有価証券報告書-第23期(平成29年4月1日-平成30年3月31日)

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2018/06/27 15:39
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(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における世界経済は、欧米主要国における政治イベントや東アジア・中東地域における地政学的リスクなどの不透明要因を抱えながらも、米国及び中国経済が堅調に推移し、欧州や新興国も回復基調を維持した結果、成長ペースを加速しつつ推移しました。
わが国経済においては、海外経済の回復に伴う輸出の増加、高水準の企業収益を背景として設備投資の回復など、着実な回復が続いておりました。
こうした好調な経済を背景に、スマートフォン等の記憶容量の増大、データセンターの需要増加、自動車・産業機器等における半導体搭載個数の増加等の影響を受けて、世界の半導体市場も着実な成長を続けています。
このような環境のなかで、当社グループは、「市場に適応した価値ある製品を創出し、豊かな社会の実現と地球環境の保全に貢献する」という経営理念のもと、電気機器の小型化・省電力に貢献する電源ICと小回りの効く高品質な半導体ウエハファンドリーの観点から取り組み、収益力の強化と持続的な成長の実現に向けて、以下の諸施策を推進してまいりました。
・当社グループが注力する車載機器・産業機器において、地域に密着した営業・技術サポートを展開し、営業基盤のより一層の強化を図ることを目的として平成29年6月1日に名古屋営業所を開設しました。
・本社東京技術センター、昨年度開設した関西技術センター及び米国R&Dセンターにおいて、差別化の出来る高付加価値な汎用製品及びターゲット市場により特化した特長を有した製品を迅速に市場へ投入していくため技術リソースの再配置を行いました。
・製品企画段階からのコスト分析の徹底、生産計画の効率化を進めるとともに、グループ内の製造子会社との強力体制を深め、同業他社に比して競争力のある製造コストと納期対応の実現に取り組みました。
・海外販売子会社における営業・技術サポート担当者の充実を図り、顧客の要望や製品企画への迅速な対応と営業基盤のより一層の強化に努めました。
・関西技術センターの解析力を活用するとともに、協力工場等との一層の関係強化を進め、ターゲット市場を意識した品質保証体制と各種認証制度への対応を図りました。
・フェニテックセミコンダクター株式会社とのシナジー効果を高め、グループ収益の最大化につなげるため、相互の人的交流や共同プロジェクトを推進しました。
・製品の長期・安定供給体制と競争力のある製品づくり及び生産性向上のため、フェニテックセミコンダクター本社工場の第一工場への統合工事を開始しました。
以上の結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
a.財政状態
(資産の部)
当連結会計年度末における資産の額は279億95百万円と、前連結会計年度末に比べ27億85百万円の増加となりました。資産の増加の主な原因は、現金及び預金が30億65百万円増加、受取手形及び売掛金が1億67百万円増加、原材料及び貯蔵品が1億36百万円増加、建設仮勘定が3億12百万円増加したことによるものであります。
(負債の部)
当連結会計年度末における負債の額は89億9百万円と、前連結会計年度末に比べ7億2百万円の減少となりました。負債の現象の主な原因は、長期借入金が11億74百万円減少、リース債務が49百万円減少したことによるものであります。
(純資産の部)
当連結会計年度末における純資産の額は190億85百万円と、前連結会計年度末に比べ34億87百万円の増加となりました。純資産の増加の主な原因は、新株発行及び自己株式の処分により資本金が11億29百万円、資本剰余金が11億2百万円それぞれ増加、自己株式が4億12百万円減少し、配当金の支払いが2億89百万円あったものの、親会社株主に帰属する当期純利益が9億2百万円、非支配株主持分が4億16百万円増加、その他有価証券評価差額金が1億3百万円減少、為替換算調整勘定が67百万円減少、退職給付に係る調整累計額が14百万円減少したことによるものであります。
以上の結果、自己資本比率は51.8%となり、1株当たり純資産額は1,338円74銭となりました。
b.経営成績
(売上高)
当連結会計年度における売上高は、239億96百万円(前年同期比24億37百万円増加、11.3%増加)となりました。当社グループのセグメントごとの内訳は、日本が167億72百万円(前年同期比21億61百万円増加、14.8%増加)、アジアが56億96百万円(前年同期比1億44百万円増加、2.6%増加)、欧州が8億91百万円(前年同期比82百万円増加、10.2%増加)、北米が6億36百万円(前年同期比48百万円増加、8.2%増加)となりました。フェニテックセミコンダクター株式会社が非常に好調であり、日本セグメントが増加しております。
(営業利益)
営業利益は、22億12百万円(前年同期比9億61百万円増加、76.8%増加)となりました。当社グループのセグメントごとの内訳は、日本が20億20百万円(前年同期比9億43百万円増加、87.6%増加)、アジアが81百万円(前年同期比48百万円減少、37.1%減少)、欧州が55百万円(前年同期比14百万円増加、34.1%増)、北米が16百万円(前年同期比1百万円減少、3.5%減少)となりました。これは主に、フェニテックセミコンダクター株式会社が受注好調で工場稼動率が改善したことによる売上総利益率の上昇に伴い売上総利益が増加し、更にはグループ全体の販売管理費を抑制したことによるものであります。
(経常利益)
経常利益は、19億98百万円(前年同期比10億92百万円増加、120.6%増加)となりました。これは主に、為替差損が前期より98百万円減少したこと等によるものであります。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
親会社株主に帰属する当期純利益は9億2百万円(前年同期比20億28百万円減少、69.2%減少)となりました。これは主に、前期に一時的に負ののれん発生益19億66百万円や受取補償金5億18百万円が発生したことによる反動減によるものであります。
なお、製品別の売上高及びセグメントの業績は以下のとおりであります。
(製品別の売上高) (単位:百万円)
区 分当連結会計年度前年同期比増減額前年同期比
VD1,586211.4%
VR5,1652936.0%
DCDC2,888△108△3.6%
ディスクリート14,0623,12028.5%
その他294△888△75.1%
合 計23,9962,43711.3%

(注)1.製品の内容は次のとおりであります。
VD………………ディテクタ(Voltage Ditector)
VR………………レギュレータ(Voltage Regulator)
DCDC…………DC/DCコンバータ
ディスクリート…トランジスタ、ダイオード、IGBT等
その他……………マルチチップモジュール、各種センサー製品等
2.当連結会計年度より、製品区分を見直しております。主な変更点は、従来「その他」に含まれていた「ディスクリート」を新たな区分として分けて表示したことです。
前連結会計年度の数値についても見直し後の製品区分により比較しております。
(セグメント業績)
(日本)
当連結会計年度は、主に産業機器等の分野向けの売上が増加した一方、通信機器、デジタル家電機器等の分野向けの売上が低迷したことにより、売上高167億72百万円(前年同期比14.8%増)、セグメント利益20億20百万円(前年同期比87.6%増)となりました。
(アジア)
当連結会計年度は、主に産業機器、デジタル家電機器等の分野向けの売上が増加した一方、PC機器等の分野向けの売上が低迷したことにより、売上高56億96百万円(前年同期比2.6%増)、セグメント利益81百万円(前年同期比37.1%減)となりました。
(欧州)
当連結会計年度は、主に家電機器等の分野向けの売上が増加したことにより、売上高8億91百万円(前年同期比10.2%増)、セグメント利益55百万円(前年同期比34.1%増)となりました。
(北米)
当連結会計年度は、主にその他の分野向けの売上が増加した一方、家電機器等の分野向けの売上が低迷しましたが、為替換算等の影響が出たことにより、売上高6億36百万円(前年同期比8.2%増)、セグメント利益16百万円(前年同期比3.5%減)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、営業活動により23億35百万円増加し、投資活動により6億97百万円減少し、財務活動により11億51百万円増加した結果、当連結会計年度末の残高は122億80百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動による資金は、税金等調整前当期純利益19億70百万円、減価償却費9億34百万円、為替差損2億4百万円等を要因とする資金の増加に対し、仕入債務の減少87百万円、退職給付に係る負債の減少52百万円、売上債権額の増加1億45百万円、たな卸資産の増加4億42百万円、法人税等の支払額4億14百万円等を要因とする資金の減少を差し引き、23億35百万円の増加(前年同期比7億円の収入増)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動による資金は、有価証券の償還による収入3億円による資金の増加に対し、有価証券の取得1億円、有形固定資産の取得7億57百万円、無形固定資産の取得1億59百万円の支出等により、6億97百万円の減少(前年同期比34億12百万円の支出増)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動による資金は、新株の発行による収入22億59百万円、短期借入金の純増60百万円等による資金の増加に対し、長期借入金の返済11億74百万円、配当金の支払額2億89百万円等の支出により、11億51百万円の増加(前年同期比21億46百万円の収入増)となりました。
生産、受注及び販売の実績
(1)生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 平成29年4月1日
至 平成30年3月31日)
前年同期比(%)
日 本 (千円)16,419,964108.9
合 計(千円)16,419,964108.9

(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)受注実績
当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称受注高(千円)前年同期比(%)受注残高(千円)前年同期比(%)
日本18,505,928129.64,588,164160.7
アジア5,596,63393.0754,12588.3
欧州919,225110.0214,136114.8
北米653,858113.596,242121.8
合 計25,675,645118.35,652,668142.2

(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(3)販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 平成29年4月1日
至 平成30年3月31日)
前年同期比(%)
日 本 (千円)16,772,470114.8
ア ジ ア (千円)5,696,260102.6
欧 州 (千円)891,609110.2
北 米 (千円)636,604108.2
合 計(千円)23,996,944111.3

(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況の関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表を作成するにあたり重要となる会計方針については、「第5経理の状況 1 連結財務諸表等 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しているとおりであります。
当社グループは、たな卸資産の評価及び退職給付債務の算定などに関して、過去の実績や当該取引の状況を勘案して合理的と認められる見積りや判断を行い、その結果を資産・負債の帳簿価額及び収益・費用の金額に反映いたしております。しかし、見積りには特有の不確実性があるため、実際の結果は、これらの見積りと相違する場合があります。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績等
1)財政状態
当連結会計年度末の財政状態につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。
2)経営成績
当連結会計年度の経営成績につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。
3)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
b.経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの経営に影響を与える要因としては、半導体市場の成長率、中国企業の動向、製品品種及び顧客の構成比、原材料費の市況、為替水準等があります。
2017年の世界半導体市場は、スマートフォンやデータセンター向けに半導体需要が伸び、メモリーを中心に2桁成長となりました。当社グループの主力製品であるアナログIC及びディスクリートの市場は従来、安定的に成長する傾向が見られましたが、2017年は旺盛な半導体需要を反映して前年比10%前後と例年より高い成長となった模様です。このような環境下、当社グループの売上高は前年同期比11.3%増と順調に拡大しましたが、DC/DCのように低調であった製品群もあり、技術営業(FAE:フィールドアプリケーションエンジニア)を使った拡販活動の拡大と製品企画やマーケティングにおける梃入れを図っております。
中国は世界最大規模の半導体消費地であるだけでなく、半導体の供給者としても急速に存在感を高めています。中国半導体企業の開発・生産能力は年々向上しており、アナログICやディスクリートにおいても、低価格品を中心に競争激化による利益率低下の要因となってきました。当社は技術力と信頼性に磨きをかけるとともに、高付加価値な製品へのシフトを進め、利益率のアップを図ってまいります。
当社グループは用途別にみた市場の成長性や収益性の観点から、自動車・産業機器・医療機器を重点3分野と位置づけ、製品開発及び顧客開拓を長期的・戦略的に進めてまいりました。近年のガソリン車から電気自動車への移行、自動運転技術の進歩、産業界におけるIoTソリューションの拡大等の変化は、重点3分野の一層の成長を支えるトレンドであり、今後も当社グループの安定的な売上増加と利益率の維持向上に寄与するものと考えています。一方で重点分野以外の民生品向けは低調な分野もあるため、これを十分にカバーするだけの売上規模を確保していくことを目指します。
当社グループのフェニテックセミコンダクター株式会社が生産・販売するディスクリート半導体は、旺盛な需要に対してサプライヤーが限られており、同社の生産は繁忙な状況が続いております。需要の取りこぼしを避けるとともに、今後の需給変動に耐えられるように、より効率的な生産体制の確立に向けた設備投資を実施し、生産品目の拡充にも努めております。足下では半導体市場の活況を受けて原材料の価格が上昇しており、同社の利益率を圧迫する懸念が生じております。歩留まり向上をはじめとした生産効率の改善だけでなく、原材料の調達方針も随時見直しを進めております。
当社グループの売上高の約7割は外貨建てであります。日本の半導体市場は全体の1割未満であり、海外向け売上比率は今後も高水準が続く見込みです。為替変動リスクを抑えるため、原材料の調達や協力工場の活用において国内外の比率を弾力的に運用するほか、売上・業績見通しや外貨建売上債権・現預金の水準を勘案し、必要に応じて為替リスクをヘッジしております。
フェニテックセミコンダクター株式会社の子会社化から2期を経て、同社のグループ業績に対する寄与度は急速にアップしました。両社間で開発・生産・販売に関わる協業を着実に推進しており、製品開発、原価低減及び品質向上を通じて、業績面でもシナジー効果を発揮できる見通しです。
c.資本の財源及び資金の流動性
1)資金需要
当社グループの資金需要には、大きく分けて運転資金需要と設備資金需要があります。運転資金需要の主なものは、アナログIC製品の製造に係る原材料費や外注加工費、製品開発に係る研究開発費並びに販売費及び一般管理費等によるものであります。また、設備資金需要は、主に製造子会社における製造設備等の固定資産の購入によるものであります。
2)財政政策
当社グループは、運転資金につきましては、内部資金による充当を基本とし、不足分については金融機関からの借入金により調達しております。また、設備資金につきましては、内部資金及び金融機関からの借入金を基本とし、金利動向や市場環境などを考慮し、必要に応じて社債など適切な調達手段により資金調達を行っております。なお、当社グループは、主要取引先金融機関と総額38億円の当座貸越契約及び総額10億円のコミットメントライン契約を締結しており、機動的な資金調達が可能な体制を構築しております。
d.経営方針、経営戦略、経営上の目標達成状況を判断するための客観的な指導等
当社グループは、資本効率の向上及び株主資本の有効利用が全てのステークホルダーの利益に合致するものと考え、「自己資本利益率(ROE)」を重要な指標と位置付けております。当連結会計年度における「自己資本利益率(ROE)」は7.0%(前年同月比19.3ポイント減少)でした。この指標について、ROE二桁を回復し、更に高めていくよう取り組んでまいります。
e.セグメントごとの状況に関する認識及び分析・検討内容
当連結会計年度のセグメントごとの状況に関する認識及び分析・検討内容につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。

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