有価証券報告書-第9期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)

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2020/06/26 14:12
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(1) 業績等の概要
当連結会計年度のOTC医薬品市場は、総合感冒薬や整腸薬といったカテゴリーが好調を維持した一方で、毛髪用剤や鼻炎薬といったカテゴリーが低調に推移した事で、前年を下回る結果で推移しました。
医薬事業につきましては、新薬創出の難易度が増すなかで、医療費適正化諸施策の浸透により、依然として厳しい事業環境が続いております。
また、2020年1月以降の新型コロナウイルス感染症の世界的な感染拡大に伴い、国内外の経済動向は不透明な状況となっております。
こうした事業環境の中で、当社グループのセルフメディケーション事業部門は、製品開発面で生活者の健康意識の高まりに対応した新しい領域を開拓していくとともに、生活者のニーズを満たす製品開発をより一層進めております。また、販売面では生活者から支持される強いブランドを目指して、生活者との接点の拡大、共感を得る販促活動を実践するとともに、「大正製薬ダイレクト」、「TAISHO BEAUTY ONLINE」など、生活者のベネフィットを満たす通信販売チャネルの拡大にも注力しております。
海外では、2009年度のアジアOTC医薬品事業への本格的な参入以来、インドネシア、フィリピン、タイ、マレーシアなど、東南アジアを中心としたOTC医薬品事業の強化に取り組んでまいりました。2016年7月に24.50%の株式を取得し、段階的に出資比率を高めてきたベトナムのDHG(ハウザン)社 は、2019年5月に51.01%の株式保有に至り、連結子会社となりました。今後は、同社の事業基盤を活かしたベトナムにおける医薬品事業展開の強化に取り組んでまいります。また、2018年12月19日付でBristol-Myers Squibb Company(本社:米国ニューヨーク州)との間で締結した、同社が子会社を通して所有するフランスの医薬品製造販売会社UPSA社の株式・資産譲渡予約契約についても、2019年7月1日(フランス時間)に株式・資産取得手続きが完了し、UPSA社は大正製薬の完全子会社となりました。今後成長が期待される地域にも事業を拡げていく方針のもと、東南アジア市場に欧州市場を加えた2極体制により海外事業の拡大を図り、持続的な成長の実現を目指してまいります。
医薬事業部門でも、きめ細かい情報提供活動による育成品の売上最大化を図っております。また、開発化合物の早期承認取得を目指すとともに、導入によるパイプラインの強化を進めています。さらに、外部研究機関との連携を強化し、継続的なオリジナル開発化合物の創出に努めております。
当連結会計年度のグループ全体売上高は、2,885億円(前連結会計年度比+270億円、10.3%増-以下増減の比較については「前連結会計年度比」の説明とする)となりました。
セグメント別の売上高は次のとおりであります。
セルフメディケーション事業2,200億円(+ 399億円 22.2%増)
内訳
国内1,471億円(+ 11億円 0.7%増)
海外694(+ 386 〃 125.0%増)
その他35(+ 3 〃 7.7%増)
医薬事業685億円(△ 129億円 15.9%減)
内訳
医療用医薬品670億円(△ 124億円 15.7%減)
その他15(△ 5 〃 24.9%減)

主要製品の売上状況は次のとおりであります。
<セルフメディケーション事業>当連結会計年度の売上高は、2,200億円(+399億円、22.2%増)となりました。
主力ブランドでは、「リポビタンシリーズ」は、509億円(2.2%減)となりました。「パブロンシリーズ」は、298億円(2.9%増)となりました。「リアップシリーズ」は、149億円(2.8%減)となりました。「ビオフェルミンシリーズ」は、107億円(5.1%増)となりました。また、注力している通信販売チャネルについて、「大正製薬ダイレクト」は、115億円(11.9%増)となりました。
海外では、DHG(ハウザン)社及びUPSA社の連結子会社化の影響もあり、アジア地域で425億円(53.7%増)、欧米地域で258億円となりました。
<医薬事業>当連結会計年度の売上高は、685億円(△129億円、15.9%減)となりました。
主な増収品目は、骨粗鬆症治療剤「エディロール」270億円(3.0%増)、2型糖尿病治療剤「ルセフィ」71億円(27.0%増)、骨粗鬆症治療剤「ボンビバ」66億円(3.1%増)、経皮吸収型鎮痛消炎剤「ロコア」は39億円(12.0%増)となりました。一方、長期収載品のマクロライド系抗生物質製剤「クラリス」は43億円(20.0%減)、末梢循環改善剤「パルクス」は31億円(11.4%減)と、薬価改定及び後発医薬品の影響等もあり前年比マイナスとなりました。
当連結会計年度のグループ全体営業利益は215億円(△98億円、31.2%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は205億円(△281億円、57.7%減)となりました。
利益の状況は次のとおりであります。
売上高2,885億円(+ 270億円 10.3%増)
売上総利益1,802(+ 98 〃 5.8%増)
販売費及び一般管理費1,589(+ 200 〃 14.4%増)
内訳
研究開発費229億円(+ 21億円 10.0%増)
広告宣伝費260(+ 58 〃 28.9%増)
販売促進費274(+ 3 〃 1.2%増)
人件費310(△ 14 〃 4.5%減)
営業利益215(△ 98 〃 31.2%減)
経常利益250(△ 158 〃 38.8%減)
親会社株主に帰属する当期純利益205(△ 281 〃 57.7%減)
1株当たり当期純利益257.23(△351.57円)

まず売上総利益ですが、海外事業の拡大により売上高が増加し、前期比98億円増の1,802億円となりました。
販売費及び一般管理費は、企業結合に伴う一時費用、広告宣伝費、研究開発費等の増加や海外子会社の新規連結取込により1,589億円(+200億円)となり、営業利益は前期比98億円減(31.2%減)の215億円となりました。
また、売上高営業利益率は前期比4.5ポイント減の7.4%でした。
営業外収益は持分法による投資利益や受取利息の減少により前期比32億円減の66億円、営業外費用は為替差損の影響により29億円増の31億円でした。
以上の結果、経常利益は前期比158億円減(38.8%減)の250億円となりました。また、売上高経常利益率は前期比6.9ポイント減の8.7%でした。
特別利益は前年の関係会社株式売却益の影響により前期比368億円減の61億円、特別損失は前年の早期退職費用や減損損失減少の影響により185億円減の8億円となりました。
以上の結果、税金等調整前当期純利益は、前期比342億円減(53.0%減)の303億円となり、法人税、住民税及び事業税や法人税等調整額、非支配株主に帰属する当期純利益を加減した親会社株主に帰属する当期純利益は、前期比281億円減(57.7%減)の205億円となりました。
また、1株当たり当期純利益は257.23円、自己資本当期純利益率は前期比4.1ポイント減の2.9%となりました。
(2) 生産、受注及び販売の実績
① 生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称金額(百万円)前年同期比(%)
セルフメディケーション事業175,097127.6
医薬事業23,180105.8
合計198,277124.6

(注) 1 金額は販売価格によっております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
② 商品仕入実績
当連結会計年度の商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称金額(百万円)前年同期比(%)
セルフメディケーション事業21,488112.1
医薬事業16,50763.8
合計37,99584.4

(注) 1 金額は実際仕入額によっております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
③ 受注実績
当社グループは販売計画に基づいて生産しており、受注生産はほとんど行っておりません。
④ 販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称金額(百万円)前年同期比(%)
セルフメディケーション事業220,027122.2
医薬事業68,50084.1
合計288,527110.3

(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(3) 資本の財源及び資金の流動性
① 財政状態
当社グループは、適切な流動性の維持、事業活動のための自己資金の充実及び健全なバランスシートの維持を財務方針としております。
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末比(以下前期末比という)313億円増(+3.8%)の8,531億円となりました。流動資産が前期末比1,142億円減(△24.3%)の3,556億円、固定資産は前期末比1,454億円増(+41.3%)の4,974億円となりました。
流動資産では、有価証券が前期末比618億円減少し、現金及び預金が前期末比588億円減少しております。
固定資産のうち、有形固定資産は前期末比213億円増(+23.3%)の1,126億円となりました。無形固定資産は、前期末比1,857億円増の2,100億円となりました。投資その他の資産は、前期末比615億円減(△26.0%)の1,749億円となりました。
当連結会計年度末の負債合計は、前期末比137億円増(+14.0%)の1,113億円となりました。流動負債が前期末比80億円増(+13.7%)の665億円、固定負債は前期末比57億円増(+14.5%)の449億円となりました。
当連結会計年度末の純資産は、前期末比176億円増(+2.4%)の7,417億円となりました。利益剰余金は前期末比73億円減少しております。また、その他有価証券評価差額金は前期末比112億円減少となりました。
なお、自己株式の消却により、自己株式が332億円減少し、資本剰余金が332億円減少しております。これにより、資本剰余金の残高が負の値になったため、繰越利益剰余金183億円を資本剰余金に振り替えております。
この結果、自己資本比率は前期末比3.3ポイント減の83.4%となりました。また、1株当たり純資産額は8,912.00円となっております。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ766億円減少し、1,869億円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、420億円(+228億円)となりました。これは、税金等調整前当期純利益が303億円と減少した一方、売上債権の減少額が118億円、法人税等の支払額が165億円、法人税等の還付額が24億円となったことなどによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、1,071億円(△1,731億円)となりました。これは、有価証券の売却及び償還による収入が745億円あった一方、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出が1,605億円あったことなどによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、117億円(△38億円)となりました。これは主に、配当金の支払額が96億円あったことなどによるものです。
(参考)キャッシュ・フロー関連指標
2019年3月期2020年3月期
自己資本比率(%)86.783.4
時価ベースの自己資本比率(%)102.562.1
キャッシュ・フロー対有利子負債比率(%)2.40.1
インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)7,325.6352.2

(注) 自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い
*各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。
*株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式控除後)により算出しております。
*キャッシュ・フローは営業キャッシュ・フローを利用しております。
*有利子負債は連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っているすべての負債を対象としております。また、利払いについては連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。
③ 資金需要
当社グループにおきましては、原材料等の仕入れ、研究開発費及び販売費などの運転資金のほか、競争力強化と事業の拡充・発展を目的とした研究開発投資、設備投資、製品導入、資本業務提携、新規事業開発投資等に主たる資金需要が生じます。これらの資金需要に対しましては、営業活動によるキャッシュ・フローの創出による調達を基本としております。
(4) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。なお、新型コロナウイルス感染症の影響については、翌連結会計年度において一定期間続くものの、緩やかに回復すると仮定し、会計上の見積りを行っております。
① 退職給付債務の算定
当社グループには、確定給付制度を採用している会社が存在します。確定給付制度の退職給付債務及び関連する勤務費用は、数理計算上の仮定を用いて退職給付見込額を見積り、割り引くことにより算定しております。数理計算上の仮定には、割引率、昇給率、退職率、死亡率及び年金資産の長期期待運用収益率等の様々な計算基礎があります。
当該見積り及び当該仮定について、将来の不確実な経済条件の変動等により見直しが必要となった場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において認識する退職給付に係る負債及び退職給付費用の金額に重要な影響を与える可能性があります。
② 繰延税金資産の回収可能性
繰延税金資産の回収可能性は、課税主体ごとに将来の課税所得を合理的に見積り、将来の税金負担額を軽減する効果を有するかどうかで判断しております。当該判断は、収益力に基づく一時差異等加減算前課税所得の十分性、タックス・プランニングに基づく一時差異等加減算前課税所得の十分性及び将来加算一時差異の十分性のいずれかを満たしているかどうかにより判断しております。
当該見積り及び当該仮定について、将来の不確実な経済条件の変動等により見直しが必要となった場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において認識する繰延税金資産及び法人税等調整額の金額に重要な影響を与える可能性があります。
③ 固定資産の減損
当社グループでは、有形固定資産の帳簿価額について回収できなくなる可能性を示す兆候がある場合には、減損の判定を行っております。資産グループの回収可能価額は、事業用資産については将来キャッシュ・フローを基にした使用価値により、遊休資産及び処分予定の資産については売却予定額を基にした正味売却価額によりそれぞれ測定しております。当該見積り及び当該仮定について、将来の不確実な経済条件の変動等により見直しが必要となった場合、将来キャッシュ・フローや回収可能価額が減少し、減損損失が発生する可能性があります。
当社グループでは、のれん及びその他の無形固定資産について、減損の判定を行っております。のれん及びその他の無形固定資産の公正価値の見積りや減損判定は、主に割引キャッシュ・フロー法により行いますが、この方法では、将来キャッシュ・フローや割引率等の見積り及び仮定を使用しております。当該見積り及び当該仮定について、将来の不確実な経済条件の変動等により見直しが必要となった場合、公正価値が下落し、減損損失が発生する可能性があります。
④ 投資有価証券の減損
当社グループは、事業活動の円滑化や、製品開発、事業展開における協力・提携および各種取引関係の強化につながる企業の株式等を保有しております。なお、当該株式の減損にあたり市場価格又は合理的に算定された価額のある有価証券については、個々の銘柄の時価が取得原価に比べ50%程度以上下落した場合には、「著しく下落した」ものとして処理しております。個々の銘柄の時価が取得原価に比べ30%から50%程度下落した場合も「著しく下落した」とする判断基準を設けて処理しております。また、時価を把握することが極めて困難と認められる株式については、個々の銘柄の1株当たり簿価純資産額が帳簿価額を50%程度以上下回っている場合について、業績見通し等を斟酌したうえで減損処理の要否を判断しております。
⑤ 企業結合により取得した資産及び引き受けた負債の公正価値の見積り
当社グループは、企業結合により取得した識別可能な資産及び引き受けた負債を、取得日の公正価値で測定しています。当該公正価値は、無形固定資産については見積将来キャッシュ・フローや割引率等の仮定に基づいた超過収益法により算定し、有形固定資産については時価や再調達原価等により算定しています。
公正価値の算定は経営者による最善の見積りにより行っていますが、将来の不確実な経済条件の変動によって影響を受ける可能性があります。これによって、無形資産及びのれんの評価額に重要な影響を生じさせるリスクがあります。

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