四半期報告書-第12期第2四半期(平成31年4月1日-令和1年6月30日)

【提出】
2019/08/14 12:02
【資料】
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【項目】
30項目
文中の将来に関する事項は、当第2四半期連結会計期間の末日現在において当社グループ(当社及び関係会社)が判断したものです。
(1) 財政状態及び経営成績の状況
当社グループを取り巻く経営環境につきましては、国内情報サービス業の売上高規模は2018年においては11兆5,183億円(前年比1.7%増加)と7年連続で成長を続けております(経済産業省「特定サービス産業動態統計調査(2019年1月公表)」)。また、スマートフォンの個人保有率は2018年において64.7%(前年比3.8ポイント増)と普及が進んでいます(総務省「平成30年通信利用動向調査(2019年5月31日公表)」)。更に、モバイル広告の市場規模は2018年において1兆181億円と前年比で122.4%と拡大しています(株式会社D2C、株式会社サイバー・コミュニケーションズ(CCI)、株式会社電通の共同調査「2018年 日本の広告費 インターネット広告媒体費 詳細分析(2019年3月公表)」)。また、米国においては米国内のインターネット広告市場は1,075億米ドル(1ドル113円換算で12兆1,475億円)と前年比で121.8%と拡大しています(PwC及びIABによる共同調査「IAB internet advertising revenue report(2019年5月公表)」)。
このような環境の下、当第2四半期連結累計期間においては、国内を中心とした各SaaS(Software as a Serviceの略称。月額課金や年額課金の仕組みを取っているウェブサービス)ビジネスの順調な成長及び前期における買収効果を主要因として、当社グループの売上高は拡大を続けております。SPEEDA事業では新規獲得IDの順調な積み上げによりID数が増加し、NewsPicks事業では有料課金ユーザー数の増加に加え、順調に広告売上が拡大いたしました。また、前第3四半期連結会計期間において買収したQuartz Media, Inc.の売上高が、当第2四半期連結累計期間においては、第1四半期連結会計期間の期首からグループ売上高に寄与し、グループ売上高は大幅に増加いたしました。
なお、既存のSPEEDA事業、NewsPicks事業において売上高の拡大に伴いEBITDA(営業利益+減価償却費+のれん償却費(以下同様))が拡大する一方、Quartz事業においては、既存事業である広告・ソリューションビジネスから有料課金ビジネスへの転換を進めるために、引き続き計画に従った投資を進めたことによって、EBITDAはマイナスとなっております。
その結果、当第2四半期連結累計期間における売上高は5,665百万円(前年同期比84.6%増加)、EBITDAは△528百万円(前年同期は324百万円)、営業損失は931百万円(前年同期は営業利益292百万円)、経常損失は1,007百万円(前年同期は経常利益204百万円)となりました。なお、行使されずに消滅した第18回新株予約権について新株予約権戻入益311百万円を計上したこと、及び、法人税等を345百万円計上したこと等により、親会社株主に帰属する四半期純損失は965百万円(前年同期は親会社株主に帰属する四半期純利益67百万円)となりました。
セグメントの業績は次の通りです。
なお、前連結会計年度まで「SPEEDA事業」に含まれていたスタートアップデータベースのentrepedia(アントレペディア)、B2BマーケティングプラットフォームのFORCAS(フォーカス)等については、第1四半期連結会計期間より、経営管理の観点から「その他事業」の区分を新設し、当該報告セグメントに変更しております。また、前連結会計年度まで「NewsPicks事業」に含まれていた海外メディア事業のQuartzについては、当該事業買収後、通年で経営管理を行う当連結会計年度より、その重要性から「Quartz事業」の区分を新設し、当該報告セグメントに変更しております。
① SPEEDA事業
SPEEDA事業においては、企業・業界情報プラットフォームであるSPEEDAの既存顧客による契約IDの追加、及び事業会社による新規導入、また第1四半期末より中国語版の提供を開始したことも寄与し、国内外において販売は順調に推移いたしました。
その結果、SPEEDA事業の当第2四半期末におけるID数は2,878ID(国内2,540ID、海外338ID)となり、当第2四半期連結累計期間におけるセグメント売上高は2,148百万円(前年同期比26.8%増加)、セグメントEBITDAは739百万円(前年同期比81.1%増加)セグメント利益は696百万円(前年同期比79.0%増加)となりました。
なお、前年同期との比較・分析は、変更後の新セグメントに基づいて記載しております(以下の他事業についても同様です)。
② NewsPicks事業
NewsPicks事業においては、サービスの知名度の向上、自社によるオリジナルコンテンツや動画コンテンツの配信強化、外部メディアからの優良な記事の配信を通じて会員ユーザー数(注1)、有料課金ユーザー数(注2)が共に前第2四半期末から増加し、有料課金売上が増加いたしました。
その結果、NewsPicksの当第2四半期末における会員ユーザー数は4,215千人、有料課金ユーザー数は102,334人となり、当第2四半期連結累計期間におけるセグメント売上高は1,894百万円(前年同期比51.3%増加)、セグメントEBITDAは171百万円(前年同期比219.5%増加)、セグメント利益は157百万円(前年同期比228.4%増加)となりました。
(注)1 会員ユーザー数は、NewsPicksサービスに会員登録(簡易登録含む)しているユーザーの総数(延べ人数ではありません。)を指します。
2 有料課金ユーザー数は、NewsPicksサービスに会員登録しているユーザーのうち、月額有料サービスを利用しているユーザー数(延べ人数ではありません。)及び法人契約を通じてプレミアム会員と同等のサービスを利用するユーザー数を指します。有料課金ユーザーは、プレミアム会員及びアカデミア会員によって構成されます。プレミアム会員とはNewsPicksオリジナル記事や海外の有料媒体の記事等が閲覧でき、アカデミア会員はプレミアム会員のサービス内容に加え、各界著名人による特別講義の受講、NewsPicks選定のアカデミア書籍(毎月1冊)の提供、オンラインでの動画講義(MOOC)等を受けることができます。なお、プレミアム会員はiOS月額1,400円又はiOS以外のプラットフォーム月額1,500円(年割プランは月額1,250円、学割プランは月額500円)、アカデミア会員は月額5,000円です。
③ Quartz事業
Quartz事業においては、既存事業である広告・ソリューションビジネスについては当第2四半期としては堅調に売上高を計上しております。一方で新規事業である有料課金ビジネスについては、第1四半期より引き続き有料課金ユーザー数を増加させるべく、種々の施策に取り組む中で有料課金ユーザーの獲得は進んでおりますが、現状は売上高に占める割合は軽微です。その結果、当第2四半期連結累計期間におけるセグメント売上高は1,276百万円、セグメントEBITDAは△1,389百万円、セグメント損失は1,726百万円となりました。(前第2四半期連結累計期間においては、Quartz Media, Inc.買収前であったことから、当該事業の数値がないため前年同期比については記載しておりません。)
④ その他事業
その他事業においては、スタートアップデータベースのentrepedia(アントレペディア)、B2BマーケティングプラットフォームFORCAS(フォーカス)の各サービスにおいて順調に顧客獲得が進みました。特にFORCAS(フォーカス)の売上拡大が大きく寄与した結果、当第2四半期連結累計期間におけるセグメント売上高は361百万円(前年同期比180.7%増加)、セグメントEBITDAは△47百万円(前年同期比62.2%減少)、セグメント損失は56百万円(前年同期比57.9%減少)となりました。
また、財政状態については、次の通りです。
(資産)
資産合計は、前連結会計年度末と比較して510百万円減少し、18,293百万円となりました。これは主に、流動資産において現金及び預金が1,203百万円増加したこと、受取手形及び売掛金が回収等により1,238百万円減少したこと、固定資産において、のれんが償却及び為替換算等により621百万円減少したこと等によるものです。
(負債)
負債合計は、前連結会計年度末と比較して735百万円増加し、13,223百万円となりました。これは主に、固定負債において長期借入金が前連結会計年度末と比較して614百万円増加したこと等によるものです。
(純資産)
純資産合計は、前連結会計年度末と比較して1,245百万円減少し、5,070百万円となりました。これは主に、当第2四半期連結累計期間に親会社株主に帰属する四半期損失965百万円を計上したこと、また連結子会社であるNewsPicks USA, LLCの決算期変更に伴い利益剰余金が283百万円減少したこと(注)、連結子会社である株式会社UB Venturesの運営するファンドがセカンドクローズの出資を受けたこと等により非支配株主持分が626百万円増加したこと等によるものです。
(注)連結子会社であるNewsPicks USA, LLCの決算について、従来9月末を決算基準日として年度決算においてグループ連結に取り込んでおりましたが、前連結会計年度における同社の100%子会社化に伴い、グループ全体の決算期と合わせ、当連結会計年度より決算基準日を12月末に変更し、グループ連結に取り込むことといたしました。これに伴い、2018年10月から12月における同社の3ヶ月分の当期純損失及びのれん償却費については、当連結会計年度において、連結株主資本等変動計算書の利益剰余金の減少項目として調整しています。
(2) キャッシュ・フローの状況
当第2四半期連結累計期間末における現金及び現金同等物の残高は前連結会計年度末と比べ1,203百万円増加し、6,929百万円となりました。当第2四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次の通りです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、358百万円の収入(前年同期は575百万円の収入)となりました。これは主に、税金等調整前四半期純損失696百万円を計上した一方、売上債権が1,204百万円減少したこと等によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、258百万円の支出(前年同期は513百万円の支出)となりました。これは、主として株式会社UB Venturesの運営するファンドによる投資有価証券の取得による支出180百万円等によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、1,390百万円の収入(前年同期は2,381百万円の収入)となりました。これは主に、長期借入れによる収入1,000百万円、株式会社UB Venturesの運営するファンドの組合員からの払込による収入683百万円、長期借入金の返済による支出298百万円があったことによるものです。
(3) 経営方針・経営戦略等
当第2四半期連結累計期間において、経営方針・経営戦略等に重要な変更はありません。
(4) 事業上及び財務上の対処すべき課題
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
(5) 研究開発活動
該当事項はありません。