債はありません。
c.コミットメントライン
当社は、取引銀行との間でコミットメントラインの設定はしておりません。
④重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たり、見積りが必要となる事項の詳細につきましては、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。
⑤経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、成長性・収益性については売上高経常利益率を、資本効率についてはROE(株主資本利益率)を経営の重点指標としており、これらの改善及び向上を行うことを目標としております。
当社グループの経営陣は、現在の事業環境及び入手可能な情報に基づき最善の経営方針を立案し、企業価値を最大限に高めるべく努めております。
今後も当社グループでは、「価値ある技術創造で社会を豊かにする」という企業理念のもと、経営の効率性、健全性及び透明性を確保し、事業資本の最大化及び株主の皆様や顧客をはじめ社会から高い信頼と評価を得る会社の実現を目指してまいります。
(3)セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
2021年業績予想は通期で、売上高4,600,000千円(前年同期比14.9%増)、営業利益1,010,000千円(同58.7%増)、経常利益1,010,000千円(同57.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益700,000千円(同62.6%増)を見込んでおります。
なお、2021年は例年通り下期に案件が集中しており、上期は、売上高2,196,000千円(前年同期比2.8%減)、営業利益400,000千円(同27.7%減)、経常利益400,000千円(同28.0%減)、親会社株主に帰属する当期純利益275,000千円(同26.8%減)、下期は、売上高2,404,000千円(前年同期比37.8%増)、営業利益610,000千円(同631.4%増)、経常利益610,000千円(同593.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益425,000千円(同675.2%増)を計画しております。
既にお知らせしましたとおり、2021年4月1日には京都大学の事業子会社である京大オリジナル株式会社と、フィッティングクラウド株式会社を連結子会社として設立いたします。同社は、医療機関に求められる病院間での情報連携、診療データの管理分析に加え、患者と病院の新しいコミュニケーションをクラウドで実現するべく、様々な研究開発機関とのアライアンスをもって医療・ヘルステック領域を越えた研究開発に資するプラットフォーム企業を目指します。
さらに、横浜市立大学発のベンチャー企業である株式会社CROSS SYNCとの資本提携や、ブロックチェーン技術と世界的な情報交換プラットフォームを持つDigital Entertainment Asset社への出資など、大学や高い技術を有する企業との連携も強化しております。双方の持つ強みを活かして強力なシナジーを生み出すとともに、医療業界における新しいIT環境の在り方や医療・ヘルスケアデータを活用した価値を提供してまいります。
<システム開発事業>システム開発事業の財政状態は、セグメント資産3,588,624千円(前年同期比0.8%増)となりました。また、経営成績は、売上高3,986,582千円(前年同期比5.8%減)、セグメント利益(営業利益)851,516千円(同0.6%減)となりました。
医療情報システム市場において当社製品ラインナップは、常に最先端にしてスタンダードであります。特に当社の主力製品であるClaio及びDocuMakerは、院内の診療科を跨いで様々な医療機器・システムと繋がることで患者情報を一元管理し、診療の効率化と質の向上を実現する病院向けソリューションの中核となる製品であります。また、昨今注目が集まる画像検査の重要所見の見落とし防止に貢献する既読管理システムへのニーズも高まっており、当社製品がカバーする範囲も拡大しております。
また、2021年には京都支店及び新潟支店の開設も予定しており、これまで以上に販売網を拡大させるとともに、クラウド化やオンライン診療に資する製品開発も含めた研究開発体制の強化に取り組んでまいります。
オフィスシステム領域においては、DocuMaker Officeを中心に販売拡大に取り組んでまいります。
DocuMaker Office自治体パッケージにおいては、テレワークの導入が進み働き方が多様化する中、紙文書の電子化や電子決裁、文書の発生から廃棄に至るまでの管理など文書管理のニーズは高まっております。特に2020年以降、政府がDX(デジタルトランスフォーメーション)や脱ハンコなどを推進していることもあり、電子決裁システムの導入が多くの自治体で検討されております。DocuMaker Officeはまさに自治体特有の電子決裁業務や公文書管理のニーズにマッチした製品であり、自治体や同様の運用を行う公的企業からの引き合いも増加しております。今後さらにニーズが高まることが予見されることから、代理店も含めた販売・導入体制を強化し、さらなる販売拡大に取り組んでまいります。
医療機関のバックオフィス向けDocuMaker Officeは、医療機関の職員が行う様々な申請や事務手続きを電子化し効率化に寄与するソリューションであります。大規模病院にあっても、いまだ紙の申請書類を回付している施設は多く、当社の強みである医療機関特有の運用についての理解を背景とする幅広い提案力をもって、さらなる販売拡大に鋭意取り組んでまいります。
<ヘルステック事業>ヘルステック事業の財政状態は、セグメント資産312,378千円(前年同期比178.9%増)となりました。また、経営成績は、売上高21,247千円(前年同期比67.4%減)、セグメント損失(営業損失)215,233千円(前年同期のセグメント損失113,254千円)となりました。
当セグメントにおいては、眼科医療機関向けGAPの機能強化と自社開発ヘッドマウントディスプレイの量産も計画通り進捗しております。GAPが担う役割やGAPがもたらす価値は唯一無二であります。GAPはこれまでの視野検査装置よりも患者の負担が軽く、短時間で検査可能な上、コンパクトな装置で安価に準備が可能なことから、視野検査が劇的に受けやすくなり、健康診断や集団検診での利用、僻地や無医村、ひいては世界のあらゆる地域での利用が可能になると考えております。これにより、失明原因として最も多いと言われる緑内障の早期発見に有効に利用され世界中の人々の目の健康を保つことに加え、これまで集めることのできなかった“世界中の初期視野異常に関するデータの集積と分析”が可能となります。これらのデータは、製薬企業や生命保険会社、医療機関などの様々な業種で活用され、創薬や検査、自動画像診断などの新しい価値を創造することができることが期待されております。
同製品は海外での販売も計画しております。ヨーロッパにおいては、2019年に「欧州白内障屈折外科学会」に出展し高い評価を得るとともに、既に流通ルートや総販売代理店の確保も終えており、ヨーロッパの薬事承認を得次第、販売可能な状況まで進捗しております。引き続き、さらなる製品機能の向上を図ると共に、ヘルステックビジネスの柱となる事業へと成長させてまいります。
①財政状態及び経営成績の状況
当社グループ(当社及び当社の連結子会社)が主に事業を展開しております医療業界におきましては、新型コロナウイルス感染症の影響で、今なお多くの医師をはじめとする医療スタッフの懸命な治療と感染防止の取り組みが行われております。また、感染症拡大を背景とする外来患者の減少により一時的に医療収益が減少している中で、オンライン診療のようにICTを活用した新しい診療の在り方が広まりつつあり、今後医療機関のシステムの在り方も新しいものに変化していくであろうと思われます。
このような環境の中、当社では、医療用データマネジメントシステムClaio(クライオ)や文書作成システムDocuMaker(ドキュメーカー)から放射線部門システムまでを含めた統合ソリューションをワンストップに導入できることを強みに、大学病院をはじめとする大規模病院や地域中核病院等への販売・導入に注力するとともに、新たな代理店の開拓や既存代理店の取り扱い製品の拡大にも鋭意取り組み、事業の中心である医療情報システムソリューションでは病院案件94件及び診療所案件83件の新規導入、製品追加導入及びシステム更新を行いました。
2020年は期初の業績予想(2020年2月13日公表)に対して順調に推移し、売上高4,210,000千円の予想に対し実績4,004,859千円(対業績予想比4.9%減)ながら、営業利益は580,000千円に対し636,283千円(同9.7%増)、経常利益は583,000千円に対し643,362千円(同10.4%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は378,000千円に対し430,457千円(同13.9%増)と、コロナ禍の厳しい環境にあっても安定した技術力をもって効率的な経営を行うことができました。当社単体でも、売上高4,100,000千円の予想に対し実績3,982,323千円(対業績予想比2.9%減)、経常利益は658,000千円に対し738,919千円(同12.3%増)、当期純利益は454,000千円に対し514,871千円(同13.4%増)となりました。
なお、当連結会計年度の経営成績における前年同期比は売上高6.5%減、営業利益14.4%減、経常利益13.8%減、親会社株主に帰属する当期純利益13.8%減となり、単体では、売上高は前年同期比6.1%減、経常利益11.8%増、当期純利益13.3%増となりました。
当連結会計年度における売上の構成は下表のとおりであります。
当社はシステムメーカーとして、ソフトウエアの開発及び販売に主眼をおいております。したがって、ハードウエアの取り扱いはソフトウエアの販売に付随して行われるものであり、ハードウエアのみの販売は原則として行っておりません。なお、サポート等の販売額は、電子カルテREMORAのライセンス料を含んでおります。
| 販売・サービス種類別 | 販売額(千円) | 構成比(%) | 前年同期比(%) |
| システム開発事業 | |||
| ソフトウエア (うち代理店販売額) | 2,260,112 (457,872) | 56.4 | 91.5 |
| ハードウエア (うち代理店販売額) | 266,427 (22,684) | 6.7 | 60.0 |
| サポート等 | 1,460,042 | 36.5 | 110.7 |
| ヘルステック事業 | 21,247 | 0.5 | 32.6 |
| 調整額(注)2 | △2,970 | △0.1 | - |
| 合計 | 4,004,859 | 100.0 | 93.5 |
(注)1.上記の金額には消費税等は含まれておりません。
2.「調整額」はセグメント間取引消去によるものです。
セグメント別の経営成績は、以下のとおりであります。
<システム開発事業>システム開発事業の経営成績は、新型コロナウイルス感染症により医療機関への出入りが制限された時期もありましたが、年間を通じて着実に案件を獲得し、売上高3,986,582千円、セグメント利益(営業利益)851,516千円となりました。なお前年同期比は、売上高5.8%減、セグメント利益(営業利益)0.6%減であります。
医療システム領域において、当社製品は高度な医療を提供する大学病院をはじめとした大規模病院において既に高い評価と安定したシェアを維持しており、病院の中核システムとして、診療に欠かすことのできない重要な役割を担っております。
これまで当社では多くの病院情報システムソリューションで院内に散在する患者情報を統合管理してきましたが、これらの情報を分かりやすく表示するポータルシステムClaioDashboardもラインナップに加わりました。ClaioDashboardでは、医師は診察時に様々な患者情報を即座に閲覧することが可能で、昨今話題となっている放射線検査などの重要所見の見落としを防止する機能も備わっております。皮切りとして2020年には大学病院2件及び大規模病院1件に導入いたしましたが、こうした機能の需要は今後ますます高まることが予見され、現段階においても多くの医療機関で導入が検討されております。
オフィスシステム領域においては、文書管理システムDocuMaker Officeを中心とする製品販売に取り組みました。
当連結会計年度においては、自治体パッケージが3案件、企業向けパッケージが1案件稼働し、2021年の商談も1月末時点で既に5件が進捗しており、自治体でも広がるテレワークへの対応に加え業務改善ソリューションとして多くの引き合いを頂いております。
医療機関のバックオフィス向けDocuMaker Officeは、2021年1月に稼働を開始した案件に加え、上期に稼働予定の案件が既に2件進行しております。今後は当社の既存ユーザーである大規模・中規模医療機関を中心に販売を拡大していくことで、医療機関のバックオフィスを支援するシステムとして、デファクトスタンダードの地位を確立してまいります。
<ヘルステック事業>ヘルステック事業の経営成績は、売上高21,247千円(前年同期比67.4%減)、セグメント損失(営業損失)215,233千円(前年同期のセグメント損失113,254千円)となりました。
当セグメントにおいては、視線分析型視野計GAP-screener(ゲイズアナライジングペリメーター、医療機器製造販売届出番号 38B2X10003000003)の販売を既に開始しております。さらに、その上位版である眼科医療機関向けGAP(同届出番号 38B2X10003000002)の京都大学での臨床研究や試験導入においても予想以上の成果が得られ、製品の機能強化と自社開発ヘッドマウントディスプレイの量産も計画通り進捗しております。
映像解析AI領域においては、午睡(保育園における乳幼児のお昼寝)時の見守りと記録業務支援を目的とした午睡モニタリングシステム「ベビモニ」を販売しております。ベビモニは、カメラ映像をAIで解析することで、同時に複数人の午睡を見守ることが可能となる製品であります。2020年11月に開催された「BabyTech® Award Japan 2020 powered by DNP 大日本印刷」では、コロナ禍における非接触型であることのメリットや、AIを活用した現場への貢献度が評価され、安全対策と見守り部門の優秀賞に選ばれました。今後も販売代理店の開拓等、さらなる販売拡大を目指してまいります。
また、新たに新型コロナウイルス感染症対策向け健康管理サービス「Wellness Passport」を開発し、販売を開始しました。現在、コロナ禍におけるイベント開催は非常に難しい状況にあり、スポーツ大会や各種イベントの中止も相次いでおります。イベントが開催された場合においても、安全性を確保しつつスムースな運営を行うことは大変な努力と工夫を要します。
Wellness Passportは、イベント前から各自が健康データを登録・管理することで、当日の本人確認や直近の健康データのチェックを、非接触で行うことが可能となる製品であります。本製品を活用することで、イベント参加者や運営スタッフ、地域の方々など、様々な関係者の安全に配慮するとともに、スムースなイベント運営を実現します。既に2020年10月開催のスポーツイベントで導入され好評を頂いており、今後もさらなる開発及びユーザーの獲得を行ってまいります。
ベビモニ・Wellness Passportの両製品とも“アフターコロナのニューノーマル”に対応する製品として、今後市場の開拓・拡大に努めてまいります。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、1,972,330千円(前連結会計年度末比10.9%増)となり、前連結会計年度末に比べて194,325千円増加しました。各キャッシュ・フローの状況と増減要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、前連結会計年度に比べ1,127,460千円減少し、542,550千円となりました。これは主として、税金等調整前当期純利益が644,362千円、市場販売目的のソフトウエアの償却費294,545千円に対し、売上債権の増加による減少161,830千円、たな卸資産の増加による減少173,380千円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、前連結会計年度に比べ221,399千円減少し、146,266千円となりました。これは主として、無形固定資産(主に市場販売目的のソフトウエア)の取得による支出227,127千円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、前連結会計年度に比べ5,367千円減少し、201,957千円となりました。これは主として、配当金の支払による支出206,700千円によるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 生産高(千円) | 前年同期比(%) |
| システム開発事業 | 1,393,248 | 95.9 |
| ヘルステック事業 | 127,036 | 268.6 |
| 合計 | 1,520,284 | 101.3 |
(注)1.生産高は、当期総製造費用によっております。
2.当連結会計年度において、ヘルステック事業の生産高に著しい変動がありました。これは、販売開始に備えて視線分析型視野計GAPの量産を開始したことによるものであります。
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b.受注実績
当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 受注高(千円) | 前年同期比(%) | 受注残高(千円) | 前年同期比(%) |
| システム開発事業 | 2,842,760 | 78.9 | 932,679 | 80.1 |
| ヘルステック事業 | 222,562 | 338.0 | - | - |
| 合計 | 3,065,322 | 83.5 | 932,679 | 80.1 |
(注)上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 販売高(千円) | 前年同期比(%) |
| システム開発事業 | 3,986,582 | 94.2 |
| ヘルステック事業 | 21,247 | 32.6 |
| 調整額(注)1 | △2,970 | - |
| 合計 | 4,004,859 | 93.5 |
(注)1.「調整額」は、セグメント間取引消去によるものであります。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①財政状態の分析
(資産の状況)
当連結会計年度末における資産の残高は3,796,913千円となり、前連結会計年度末より331,946千円増加しました。
イ.流動資産
流動資産は、現金及び預金の増加194,325千円及び受取手形及び売掛金の増加161,830千円を主たる要因とし、当連結会計年度末残高3,150,971千円(前連結会計年度末比518,791千円増)となりました。
ロ.固定資産
固定資産は、ソフトウエアの償却による減少73,668千円及びのれんの償却による減少28,801千円による無形固定資産の減少102,469千円と、投資有価証券の減少200,000千円に対する敷金の増加96,042千円による投資その他の資産の減少90,126千円を主たる要因とし、当連結会計年度末残高645,941千円(前連結会計年度末比186,845千円減)となりました。
(負債の状況)
当連結会計年度末における負債の残高は723,628千円となり、前連結会計年度末より101,230千円増加しました。
イ.流動負債
流動負債は、未払金の増加77,936千円に対し、未払法人税等の減少47,857千円を主たる要因とし、当連結会計年度末残高534,147千円(前連結会計年度末比46,631千円増)となりました。
ロ.固定負債
固定負債は、長期前受金の増加27,763千円と株式給付引当金の増加26,844千円を主たる要因とし、当連結会計年度末残高189,480千円(前連結会計年度末比54,599千円増)となりました。
(純資産の状況)
当連結会計年度末における純資産の残高は、3,073,285千円となり、前連結会計年度末より230,715千円増加しました。これは主に利益剰余金の増加224,198千円によるものであります。
②経営成績の分析
(売上高)
当連結会計年度の売上高は、4,004,859千円となりました。ソフトウエア及びハードウェアの売上高は引き続き堅調に推移するとともにメンテナンス及びライセンスの売上高が前年同期と比較して10.7%増加したことにより今後のストック収益の基盤を拡大いたしました。
また、代理店販売も着実に実績を伸ばし代理店数も引き続き増加いたしました。
(売上総利益)
当連結会計年度の売上総利益は、2,119,676千円となりました。また、売上総利益率は52.9%となりました。導入経費の増加により売上総利益率はわずかに低下しました。
(営業利益)
当連結会計年度の営業利益は、636,283千円となりました。販管費率は前年と同程度となりましたが、売上原価率の増加に伴い営業利益率は低下し、15.9%となりました。
(経常利益)
当連結会計年度の経常利益は、643,362千円となりました。営業利益率と同様に経常利益率は低下し、16.1%となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は、430,457千円となりました。また、親会社株主に帰属する当期純利益率は10.7%となりました。
③キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
a.キャッシュ・フロー
「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。
主な資金需要は、研究開発に係る人件費のほか、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。
運転資金は原則として営業活動によるキャッシュ・フローにより賄われておりますが、状況に応じて直接金融並びに間接金融を利用していく方針であります。
b.有利子負債
当連結会計年度末の有利子負債はありません。
c.コミットメントライン
当社は、取引銀行との間でコミットメントラインの設定はしておりません。
④重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たり、見積りが必要となる事項の詳細につきましては、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。
⑤経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、成長性・収益性については売上高経常利益率を、資本効率についてはROE(株主資本利益率)を経営の重点指標としており、これらの改善及び向上を行うことを目標としております。
当社グループの経営陣は、現在の事業環境及び入手可能な情報に基づき最善の経営方針を立案し、企業価値を最大限に高めるべく努めております。
今後も当社グループでは、「価値ある技術創造で社会を豊かにする」という企業理念のもと、経営の効率性、健全性及び透明性を確保し、事業資本の最大化及び株主の皆様や顧客をはじめ社会から高い信頼と評価を得る会社の実現を目指してまいります。
(3)セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
2021年業績予想は通期で、売上高4,600,000千円(前年同期比14.9%増)、営業利益1,010,000千円(同58.7%増)、経常利益1,010,000千円(同57.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益700,000千円(同62.6%増)を見込んでおります。
なお、2021年は例年通り下期に案件が集中しており、上期は、売上高2,196,000千円(前年同期比2.8%減)、営業利益400,000千円(同27.7%減)、経常利益400,000千円(同28.0%減)、親会社株主に帰属する当期純利益275,000千円(同26.8%減)、下期は、売上高2,404,000千円(前年同期比37.8%増)、営業利益610,000千円(同631.4%増)、経常利益610,000千円(同593.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益425,000千円(同675.2%増)を計画しております。
既にお知らせしましたとおり、2021年4月1日には京都大学の事業子会社である京大オリジナル株式会社と、フィッティングクラウド株式会社を連結子会社として設立いたします。同社は、医療機関に求められる病院間での情報連携、診療データの管理分析に加え、患者と病院の新しいコミュニケーションをクラウドで実現するべく、様々な研究開発機関とのアライアンスをもって医療・ヘルステック領域を越えた研究開発に資するプラットフォーム企業を目指します。
さらに、横浜市立大学発のベンチャー企業である株式会社CROSS SYNCとの資本提携や、ブロックチェーン技術と世界的な情報交換プラットフォームを持つDigital Entertainment Asset社への出資など、大学や高い技術を有する企業との連携も強化しております。双方の持つ強みを活かして強力なシナジーを生み出すとともに、医療業界における新しいIT環境の在り方や医療・ヘルスケアデータを活用した価値を提供してまいります。
<システム開発事業>システム開発事業の財政状態は、セグメント資産3,588,624千円(前年同期比0.8%増)となりました。また、経営成績は、売上高3,986,582千円(前年同期比5.8%減)、セグメント利益(営業利益)851,516千円(同0.6%減)となりました。
医療情報システム市場において当社製品ラインナップは、常に最先端にしてスタンダードであります。特に当社の主力製品であるClaio及びDocuMakerは、院内の診療科を跨いで様々な医療機器・システムと繋がることで患者情報を一元管理し、診療の効率化と質の向上を実現する病院向けソリューションの中核となる製品であります。また、昨今注目が集まる画像検査の重要所見の見落とし防止に貢献する既読管理システムへのニーズも高まっており、当社製品がカバーする範囲も拡大しております。
また、2021年には京都支店及び新潟支店の開設も予定しており、これまで以上に販売網を拡大させるとともに、クラウド化やオンライン診療に資する製品開発も含めた研究開発体制の強化に取り組んでまいります。
オフィスシステム領域においては、DocuMaker Officeを中心に販売拡大に取り組んでまいります。
DocuMaker Office自治体パッケージにおいては、テレワークの導入が進み働き方が多様化する中、紙文書の電子化や電子決裁、文書の発生から廃棄に至るまでの管理など文書管理のニーズは高まっております。特に2020年以降、政府がDX(デジタルトランスフォーメーション)や脱ハンコなどを推進していることもあり、電子決裁システムの導入が多くの自治体で検討されております。DocuMaker Officeはまさに自治体特有の電子決裁業務や公文書管理のニーズにマッチした製品であり、自治体や同様の運用を行う公的企業からの引き合いも増加しております。今後さらにニーズが高まることが予見されることから、代理店も含めた販売・導入体制を強化し、さらなる販売拡大に取り組んでまいります。
医療機関のバックオフィス向けDocuMaker Officeは、医療機関の職員が行う様々な申請や事務手続きを電子化し効率化に寄与するソリューションであります。大規模病院にあっても、いまだ紙の申請書類を回付している施設は多く、当社の強みである医療機関特有の運用についての理解を背景とする幅広い提案力をもって、さらなる販売拡大に鋭意取り組んでまいります。
<ヘルステック事業>ヘルステック事業の財政状態は、セグメント資産312,378千円(前年同期比178.9%増)となりました。また、経営成績は、売上高21,247千円(前年同期比67.4%減)、セグメント損失(営業損失)215,233千円(前年同期のセグメント損失113,254千円)となりました。
当セグメントにおいては、眼科医療機関向けGAPの機能強化と自社開発ヘッドマウントディスプレイの量産も計画通り進捗しております。GAPが担う役割やGAPがもたらす価値は唯一無二であります。GAPはこれまでの視野検査装置よりも患者の負担が軽く、短時間で検査可能な上、コンパクトな装置で安価に準備が可能なことから、視野検査が劇的に受けやすくなり、健康診断や集団検診での利用、僻地や無医村、ひいては世界のあらゆる地域での利用が可能になると考えております。これにより、失明原因として最も多いと言われる緑内障の早期発見に有効に利用され世界中の人々の目の健康を保つことに加え、これまで集めることのできなかった“世界中の初期視野異常に関するデータの集積と分析”が可能となります。これらのデータは、製薬企業や生命保険会社、医療機関などの様々な業種で活用され、創薬や検査、自動画像診断などの新しい価値を創造することができることが期待されております。
同製品は海外での販売も計画しております。ヨーロッパにおいては、2019年に「欧州白内障屈折外科学会」に出展し高い評価を得るとともに、既に流通ルートや総販売代理店の確保も終えており、ヨーロッパの薬事承認を得次第、販売可能な状況まで進捗しております。引き続き、さらなる製品機能の向上を図ると共に、ヘルステックビジネスの柱となる事業へと成長させてまいります。