四半期報告書-第15期第1四半期(令和4年1月1日-令和4年3月31日)
文中の将来に関する事項は、当第1四半期連結会計期間の末日現在において当社グループ(当社及び関係会社)が判断したものです。
なお、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を当第1四半期連結会計期間の期首から適用しており、当該会計基準等を遡って適用した後の数値で前年同四半期連結累計期間及び前連結会計年度との比較・分析を行っています。
(1) 経営成績の状況
当社グループを取り巻く経営環境については、国内情報サービス業の売上高規模は2021年においては14兆1,566億円(前年比9.7%増)と10年連続で成長を続けています(経済産業省「特定サービス産業動態統計調査(2022年2月公表)」)。その中で、SaaS(Software as a Serviceの略称。月額課金や年額課金の仕組みを取っているウェブサービス)の国内市場規模は、年平均成長率が約13%で拡大しており、2025年に向けてDX(デジタル・トランスフォーメーション)の取り組みが加速しており、カテゴリーを問わずパッケージソフトからSaaSへの移行ニーズがますます高まっています。加えて新型コロナウイルス感染症の影響でリモートワークが拡大し、IT投資に消極的であった中堅、中小企業においてもソフトウェア導入が進展しています。こうした流れから、SaaSの国内市場規模は2025年には約1兆4,607億円に拡大する見込みです(富士キメラ総研「ソフトウェアビジネス新市場2021年版」)。また、スマートフォンの個人保有率は2020年において69.3%(前年比1.7ポイント増)と普及が進んでいます(総務省「令和2年通信利用動向調査(2021年6月18日公表)」)。更に、インターネット広告費の市場規模は、2019年に初めて2兆円を超えてテレビメディア広告費を抜き、2021年には2兆7,052億円(前年比21.4%増)と拡大しています(株式会社電通「2021年 日本の広告費(2022年2月24日公表)」)。
一方で、2020年3月ごろから拡大している新型コロナウイルス感染症は、緊急事態宣言やまん延防止等重点措置に基づく人流抑制や、ワクチン接種の浸透により、一時的に感染者数は大きく減少しました。しかしながら、新たな変異株が流行するなどし、依然として予測が難しい経済状況が継続しています。
今後、withコロナ時代において、クラウドサービス導入や良質なメディアコンテンツなど、当社グループの提供サービスへのニーズは、より一層高まっていくものと認識しています。
このような環境の下、当第1四半期連結累計期間における当社グループの事業は順調に拡大を続けており、売上高は4,305百万円(前年同期比11.0%増加)となりました。また、成長投資を行っているため、EBITDAは658百万円(前年同期比20.2%減少)、営業利益は517百万円(前年同期比28.8%減少)、経常利益は700百万円(前年同期比5.3%増加)となり、法人税等を108百万円計上したこと等により、親会社株主に帰属する四半期純利益は418百万円(前年同期比11.5%減少)となりました。
また、前第4四半期連結会計期間より、報告セグメント区分の変更を行っています。
従来B2B向け事業について、「SPEEDA事業」と「その他B2B事業(2020年12月期までは「その他事業」と呼称)」に区分して業績開示をしてきましたが、「SaaS事業」セグメントとして統合して開示しています。
同様に、従来「NewsPicks事業」として開示していた、連結子会社である株式会社アルファドライブ、株式会社アルファドライブ高知、及び株式会社ニューズピックスにおいて法人向けに展開している「NewsPicks Enterprise」「NewsPicks Learning(法人版)」をAlphaDrive/NewsPicks(以下、「AD/NP」という。)として、「SaaS事業」セグメントに含める形で開示しています。
さらに、報告セグメントに含まれない事業セグメントである「その他」に含まれていたSPEEDA EDGEも「SaaS事業」セグメントに含めています。
変更理由は以下のとおりです。
① SPEEDA事業とその他B2B事業は共通のコアアセットを活用したSaaS事業であり、また、今後クロスセルを含めたより一体的な事業経営をしていくため
② AD/NPはNewsPicksを活用したSaaSプロダクトによる法人ソリューション事業であること
③ AD/NPと同様に、SPEEDA・FORCAS・INITIALいずれもNewsPicksをサービス上、活用しており、AD/NPのみをNewsPicks事業に含めることが実態にそぐわないため
以上のことから、当社の報告セグメントは、「SaaS事業」と「NewsPicks事業」の2セグメントとしています。
各報告セグメントの業績は次の通りです。
なお、当第1四半期連結会計期間より、業績評価指標を変更したことに伴い、セグメント利益の測定方法を、提供サービスや事業に直接紐づかない連結グループ全体経営のために発生する全社費用(例:上場維持コスト、監査報酬、役員報酬など)を各報告セグメントに配賦しない方法から、各報告セグメントに配賦する方法に変更しています。また、従来Direct EBITDA及びセグメントEBITDAを表示していましたが、経営上重視する業績評価指標をセグメントEBITDAに一本化したことにより、当該指標のみの表示としています。
セグメントEBITDAは、セグメント利益又は損失に、減価償却費、のれんの償却費及び株式報酬費用を加えた金額です。
① SaaS事業
SaaS事業では、顧客のアジャイル経営(顧客起点で、変化にスピーディーに適応する経営)の実現をサポートするSaaSプロダクトの提供を行っています。アジャイル経営の実現をサポートするには、顧客の事業戦略・顧客戦略・組織戦略をサポートする必要があると考えており、領域毎に提供しているプロダクトは以下の通りです。
事業戦略:SPEEDA・INITIAL・SPEEDA EDGE
顧客戦略:FORCAS・FORCAS Sales
組織戦略:AD/NPで提供しているNewsPicks Enterprise・Incubation Suite
なお、当社ではストック型収益の拡大を重要視していることから、ARR(Annual Recurring Revenueの略で、年間経常収益、サブスクリプションにより得られる今後1年の収益を表します。MRR(Monthly Recurring Revenue)月間経常収益の12倍の値です。)を最重要KPIとしています。
複数のプロダクトを提供している中で、現時点での主力プロダクトは創業プロダクトであるSPEEDAとなります。SPEEDAは、新規受注が安定的に積み上げられたことに加え、前連結会計年度に行った国内のカスタマーサクセスチームを含めた営業組織強化によって、既存顧客からのアップセルも進みました。中国を中心としたアジア地域においても、新型コロナウイルス感染症の影響は落ち着きを見せ、新規獲得が進みました。直近12ヶ月平均解約率については、0.9%と前第4四半期連結会計期間末から0.1ポイント改善しており、1.0%を下回る水準で推移しています。また、前連結会計年度における重点投資領域であったSPEEDA EXPERT RESEARCHについては、コンサルティングファームだけでなく事業会社での利用も進んでおり、SPEEDA上から専門家に質問し、24時間以内に5人以上からテキスト回答が得られる機能であるFlash Opinionも売上高の拡大に貢献しています。
SPEEDAからスピンアウトする形で2017年にリリースした、顧客戦略をサポートするFORCASに関しては、エンタープライズ企業での導入も進み、また、2020年にリリースしたFORCAS Salesにおいても、FORCASの顧客における導入が進み、高い成長率を維持しています。
組織戦略をサポートするAD/NPに関しては、NewsPicksを法人向けにカスタマイズした、人材開発と組織活性化を実現するプロダクトであるNewsPicks Enterpriseと、新規事業開発に必要なサポートを1つのプラットフォームにした、新規事業開発特化型の総合支援プロダクトであるIncubation Suiteともに新規顧客開拓が進み、高い成長率を実現しています。
これらのことから、SaaS事業の当第1四半期連結会計期間末におけるARRは10,324百万円となり、前年同期比28.0%増と順調に拡大し、当第1四半期連結累計期間におけるセグメント売上高は2,905百万円(前年同期比26.5%増加)となりました。利益の観点では、主力プロダクトであるSPEEDAが高い収益率を実現しており、スタートアップ情報プラットフォームであるINITIALも収益貢献しています。一方で、FORCASやFORCAS Sales、AD/NP等に関しては、高成長を目指すフェーズであるため、積極的な成長投資を行っており、現時点では赤字となっています。そのため、セグメント利益は397百万円(前年同期比12.8%減少)、セグメントEBITDAは499百万円(前年同期比2.1%減少)となりました。
なお、前年同期との比較・分析は、変更後の新セグメントに基づいて記載しています(以下、NewsPicks事業についても同様です)。
② NewsPicks事業
NewsPicks事業においては、2020年12月期第2四半期連結会計期間において年割契約の有料課金ユーザーが大幅に増加した反動によって、前連結会計年度における個人の有料課金ユーザー数の伸び率は鈍化していましたが、反動の影響は一時的なものであったため、前第3四半期連結会計期間以降は再度純増ペースに回復し、有料課金ユーザー数の増加に伴い、有料課金売上高も増加しています。広告売上高においては、チーム体制の大幅な変更などもあり、成長率が鈍化したものの、引き続き安定的に拡大しています。一方、前第4四半期連結会計期間に決定した国内拠点である「NewsPicks GINZA」からの撤退に伴う売上高の減少と、前第1四半期連結会計期間にNewsPicksレーベルから出版された書籍の売上が好調であったことに比べ、当第1四半期連結会計期間は発行数が少なかったため、有料課金売上高と広告売上高以外のその他売上高は、大幅な減収となっています。
これらの結果、当第1四半期連結会計期間末におけるARRは、2,668百万円(前年同期比4.0%増加)、当第1四半期連結累計期間におけるセグメント売上高は1,409百万円(前年同期比11.3%減少)となりました。また、セグメント利益は140百万円(前年同期比49.8%減少)、セグメントEBITDAは178百万円(前年同期比44.8%減少)となりました。
(2) 財政状態の状況
(資産)
資産合計は、前連結会計年度末と比較して754百万円減少し、19,557百万円となりました。これは主に、流動資産において現金及び預金が2,212百万円減少した一方で、投資その他の資産において投資有価証券が551百万円増加したこと等によるものです。
(負債)
負債合計は、前連結会計年度末と比較して1,168百万円減少し、9,231百万円となりました。これは主に、流動負債において契約負債が303百万円増加した一方、流動負債において未払法人税等が283百万円減少したこと、固定負債において長期借入金が273百万円減少したこと等によるものです。
(純資産)
純資産合計は、前連結会計年度末と比較して414百万円増加し、10,326百万円となりました。これは主に、当第1四半期連結累計期間に親会社株主に帰属する四半期純利益418百万円を計上したことに伴い利益剰余金が418百万円増加したこと等によるものです。
(3) キャッシュ・フローの状況
当第1四半期連結累計期間末における現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末と比べ2,212百万円減少し、8,400百万円となりました。当第1四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次の通りです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、390百万円の支出(前年同期は65百万円の収入)となりました。主に、税金等調整前四半期純利益695百万円を計上したこと、賞与引当金が248百万円減少したこと及び法人税等の支払額268百万円等によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、1,231百万円の支出(前年同期は114百万円の支出)となりました。主に、投資有価証券の取得による支出555百万円及び敷金及び保証金の差入による支出527百万円等によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、632百万円の支出(前年同期は126百万円の支出)となりました。主に、長期借入金の返済による支出363百万円及び株式会社UB Venturesの運営するファンドにおける組合員への分配金の支払額239百万円によるものです。
(4) 経営方針・経営戦略等
当第1四半期連結累計期間において、経営方針・経営戦略等に重要な変更はありません。
(5) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第1四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
(6) 研究開発活動
該当事項はありません。
なお、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を当第1四半期連結会計期間の期首から適用しており、当該会計基準等を遡って適用した後の数値で前年同四半期連結累計期間及び前連結会計年度との比較・分析を行っています。
(1) 経営成績の状況
当社グループを取り巻く経営環境については、国内情報サービス業の売上高規模は2021年においては14兆1,566億円(前年比9.7%増)と10年連続で成長を続けています(経済産業省「特定サービス産業動態統計調査(2022年2月公表)」)。その中で、SaaS(Software as a Serviceの略称。月額課金や年額課金の仕組みを取っているウェブサービス)の国内市場規模は、年平均成長率が約13%で拡大しており、2025年に向けてDX(デジタル・トランスフォーメーション)の取り組みが加速しており、カテゴリーを問わずパッケージソフトからSaaSへの移行ニーズがますます高まっています。加えて新型コロナウイルス感染症の影響でリモートワークが拡大し、IT投資に消極的であった中堅、中小企業においてもソフトウェア導入が進展しています。こうした流れから、SaaSの国内市場規模は2025年には約1兆4,607億円に拡大する見込みです(富士キメラ総研「ソフトウェアビジネス新市場2021年版」)。また、スマートフォンの個人保有率は2020年において69.3%(前年比1.7ポイント増)と普及が進んでいます(総務省「令和2年通信利用動向調査(2021年6月18日公表)」)。更に、インターネット広告費の市場規模は、2019年に初めて2兆円を超えてテレビメディア広告費を抜き、2021年には2兆7,052億円(前年比21.4%増)と拡大しています(株式会社電通「2021年 日本の広告費(2022年2月24日公表)」)。
一方で、2020年3月ごろから拡大している新型コロナウイルス感染症は、緊急事態宣言やまん延防止等重点措置に基づく人流抑制や、ワクチン接種の浸透により、一時的に感染者数は大きく減少しました。しかしながら、新たな変異株が流行するなどし、依然として予測が難しい経済状況が継続しています。
今後、withコロナ時代において、クラウドサービス導入や良質なメディアコンテンツなど、当社グループの提供サービスへのニーズは、より一層高まっていくものと認識しています。
このような環境の下、当第1四半期連結累計期間における当社グループの事業は順調に拡大を続けており、売上高は4,305百万円(前年同期比11.0%増加)となりました。また、成長投資を行っているため、EBITDAは658百万円(前年同期比20.2%減少)、営業利益は517百万円(前年同期比28.8%減少)、経常利益は700百万円(前年同期比5.3%増加)となり、法人税等を108百万円計上したこと等により、親会社株主に帰属する四半期純利益は418百万円(前年同期比11.5%減少)となりました。
また、前第4四半期連結会計期間より、報告セグメント区分の変更を行っています。
従来B2B向け事業について、「SPEEDA事業」と「その他B2B事業(2020年12月期までは「その他事業」と呼称)」に区分して業績開示をしてきましたが、「SaaS事業」セグメントとして統合して開示しています。
同様に、従来「NewsPicks事業」として開示していた、連結子会社である株式会社アルファドライブ、株式会社アルファドライブ高知、及び株式会社ニューズピックスにおいて法人向けに展開している「NewsPicks Enterprise」「NewsPicks Learning(法人版)」をAlphaDrive/NewsPicks(以下、「AD/NP」という。)として、「SaaS事業」セグメントに含める形で開示しています。
さらに、報告セグメントに含まれない事業セグメントである「その他」に含まれていたSPEEDA EDGEも「SaaS事業」セグメントに含めています。
変更理由は以下のとおりです。
① SPEEDA事業とその他B2B事業は共通のコアアセットを活用したSaaS事業であり、また、今後クロスセルを含めたより一体的な事業経営をしていくため
② AD/NPはNewsPicksを活用したSaaSプロダクトによる法人ソリューション事業であること
③ AD/NPと同様に、SPEEDA・FORCAS・INITIALいずれもNewsPicksをサービス上、活用しており、AD/NPのみをNewsPicks事業に含めることが実態にそぐわないため
以上のことから、当社の報告セグメントは、「SaaS事業」と「NewsPicks事業」の2セグメントとしています。
各報告セグメントの業績は次の通りです。
なお、当第1四半期連結会計期間より、業績評価指標を変更したことに伴い、セグメント利益の測定方法を、提供サービスや事業に直接紐づかない連結グループ全体経営のために発生する全社費用(例:上場維持コスト、監査報酬、役員報酬など)を各報告セグメントに配賦しない方法から、各報告セグメントに配賦する方法に変更しています。また、従来Direct EBITDA及びセグメントEBITDAを表示していましたが、経営上重視する業績評価指標をセグメントEBITDAに一本化したことにより、当該指標のみの表示としています。
セグメントEBITDAは、セグメント利益又は損失に、減価償却費、のれんの償却費及び株式報酬費用を加えた金額です。
① SaaS事業
SaaS事業では、顧客のアジャイル経営(顧客起点で、変化にスピーディーに適応する経営)の実現をサポートするSaaSプロダクトの提供を行っています。アジャイル経営の実現をサポートするには、顧客の事業戦略・顧客戦略・組織戦略をサポートする必要があると考えており、領域毎に提供しているプロダクトは以下の通りです。
事業戦略:SPEEDA・INITIAL・SPEEDA EDGE
顧客戦略:FORCAS・FORCAS Sales
組織戦略:AD/NPで提供しているNewsPicks Enterprise・Incubation Suite
なお、当社ではストック型収益の拡大を重要視していることから、ARR(Annual Recurring Revenueの略で、年間経常収益、サブスクリプションにより得られる今後1年の収益を表します。MRR(Monthly Recurring Revenue)月間経常収益の12倍の値です。)を最重要KPIとしています。
複数のプロダクトを提供している中で、現時点での主力プロダクトは創業プロダクトであるSPEEDAとなります。SPEEDAは、新規受注が安定的に積み上げられたことに加え、前連結会計年度に行った国内のカスタマーサクセスチームを含めた営業組織強化によって、既存顧客からのアップセルも進みました。中国を中心としたアジア地域においても、新型コロナウイルス感染症の影響は落ち着きを見せ、新規獲得が進みました。直近12ヶ月平均解約率については、0.9%と前第4四半期連結会計期間末から0.1ポイント改善しており、1.0%を下回る水準で推移しています。また、前連結会計年度における重点投資領域であったSPEEDA EXPERT RESEARCHについては、コンサルティングファームだけでなく事業会社での利用も進んでおり、SPEEDA上から専門家に質問し、24時間以内に5人以上からテキスト回答が得られる機能であるFlash Opinionも売上高の拡大に貢献しています。
SPEEDAからスピンアウトする形で2017年にリリースした、顧客戦略をサポートするFORCASに関しては、エンタープライズ企業での導入も進み、また、2020年にリリースしたFORCAS Salesにおいても、FORCASの顧客における導入が進み、高い成長率を維持しています。
組織戦略をサポートするAD/NPに関しては、NewsPicksを法人向けにカスタマイズした、人材開発と組織活性化を実現するプロダクトであるNewsPicks Enterpriseと、新規事業開発に必要なサポートを1つのプラットフォームにした、新規事業開発特化型の総合支援プロダクトであるIncubation Suiteともに新規顧客開拓が進み、高い成長率を実現しています。
これらのことから、SaaS事業の当第1四半期連結会計期間末におけるARRは10,324百万円となり、前年同期比28.0%増と順調に拡大し、当第1四半期連結累計期間におけるセグメント売上高は2,905百万円(前年同期比26.5%増加)となりました。利益の観点では、主力プロダクトであるSPEEDAが高い収益率を実現しており、スタートアップ情報プラットフォームであるINITIALも収益貢献しています。一方で、FORCASやFORCAS Sales、AD/NP等に関しては、高成長を目指すフェーズであるため、積極的な成長投資を行っており、現時点では赤字となっています。そのため、セグメント利益は397百万円(前年同期比12.8%減少)、セグメントEBITDAは499百万円(前年同期比2.1%減少)となりました。
なお、前年同期との比較・分析は、変更後の新セグメントに基づいて記載しています(以下、NewsPicks事業についても同様です)。
② NewsPicks事業
NewsPicks事業においては、2020年12月期第2四半期連結会計期間において年割契約の有料課金ユーザーが大幅に増加した反動によって、前連結会計年度における個人の有料課金ユーザー数の伸び率は鈍化していましたが、反動の影響は一時的なものであったため、前第3四半期連結会計期間以降は再度純増ペースに回復し、有料課金ユーザー数の増加に伴い、有料課金売上高も増加しています。広告売上高においては、チーム体制の大幅な変更などもあり、成長率が鈍化したものの、引き続き安定的に拡大しています。一方、前第4四半期連結会計期間に決定した国内拠点である「NewsPicks GINZA」からの撤退に伴う売上高の減少と、前第1四半期連結会計期間にNewsPicksレーベルから出版された書籍の売上が好調であったことに比べ、当第1四半期連結会計期間は発行数が少なかったため、有料課金売上高と広告売上高以外のその他売上高は、大幅な減収となっています。
これらの結果、当第1四半期連結会計期間末におけるARRは、2,668百万円(前年同期比4.0%増加)、当第1四半期連結累計期間におけるセグメント売上高は1,409百万円(前年同期比11.3%減少)となりました。また、セグメント利益は140百万円(前年同期比49.8%減少)、セグメントEBITDAは178百万円(前年同期比44.8%減少)となりました。
(2) 財政状態の状況
(資産)
資産合計は、前連結会計年度末と比較して754百万円減少し、19,557百万円となりました。これは主に、流動資産において現金及び預金が2,212百万円減少した一方で、投資その他の資産において投資有価証券が551百万円増加したこと等によるものです。
(負債)
負債合計は、前連結会計年度末と比較して1,168百万円減少し、9,231百万円となりました。これは主に、流動負債において契約負債が303百万円増加した一方、流動負債において未払法人税等が283百万円減少したこと、固定負債において長期借入金が273百万円減少したこと等によるものです。
(純資産)
純資産合計は、前連結会計年度末と比較して414百万円増加し、10,326百万円となりました。これは主に、当第1四半期連結累計期間に親会社株主に帰属する四半期純利益418百万円を計上したことに伴い利益剰余金が418百万円増加したこと等によるものです。
(3) キャッシュ・フローの状況
当第1四半期連結累計期間末における現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末と比べ2,212百万円減少し、8,400百万円となりました。当第1四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次の通りです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、390百万円の支出(前年同期は65百万円の収入)となりました。主に、税金等調整前四半期純利益695百万円を計上したこと、賞与引当金が248百万円減少したこと及び法人税等の支払額268百万円等によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、1,231百万円の支出(前年同期は114百万円の支出)となりました。主に、投資有価証券の取得による支出555百万円及び敷金及び保証金の差入による支出527百万円等によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、632百万円の支出(前年同期は126百万円の支出)となりました。主に、長期借入金の返済による支出363百万円及び株式会社UB Venturesの運営するファンドにおける組合員への分配金の支払額239百万円によるものです。
(4) 経営方針・経営戦略等
当第1四半期連結累計期間において、経営方針・経営戦略等に重要な変更はありません。
(5) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第1四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
(6) 研究開発活動
該当事項はありません。