有価証券報告書-第16期(2023/08/01-2024/07/31)

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2024/10/30 13:44
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(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
1.財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症流行の社会的抑制が緩和されたことで個人消費が回復し、またインバウンド需要の回復とあわせて持ち直しの動きが見られました。しかしながら、ウクライナや中東情勢等の地政学的リスク及び各国の金融政策の変更等により、依然として先行き不透明な状況にあります。
EC市場は堅調に拡大をしており、物流施設への旺盛な需要が継続しております。物流不動産の売買市場につきましても、引き続き好調で、纏まった面積を有する物流施設の開発用地は仕入れ競争が過熱しております。投資効率を優先するあまり、テナントの使い勝手を軽視した物流施設も散見されており、物流不動産の供給増と併せ、今後は物流施設の二極化が進むものと捉えております。
また、金利上昇がJ-REIT全般に不透明感を与えております。現物不動産市況には、まだ影響を与えていないものの、不動産・J-REIT市場を今後も注視し、国内における投資を進めてまいります。
このような事業環境のもと、不動産管理事業セグメントでは、中小型倉庫のマスターリース事業の強化を継続的に進めております。オーナー、不動産仲介会社及び金融機関等との連携を強化し、既存の中小型倉庫の取得と土地の有効活用によるマスターリース付きの新築倉庫の建築提案を通じてマスターリース事業の面積の拡大を図ってまいります。
物流投資事業セグメントでは、今中期経営計画期間に売却予定の物件の総額は、コミットメント額である2,000億円を超え、2,100億円に達する見込みであり、次の中期経営計画である2027年7月期以降の売却案件の優良な開発素地の仕入れに注力しております。広島市が実施する「広島市中央卸売市場新中央市場整備事業」において、余剰地活用事業者として参画し、市場内余剰地において市場機能の活性化・効率化にも資する大型物流施設を開発していく予定です。物流投資事業は、キャピタルゲインを確保するだけでなく、アセットマネジメント事業及び不動産管理事業のストック収益基盤を拡大する成長ドライバーでもありますので、中期的な優良案件の獲得を目指してまいります。
アセットマネジメント事業セグメントでは、私募ファンドを運営する連結子会社のストラテジック・パートナーズ株式会社が、私募リート「CREインダストリアルアセット投資法人」(以下、「本投資法人」といいます。)を設立し、2024年6月5日に運用を開始しました。
当社グループは、2021年9月9日に「第2次中期経営計画」を発表し、さらなる成長のため、アセットマネジメント事業の施策の一つとして、「中・小型倉庫私募リートの組成」を掲げ準備を進めてまいりました。今般運用を開始いたしました本投資法人は、当社がマスターリース事業で特に強みを有する延床面積5,000㎡未満の中小型倉庫を中心とする産業用不動産を投資対象としており、当社がマスターリースする物件を組み入れることにより当社グループのストックビジネスの事業基盤の拡大に寄与すると同時に、企業規模にとらわれない幅広い業種からの賃借ニーズに応える中小型倉庫の受け皿を担うことで、日本の物流業界の発展を支えることを目的としております。
なお、本投資法人は、当社がマスターリースする18物件、資産規模約100億円で運用を開始し、ポートフォリオのバランスに配慮しつつ、3~5年後を目途に300億円程度への資産規模の成長を目指してまいります。
海外事業セグメントでは、インドネシアにおいて1号案件が2024年7月に竣工し、2号及び3号案件として、マルチ型物流施設の開発用地の売買契約を締結いたしました。ベトナムにおいては、開発を進めていた2案件で6棟が竣工し、ベトナムでの開発棟数は10棟、総賃貸面積は13万㎡になりました。経済成長の著しい東南アジアでの事業展開を今後も積極的に推進してまいります。
EC市場の拡大とは対比的にトラックドライバーは減少しております。国内生産年齢人口の減少に加え、物流業界における2024年問題と、物流を取り巻く環境は大きく変化しております。当社としましては、この事業環境の中、さらに付加価値の高いサービスを提供し、顧客の発展に貢献することを目指し、物流インフラプラットフォームの実現を事業ビジョンに掲げております。そのため、物流不動産に係るサービスに加え、物流施設内の管理システム及びロボティクス対応、配送マッチングプラットフォームや人材採用サポートなど、様々なソリューションを提供する企業グループへの成長を目指してまいります。
当連結会計年度の事業活動の結果、売上高66,901百万円(前年同期比28.3%増)、営業利益8,045百万円(前年同期比12.6%増)、経常利益6,816百万円(前年同期比1.8%増)、事業利益(注)8,250百万円(前年同期比2.8%増)、親会社株主に帰属する当期純利益4,341百万円(前年同期比1.0%減)となりました。
なお、当連結会計年度より、持分法適用関連会社の損益及びM&Aに伴う償却を考慮し、経営判断の客観的指標として「事業利益」を導入いたしました。「事業利益」の算定方法は下記のとおりです。
(注)事業利益又は損失(△)=営業利益又は損失(△)+持分法投資損益+のれん償却費(連結子会社・持分法適用会社)+事業投資による損益
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
なお、当連結会計年度より、ストックビジネスとフロービジネスを明確にするため、また、海外ビジネスの事業の位置づけを明確にするため、報告セグメントを従来の「不動産管理事業」、「物流投資事業」及び「アセットマネジメント事業」の3区分から「不動産管理事業」、「物流投資事業」、「アセットマネジメント事業」及び「海外事業」の4区分に変更しております。また、持分法適用関連会社の損益を考慮し、報告セグメントごとの利益又は損失の算定方法を変更しております。変更後の報告セグメントごとの利益又は損失の算定方法は下記のとおりです。
セグメント利益又は損失(△)=営業利益又は損失(△)+持分法投資損益
前連結会計年度のセグメント情報は、変更後の報告セグメントの区分及び変更後の報告セグメントごとの利益又は損失の算定方法に基づき作成したものを開示しております。
①不動産管理事業
不動産管理事業につきましては、高稼働を維持しつつ収益性の向上を目指した結果、2024年7月末時点での管理面積は約202万坪となりました。マスターリース物件が前期に引き続き高い稼働率を維持したこと、管理面積が堅調に推移したことから、安定的に収益が計上されました。その結果、売上高は23,106百万円(前年同期比0.9%減)、セグメント利益は1,925百万円(前年同期比9.5%増)となりました。
②物流投資事業
物流投資事業につきましては、当社開発物件である「ロジスクエア伊丹」、「ロジスクエア一宮」、「ロジスクエア厚木Ⅰ」、「ロジスクエア掛川」及び「ロジスクエア福岡小郡」を売却いたしました。その結果、売上高は39,723百万円(前年同期比58.1%増)、セグメント利益は6,610百万円(前年同期比15.6%増)となりました。
③アセットマネジメント事業
アセットマネジメント事業につきましては、CREロジスティクスファンド投資法人と私募ファンドの2024年7月末時点での受託資産残高は340,196百万円となりました。これにより、アセットマネジメントフィー等が順調に計上されたことに加え、「CREインダストリアルアセット投資法人」を組成したことによるアレンジメントフィー等を計上いたしました。その結果、売上高は1,644百万円(前年同期比7.4%増)、セグメント利益は1,028百万円(前年同期比6.9%増)となりました。
④海外事業
海外事業につきましては、東南アジアで共同パートナーとともに開発物件の土地取得、リーシング及び建設を進めているところであり、売上高は42百万円(前年同期比16.1%増)、セグメント損失は374百万円(前年同期は100百万円のセグメント損失)となりました。
2.キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、24,306百万円となり、前連結会計年度末と比べ3,968百万円減少となりました。各キャッシュ・フローの状況とその要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果、977百万円の資金使用(前年同期比95.7%減)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益6,764百万円により資金が増加し、一方で前渡金の増加6,610百万円、法人税等の支払1,315百万円により資金が減少したことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果、2,696百万円の資金使用(前年同期比25.3%減)となりました。これは主に、関係会社貸付けによる支出1,772百万円、有価証券及び投資有価証券の取得による支出868百万円、有形固定資産の取得による支出86百万円により資金が減少したことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果、301百万円の資金使用(前年同期は17,859百万円の資金獲得)となりました。これは主に、長期借入金の返済による支出31,940百万円により資金が減少し、一方で長期借入れによる収入31,236百万円、短期借入れによる収入330百万円により資金が増加したことによるものであります。
3.生産、受注及び販売の実績
①生産実績
当社グループは、不動産管理事業、物流投資事業、アセットマネジメント事業、海外事業を主体としており、生産実績を定義することが困難であるため、生産実績の記載はしておりません。
②受注実績
当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称受注高(百万円)前年同期比(%)受注残高(百万円)前年同期比(%)
不動産管理事業1,559113.551885.2

(注)不動産管理事業の請負工事についてのみ記載しております。
③販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2023年8月1日
至 2024年7月31日)
前年同期比(%)
不動産管理事業 (百万円)23,106△0.9
物流投資事業 (百万円)39,72358.1
アセットマネジメント事業(百万円)1,6447.4
海外事業 (百万円)4216.1
その他 (百万円)2,38411.4
合計(百万円)66,90128.3

(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.当連結会計年度より、報告セグメントの区分を変更しており、前期比はそれぞれ前期の数値をセグメント変更後に組み替えて算出しております。
3.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
相手先前連結会計年度
(自 2022年8月1日
至 2023年7月31日)
当連結会計年度
(自 2023年8月1日
至 2024年7月31日)
金額(百万円)割合(%)金額(百万円)割合(%)
CREロジスティクスファンド投資法人23,85045.7--
リコーリース株式会社--19,99329.9
エムエル・エステート株式会社--13,51020.2

3.販売実績が総販売実績の100分の10未満の相手先については記載を省略しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
1.重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)に記載のとおりであります。
2.当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
①財政状態の分析
(資産の部)
当連結会計年度末における流動資産は111,141百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,483百万円増加いたしました。これは主に仕掛販売用不動産が21,420百万円、現金及び預金が3,966百万円、未収消費税等が2,071百万円減少した一方、販売用不動産が22,849百万円、前渡金が6,610百万円増加したことによるものであります。固定資産は31,396百万円となり、前連結会計年度末に比べ2,245百万円増加いたしました。これは主に関係会社長期貸付金が2,013百万円、無形固定資産のその他が259百万円増加したことによるものであります。繰延資産は19百万円となり、前連結会計年度末に比べ7百万円増加いたしました。これは社債発行費が7百万円増加したことによるものであります。
この結果、総資産は142,557百万円となり、前連結会計年度末に比べ3,735百万円増加いたしました。
(負債の部)
当連結会計年度末における流動負債は39,373百万円となり、前連結会計年度末に比べ4,015百万円増加いたしました。これは主に買掛金が3,571百万円減少した一方、1年内償還予定の社債が3,000百万円、1年内返済予定の長期借入金が2,745百万円、未払法人税等が1,293百万円、未払消費税等が276百万円、流動負債のその他が129百万円増加したことによるものであります。固定負債は62,012百万円となり、前連結会計年度末に比べ2,974百万円減少いたしました。これは主に長期借入金が2,542百万円、社債が1,000百万円減少した一方、受入敷金保証金が614百万円増加したことによるものであります。
この結果、負債合計は101,386百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,041百万円増加いたしました。
(純資産の部)
当連結会計年度末の純資産は41,170百万円となり、前連結会計年度末に比べ2,693百万円増加いたしました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益4,341百万円の計上と配当金1,465百万円の支払に伴い利益剰余金が2,875百万円増加したことによるものであります。
②経営成績の分析
(売上高)
当連結会計年度の売上高は、66,901百万円(前年同期比28.3%増)となりました。詳細については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1)経営成績等の状況の概要 1.財政状態及び経営成績の状況」をご参照ください。
(売上総利益)
当連結会計年度の売上原価は、52,703百万円(前年同期比34.0%増)となりました。これは主に物流投資事業における不動産販売原価等を計上したことによるものであります。この結果、当連結会計年度の売上総利益は14,198百万円(前年同期比10.6%増)となりました。
(営業利益)
当連結会計年度の販売費及び一般管理費は6,152百万円(前年同期比8.1%増)となりました。これは主に事業規模の拡大に伴う人員増加により人件費等が増加したことによるものであります。この結果、当連結会計年度の営業利益は8,045百万円(前年同期比12.6%増)となりました。
(経常利益)
当連結会計年度の営業外収益は36百万円となりました。主な内訳は、為替差益17百万円、還付加算金9百万円であります。また、当連結会計年度の営業外費用は1,265百万円となりました。主な内訳は、支払利息714百万円、支払手数料539百万円であります。この結果、当連結会計年度の経常利益は6,816百万円(前年同期比1.8%増)となりました。
(税金等調整前当期純利益)
当連結会計年度の特別利益は0百万円となりました。主な内訳は、固定資産売却益0百万円であります。また、当連結会計年度の特別損失は51百万円となりました。主な内訳は、減損損失37百万円、固定資産除却損8百万円であります。さらに、匿名組合損益分配額0百万円を計上した結果、当連結会計年度の税金等調整前当期純利益は6,764百万円(前年同期比3.1%増)となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は4,341百万円(前年同期比1.0%減)となりました。
なお、当社グループは、2022年7月期から2026年7月期までの第2次中期経営計画を策定し、2026年7月期までに事業利益100億円以上、最終年度ROE15%以上を数値目標としております。当連結会計年度の事業利益は8,250百万円、ROEは10.9%となりました。
③キャッシュ・フローの分析
当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1)経営成績等の状況の概要 2.キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。
④経営成績に重要な影響を与える要因
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」をご参照ください。
⑤資本の財源及び資金の流動性
当社グループの主な資金需要は、物流投資事業における物件の取得及び開発の資金であります。資金需要につきましては、営業活動によるキャッシュ・フローのほか、金融機関からの借入による資金調達等にて対応しております。当連結会計年度におきましては、総額32,266百万円を借入により調達いたしました。また、第2回無担保社債を発行し、総額2,000百万円の資金調達を行いました。結果、当連結会計年度末における有利子負債は総額78,141百万円(前連結会計年度末比2,136百万円増)となりました。
今後の資金需要におきましては、長期経営方針に基づき、ネットD/Eレシオを1.5倍から2.5倍を目安にコントロールし、借入期間の最適化と調達資金の多様化を推進してまいります。
セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1)経営成績等の状況の概要 1.財政状態及び経営成績の状況」をご参照ください。

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