有価証券報告書-第15期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)
(1) 経営成績等の状況の概況
当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当事業年度における我が国経済は、期の半ばまでは雇用・所得環境の改善と各種政策の効果もあって、緩やかな回復基調で推移しましたが、国外では長期化する米中貿易摩擦や英国のEU離脱及び中東地域の地政学リスクなどによる諸問題、国内では消費増税や気候変動に伴う景況感の一時的な停滞がありました。さらに、新型コロナウイルス感染症の世界的な感染拡大による経済全体の収縮が始まり、先行きは極めて厳しい状況が続くと見込まれています。
当社が置かれていますEコマース市場は、経済産業省の公表による2018年の国内BtoCのEC市場規模は前年から9.0%伸長して18.0兆円となり、EC化率も継続し上昇しながら、その市場規模は拡大しております。そして、その中の中古品市場は、中古ビジネスへの注目から多様な業態が参入したことによるBtoC取引の増加、スマートフォンによる購入環境の進化と取扱品の多様化によるユーザー層の広がりによって、フリマアプリ、インターネットオークションなどを利用したCtoC取引が増加し、市場の拡大を牽引しています。一方で、市場拡大に伴い、模倣品や盗品に関するトラブルが多発し社会的に重要な問題となっていることから、インターネット取引における安心・安全はより一層求められております。
このような経営環境のもと、当社は「顧客に『価値ある新品と中古品』を安心・安全にお取引できるマーケットを創出すること」を方針として、インターネットにおける中古品取引を可能とする仕組みをいち早く構築し事業展開を推進してまいりました。
当事業年度におきましては、前事業年度において課題となった売上総利益率の改善のために、One To Oneマーケティングの活用及びMD機能の強化によって、中古商品の需要と供給を適切な水準に戻すことに注力しました。そして、当社が構築したプラットフォームにおいては、購入前から購入時そして購入後までの循環の輪を大きくすることで収益の拡大を図るステージに移行しました。主力となるカメラ事業においては、“購入前”には商品を選ぶ上で有益な情報が得られる当社スタッフのブログ「THE MAPTIMES」や500機種以上のフォトプレビューサイト「Kasyapa」、“購入時”には欲しい商品が先に届く「先取交換」、リアルな商品イメージが伝わる商品動画(Youtube)や約30カットの商品画像、質の高いユーザーの声や情報を活用した「見積りSNS」と「コミュレビ」、“購入後”にはWeb上で気軽に本格的なフォトコンテストにも参加できる写真共有サイト「EVERYBODY×PHOTOGRAPHER.com」、その他様々なサービスと仕組みを活用してまいりました。時計事業においては、前事業年度に注力した在庫の量的拡充とレディース商品も含めた戦略的ラインナップをさらに推し進め、時計専門店「GMT」から新たにスマートフォンを中心とし、SNSとの連携を強化したレディース腕時計専門サイト「BRILLER」を開設しました。また、Web会員の新規入会は継続的に確保され、総会員数も順調に増加しており、2月中旬からはコロナウイルス感染拡大による市場低迷の影響を大きく受けたものの、売上高は前事業年度の水準を維持し34,658,950千円(前年同期比0.1%増)となりました。
販売費及び一般管理費では、顧客を自社サイトへ誘導することで他社ショッピングサイトの取引きが減少したことによる利用手数料の減少、店舗設備投資の縮小による諸費用の減少等がありました。一方で、ECサイトの機能強化及び運用に係る業務委託手数料や人員補強に伴う諸費用、カメラ事業では市場が一眼レフからミラーレスへの転換期を迎えたことによる需要鈍化に対応するための販売促進策の強化に加え、消費増税後の中小事業者を対象としたキャッシュレス決済ポイント還元政策への対策として、自社サイト及び店舗における自社ポイント施策を強化したこともあり、売上高販売管理費比率は前事業年度から0.9ポイント上昇し12.9%となり、結果、4,487,191千円(同7.6%増)となりました。ただし、当事業年度のスタート時からの取り組みにより売上総利益率が従前の水準にまで改善したことによって、利益面では営業利益は1,754,784千円(同21.5%増)、経常利益は1,735,657千円(同21.1%増)となり、当期純利益は1,193,962千円(同21.5%増)となりました。
セグメント別の経営成績は、次のとおりであります。
[カメラ事業]
新品カメラ市場が一眼レフからミラーレスへの転換期を迎えたことで需要の鈍化が続く中、前事業年度から引き続き、ECサイト独自の機能及びサービスを活用したOne To OneアプローチとSNSの活性化及びブログ、フォトプレビューサイトなどで価値ある情報の活用に積極的に取り組んできたことで、自社サイトの売上高は増進し、同時に新規Web会員も順調に確保することができました。一方で、消費税率引き上げ直前の9月は駆け込み需要が高まったものの、その後の反動減の影響及び他社ショッピングサイトの取引きが減少しました。2月中旬からは新型コロナウイルスの感染拡大により、一部メーカーの製造活動の休止によって商品供給の遅延や新製品発売の延期、また、消費者の外出自粛による購買意欲の低下と店舗への来店者数の減少、3月初旬からは店舗営業時間の短縮も実施したこともあり、売上高は23,274,236千円(前年同期比2.1%減)となりました。ただし、売上総利益率の改善に取り組んできたことが奏功し、セグメント利益は2,305,801千円(同22.2%増)となりました。
[時計事業]
コアな時計愛好者に向けた希少価値の高い高額商品と幅広い客層に支持されている人気ブランドの商品を確保することによる、積極的な在庫投資と戦略的な商品展開に注力してきたことが売上の拡大に繋がりました。また、新たな販売チャネルとして、世界中の時計愛好家が集まるオンラインマーケットプレイス「Chrono24」に出店し、販売機会の増加と広告効果・認知度向上を図りました。そして、レディース時計の商品ラインナップの拡充とあわせて、女性顧客に時計の魅力がより直感的に伝わるように美しい商品写真を中心とした専門サイト「BRILLER」を開設し、親しみやすいスマートフォンを中心に考えたサイト作りを行いました。消費増税後の反動減や2月中旬からは新型コロナウイルスの世界的な感染拡大によるインバウンド需要の減少がありましたが、期初からの様々な取り組みによって、売上高は10,330,235千円(前年同期比4.8%増)、セグメント利益は555,898千円(同2.2%増)となりました。
[筆記具事業]
ECサイトでは、カメラ事業に続いて顧客が買取と購入を同時に行う際に購入商品を先渡しする当社独自のサービス「先取交換」を開始しました。また、商品検索機能を前面に押し出すことで顧客の利便性を図り、商品画像掲載数の増量と中古商品詳細ページで動画掲載を開始することによって情報の拡充を図りました。従来より注力しておりますオリジナル商品では、主要メーカーの協力による独創的な万年筆とインクの企画・販売に継続して取り組み、あわせて社外で開催された文具のイベントなどにも積極的に出店したことで、売上高は502,865千円(前年同期比2.3%増)となり、セグメント利益は22,729千円(同38.8%増)となりました。
[自転車事業]
スマホアプリではロードバイクに関する情報の拡充を図ることで、初心者からプロユーザーまでが楽しめる情報ポータルサイトとしての展開を推し進め、完成車やホイール等の高単価商品の販売にも繋がりました。また、インドアトレーニング関連商品やサイクルコンピューターなどの人気の高い商品や新規商材の積極的な販売施策で集客効果を高め、新たな顧客の囲い込みにも取り組みました。あわせて、中古品の品揃え拡充とともに商品化クオリティーに見合った適正な販売価格へ見直しを図ったことで売上総利益率も改善し、売上高は551,613千円(前年同期比14.7%増)、セグメント利益は13,109千円(前年同期は5,217千円の損失)と黒字転換することができました。
② キャッシュ・フローの状況
(単位:千円)
当事業年度末における現金及び現金同等物は、3,528,508千円となり、前事業年度末と比較して2,125,063千円の増加となりました。
各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によって得られたキャッシュ・フローは、1,094,731千円(前年同期比58.7%増)となりました。これは、主として税引前当期純利益1,736,202千円、たな卸資産の増加額511,885千円、法人税等の支払額505,335千円、仕入債務の減少額456,430千円、減価償却費213,153千円、売上債権の減少額226,326千円、ポイント引当金の増加額124,842千円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動に使用されたキャッシュ・フローは、136,591千円(前年同期比67.5%減)となりました。これは、主として無形固定資産の取得による支出142,961千円、差入敷金保証金の差入による支出100,016千円、その他の投資活動112,970千円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によって得られたキャッシュ・フローは、1,166,923千円(前年同期は135,060千円の使用)となりました。これは、主として、財務の健全性・安全性を維持し、機動的な事業活動や新型コロナウイルス感染症拡大による資金需要増加に対応するため、長期借入金を実行し、長期借入れによる収入2,400,000千円となりました。その他、長期借入金の返済による支出424,331千円、短期借入金の純減少額400,000千円、配当金の支払額331,819千円、自己株式の取得による支出76,925千円が増加要因となっております。
③ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
該当事項はありませんが、代替的な指標として当事業年度の仕入実績を記載しております。
当事業年度における仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(単位:千円)
(注) 1.セグメント間の取引はありません。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b.受注実績
該当事項はありません。
c.販売実績
当事業年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(単位:千円)
(注) 1.セグメント間の取引はありません。
2.総販売実績に対する販売割合が10%以上の相手先はありません。
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
文中の将来に関する事項については、当事業年度末において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成にあたり、見積りが必要な事項につきましては、合理的な基準に基づき会計上の見積りを行っております。
詳細につきましては、第5[経理の状況]1[財務諸表等](1)財務諸表(重要な会計方針)に記載しております。
② 当事業年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.財政状態
当事業年度末の資産につきましては、総資産が12,008,879千円となり、前事業年度末と比較し2,137,420千円の増加となりました。
流動資産は10,810,757千円となり、前事業年度末と比較して2,153,887千円の増加となりました。これは主として現金及び預金が2,125,063千円増加したことによるものであります。
固定資産は1,198,122千円となり、前事業年度末と比較して16,467千円の減少となりました。これは主として有形固定資産が17,174千円減少したことによるものであります。
負債につきましては、6,304,880千円となり、前事業年度末と比較して1,342,785千円の増加となりました。
流動負債は3,633,841千円となり、前事業年度末と比較して309,511千円の減少となりました。これは主として、買掛金が456,430千円減少したこと、短期借入金が400,000千円減少したこと、一年内返済予定長期借入金が323,372千円増加したこと、未払法人税等が91,436千円増加したこと、ポイント引当金が124,842千円増加したことによるものであります。
固定負債は2,671,039千円となり、前事業年度末と比較して1,652,297千円の増加となりました。これは長期借入金が1,652,297千円増加したことによるものであります。
純資産につきましては、5,703,999千円となり前事業年度末と比較して794,635千円の増加となりました。これは利益剰余金が862,142千円増加したこと、自己株式が76,925千円増加したことによるものであります。
b.経営成績
当事業年度の売上高は、34,658,950千円(前年同期比0.1%増)となりました。内容としましては、カメラ事業を中心に当社ECサイトでのOne To Oneマーケティングの活用と購入前から購入時そして購入後までの循環の輪を大きくする各種サービスと仕組みを構築したことで、収益の拡大のためのプラットフォームが順調に稼働しました。時計事業では人気ブランドの商品確保及び積極的な在庫投資と戦略的な商品展開に注力しました。コロナウィルス感染拡大により、店舗への来店者数の減少、また、顧客と従業員の安全や感染症拡大防止の観点から店舗営業時間の短縮を実施したことによる影響がありましたが、通期では前事業年度と同水準を維持しました。
売上総利益は、One To Oneマーケティングの活用及びMD機能の強化によって、中古商品の需要と供給を適切な水準に戻すことで売上総利益率が改善し、6,241,975千円(同11.2%増)となりました。
販売費及び一般管理費におきましては、他社ショッピングサイトの利用手数料の減少、店舗設備投資の縮小による諸費用の減少等がありました。一方で、ECサイトの機能強化及び運用に係る業務委託手数料や人員補強に伴う諸費用、カメラ市場の需要鈍化に対応するための販売促進策の強化、自社サイト及び店舗における自社ポイント施策を強化したこともあり、売上高販売管理費比率は前事業年度から0.9ポイント上昇し12.9%となったことで、4,487,191千円(同7.6%増)となりました。
この結果、営業利益は1,754,784千円(同21.5%増)となりました。
営業外収益は、受取保険金等の計上により2,114千円(同45.3%増)となりました。営業外費用は、為替差損等の計上により21,241千円(同70.1%増)となりました。
この結果、経常利益は1,735,657千円(同21.1%増)となり、売上高経常利益率は5.0%(同0.9ポイント増)となりました。
特別利益は、新株予約権戻入益の計上により545千円(同144.1%増)となりました。特別損失の計上はありません(前事業年度は6,370千円)。
この結果、当期純利益は1,193,962千円(同21.5%増)となり、売上高当期純利益率は3.4%(同0.6ポイント増)となりました。
c.目標とする経営指標の達成状況等
売上高経常利益率につきましては、長期的には8%以上を目標としております。ROE(株主資本利益率)につきましては、長期目標として30%以上を目指しております。
売上高経常利益率
前事業年度より0.9ポイント増加し5.0%となりました。その理由は次のとおりです。
・前事業年度は国内カメラ市場の低迷により新品カメラの売上が伸び悩んだ中で、セール実施等により中古買取・販売を強化した結果、売上高総利益率は低調でした。当事業年度においてはOne To Oneマーケティングの活用及びMD機能の強化によって、中古商品の需要と供給を適切な水準に戻すことに注力した結果、売上高総利益率が前事業年度より1.8ポイント改善しました。
・ECサイトの機能強化及び運用に係る業務委託手数料や人員補強に伴う諸費用、また、消費増税後の中小事業者を対象としたキャッシュレス決済ポイント還元政策への対策として、自社サイト及び店舗における自社ポイント施策を強化したことで関連費用が増加しました。一方で、顧客を自社サイトへ誘導することによる他社ショッピングサイトの利用手数料の減少、店舗設備投資の縮小による諸費用の減少等によって、売上高販売管理費比率は前事業年度から0.9ポイントの上昇に抑えました。
ROE(株主資本利益率)
経営環境の変化に対応した機動的な資本政策の遂行及び株主還元策の一環として、自己株式取得を実施し、当期純利益の増加によって、ROE(株主資本利益率)は前事業年度より1.2ポイント増加し22.5%となりました。今後も引き続き目標達成に向け、経営効率の向上に寄与する諸施策を実施いたします。
③ 経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、第2[事業の状況]2[事業等のリスク]に記載しております。
④ 資本の財源及び資金の流動性についての分析
財務・資本政策の基本的な方針
当社の経営者は、円滑な事業活動に必要なレベルの流動性確保、財務の健全性・安定性維持を資金調達の基本方針としており、主に銀行等から長期及び短期の借入金を中心とした資金調達を行っております。事業展開に伴う資金需要に対する機動的な対応のため、各金融機関とは幅広く良好な関係を構築し、綿密な連携を実施しております。また、売上高経常利益率向上、ROE向上に向けた諸施策に伴う投資については、フリーキャッシュフロー(FCF)を注視しながら、中長期的な視点を持ち、実施しております。2021年3月期も手元現預金及び今後創出するフリーキャッシュフロー、有利子負債の活用により創出された配分可能な経営資源については、将来の成長に向けた投資や株主還元のさらなる充実等に活用する予定です。
資金需要の主な内容
当社の資金需要は、営業活動に係る資金支出では、事業規模拡大に伴う商品仕入やメンテナンス作業及び配送作業スペース拡充に伴う賃借料、人員増加に伴う人件費、さらにEC販売強化に伴うシステム関連費用などがあります。また、投資活動に係る資金支出は、事業規模拡大に伴う事務所等の拡充による有形固定資産の取得、システム投資による無形固定資産の取得、敷金保証金等の差入などがあります。
資金調達
当社の事業活動の維持拡大に必要な資金を安定的に確保するため、各金融機関と緊密な連携を図り、機動的な対応を可能にする関係性を構築しております。設備投資額は、営業キャッシュフローの範囲内とすることを原則としておりますが、営業キャッシュフローを超える投資を行う場合は、金融機関等からの借入を実施し、有利子負債を活用しております。
当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当事業年度における我が国経済は、期の半ばまでは雇用・所得環境の改善と各種政策の効果もあって、緩やかな回復基調で推移しましたが、国外では長期化する米中貿易摩擦や英国のEU離脱及び中東地域の地政学リスクなどによる諸問題、国内では消費増税や気候変動に伴う景況感の一時的な停滞がありました。さらに、新型コロナウイルス感染症の世界的な感染拡大による経済全体の収縮が始まり、先行きは極めて厳しい状況が続くと見込まれています。
当社が置かれていますEコマース市場は、経済産業省の公表による2018年の国内BtoCのEC市場規模は前年から9.0%伸長して18.0兆円となり、EC化率も継続し上昇しながら、その市場規模は拡大しております。そして、その中の中古品市場は、中古ビジネスへの注目から多様な業態が参入したことによるBtoC取引の増加、スマートフォンによる購入環境の進化と取扱品の多様化によるユーザー層の広がりによって、フリマアプリ、インターネットオークションなどを利用したCtoC取引が増加し、市場の拡大を牽引しています。一方で、市場拡大に伴い、模倣品や盗品に関するトラブルが多発し社会的に重要な問題となっていることから、インターネット取引における安心・安全はより一層求められております。
このような経営環境のもと、当社は「顧客に『価値ある新品と中古品』を安心・安全にお取引できるマーケットを創出すること」を方針として、インターネットにおける中古品取引を可能とする仕組みをいち早く構築し事業展開を推進してまいりました。
当事業年度におきましては、前事業年度において課題となった売上総利益率の改善のために、One To Oneマーケティングの活用及びMD機能の強化によって、中古商品の需要と供給を適切な水準に戻すことに注力しました。そして、当社が構築したプラットフォームにおいては、購入前から購入時そして購入後までの循環の輪を大きくすることで収益の拡大を図るステージに移行しました。主力となるカメラ事業においては、“購入前”には商品を選ぶ上で有益な情報が得られる当社スタッフのブログ「THE MAPTIMES」や500機種以上のフォトプレビューサイト「Kasyapa」、“購入時”には欲しい商品が先に届く「先取交換」、リアルな商品イメージが伝わる商品動画(Youtube)や約30カットの商品画像、質の高いユーザーの声や情報を活用した「見積りSNS」と「コミュレビ」、“購入後”にはWeb上で気軽に本格的なフォトコンテストにも参加できる写真共有サイト「EVERYBODY×PHOTOGRAPHER.com」、その他様々なサービスと仕組みを活用してまいりました。時計事業においては、前事業年度に注力した在庫の量的拡充とレディース商品も含めた戦略的ラインナップをさらに推し進め、時計専門店「GMT」から新たにスマートフォンを中心とし、SNSとの連携を強化したレディース腕時計専門サイト「BRILLER」を開設しました。また、Web会員の新規入会は継続的に確保され、総会員数も順調に増加しており、2月中旬からはコロナウイルス感染拡大による市場低迷の影響を大きく受けたものの、売上高は前事業年度の水準を維持し34,658,950千円(前年同期比0.1%増)となりました。
販売費及び一般管理費では、顧客を自社サイトへ誘導することで他社ショッピングサイトの取引きが減少したことによる利用手数料の減少、店舗設備投資の縮小による諸費用の減少等がありました。一方で、ECサイトの機能強化及び運用に係る業務委託手数料や人員補強に伴う諸費用、カメラ事業では市場が一眼レフからミラーレスへの転換期を迎えたことによる需要鈍化に対応するための販売促進策の強化に加え、消費増税後の中小事業者を対象としたキャッシュレス決済ポイント還元政策への対策として、自社サイト及び店舗における自社ポイント施策を強化したこともあり、売上高販売管理費比率は前事業年度から0.9ポイント上昇し12.9%となり、結果、4,487,191千円(同7.6%増)となりました。ただし、当事業年度のスタート時からの取り組みにより売上総利益率が従前の水準にまで改善したことによって、利益面では営業利益は1,754,784千円(同21.5%増)、経常利益は1,735,657千円(同21.1%増)となり、当期純利益は1,193,962千円(同21.5%増)となりました。
セグメント別の経営成績は、次のとおりであります。
[カメラ事業]
新品カメラ市場が一眼レフからミラーレスへの転換期を迎えたことで需要の鈍化が続く中、前事業年度から引き続き、ECサイト独自の機能及びサービスを活用したOne To OneアプローチとSNSの活性化及びブログ、フォトプレビューサイトなどで価値ある情報の活用に積極的に取り組んできたことで、自社サイトの売上高は増進し、同時に新規Web会員も順調に確保することができました。一方で、消費税率引き上げ直前の9月は駆け込み需要が高まったものの、その後の反動減の影響及び他社ショッピングサイトの取引きが減少しました。2月中旬からは新型コロナウイルスの感染拡大により、一部メーカーの製造活動の休止によって商品供給の遅延や新製品発売の延期、また、消費者の外出自粛による購買意欲の低下と店舗への来店者数の減少、3月初旬からは店舗営業時間の短縮も実施したこともあり、売上高は23,274,236千円(前年同期比2.1%減)となりました。ただし、売上総利益率の改善に取り組んできたことが奏功し、セグメント利益は2,305,801千円(同22.2%増)となりました。
[時計事業]
コアな時計愛好者に向けた希少価値の高い高額商品と幅広い客層に支持されている人気ブランドの商品を確保することによる、積極的な在庫投資と戦略的な商品展開に注力してきたことが売上の拡大に繋がりました。また、新たな販売チャネルとして、世界中の時計愛好家が集まるオンラインマーケットプレイス「Chrono24」に出店し、販売機会の増加と広告効果・認知度向上を図りました。そして、レディース時計の商品ラインナップの拡充とあわせて、女性顧客に時計の魅力がより直感的に伝わるように美しい商品写真を中心とした専門サイト「BRILLER」を開設し、親しみやすいスマートフォンを中心に考えたサイト作りを行いました。消費増税後の反動減や2月中旬からは新型コロナウイルスの世界的な感染拡大によるインバウンド需要の減少がありましたが、期初からの様々な取り組みによって、売上高は10,330,235千円(前年同期比4.8%増)、セグメント利益は555,898千円(同2.2%増)となりました。
[筆記具事業]
ECサイトでは、カメラ事業に続いて顧客が買取と購入を同時に行う際に購入商品を先渡しする当社独自のサービス「先取交換」を開始しました。また、商品検索機能を前面に押し出すことで顧客の利便性を図り、商品画像掲載数の増量と中古商品詳細ページで動画掲載を開始することによって情報の拡充を図りました。従来より注力しておりますオリジナル商品では、主要メーカーの協力による独創的な万年筆とインクの企画・販売に継続して取り組み、あわせて社外で開催された文具のイベントなどにも積極的に出店したことで、売上高は502,865千円(前年同期比2.3%増)となり、セグメント利益は22,729千円(同38.8%増)となりました。
[自転車事業]
スマホアプリではロードバイクに関する情報の拡充を図ることで、初心者からプロユーザーまでが楽しめる情報ポータルサイトとしての展開を推し進め、完成車やホイール等の高単価商品の販売にも繋がりました。また、インドアトレーニング関連商品やサイクルコンピューターなどの人気の高い商品や新規商材の積極的な販売施策で集客効果を高め、新たな顧客の囲い込みにも取り組みました。あわせて、中古品の品揃え拡充とともに商品化クオリティーに見合った適正な販売価格へ見直しを図ったことで売上総利益率も改善し、売上高は551,613千円(前年同期比14.7%増)、セグメント利益は13,109千円(前年同期は5,217千円の損失)と黒字転換することができました。
② キャッシュ・フローの状況
(単位:千円)
| 区分 | 前事業年度 2018年4月1日から2019年3月31日まで | 当事業年度 2019年4月1日から2020年3月31日まで | 増減 | 増減率 (%) |
| 営業活動によるキャッシュ・フロー | 689,650 | 1,094,731 | 405,081 | 58.7 |
| 投資活動によるキャッシュ・フロー | △419,987 | △136,591 | 283,396 | △67.5 |
| 財務活動によるキャッシュ・フロー | △135,060 | 1,166,923 | 1,301,983 | - |
| 現金及び現金同等物の増減額 | 134,602 | 2,125,063 | 1,990,461 | 1,478.8 |
| 現金及び現金同等物の期首残高 | 1,268,843 | 1,403,445 | 134,602 | 10.6 |
| 現金及び現金同等物の期末残高 | 1,403,445 | 3,528,508 | 2,125,063 | 151.4 |
当事業年度末における現金及び現金同等物は、3,528,508千円となり、前事業年度末と比較して2,125,063千円の増加となりました。
各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によって得られたキャッシュ・フローは、1,094,731千円(前年同期比58.7%増)となりました。これは、主として税引前当期純利益1,736,202千円、たな卸資産の増加額511,885千円、法人税等の支払額505,335千円、仕入債務の減少額456,430千円、減価償却費213,153千円、売上債権の減少額226,326千円、ポイント引当金の増加額124,842千円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動に使用されたキャッシュ・フローは、136,591千円(前年同期比67.5%減)となりました。これは、主として無形固定資産の取得による支出142,961千円、差入敷金保証金の差入による支出100,016千円、その他の投資活動112,970千円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によって得られたキャッシュ・フローは、1,166,923千円(前年同期は135,060千円の使用)となりました。これは、主として、財務の健全性・安全性を維持し、機動的な事業活動や新型コロナウイルス感染症拡大による資金需要増加に対応するため、長期借入金を実行し、長期借入れによる収入2,400,000千円となりました。その他、長期借入金の返済による支出424,331千円、短期借入金の純減少額400,000千円、配当金の支払額331,819千円、自己株式の取得による支出76,925千円が増加要因となっております。
③ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
該当事項はありませんが、代替的な指標として当事業年度の仕入実績を記載しております。
当事業年度における仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(単位:千円)
| セグメントの名称 | 当事業年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) | 前年同期比(%) |
| カメラ事業 | 18,758,982 | 95.1 |
| 時計事業 | 9,401,256 | 102.2 |
| 筆記具事業 | 349,556 | 105.0 |
| 自転車事業 | 466,049 | 134.2 |
| 合計 | 28,975,845 | 97.9 |
(注) 1.セグメント間の取引はありません。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b.受注実績
該当事項はありません。
c.販売実績
当事業年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(単位:千円)
| セグメントの名称 | 当事業年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) | 前年同期比(%) | |
| カメラ事業 | EC | 17,193,379 | 98.1 |
| 店舗 | 6,080,857 | 97.3 | |
| セグメント計 | 23,274,236 | 97.9 | |
| 時計事業 | EC | 3,503,265 | 101.7 |
| 店舗 | 6,826,969 | 106.4 | |
| セグメント計 | 10,330,235 | 104.8 | |
| 筆記具事業 | EC | 369,546 | 105.1 |
| 店舗 | 133,318 | 95.1 | |
| セグメント計 | 502,865 | 102.3 | |
| 自転車事業 | EC | 478,247 | 124.0 |
| 店舗 | 73,365 | 77.0 | |
| セグメント計 | 551,613 | 114.7 | |
| 合計 | EC | 21,544,438 | 99.2 |
| 店舗 | 13,114,511 | 101.7 | |
| セグメント計 | 34,658,950 | 100.1 | |
(注) 1.セグメント間の取引はありません。
2.総販売実績に対する販売割合が10%以上の相手先はありません。
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
文中の将来に関する事項については、当事業年度末において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成にあたり、見積りが必要な事項につきましては、合理的な基準に基づき会計上の見積りを行っております。
詳細につきましては、第5[経理の状況]1[財務諸表等](1)財務諸表(重要な会計方針)に記載しております。
② 当事業年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.財政状態
当事業年度末の資産につきましては、総資産が12,008,879千円となり、前事業年度末と比較し2,137,420千円の増加となりました。
流動資産は10,810,757千円となり、前事業年度末と比較して2,153,887千円の増加となりました。これは主として現金及び預金が2,125,063千円増加したことによるものであります。
固定資産は1,198,122千円となり、前事業年度末と比較して16,467千円の減少となりました。これは主として有形固定資産が17,174千円減少したことによるものであります。
負債につきましては、6,304,880千円となり、前事業年度末と比較して1,342,785千円の増加となりました。
流動負債は3,633,841千円となり、前事業年度末と比較して309,511千円の減少となりました。これは主として、買掛金が456,430千円減少したこと、短期借入金が400,000千円減少したこと、一年内返済予定長期借入金が323,372千円増加したこと、未払法人税等が91,436千円増加したこと、ポイント引当金が124,842千円増加したことによるものであります。
固定負債は2,671,039千円となり、前事業年度末と比較して1,652,297千円の増加となりました。これは長期借入金が1,652,297千円増加したことによるものであります。
純資産につきましては、5,703,999千円となり前事業年度末と比較して794,635千円の増加となりました。これは利益剰余金が862,142千円増加したこと、自己株式が76,925千円増加したことによるものであります。
b.経営成績
当事業年度の売上高は、34,658,950千円(前年同期比0.1%増)となりました。内容としましては、カメラ事業を中心に当社ECサイトでのOne To Oneマーケティングの活用と購入前から購入時そして購入後までの循環の輪を大きくする各種サービスと仕組みを構築したことで、収益の拡大のためのプラットフォームが順調に稼働しました。時計事業では人気ブランドの商品確保及び積極的な在庫投資と戦略的な商品展開に注力しました。コロナウィルス感染拡大により、店舗への来店者数の減少、また、顧客と従業員の安全や感染症拡大防止の観点から店舗営業時間の短縮を実施したことによる影響がありましたが、通期では前事業年度と同水準を維持しました。
売上総利益は、One To Oneマーケティングの活用及びMD機能の強化によって、中古商品の需要と供給を適切な水準に戻すことで売上総利益率が改善し、6,241,975千円(同11.2%増)となりました。
販売費及び一般管理費におきましては、他社ショッピングサイトの利用手数料の減少、店舗設備投資の縮小による諸費用の減少等がありました。一方で、ECサイトの機能強化及び運用に係る業務委託手数料や人員補強に伴う諸費用、カメラ市場の需要鈍化に対応するための販売促進策の強化、自社サイト及び店舗における自社ポイント施策を強化したこともあり、売上高販売管理費比率は前事業年度から0.9ポイント上昇し12.9%となったことで、4,487,191千円(同7.6%増)となりました。
この結果、営業利益は1,754,784千円(同21.5%増)となりました。
営業外収益は、受取保険金等の計上により2,114千円(同45.3%増)となりました。営業外費用は、為替差損等の計上により21,241千円(同70.1%増)となりました。
この結果、経常利益は1,735,657千円(同21.1%増)となり、売上高経常利益率は5.0%(同0.9ポイント増)となりました。
特別利益は、新株予約権戻入益の計上により545千円(同144.1%増)となりました。特別損失の計上はありません(前事業年度は6,370千円)。
この結果、当期純利益は1,193,962千円(同21.5%増)となり、売上高当期純利益率は3.4%(同0.6ポイント増)となりました。
c.目標とする経営指標の達成状況等
売上高経常利益率につきましては、長期的には8%以上を目標としております。ROE(株主資本利益率)につきましては、長期目標として30%以上を目指しております。
| 実績 | 業績予想 | 長期目標 | ||
| 第14期 | 第15期 | 第16期 | ||
| 2019年3月 | 2020年3月 | 2021年3月 | ||
| 売上高経常利益率 | 4.1% | 5.0% | 3.9% | 8%以上 |
| ROE(株主資本利益率) | 21.3% | 22.5% | - | 30%以上 |
売上高経常利益率
前事業年度より0.9ポイント増加し5.0%となりました。その理由は次のとおりです。
・前事業年度は国内カメラ市場の低迷により新品カメラの売上が伸び悩んだ中で、セール実施等により中古買取・販売を強化した結果、売上高総利益率は低調でした。当事業年度においてはOne To Oneマーケティングの活用及びMD機能の強化によって、中古商品の需要と供給を適切な水準に戻すことに注力した結果、売上高総利益率が前事業年度より1.8ポイント改善しました。
・ECサイトの機能強化及び運用に係る業務委託手数料や人員補強に伴う諸費用、また、消費増税後の中小事業者を対象としたキャッシュレス決済ポイント還元政策への対策として、自社サイト及び店舗における自社ポイント施策を強化したことで関連費用が増加しました。一方で、顧客を自社サイトへ誘導することによる他社ショッピングサイトの利用手数料の減少、店舗設備投資の縮小による諸費用の減少等によって、売上高販売管理費比率は前事業年度から0.9ポイントの上昇に抑えました。
ROE(株主資本利益率)
経営環境の変化に対応した機動的な資本政策の遂行及び株主還元策の一環として、自己株式取得を実施し、当期純利益の増加によって、ROE(株主資本利益率)は前事業年度より1.2ポイント増加し22.5%となりました。今後も引き続き目標達成に向け、経営効率の向上に寄与する諸施策を実施いたします。
③ 経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、第2[事業の状況]2[事業等のリスク]に記載しております。
④ 資本の財源及び資金の流動性についての分析
財務・資本政策の基本的な方針
当社の経営者は、円滑な事業活動に必要なレベルの流動性確保、財務の健全性・安定性維持を資金調達の基本方針としており、主に銀行等から長期及び短期の借入金を中心とした資金調達を行っております。事業展開に伴う資金需要に対する機動的な対応のため、各金融機関とは幅広く良好な関係を構築し、綿密な連携を実施しております。また、売上高経常利益率向上、ROE向上に向けた諸施策に伴う投資については、フリーキャッシュフロー(FCF)を注視しながら、中長期的な視点を持ち、実施しております。2021年3月期も手元現預金及び今後創出するフリーキャッシュフロー、有利子負債の活用により創出された配分可能な経営資源については、将来の成長に向けた投資や株主還元のさらなる充実等に活用する予定です。
資金需要の主な内容
当社の資金需要は、営業活動に係る資金支出では、事業規模拡大に伴う商品仕入やメンテナンス作業及び配送作業スペース拡充に伴う賃借料、人員増加に伴う人件費、さらにEC販売強化に伴うシステム関連費用などがあります。また、投資活動に係る資金支出は、事業規模拡大に伴う事務所等の拡充による有形固定資産の取得、システム投資による無形固定資産の取得、敷金保証金等の差入などがあります。
資金調達
当社の事業活動の維持拡大に必要な資金を安定的に確保するため、各金融機関と緊密な連携を図り、機動的な対応を可能にする関係性を構築しております。設備投資額は、営業キャッシュフローの範囲内とすることを原則としておりますが、営業キャッシュフローを超える投資を行う場合は、金融機関等からの借入を実施し、有利子負債を活用しております。