有価証券報告書-第12期(2022/04/01-2023/03/31)

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2023/06/29 15:04
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(1)業績等の概要
当連結会計年度のOTC医薬品市場は、新型コロナウイルス感染症の拡大による抗原検査キットの需要急増や、中国のゼロコロナ政策緩和後に発生した感染者急増による総合感冒薬などの特需、花粉の大量飛散による鼻炎治療剤の伸長などにより、前年度を上回る結果となりました。また、新型コロナウイルス感染症流行前の2019年度に対しても上回る結果となっております。
海外OTC医薬品市場は、新型コロナウイルス感染症流行によるロックダウンで消費が低迷した2020年、2021年から市場が回復し、解熱鎮痛剤、風邪薬、外用鎮痛消炎剤などの当社主要カテゴリーにおいても回復傾向が見られ、全体として前年を上回って推移しました。
医薬事業につきましては、新薬創出の難易度が増す中で、医療費適正化政策の推進や薬価制度改革の影響等により、依然として厳しい事業環境が続いております。
こうした事業環境の中で、当社グループのセルフメディケーション事業部門は、製品開発面で生活者の健康意識の高まりに対応した新しい領域を開拓していくとともに、生活者のニーズを満たす製品開発をより一層進め、新たな需要の創造に努めております。また、販売面では生活者から支持される強いブランドを目指して、生活者との接点の拡大、共感を得る販促活動を実践するとともに、「大正製薬ダイレクト」、「TAISHO BEAUTY ONLINE」など、生活者のベネフィットを満たす通信販売チャネルの拡大にも注力しております。
海外では、2009年度のアジアOTC医薬品事業への本格的な参入以来、インドネシア、フィリピン、タイ、マレーシアなど、東南アジアを中心としたOTC医薬品事業の強化に取り組んでまいりました。ベトナムにおいては、ハウザン製薬を2019年5月に連結子会社化し、同社の事業基盤を活かしたベトナムにおける医薬品事業展開の強化に取り組んでおります。また、2019年7月にはフランスのUPSA社を連結子会社化したことで、東南アジア市場に欧州市場を加えた2極体制により海外事業の拡大を図り、持続的な成長の実現を目指しております。
医薬事業部門では、重点領域に注力しながら、きめ細かい情報提供活動による新製品の早期拡大やライフサイクルマネジメントなどにも取り組み、製品価値の最大化を図っております。また、後期開発品・製品の導入や自社創製品の導出等のライセンス活動の取り組みを進めています。加えて、外部研究機関との連携強化や先端技術の活用等の研究開発機能の強化にも取り組むことで、パイプライン拡充に努めております。
当連結会計年度のグループ全体売上高は、3,014億円(前連結会計年度比+332億円、12.4%増-以下増減の比較については「前連結会計年度比」の説明とする)となりました。
セグメント別の売上高は次のとおりであります。
セルフメディケーション事業2,637億円(+ 341億円 14.8%増)
内訳
国内1,345億円(+ 66億円 5.2%増)
海外1,267(+ 263 〃 26.3%増)
その他25(+ 11 〃 76.5%増)
医薬事業377億円(△ 9億円 2.3%減)
内訳
医療用医薬品367億円(+ 2億円 0.4%増)
その他10(△ 10 〃 51.5%減)

主要製品・地域の売上状況は次のとおりであります。
<セルフメディケーション事業>当連結会計年度の売上高は、2,637億円(+341億円、14.8%増)となりました。
主力ブランドでは、「リポビタンシリーズ」は、503億円(3.0%増)となりました。「パブロンシリーズ」は、282億円(28.5%増)となりました。「リアップシリーズ」は、119億円(21.9%減)となりました。「ビオフェルミンシリーズ」は、130億円(22.8%増)となりました。
海外では、アジア地域で643億円(32.7%増)、欧米地域で621億円(22.4%増)となりました。
<医薬事業>当連結会計年度の売上高は、377億円(△9億円、2.3%減)となりました。
主要製品では、2型糖尿病治療剤「ルセフィ」131億円(5.9%増)、骨粗鬆症治療剤「ボンビバ」77億円(4.9%増)、整腸剤「ビオフェルミン」は47億円(5.3%増)、経皮吸収型鎮痛消炎剤「ロコア」は41億円(0.2%増)となりました。
当連結会計年度のグループ全体営業利益は230億円(+123億円、114.3%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は190億円(+59億円、44.8%増)となりました。
利益の状況は次のとおりであります。
売上高3,014億円(+ 332億円 12.4%増)
売上総利益1,779(+ 140 〃 8.6%増)
販売費及び一般管理費1,548(+ 17 〃 1.1%増)
内訳
研究開発費207億円(+ 14億円 7.0%増)
広告宣伝費268(△ 51 〃 16.1%減)
販売促進費170(+ 25 〃 17.6%増)
人件費366(+ 25 〃 7.3%増)
営業利益230(+ 123 〃 114.3%増)
経常利益304(+ 120 〃 65.3%増)
親会社株主に帰属する当期純利益190(+ 59 〃 44.8%増)
1株当たり当期純利益231.73(+70.61円)

まず売上総利益ですが、セルフメディケーション事業で売上高が増加したことにより、前期比140億円増の1,779億円となりました。
販売費及び一般管理費は、販売促進費等の増加により1,548億円(前期比17億円増)となり、営業利益は前期比123億円増(114.3%増)の230億円となりました。
また、売上高営業利益率は前期比3.6ポイント増の7.6%でした。
営業外収益は為替差益の減少等により前期比7億円減の78億円、営業外費用は4億円減の4億円でした。
以上の結果、経常利益は前期比120億円増(65.3%増)の304億円となりました。また、売上高経常利益率は前期比3.2ポイント増の10.1%でした。
特別利益は前年における投資有価証券の売却の影響等により前期比32億円減の9億円、特別損失は投資有価証券評価損の増加等により7億円増の18億円となりました。
以上の結果、税金等調整前当期純利益は、前期比81億円増(37.9%増)の295億円となり、法人税、住民税及び事業税や法人税等調整額、非支配株主に帰属する当期純利益を加減した親会社株主に帰属する当期純利益は、前期比59億円増(44.8%増)の190億円となりました。
また、1株当たり当期純利益は231.73円、自己資本当期純利益率は前期比0.7ポイント増の2.5%となりました。
(2)生産、受注及び販売の実績
① 生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称金額(百万円)前年同期比(%)
セルフメディケーション事業203,743112.9
医薬事業27,281110.7
合計231,025112.6

(注)金額は販売価格によっております。
② 商品仕入実績
当連結会計年度の商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称金額(百万円)前年同期比(%)
セルフメディケーション事業22,619121.0
医薬事業6,235112.6
合計28,854119.1

(注)金額は実際仕入額によっております。
③ 受注実績
当社グループは販売計画に基づいて生産しており、受注生産はほとんど行っておりません。
④ 販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称金額(百万円)前年同期比(%)
セルフメディケーション事業263,711114.8
医薬事業37,66997.7
合計301,381112.4


(3)資本の財源及び資金の流動性
① 財政状態
当社グループは、適切な流動性の維持、事業活動のための自己資金の充実及び健全なバランスシートの維持を財務方針としております。
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末比(以下「前期末比」という。)533億円増(+6.0%)の9,415億円となりました。流動資産が前期末比30億円減(△0.8%)の3,759億円、固定資産は前期末比563億円増(+11.1%)の5,656億円となりました。
流動資産では、現金及び預金が前期末比91億円減少し、商品及び製品が前期末比52億円増加しております。
固定資産のうち、有形固定資産は前期末比219億円増(+18.3%)の1,412億円となりました。無形固定資産は、前期末比254億円増(+11.9%)の2,385億円となりました。投資その他の資産は、前期末比90億円増(+5.1%)の1,859億円となりました。
当連結会計年度末の負債合計は、前期末比119億円増(+9.9%)の1,321億円となりました。流動負債が前期末比115億円増(+18.5%)の738億円、固定負債は前期末比4億円増(+0.8%)の584億円となりました。
当連結会計年度末の純資産は、前期末比414億円増(+5.4%)の8,093億円となりました。利益剰余金は前期末比108億円増加しております。また、その他有価証券評価差額金は前期末比78億円、為替換算調整勘定は前期末比182億円それぞれ増加となりました。
この結果、自己資本比率は前期末比0.7ポイント減の83.5%となりました。また、1株当たり純資産額は9,584.70円となっております。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ46億円増加し、2,321億円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、410億円(+125億円)となりました。これは、税金等調整前当期純利益が295億円、減価償却費が164億円となった一方、法人税等の支払額が108億円となったことなどによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、271億円(+201億円)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出が264億円あったことなどによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、109億円(+8億円)となりました。これは主に、配当金の支払額が82億円あったことなどによるものです。
(参考)キャッシュ・フロー関連指標
2022年3月期2023年3月期
自己資本比率(%)84.283.5
時価ベースの自己資本比率(%)52.448.1
キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年)0.10.1
インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)179.3235.7

(注) 自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い
*各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。
*株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式控除後)により算出しております。
*キャッシュ・フローは営業キャッシュ・フローを利用しております。
*有利子負債は連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っているすべての負債を対象としております。また、利払いについては連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。
③ 資金需要
当社グループにおきましては、原材料等の仕入れ、研究開発費及び販売費などの運転資金のほか、競争力強化と事業の拡充・発展を目的とした研究開発投資、設備投資、製品導入、資本業務提携、新規事業開発投資等に主たる資金需要が生じます。これらの資金需要に対しましては、営業活動によるキャッシュ・フローの創出による調達を基本としております。
(4)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。
① 退職給付債務の算定
当社グループには、確定給付制度を採用している会社が存在します。確定給付制度の退職給付債務及び関連する勤務費用は、数理計算上の仮定を用いて退職給付見込額を見積り、割り引くことにより算定しております。数理計算上の仮定には、割引率、昇給率、退職率、死亡率及び年金資産の長期期待運用収益率等の様々な計算基礎があります。
当該見積り及び当該仮定について、将来の不確実な経済条件の変動等により見直しが必要となった場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において認識する退職給付に係る負債及び退職給付費用の金額に重要な影響を与える可能性があります。
② 繰延税金資産の回収可能性
繰延税金資産の回収可能性は、課税主体ごとに将来の課税所得を合理的に見積り、将来の税金負担額を軽減する効果を有するかどうかで判断しております。当該判断は、収益力に基づく一時差異等加減算前課税所得の十分性、タックス・プランニングに基づく一時差異等加減算前課税所得の十分性及び将来加算一時差異の十分性のいずれかを満たしているかどうかにより判断しております。
当該見積り及び当該仮定について、将来の不確実な経済条件の変動等により見直しが必要となった場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において認識する繰延税金資産及び法人税等調整額の金額に重要な影響を与える可能性があります。
③ 固定資産の減損
固定資産の減損の判定に際して用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しています。
④ その他有価証券の減損
当社グループは、事業活動の円滑化や、製品開発、事業展開における協力・提携及び各種取引関係の強化につながる企業の株式等を保有しております。なお、当該株式の減損にあたり市場価格のない株式等以外のものについては、個々の銘柄の時価が取得原価に比べ50%程度以上下落した場合には、「著しく下落した」ものとして処理しております。個々の銘柄の時価が取得原価に比べ30%から50%程度下落した場合も「著しく下落した」とする判断基準を設けて処理しております。また、市場価格のない株式等については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しています。

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