有価証券報告書-第41期(2025/01/01-2025/12/31)
(1)当期の経営成績の概況
当社グループは、企業理念である「価値ある技術創造で社会を豊かにする」を実現するために、医療現場や世の中のニーズに沿う高品質なソリューションを、逸早く開発・提供していくことが不可欠であると考えます。「新しい発想・技術の探求」を基に「モノ創りの喜びを感じられる研究開発」を推進し、「お客様の期待を上回り、社会の発展に貢献する製品」を提供することを、経営の基本方針として定めております。また、これら従来の事業に加え、電子カルテデータ等の安全・適切な利活用を支援する取り組みを通じ、新たな側面からも社会の発展に寄与することを目指してまいります。
また、当社グループは、サステナビリティに関する取り組みを一層強化しております。環境への取り組みとしては、カーボン・ディスクロージャー・プロジェクト(CDP)の質問書への回答など、国内外のサステナビリティ関連イニシアティブへの対応を積極的に推進しております。2025年3月には従業員の健康増進や働きがいの向上に向けた取り組みが評価され、健康経営優良法人の認定を取得しております。こうした取り組みの成果として、当社はTIME誌及びStatistaが選出する「World’s Best Companies in Sustainable Growth 2026」にランクインいたしました。今後も持続可能な成長と中長期的な企業価値の向上を目指してまいります。
2025年の連結業績は、以下のとおりです。
(単位:千円)
当社グループの当連結会計年度の経営成績は、売上高6,109,941千円(前年同期比4.6%増)、営業利益1,790,029千円(同17.3%増)、経常利益1,840,735千円(同19.2%増)、親会社株主に帰属する当期純利益1,256,970千円(同8.1%増)となりました。通期業績予想に対する達成率は、売上高で101.5%、営業利益で122.2%、経常利益で121.5%、親会社株主に帰属する当期純利益で113.4%です。当連結会計年度は、公共ビジネスの売上が順調に積み上がったことに加え、医療ビジネスにおいても第4四半期に売上が伸長したことから、全体として増収となりました。利益面では、高利益率サービスの拡大や仕入高の減少により原価率が低下し、粗利率が向上しました。人材投資による販管費の増加があったものの、粗利の向上がこれを吸収し、各利益で増益を達成しました。
2025年12月期のセグメント別(連結)の経営成績は、以下のとおりです。
≪医療ビジネス≫
(単位:千円)
医療ビジネスセグメントの主力製品は、医療機関のDXを支援する画像ファイリングシステム「Claio」や診療記事記載システム「C-Note」、文書作成システム「DocuMaker」です。従来のオンプレミス型製品に加え、病院DXを推進する患者案内アプリ「PiCls Medical Avenue」や電子トレーシングレポートサービス「PiCls AAdE-Report」など、クラウドサービスの拡充も図っております。
当連結会計年度では、病院案件80件、診療所案件150件の新規導入・追加導入及びシステム更新を実施し、当セグメントの経営成績は、売上高5,691,403千円(前年同期比3.6%増)、営業利益1,895,062千円(同14.6%増)となりました。増収増益の主な要因は、安定的なシステム更新需要と新規ユーザー獲得による増収、保守・クラウドサービスの拡大や高付加価値製品の構成比上昇及び仕入高の減少により原価率が低下したことで粗利率が向上し、収益性の向上が進んだことです。
大規模病院の収益向上やコスト削減を支援するクラウドサービス「PiCls」シリーズや、当社子会社であるフィッティングクラウド株式会社の生成AIを活用した医療文章生成ソリューション「CocktailAI」が高く評価され、通期での導入件数の増加につながりました。また、クリニックを対象としたクラウドベースのSaaS「DocuMaker Cloud」のユーザー数も増加し、無料から有料プランへの切り替え実績も出始めております。
現在厳しい経営環境に置かれている病院が多いなか、当社製品は医療現場に欠かせないシステム・サービスとして、当連結会計年度で99%以上の高い利用継続率を維持しています。また、当社のクリニック顧客の多くは経営状況が安定している診療科で構成されている事に加え、病院顧客においては急性期病院が中心であることから、安定した顧客基盤のもと堅実な事業運営を実現しております。
≪公共ビジネス≫
(単位:千円)
公共ビジネスセグメントの主力製品はSaaS型DXソリューションの「DocuMaker Office」です。公共機関・自治体向けには高機能かつ優れたUI/UXを持つ電子決裁・公文書管理システム、医療機関事務部門向けには業務の自動化を備えた事務書類作成管理、電子決裁システムで構成されています。
当連結会計年度では、自治体向けパッケージが16件、医療機関向けパッケージが4件稼働し、当セグメントの経営成績は、売上高355,184千円(前年同期比22.7%増)、営業利益109,897千円(同8.6%増)となりました。増収増益の主な要因は、導入数及び稼働施設数の増加によるものです。売上の増加が人件費などのコスト増加を吸収し、引き続き高い収益性を維持しております。
自治体向けパッケージは、県庁などへの導入実績が好材料となり、第4四半期に直販案件4件及び代理店案件4件を受注しました。第3四半期に受注した東京23区内の自治体案件についても鋭意導入を進めております。営業活動にも精力的に取り組み、当社の得意とするプロポーザル案件を含め次年度及び次々年度の新規案件の商談が複数進行しております。 既存システムのリプレイスを検討する自治体やシステム未導入の自治体も多く、市場機会は豊富です。ニーズのある自治体に対し、効率的な営業活動を通じて提案を進めることで、今後も着実に案件数を積み上げ、事業拡大を図ってまいります。
サービス開始以来、自治体向けパッケージは累計55件、医療機関向けパッケージは累計13件が稼働し、総利用者数は約48,000人に達しています。サービス開始以来の解約数は0件であり、昨年に引き続き順調に顧客基盤を築いております。当社の提案力及び製品力が高く評価されていることから、今後も着実に案件数は増加し、事業規模も拡大していく見込みです。
≪ヘルステックビジネス≫
(単位:千円)
ヘルステックビジネスセグメントの主力製品は、視線分析型視野計「GAP」(注1)及び「GAP-screener」(注2)です。
「GAP」及び「GAP-screener」は、従来の検査手法とは全く異なるアプローチを用いて視野を測定することで可用性を高めた、安価で画期的なウェアラブルデバイスであり、初期の自覚症状に乏しい緑内障などの網膜疾患の早期発見率の向上に寄与します。本製品はこれまで検査の際に必須であった暗所の確保を不要とし、検査時間の短縮や患者の負担軽減を実現しました。更に、健診施設での利用を通じて網膜疾患初期の視野データを取得・分析し、それらを国内外の研究開発機関と共有することで、製薬や生命保険領域など様々なフィールドでの技術・サービス革新への寄与が期待されます。
当連結会計年度では、製品販売台数は58台となりました。これにより、当セグメントの経営成績は、売上高63,353千円(前年同期比11.4%増)、営業損失214,930千円(前年同期は営業損失229,013千円)となりました。海外向けの出荷が売上高の伸長に寄与した一方で、医療機器申請の準備が進むMCI(軽度認知障害)検査装置の開発費や、医療バイタルデータのAIアナリティクスチームの拡充による人件費の増加など、先行投資を強化したため、利益面では足踏みする形となりました。
販売体制においては、全国各地の眼科医療機器販売代理店を通じ、眼科病院・クリニックへ向けては「GAP」を販売するとともに、健診施設へ向けては「GAP-screener」を販売しています。国内向けには健康診断施設への営業に強みを持つキヤノンメドテックサプライ社(本社:神奈川県)と代理店契約を締結し、販売代理店の拡充による販売体制を強化いたしました。また、利便性とサポート体制の向上を目的に保守プランの提供を開始したほか、各販売代理店に対するインセンティブプランを導入し、販売促進体制の充実を図っております。海外販売代理店の数は、アジアや南米地域を含む72社まで拡大したことから、次年度以降も段階的な拡販が期待されます。
また、当社は2025年9月30日付で、内閣府より次世代医療基盤法(注3)に基づく「認定医療情報等取扱受託事業者」として正式に認定されました。本認定に基づき、医療データの利活用を本格的に推進することを目的として、ヘルステックビジネスセグメント内に「医療データプラットフォーム事業」を立ち上げ、2025年11月1日より事業を開始いたしました。本事業は、医療機関が保有する診療データを安全に匿名加工・仮名加工処理したうえで収集・統合し、医療研究機関や企業による研究開発、創薬支援、政策立案などに活用できる環境を提供支援するものです。実臨床を反映した高付加価値な医療データの利活用を通じ、医療分野における研究開発の高度化及び効率化に貢献することを目指しております。
同時に、次世代医療基盤法に基づく医療データの安全な利活用を推進するため、当社はデータ利用者が安全にデータを活用できるビジティング環境(注4)の整備を進めており、2026年3月の完成を目指しております。 今後は、既存の医療ビジネス及びヘルステックビジネスとの連携を通じて、医療情報の管理から利活用支援までを一貫して担う体制の構築を進め、医療データ利活用分野における事業基盤の強化を図ってまいります。
(注1) GAP:ゲイズ・アナライジング・ペリメーター、医療機器製造販売届出番号 38B2X10003000002
(注2) GAP-screener:ゲイズ・アナライジング・ペリメーター、医療機器製造販売届出番号 38B2X10003000003
(注3) 次世代医療基盤法:正式名称「医療分野の研究開発に資するための匿名加工医療情報及び仮名加工医療情報に関する法律」。診療・身体情報を含む患者の個人情報を、個人が特定できないまで加工したうえで新薬開発や研究・治験等への二次利用を可能とする、医療データの利活用を推進するため制定された法律
(注4) ビジティング環境:次世代医療基盤法において、利用者が必要なデータへアクセスし利用するために、クラウド上に構築される安全な環境のこと
(2)財政状態
(単位:千円)
(資産)
当連結会計年度末における資産の残高は6,807,858千円となり、前連結会計年度末より123,754千円増加しました。
流動資産は、現金及び預金の減少55,504千円に対し、売掛金の増加84,859千円及び契約資産の増加158,751千円を主たる要因とし、当連結会計年度末残高3,743,671千円(前連結会計年度末比161,208千円増)となりました。
固定資産は、投資有価証券の減少97,440千円に対し、繰延税金資産の増加67,645千円を主たる要因とし、当連結会計年度末残高3,064,186千円(前連結会計年度末比37,453千円減)となりました。
(負債)
当連結会計年度末における負債の残高は1,340,763千円となり、前連結会計年度末より263,850千円増加しました。
流動負債は、未払金の増加23,077千円及び未払法人税等の増加85,800千円を主たる要因とし、当連結会計年度末残高1,026,550千円(前連結会計年度末比252,279千円増)となりました。
固定負債は、当連結会計年度末残高314,213千円(前連結会計年度末比11,571千円増)となりました。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産の残高は、5,467,095千円となり、前連結会計年度末より140,096千円減少しました。これは主に、利益剰余金の増加848,092千円に対する自己株式の取得980,494千円を主な要因とする株主資本の減少133,839千円によるものであります。
(3)キャッシュ・フローの状況
(単位:千円)
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、1,558,886千円(前連結会計年度末比3.4%減)となり、前連結会計年度末に比べて55,504千円減少しました。各キャッシュ・フローの状況と増減要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は1,652,441千円(前連結会計年度比246,326千円減)となりました。これは主として、税金等調整前当期純利益が1,784,035千円、売上債権の増加による減少242,924千円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は297,860千円(前連結会計年度比2,137,133千円減)となりました。これは主として、無形固定資産(主に市場販売目的のソフトウエア)の取得による支出259,832千円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、自己株式の取得による支出1,001,947千円、配当金の支払い408,138千円を要因として1,410,085千円となりました(前連結会計年度の配当金支払いは412,543千円)。
(4)資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。
主な資金需要は、研究開発に係る人件費のほか、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。
運転資金は原則として営業活動によるキャッシュ・フローにより賄われておりますが、状況に応じて直接金融並びに間接金融を利用していく方針であります。
① 有利子負債
該当事項はありません。
② コミットメントライン
当社は、取引銀行との間でコミットメントラインの設定はしておりません。
(5)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
(6)経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、成長性・収益性については売上高経常利益率を、資本効率についてはROE(株主資本利益率)を経営の重点指標としており、これらの改善及び向上を行うことを目標としております。
当社グループの経営陣は、現在の事業環境及び入手可能な情報に基づき最善の経営方針を立案し、企業価値を最大限に高めるべく努めております。
今後も当社グループでは、「価値ある技術創造で社会を豊かにする」という企業理念のもと、経営の効率性、健全性及び透明性を確保し、事業資本の最大化及び株主の皆様や顧客をはじめ社会から高い信頼と評価を得る会社の実現を目指してまいります。
(7)生産、受注及び販売の実績
① 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)金額は当期総製造費用によるものであります。
② 受注実績
当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
③ 販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
当社グループは、企業理念である「価値ある技術創造で社会を豊かにする」を実現するために、医療現場や世の中のニーズに沿う高品質なソリューションを、逸早く開発・提供していくことが不可欠であると考えます。「新しい発想・技術の探求」を基に「モノ創りの喜びを感じられる研究開発」を推進し、「お客様の期待を上回り、社会の発展に貢献する製品」を提供することを、経営の基本方針として定めております。また、これら従来の事業に加え、電子カルテデータ等の安全・適切な利活用を支援する取り組みを通じ、新たな側面からも社会の発展に寄与することを目指してまいります。
また、当社グループは、サステナビリティに関する取り組みを一層強化しております。環境への取り組みとしては、カーボン・ディスクロージャー・プロジェクト(CDP)の質問書への回答など、国内外のサステナビリティ関連イニシアティブへの対応を積極的に推進しております。2025年3月には従業員の健康増進や働きがいの向上に向けた取り組みが評価され、健康経営優良法人の認定を取得しております。こうした取り組みの成果として、当社はTIME誌及びStatistaが選出する「World’s Best Companies in Sustainable Growth 2026」にランクインいたしました。今後も持続可能な成長と中長期的な企業価値の向上を目指してまいります。
2025年の連結業績は、以下のとおりです。
(単位:千円)
| 2024年12月期 | 2025年12月期 | 増減額 | 増減率 | 通期業績予想 達成率 | |
| 売上高 | 5,841,379 | 6,109,941 | 268,561 | 4.6% | 101.5% |
| 営業利益 | 1,525,418 | 1,790,029 | 264,611 | 17.3% | 122.2% |
| 経常利益 | 1,544,705 | 1,840,735 | 296,029 | 19.2% | 121.5% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 1,162,365 | 1,256,970 | 94,605 | 8.1% | 113.4% |
当社グループの当連結会計年度の経営成績は、売上高6,109,941千円(前年同期比4.6%増)、営業利益1,790,029千円(同17.3%増)、経常利益1,840,735千円(同19.2%増)、親会社株主に帰属する当期純利益1,256,970千円(同8.1%増)となりました。通期業績予想に対する達成率は、売上高で101.5%、営業利益で122.2%、経常利益で121.5%、親会社株主に帰属する当期純利益で113.4%です。当連結会計年度は、公共ビジネスの売上が順調に積み上がったことに加え、医療ビジネスにおいても第4四半期に売上が伸長したことから、全体として増収となりました。利益面では、高利益率サービスの拡大や仕入高の減少により原価率が低下し、粗利率が向上しました。人材投資による販管費の増加があったものの、粗利の向上がこれを吸収し、各利益で増益を達成しました。
2025年12月期のセグメント別(連結)の経営成績は、以下のとおりです。
≪医療ビジネス≫
(単位:千円)
| 2024年12月期 | 2025年12月期 | 増減額 | 増減率 | |
| 売上高 | 5,494,943 | 5,691,403 | 196,459 | 3.6% |
| 営業利益 | 1,653,229 | 1,895,062 | 241,833 | 14.6% |
医療ビジネスセグメントの主力製品は、医療機関のDXを支援する画像ファイリングシステム「Claio」や診療記事記載システム「C-Note」、文書作成システム「DocuMaker」です。従来のオンプレミス型製品に加え、病院DXを推進する患者案内アプリ「PiCls Medical Avenue」や電子トレーシングレポートサービス「PiCls AAdE-Report」など、クラウドサービスの拡充も図っております。
当連結会計年度では、病院案件80件、診療所案件150件の新規導入・追加導入及びシステム更新を実施し、当セグメントの経営成績は、売上高5,691,403千円(前年同期比3.6%増)、営業利益1,895,062千円(同14.6%増)となりました。増収増益の主な要因は、安定的なシステム更新需要と新規ユーザー獲得による増収、保守・クラウドサービスの拡大や高付加価値製品の構成比上昇及び仕入高の減少により原価率が低下したことで粗利率が向上し、収益性の向上が進んだことです。
大規模病院の収益向上やコスト削減を支援するクラウドサービス「PiCls」シリーズや、当社子会社であるフィッティングクラウド株式会社の生成AIを活用した医療文章生成ソリューション「CocktailAI」が高く評価され、通期での導入件数の増加につながりました。また、クリニックを対象としたクラウドベースのSaaS「DocuMaker Cloud」のユーザー数も増加し、無料から有料プランへの切り替え実績も出始めております。
現在厳しい経営環境に置かれている病院が多いなか、当社製品は医療現場に欠かせないシステム・サービスとして、当連結会計年度で99%以上の高い利用継続率を維持しています。また、当社のクリニック顧客の多くは経営状況が安定している診療科で構成されている事に加え、病院顧客においては急性期病院が中心であることから、安定した顧客基盤のもと堅実な事業運営を実現しております。
≪公共ビジネス≫
(単位:千円)
| 2024年12月期 | 2025年12月期 | 増減額 | 増減率 | |
| 売上高 | 289,548 | 355,184 | 65,635 | 22.7% |
| 営業利益 | 101,202 | 109,897 | 8,695 | 8.6% |
公共ビジネスセグメントの主力製品はSaaS型DXソリューションの「DocuMaker Office」です。公共機関・自治体向けには高機能かつ優れたUI/UXを持つ電子決裁・公文書管理システム、医療機関事務部門向けには業務の自動化を備えた事務書類作成管理、電子決裁システムで構成されています。
当連結会計年度では、自治体向けパッケージが16件、医療機関向けパッケージが4件稼働し、当セグメントの経営成績は、売上高355,184千円(前年同期比22.7%増)、営業利益109,897千円(同8.6%増)となりました。増収増益の主な要因は、導入数及び稼働施設数の増加によるものです。売上の増加が人件費などのコスト増加を吸収し、引き続き高い収益性を維持しております。
自治体向けパッケージは、県庁などへの導入実績が好材料となり、第4四半期に直販案件4件及び代理店案件4件を受注しました。第3四半期に受注した東京23区内の自治体案件についても鋭意導入を進めております。営業活動にも精力的に取り組み、当社の得意とするプロポーザル案件を含め次年度及び次々年度の新規案件の商談が複数進行しております。 既存システムのリプレイスを検討する自治体やシステム未導入の自治体も多く、市場機会は豊富です。ニーズのある自治体に対し、効率的な営業活動を通じて提案を進めることで、今後も着実に案件数を積み上げ、事業拡大を図ってまいります。
サービス開始以来、自治体向けパッケージは累計55件、医療機関向けパッケージは累計13件が稼働し、総利用者数は約48,000人に達しています。サービス開始以来の解約数は0件であり、昨年に引き続き順調に顧客基盤を築いております。当社の提案力及び製品力が高く評価されていることから、今後も着実に案件数は増加し、事業規模も拡大していく見込みです。
≪ヘルステックビジネス≫
(単位:千円)
| 2024年12月期 | 2025年12月期 | 増減額 | 増減率 | |
| 売上高 | 56,887 | 63,353 | 6,466 | 11.4% |
| 営業損失(△) | △229,013 | △214,930 | 14,082 | - |
ヘルステックビジネスセグメントの主力製品は、視線分析型視野計「GAP」(注1)及び「GAP-screener」(注2)です。
「GAP」及び「GAP-screener」は、従来の検査手法とは全く異なるアプローチを用いて視野を測定することで可用性を高めた、安価で画期的なウェアラブルデバイスであり、初期の自覚症状に乏しい緑内障などの網膜疾患の早期発見率の向上に寄与します。本製品はこれまで検査の際に必須であった暗所の確保を不要とし、検査時間の短縮や患者の負担軽減を実現しました。更に、健診施設での利用を通じて網膜疾患初期の視野データを取得・分析し、それらを国内外の研究開発機関と共有することで、製薬や生命保険領域など様々なフィールドでの技術・サービス革新への寄与が期待されます。
当連結会計年度では、製品販売台数は58台となりました。これにより、当セグメントの経営成績は、売上高63,353千円(前年同期比11.4%増)、営業損失214,930千円(前年同期は営業損失229,013千円)となりました。海外向けの出荷が売上高の伸長に寄与した一方で、医療機器申請の準備が進むMCI(軽度認知障害)検査装置の開発費や、医療バイタルデータのAIアナリティクスチームの拡充による人件費の増加など、先行投資を強化したため、利益面では足踏みする形となりました。
販売体制においては、全国各地の眼科医療機器販売代理店を通じ、眼科病院・クリニックへ向けては「GAP」を販売するとともに、健診施設へ向けては「GAP-screener」を販売しています。国内向けには健康診断施設への営業に強みを持つキヤノンメドテックサプライ社(本社:神奈川県)と代理店契約を締結し、販売代理店の拡充による販売体制を強化いたしました。また、利便性とサポート体制の向上を目的に保守プランの提供を開始したほか、各販売代理店に対するインセンティブプランを導入し、販売促進体制の充実を図っております。海外販売代理店の数は、アジアや南米地域を含む72社まで拡大したことから、次年度以降も段階的な拡販が期待されます。
また、当社は2025年9月30日付で、内閣府より次世代医療基盤法(注3)に基づく「認定医療情報等取扱受託事業者」として正式に認定されました。本認定に基づき、医療データの利活用を本格的に推進することを目的として、ヘルステックビジネスセグメント内に「医療データプラットフォーム事業」を立ち上げ、2025年11月1日より事業を開始いたしました。本事業は、医療機関が保有する診療データを安全に匿名加工・仮名加工処理したうえで収集・統合し、医療研究機関や企業による研究開発、創薬支援、政策立案などに活用できる環境を提供支援するものです。実臨床を反映した高付加価値な医療データの利活用を通じ、医療分野における研究開発の高度化及び効率化に貢献することを目指しております。
同時に、次世代医療基盤法に基づく医療データの安全な利活用を推進するため、当社はデータ利用者が安全にデータを活用できるビジティング環境(注4)の整備を進めており、2026年3月の完成を目指しております。 今後は、既存の医療ビジネス及びヘルステックビジネスとの連携を通じて、医療情報の管理から利活用支援までを一貫して担う体制の構築を進め、医療データ利活用分野における事業基盤の強化を図ってまいります。
(注1) GAP:ゲイズ・アナライジング・ペリメーター、医療機器製造販売届出番号 38B2X10003000002
(注2) GAP-screener:ゲイズ・アナライジング・ペリメーター、医療機器製造販売届出番号 38B2X10003000003
(注3) 次世代医療基盤法:正式名称「医療分野の研究開発に資するための匿名加工医療情報及び仮名加工医療情報に関する法律」。診療・身体情報を含む患者の個人情報を、個人が特定できないまで加工したうえで新薬開発や研究・治験等への二次利用を可能とする、医療データの利活用を推進するため制定された法律
(注4) ビジティング環境:次世代医療基盤法において、利用者が必要なデータへアクセスし利用するために、クラウド上に構築される安全な環境のこと
(2)財政状態
(単位:千円)
| 2024年12月期 | 2025年12月期 | 増減額 | |
| 資産合計 | 6,684,103 | 6,807,858 | 123,754 |
| 負債合計 | 1,076,912 | 1,340,763 | 263,850 |
| 純資産合計 | 5,607,191 | 5,467,095 | △140,096 |
(資産)
当連結会計年度末における資産の残高は6,807,858千円となり、前連結会計年度末より123,754千円増加しました。
流動資産は、現金及び預金の減少55,504千円に対し、売掛金の増加84,859千円及び契約資産の増加158,751千円を主たる要因とし、当連結会計年度末残高3,743,671千円(前連結会計年度末比161,208千円増)となりました。
固定資産は、投資有価証券の減少97,440千円に対し、繰延税金資産の増加67,645千円を主たる要因とし、当連結会計年度末残高3,064,186千円(前連結会計年度末比37,453千円減)となりました。
(負債)
当連結会計年度末における負債の残高は1,340,763千円となり、前連結会計年度末より263,850千円増加しました。
流動負債は、未払金の増加23,077千円及び未払法人税等の増加85,800千円を主たる要因とし、当連結会計年度末残高1,026,550千円(前連結会計年度末比252,279千円増)となりました。
固定負債は、当連結会計年度末残高314,213千円(前連結会計年度末比11,571千円増)となりました。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産の残高は、5,467,095千円となり、前連結会計年度末より140,096千円減少しました。これは主に、利益剰余金の増加848,092千円に対する自己株式の取得980,494千円を主な要因とする株主資本の減少133,839千円によるものであります。
(3)キャッシュ・フローの状況
(単位:千円)
| 2024年12月期 | 2025年12月期 | 増減額 | |
| 営業活動によるキャッシュ・フロー | 1,898,767 | 1,652,441 | △246,326 |
| 投資活動によるキャッシュ・フロー | △2,434,993 | △297,860 | 2,137,133 |
| 財務活動によるキャッシュ・フロー | △412,543 | △1,410,085 | △997,541 |
| 現金及び現金同等物の増減額 | △948,769 | △55,504 | 893,265 |
| 現金及び現金同等物の期首残高 | 2,563,160 | 1,614,390 | △948,769 |
| 現金及び現金同等物の期末残高 | 1,614,390 | 1,558,886 | △55,504 |
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、1,558,886千円(前連結会計年度末比3.4%減)となり、前連結会計年度末に比べて55,504千円減少しました。各キャッシュ・フローの状況と増減要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は1,652,441千円(前連結会計年度比246,326千円減)となりました。これは主として、税金等調整前当期純利益が1,784,035千円、売上債権の増加による減少242,924千円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は297,860千円(前連結会計年度比2,137,133千円減)となりました。これは主として、無形固定資産(主に市場販売目的のソフトウエア)の取得による支出259,832千円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、自己株式の取得による支出1,001,947千円、配当金の支払い408,138千円を要因として1,410,085千円となりました(前連結会計年度の配当金支払いは412,543千円)。
(4)資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。
主な資金需要は、研究開発に係る人件費のほか、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。
運転資金は原則として営業活動によるキャッシュ・フローにより賄われておりますが、状況に応じて直接金融並びに間接金融を利用していく方針であります。
① 有利子負債
該当事項はありません。
② コミットメントライン
当社は、取引銀行との間でコミットメントラインの設定はしておりません。
(5)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
(6)経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、成長性・収益性については売上高経常利益率を、資本効率についてはROE(株主資本利益率)を経営の重点指標としており、これらの改善及び向上を行うことを目標としております。
当社グループの経営陣は、現在の事業環境及び入手可能な情報に基づき最善の経営方針を立案し、企業価値を最大限に高めるべく努めております。
今後も当社グループでは、「価値ある技術創造で社会を豊かにする」という企業理念のもと、経営の効率性、健全性及び透明性を確保し、事業資本の最大化及び株主の皆様や顧客をはじめ社会から高い信頼と評価を得る会社の実現を目指してまいります。
(7)生産、受注及び販売の実績
① 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 生産高(千円) | 前年同期比(%) |
| 医療ビジネス | 1,516,784 | 99.4 |
| 公共ビジネス | 125,623 | 136.6 |
| ヘルステックビジネス | 135,974 | 84.7 |
| 合計 | 1,778,382 | 100.0 |
(注)金額は当期総製造費用によるものであります。
② 受注実績
当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 受注高(千円) | 前年同期比(%) | 受注残高(千円) | 前年同期比(%) |
| 医療ビジネス | 4,331,562 | 134.6 | 1,715,779 | 137.5 |
| 公共ビジネス | 193,382 | 70.3 | 71,151 | 42.4 |
| ヘルステックビジネス | 63,295 | 113.3 | 11,818 | 100.0 |
| 合計 | 4,588,241 | 129.3 | 1,798,749 | 126.0 |
③ 販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 販売高(千円) | 前年同期比(%) |
| 医療ビジネス | 5,691,403 | 103.6 |
| 公共ビジネス | 355,184 | 122.7 |
| ヘルステックビジネス | 63,353 | 111.4 |
| 合計 | 6,109,941 | 104.6 |