有価証券報告書-第19期(2023/04/01-2024/03/31)
(1) 経営成績等の状況の概況
当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当事業年度における我が国経済は、コロナ禍からの経済活動の正常化が進む一方、国際情勢の不安定化と地政学的リスクの高まりが長期化しております。これらを背景とする為替レートの急速な変動、資源不足・原材料価格の高騰、物価上昇等が継続しており、個人消費への影響や、景気の先行きに対する懸念は、依然として不透明な状況が続いております。
一方、当社が置かれているEコマース市場は、経済産業省の電子商取引に関する市場調査において、2022年の国内小売販売に占める物販系のEC化率は9.13%(前年比0.35ポイント増)と推計され、商取引の電子化が進展しております。
(注) 出典:経済産業省 令和4年度デジタル取引環境整備事業(電子商取引に関する市場調査)
このような経営環境のもと、当社は「お客様に『価値ある新品と中古品』を安心、安全に取引できるマーケットを創造すること」を方針として、インターネット経由ですべての情報とサービスをお客様に提供してまいりました。中長期目標の実現に向けたビジョンとして「4つのシンカ」と「バリューチェーン・シナリオプランニング」を前事業年度より引き続いて掲げ、従業員エンゲージメント強化を進めることで、「ムダ・ムリ」をなくしたスリムな経営と、社員の成長とともに会社の成長を目指しております。
当事業年度においては、主軸のカメラ事業が新製品の販売やAIの活用による購買動機の創造で堅調に推移したことと、時計事業の販売が6月以降回復したことで、売上高は48,841,841千円(前年同期比7.1%増)となりました。
利益面においては、主軸のカメラ事業では「AIMD」の改良を行い、売上高が伸びる中でも高い売上総利益率を維持しております。時計事業では、売上高の回復と、利益を確保した価格水準での販売を両立することができております。これらによって、当事業年度の売上総利益率は前期比で1.7ポイント増の18.7%となりました。
なお、カメラ事業にて、システム障害のため2023年12月1日から2024年1月22日まで、楽天市場およびYahoo!ショッピング(以下「国内モール」)の一時出店停止を行いました(2023年12月1日のみ全事業で一時出店停止)。これは、当社基幹システムと国内モールのデータを連携する機能が、2023年11月末日で提供終了されることに伴い、切り戻しが不可能な状況下にて行った、システム切り替えに失敗したことによるものです。
本システム障害が発生していた期間の対象国内モールによる想定受注金額は393,000千円であり、売上高の機会損失も同程度と考えられ、本件が当期業績に与える影響は軽微であります。
販売費及び一般管理費においては、売上高連動の販売促進費やクレジット利用手数料及び従業員給与の増加等があり5,783,911千円(同9.3%増)となり、AI活用によるスリムな経営は継続してまいりましたが、売上高販売管理費比率は前期比で0.2ポイント増の11.8%となりました。これらによって、営業利益は3,343,503千円(同35.7%増)、経常利益は3,344,107千円(同37.1%増)、当期純利益は2,322,367千円(同36.8%増)となりました。
セグメント別の経営成績は、次のとおりであります。
[カメラ事業]
当事業年度は、動画配信を中心としたコンテンツの拡充と、AI活用の更なる推進に注力しました。YouTubeを中心に動画の制作や配信を行う「コンテンツクリエイト部」を新設、映像制作の実務経験を持つ人材を複数名配属、若年層視聴者の獲得を進めました。10月に発売された「Nikon Z f」の紹介動画が人気を博したことを契機に、1カ月当たりの動画閲覧回数が2倍近くとなり、販促効果が表れ始めております。これまでもAIを活用した「One to Oneマーケティング」を推進しておりますが、今後は映像コンテンツの制作、配信にも一層磨きをかけてまいります。グローバル展開の取り組みとしてはカメラ事業において、世界最大級のオンラインマーケットプレイス「eBay」を通じた販売を強化した結果、「eBay Japan Awards2023」にて販売実績等の総合的評価トップのセラーに贈られる「Seller of the Year」を2年連続で獲得するなど、堅調に伸長しております。
これらによりセグメント売上高は36,664,694千円(前年同期比12.1%増)となり、セグメント利益は4,294,624千円(同12.7%増)となりました。
[時計事業]
高級機械式時計の価格相場は、当事業年度においては比較的安定して推移しております。当社においては利益を確保した販売を継続できる環境となりました。
また、時計事業においても「ワンプライス買取」を強化し、これまで2,600点であった対象商品を6,000点以上に増加させ、お見積りの段階で値引きをしない買取手法を通じて、全体としては当社が利益を確保しやすい価格での仕入を行うことができるようになっております。これらを通じて、第2四半期以降は安定して毎四半期1.3億円程度のセグメント利益を継続して獲得することができました。
当事業年度のセグメント売上高は10,974,287千円(前年同期比5.4%減)、セグメント利益は444,069千円(前年同期は191,347千円の損失)となりました。
[筆記具事業]
当事業年度においては、メーカーとの協業によるオリジナル商品・限定モデルの売れ行きは好調でしたが、新品の販売は低調となりました。中古品は、適切な販売価格の設定で売上総利益率も改善しました。
これらにより、セグメント売上高は433,204千円(前年同期比1.3%減)、セグメント利益については62,027千円(同60.4%増)となりました。
[自転車事業]
当事業年度は円安による完成車価格の高騰等を通じ、販売の勢いは鈍化しました。世界最大級のECサイトの破産や、大手メーカーの業績悪化等、市場の減速感が強まる中、免税売上も低調な推移となり、セグメント売上高は769,654千円(前年同期比10.0%減)、セグメント利益については47,591千円(同14.6%減)となりました。
(グローバル戦略について)
これまで「Map Camera」として世界最大級のオンラインマーケットプレイス「eBay」へ、「GMT」として「eBay」及び高級腕時計マーケットプレイス「Chrono24」へ出店しており、前事業年度より海外向け販売サポートサービスである「Buyee Connect」を導入しております。
当事業年度には、「eBay」でオーストラリア向けの取扱商品を拡充させた他、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う国際物流の停滞により、停止・縮小させていたカナダ向けの商品取扱を全面的に復活させました。これにより、オーストラリア、カナダの両国では、米国と同等のラインナップで販売が可能となりました。円安・ドル高が進行したことも追い風となり、越境ECにおける売上高は3,284,976千円(前期比29.9%増)となりました。カメラ事業では「eBay Japan Awards2023」にて販売実績等の総合的評価トップのセラーに贈られる「Seller of the Year」を2年連続で獲得しております。
越境ECにおける売上高はカメラ事業、時計事業、筆記具事業、自転車事業にそれぞれに含まれて計上されており、当事業年度においては、カメラ事業2,527,903千円、時計事業748,997千円、筆記具事業7,515千円、自転車事業559千円となっております。
② キャッシュ・フローの状況
(単位:千円)
当事業年度末における現金及び現金同等物は、1,321,305千円となり、前事業年度末と比較して102,220千円の減少となりました。
各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によって獲得したキャッシュ・フローは、2,362,378千円(前年同期は1,243,930千円の獲得)となりました。これは、主として税引前当期純利益3,343,983千円、減価償却費173,313千円、法人税等の支払額646,823千円、棚卸資産の増加額453,142千円、売上債権の増加額263,100千円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動に使用されたキャッシュ・フローは、412,657千円(前年同期は444,688千円の使用)となりました。これは、主として無形固定資産の取得による支出381,516千円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によって使用されたキャッシュ・フローは、2,051,941千円(前年同期は549,123千円の使用)となりました。これは、主として長期借入金の返済1,702,819千円、配当金の支払額631,223千円によるものであります。
③ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
該当事項はありませんが、代替的な指標として当事業年度の仕入実績を記載しております。
当事業年度における仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(単位:千円)
(注) セグメント間の取引はありません。
b.受注実績
該当事項はありません。
c.販売実績
当事業年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(単位:千円)
(注) 1.セグメント間の取引はありません。
2.総販売実績に対する販売割合が10%以上の相手先はありません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
文中の将来に関する事項については、当事業年度末において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成にあたり、見積りが必要な事項につきましては、合理的な基準に基づき会計上の見積りを行っております。
詳細につきましては、第5(経理の状況)1(財務諸表等)(1)財務諸表 (注記事項) (重要な会計方針)に記載しております。
② 当事業年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.財政状態
当事業年度末の資産につきましては、総資産が16,063,110千円となり、前事業年度末と比較して996,752千円の増加となりました。
流動資産は13,961,987千円となり、前事業年度末と比較して759,272千円の増加となりました。これは主として商品が453,142千円増加、売掛金が263,100千円増加したことによるものであります。
固定資産は2,101,123千円となり、前事業年度末と比較して237,479千円の増加となりました。これは主としてソフトウエア仮勘定が268,640千円増加、長期前払費用が26,918千円減少したことによるものであります。
負債につきましては、7,796,867千円となり、前事業年度末と比較して790,002千円の減少となりました。
流動負債は5,979,728千円となり、前事業年度末と比較して339,548千円の増加となりました。これは主として、未払法人税等が400,302千円増加、短期借入金が200,000千円増加、1年内返済予定の長期借入金が553,150千円減少したことによるものであります。
固定負債は1,817,139千円となり、前事業年度末と比較して1,129,550千円の減少となりました。これは主として長期借入金が1,149,669千円減少したことによるものであります。
純資産につきましては、8,266,243千円となり前事業年度末と比較して1,786,754千円の増加となりました。これは主として繰越利益剰余金が1,446,630千円増加、自己株式が327,573千円減少したことによるものであります。
b.経営成績
当事業年度の売上高は、48,841,841千円(前年同期比7.1%増)となりました。これまでの「One to Oneマーケティング」において、カメラ事業の需給に合わせたタイムリーな買取・販売価格の設定を可能とした「AIMD」の改良を行い、Web上に保有する記事コンテンツの中から顧客ごとに適切なものを配信する「AIコンテンツレコメンド」を一層推し進めました。さらに、YouTubeを中心に動画の制作や配信を行う「コンテンツクリエイト部」を新設するなど、ECにおける販促施策を展開いたしました。
売上総利益は、カメラ事業における「AIMD」による中古商品の販売・買取価格設定が機能したこと、時計事業における利益を確保した販売の実施等によって、前事業年度から1.7ポイント増加し、9,127,414千円(同17.7%増)となりました。
販売費及び一般管理費におきましては、売上高連動の販売促進費やクレジット利用手数料、基幹システムをはじめとする投資、従業員給与の増加等によって5,783,911千円(同9.3%増)となり、売上高販売管理費比率は前事業年度から0.2ポイント増加しました。
この結果、営業利益は3,343,503千円(同35.7%増)となりました。
営業外収益は、為替差益等の計上により39,371千円(同100.6%増)となりました。営業外費用は、支払利息等の計上により38,768千円(同10.4%減)となりました。
この結果、経常利益は3,344,107千円(同37.1%増)となり、売上高経常利益率は6.8%(同1.5ポイント増)となりました。
特別利益の計上はありません(前事業年度は-千円)。特別損失は固定資産除却損を計上したことにより123千円(同11,097千円)となりました。
この結果、当期純利益は2,322,367千円(同36.8%増)となり、売上高当期純利益率は4.8%(同1.0ポイント増)となりました。
c.目標とする経営指標の達成状況等
売上高経常利益率につきましては、長期的には8%以上を目標としております。ROE(株主資本利益率)につきましては、長期目標として30%以上を目指しております。
売上高経常利益率
これまでに取り組んできました「One to Oneマーケティング」と「AIMD」、「AIコンテンツレコメンド」の活用、YouTubeによる顧客誘引を行うことで売上高は増加、「AIMD」活用と時計事業での利益を確保した販売の実施等によって、売上総利益率は前事業年度から1.7ポイント増加しました。売上高販売管理費は、売上高連動の販売促進費やクレジット利用手数料、基幹システムをはじめとする投資、従業員給与の増加等によって、売上高販売管理費比率は前事業年度から0.2ポイント増加しました。この結果、売上高経常利益率は前事業年度より1.5ポイント増加し6.8%となりました。
ROE(株主資本利益率)
当事業年度につきましては、当期純利益が前事業年度より36.8%増加したことで、ROE(株主資本利益率)は前事業年度より3.1ポイント増加し31.5%となりました。今後も引き続き、経営効率の向上に寄与する諸施策を実施いたします。
③ 経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、第2(事業の状況)3(事業等のリスク)に記載しております。
④ 資本の財源及び資金の流動性についての分析
財務・資本政策の基本的な方針
当社の経営者は、円滑な事業活動に必要なレベルの流動性確保、財務の健全性・安定性維持を資金調達の基本方針としており、主に銀行等から長期及び短期の借入金を中心とした資金調達を行っております。事業展開に伴う資金需要に対する機動的な対応のため、各金融機関とは幅広く良好な関係を構築し、綿密な連携を実施しております。また、売上高経常利益率向上、ROE向上に向けた諸施策に伴う投資については、フリーキャッシュフロー(FCF)を注視しながら、中長期的な視点を持ち、実施しております。2024年3月期も手元現預金及び今後創出するフリーキャッシュフロー、有利子負債の活用により創出された配分可能な経営資源については、将来の成長に向けた投資や株主還元のさらなる充実等に活用する予定です。
資金需要の主な内容
当社の資金需要は、営業活動に係る資金支出では、事業規模拡大に伴う商品仕入やメンテナンス作業及び配送作業スペース拡充に伴う賃借料、人員増加に伴う人件費、さらにEC販売強化に伴うシステム関連費用などがあります。また、投資活動に係る資金支出は、事業規模拡大に伴う事務所等の拡充による有形固定資産の取得、システム投資による無形固定資産の取得、敷金保証金等の差入などがあります。
資金調達
当社の事業活動の維持拡大に必要な資金を安定的に確保するため、各金融機関と緊密な連携を図り、機動的な対応を可能にする関係性を構築しております。設備投資額は、営業キャッシュフローの範囲内とすることを原則としておりますが、営業キャッシュフローを超える投資を行う場合は、金融機関等からの借入を実施し、有利子負債を活用しております。
当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当事業年度における我が国経済は、コロナ禍からの経済活動の正常化が進む一方、国際情勢の不安定化と地政学的リスクの高まりが長期化しております。これらを背景とする為替レートの急速な変動、資源不足・原材料価格の高騰、物価上昇等が継続しており、個人消費への影響や、景気の先行きに対する懸念は、依然として不透明な状況が続いております。
一方、当社が置かれているEコマース市場は、経済産業省の電子商取引に関する市場調査において、2022年の国内小売販売に占める物販系のEC化率は9.13%(前年比0.35ポイント増)と推計され、商取引の電子化が進展しております。
(注) 出典:経済産業省 令和4年度デジタル取引環境整備事業(電子商取引に関する市場調査)
このような経営環境のもと、当社は「お客様に『価値ある新品と中古品』を安心、安全に取引できるマーケットを創造すること」を方針として、インターネット経由ですべての情報とサービスをお客様に提供してまいりました。中長期目標の実現に向けたビジョンとして「4つのシンカ」と「バリューチェーン・シナリオプランニング」を前事業年度より引き続いて掲げ、従業員エンゲージメント強化を進めることで、「ムダ・ムリ」をなくしたスリムな経営と、社員の成長とともに会社の成長を目指しております。
当事業年度においては、主軸のカメラ事業が新製品の販売やAIの活用による購買動機の創造で堅調に推移したことと、時計事業の販売が6月以降回復したことで、売上高は48,841,841千円(前年同期比7.1%増)となりました。
利益面においては、主軸のカメラ事業では「AIMD」の改良を行い、売上高が伸びる中でも高い売上総利益率を維持しております。時計事業では、売上高の回復と、利益を確保した価格水準での販売を両立することができております。これらによって、当事業年度の売上総利益率は前期比で1.7ポイント増の18.7%となりました。
なお、カメラ事業にて、システム障害のため2023年12月1日から2024年1月22日まで、楽天市場およびYahoo!ショッピング(以下「国内モール」)の一時出店停止を行いました(2023年12月1日のみ全事業で一時出店停止)。これは、当社基幹システムと国内モールのデータを連携する機能が、2023年11月末日で提供終了されることに伴い、切り戻しが不可能な状況下にて行った、システム切り替えに失敗したことによるものです。
本システム障害が発生していた期間の対象国内モールによる想定受注金額は393,000千円であり、売上高の機会損失も同程度と考えられ、本件が当期業績に与える影響は軽微であります。
販売費及び一般管理費においては、売上高連動の販売促進費やクレジット利用手数料及び従業員給与の増加等があり5,783,911千円(同9.3%増)となり、AI活用によるスリムな経営は継続してまいりましたが、売上高販売管理費比率は前期比で0.2ポイント増の11.8%となりました。これらによって、営業利益は3,343,503千円(同35.7%増)、経常利益は3,344,107千円(同37.1%増)、当期純利益は2,322,367千円(同36.8%増)となりました。
セグメント別の経営成績は、次のとおりであります。
[カメラ事業]
当事業年度は、動画配信を中心としたコンテンツの拡充と、AI活用の更なる推進に注力しました。YouTubeを中心に動画の制作や配信を行う「コンテンツクリエイト部」を新設、映像制作の実務経験を持つ人材を複数名配属、若年層視聴者の獲得を進めました。10月に発売された「Nikon Z f」の紹介動画が人気を博したことを契機に、1カ月当たりの動画閲覧回数が2倍近くとなり、販促効果が表れ始めております。これまでもAIを活用した「One to Oneマーケティング」を推進しておりますが、今後は映像コンテンツの制作、配信にも一層磨きをかけてまいります。グローバル展開の取り組みとしてはカメラ事業において、世界最大級のオンラインマーケットプレイス「eBay」を通じた販売を強化した結果、「eBay Japan Awards2023」にて販売実績等の総合的評価トップのセラーに贈られる「Seller of the Year」を2年連続で獲得するなど、堅調に伸長しております。
これらによりセグメント売上高は36,664,694千円(前年同期比12.1%増)となり、セグメント利益は4,294,624千円(同12.7%増)となりました。
[時計事業]
高級機械式時計の価格相場は、当事業年度においては比較的安定して推移しております。当社においては利益を確保した販売を継続できる環境となりました。
また、時計事業においても「ワンプライス買取」を強化し、これまで2,600点であった対象商品を6,000点以上に増加させ、お見積りの段階で値引きをしない買取手法を通じて、全体としては当社が利益を確保しやすい価格での仕入を行うことができるようになっております。これらを通じて、第2四半期以降は安定して毎四半期1.3億円程度のセグメント利益を継続して獲得することができました。
当事業年度のセグメント売上高は10,974,287千円(前年同期比5.4%減)、セグメント利益は444,069千円(前年同期は191,347千円の損失)となりました。
[筆記具事業]
当事業年度においては、メーカーとの協業によるオリジナル商品・限定モデルの売れ行きは好調でしたが、新品の販売は低調となりました。中古品は、適切な販売価格の設定で売上総利益率も改善しました。
これらにより、セグメント売上高は433,204千円(前年同期比1.3%減)、セグメント利益については62,027千円(同60.4%増)となりました。
[自転車事業]
当事業年度は円安による完成車価格の高騰等を通じ、販売の勢いは鈍化しました。世界最大級のECサイトの破産や、大手メーカーの業績悪化等、市場の減速感が強まる中、免税売上も低調な推移となり、セグメント売上高は769,654千円(前年同期比10.0%減)、セグメント利益については47,591千円(同14.6%減)となりました。
(グローバル戦略について)
これまで「Map Camera」として世界最大級のオンラインマーケットプレイス「eBay」へ、「GMT」として「eBay」及び高級腕時計マーケットプレイス「Chrono24」へ出店しており、前事業年度より海外向け販売サポートサービスである「Buyee Connect」を導入しております。
当事業年度には、「eBay」でオーストラリア向けの取扱商品を拡充させた他、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う国際物流の停滞により、停止・縮小させていたカナダ向けの商品取扱を全面的に復活させました。これにより、オーストラリア、カナダの両国では、米国と同等のラインナップで販売が可能となりました。円安・ドル高が進行したことも追い風となり、越境ECにおける売上高は3,284,976千円(前期比29.9%増)となりました。カメラ事業では「eBay Japan Awards2023」にて販売実績等の総合的評価トップのセラーに贈られる「Seller of the Year」を2年連続で獲得しております。
越境ECにおける売上高はカメラ事業、時計事業、筆記具事業、自転車事業にそれぞれに含まれて計上されており、当事業年度においては、カメラ事業2,527,903千円、時計事業748,997千円、筆記具事業7,515千円、自転車事業559千円となっております。
② キャッシュ・フローの状況
(単位:千円)
| 区分 | 前事業年度 2022年4月1日から2023年3月31日まで | 当事業年度 2023年4月1日から2024年3月31日まで | 増減 | 増減率 (%) |
| 営業活動によるキャッシュ・フロー | 1,243,930 | 2,362,378 | 1,118,447 | 89.9 |
| 投資活動によるキャッシュ・フロー | △444,688 | △412,657 | 32,031 | - |
| 財務活動によるキャッシュ・フロー | △549,123 | △2,051,941 | △1,502,817 | - |
| 現金及び現金同等物の増減額 | 250,118 | △102,220 | △352,338 | - |
| 現金及び現金同等物の期首残高 | 1,173,407 | 1,423,525 | 250,118 | 21.3 |
| 現金及び現金同等物の期末残高 | 1,423,525 | 1,321,305 | △102,220 | △7.2 |
当事業年度末における現金及び現金同等物は、1,321,305千円となり、前事業年度末と比較して102,220千円の減少となりました。
各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によって獲得したキャッシュ・フローは、2,362,378千円(前年同期は1,243,930千円の獲得)となりました。これは、主として税引前当期純利益3,343,983千円、減価償却費173,313千円、法人税等の支払額646,823千円、棚卸資産の増加額453,142千円、売上債権の増加額263,100千円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動に使用されたキャッシュ・フローは、412,657千円(前年同期は444,688千円の使用)となりました。これは、主として無形固定資産の取得による支出381,516千円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によって使用されたキャッシュ・フローは、2,051,941千円(前年同期は549,123千円の使用)となりました。これは、主として長期借入金の返済1,702,819千円、配当金の支払額631,223千円によるものであります。
③ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
該当事項はありませんが、代替的な指標として当事業年度の仕入実績を記載しております。
当事業年度における仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(単位:千円)
| セグメントの名称 | 当事業年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) | 前年同期比(%) |
| カメラ事業 | 29,422,418 | 112.8 |
| 時計事業 | 9,918,454 | 88.0 |
| 筆記具事業 | 279,569 | 90.7 |
| 自転車事業 | 585,962 | 83.4 |
| 合計 | 40,206,405 | 104.8 |
(注) セグメント間の取引はありません。
b.受注実績
該当事項はありません。
c.販売実績
当事業年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(単位:千円)
| セグメントの名称 | 当事業年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) | 前年同期比(%) | |
| カメラ事業 | EC | 30,867,613 | 109.4 |
| 店舗 | 5,797,081 | 129.0 | |
| セグメント計 | 36,664,694 | 112.1 | |
| 時計事業 | EC | 5,340,513 | 91.2 |
| 店舗 | 5,633,773 | 98.0 | |
| セグメント計 | 10,974,287 | 94.6 | |
| 筆記具事業 | EC | 305,453 | 90.6 |
| 店舗 | 127,751 | 125.3 | |
| セグメント計 | 433,204 | 98.7 | |
| 自転車事業 | EC | 453,462 | 83.4 |
| 店舗 | 316,192 | 101.8 | |
| セグメント計 | 769,654 | 90.0 | |
| 合計 | EC | 36,967,042 | 105.7 |
| 店舗 | 11,874,799 | 111.5 | |
| セグメント計 | 48,841,841 | 107.1 | |
(注) 1.セグメント間の取引はありません。
2.総販売実績に対する販売割合が10%以上の相手先はありません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
文中の将来に関する事項については、当事業年度末において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成にあたり、見積りが必要な事項につきましては、合理的な基準に基づき会計上の見積りを行っております。
詳細につきましては、第5(経理の状況)1(財務諸表等)(1)財務諸表 (注記事項) (重要な会計方針)に記載しております。
② 当事業年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.財政状態
当事業年度末の資産につきましては、総資産が16,063,110千円となり、前事業年度末と比較して996,752千円の増加となりました。
流動資産は13,961,987千円となり、前事業年度末と比較して759,272千円の増加となりました。これは主として商品が453,142千円増加、売掛金が263,100千円増加したことによるものであります。
固定資産は2,101,123千円となり、前事業年度末と比較して237,479千円の増加となりました。これは主としてソフトウエア仮勘定が268,640千円増加、長期前払費用が26,918千円減少したことによるものであります。
負債につきましては、7,796,867千円となり、前事業年度末と比較して790,002千円の減少となりました。
流動負債は5,979,728千円となり、前事業年度末と比較して339,548千円の増加となりました。これは主として、未払法人税等が400,302千円増加、短期借入金が200,000千円増加、1年内返済予定の長期借入金が553,150千円減少したことによるものであります。
固定負債は1,817,139千円となり、前事業年度末と比較して1,129,550千円の減少となりました。これは主として長期借入金が1,149,669千円減少したことによるものであります。
純資産につきましては、8,266,243千円となり前事業年度末と比較して1,786,754千円の増加となりました。これは主として繰越利益剰余金が1,446,630千円増加、自己株式が327,573千円減少したことによるものであります。
b.経営成績
当事業年度の売上高は、48,841,841千円(前年同期比7.1%増)となりました。これまでの「One to Oneマーケティング」において、カメラ事業の需給に合わせたタイムリーな買取・販売価格の設定を可能とした「AIMD」の改良を行い、Web上に保有する記事コンテンツの中から顧客ごとに適切なものを配信する「AIコンテンツレコメンド」を一層推し進めました。さらに、YouTubeを中心に動画の制作や配信を行う「コンテンツクリエイト部」を新設するなど、ECにおける販促施策を展開いたしました。
売上総利益は、カメラ事業における「AIMD」による中古商品の販売・買取価格設定が機能したこと、時計事業における利益を確保した販売の実施等によって、前事業年度から1.7ポイント増加し、9,127,414千円(同17.7%増)となりました。
販売費及び一般管理費におきましては、売上高連動の販売促進費やクレジット利用手数料、基幹システムをはじめとする投資、従業員給与の増加等によって5,783,911千円(同9.3%増)となり、売上高販売管理費比率は前事業年度から0.2ポイント増加しました。
この結果、営業利益は3,343,503千円(同35.7%増)となりました。
営業外収益は、為替差益等の計上により39,371千円(同100.6%増)となりました。営業外費用は、支払利息等の計上により38,768千円(同10.4%減)となりました。
この結果、経常利益は3,344,107千円(同37.1%増)となり、売上高経常利益率は6.8%(同1.5ポイント増)となりました。
特別利益の計上はありません(前事業年度は-千円)。特別損失は固定資産除却損を計上したことにより123千円(同11,097千円)となりました。
この結果、当期純利益は2,322,367千円(同36.8%増)となり、売上高当期純利益率は4.8%(同1.0ポイント増)となりました。
c.目標とする経営指標の達成状況等
売上高経常利益率につきましては、長期的には8%以上を目標としております。ROE(株主資本利益率)につきましては、長期目標として30%以上を目指しております。
| 実績 | 業績予想 | 長期目標 | |||||
| 第18期 | 第19期 | 第20期 | |||||
| 2023年3月 | 2024年3月 | 2025年3月 | |||||
| 売上高経常利益率 | 5.3 | % | 6.8 | % | 6.8 | % | 8%以上 |
| ROE(株主資本利益率) | 28.4 | % | 31.5 | % | - | 30%以上 | |
売上高経常利益率
これまでに取り組んできました「One to Oneマーケティング」と「AIMD」、「AIコンテンツレコメンド」の活用、YouTubeによる顧客誘引を行うことで売上高は増加、「AIMD」活用と時計事業での利益を確保した販売の実施等によって、売上総利益率は前事業年度から1.7ポイント増加しました。売上高販売管理費は、売上高連動の販売促進費やクレジット利用手数料、基幹システムをはじめとする投資、従業員給与の増加等によって、売上高販売管理費比率は前事業年度から0.2ポイント増加しました。この結果、売上高経常利益率は前事業年度より1.5ポイント増加し6.8%となりました。
ROE(株主資本利益率)
当事業年度につきましては、当期純利益が前事業年度より36.8%増加したことで、ROE(株主資本利益率)は前事業年度より3.1ポイント増加し31.5%となりました。今後も引き続き、経営効率の向上に寄与する諸施策を実施いたします。
③ 経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、第2(事業の状況)3(事業等のリスク)に記載しております。
④ 資本の財源及び資金の流動性についての分析
財務・資本政策の基本的な方針
当社の経営者は、円滑な事業活動に必要なレベルの流動性確保、財務の健全性・安定性維持を資金調達の基本方針としており、主に銀行等から長期及び短期の借入金を中心とした資金調達を行っております。事業展開に伴う資金需要に対する機動的な対応のため、各金融機関とは幅広く良好な関係を構築し、綿密な連携を実施しております。また、売上高経常利益率向上、ROE向上に向けた諸施策に伴う投資については、フリーキャッシュフロー(FCF)を注視しながら、中長期的な視点を持ち、実施しております。2024年3月期も手元現預金及び今後創出するフリーキャッシュフロー、有利子負債の活用により創出された配分可能な経営資源については、将来の成長に向けた投資や株主還元のさらなる充実等に活用する予定です。
資金需要の主な内容
当社の資金需要は、営業活動に係る資金支出では、事業規模拡大に伴う商品仕入やメンテナンス作業及び配送作業スペース拡充に伴う賃借料、人員増加に伴う人件費、さらにEC販売強化に伴うシステム関連費用などがあります。また、投資活動に係る資金支出は、事業規模拡大に伴う事務所等の拡充による有形固定資産の取得、システム投資による無形固定資産の取得、敷金保証金等の差入などがあります。
資金調達
当社の事業活動の維持拡大に必要な資金を安定的に確保するため、各金融機関と緊密な連携を図り、機動的な対応を可能にする関係性を構築しております。設備投資額は、営業キャッシュフローの範囲内とすることを原則としておりますが、営業キャッシュフローを超える投資を行う場合は、金融機関等からの借入を実施し、有利子負債を活用しております。