有価証券報告書-第36期(2025/01/01-2025/12/31)
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善に伴う緩やかな所得増に加え、過去最高を更新し続けるインバウンド需要が地方経済を含む国内消費を強力に下支えいたしました。一方で、実質賃金の伸び悩みによる生活防衛意識の定着や、国内政治の流動化に伴う先行き不安が個人消費の重石となる局面も見られました。国外におきましては、米国新政権の通商政策の進展による不確実性の増大や、長期化する地政学的リスクが国際的なサプライチェーンやエネルギー価格に与える影響が注視されるとともに、為替市場の乱高下が続くなど、依然として予断を許さない状況で推移いたしました。
当社サービスの対象である旅行業界におきましては、当連結会計期間を通じて、各国のスクールホリデーやクリスマス、年末年始に合わせた旅行需要の一層の高まりが見られました。東アジアでは韓国、台湾、東南アジアではマレーシア、タイ、欧米豪では米国、カナダを中心に、新規就航や増便に伴う航空座席数の増加が強力な押し上げ要因となり、当連結会計年度における訪日外客数は前年比15.8%増の42,683,600人を記録いたしました。これは過去最高であった2024年を580万人以上上回り、年間として初めて4,200万人を突破する史上最多の実績を更新する結果となりました。一方、海外旅行市場におきましては、渡航先の物価高や円安傾向の継続といった経済的要因の影響を受けつつも、年間の出国日本人数は前年比13.3%増の14,731,500人と、底堅い回復基調にあります(出典:日本政府観光局(JNTO))。
このような環境の中、当社グループは国内及び世界150か国の現地体験型オプショナルツアー専門のオンライン予約サイト「VELTRA(ベルトラ)」の運営を中心に、複数の事業展開を通して、旅行者、取引先、株主を含め、当社グループに関わる人たち全ての発展と繁栄を目指し、共に成長する共存共栄の精神で観光産業をリードするとともに、「グローバルを舞台に、デジタルと体験の力で未来の観光を創造する」ことを経営の軸に置き、事業を推進しております。
セグメント別の経営成績は以下のとおりであります。
なお、第1四半期連結会計期間より、報告セグメントの区分を変更しており、以下の前連結会計年度比較につきましては、前連結会計年度の数値を変更後のセグメント区分に組み替えた数値で比較分析しております。また、各セグメントの金額は、セグメント間取引を相殺消去する前の金額であります。
(OTA事業)
アクティビティツアーの予約成立に応じて収益を得るオンライン・トラベル・エージェント(OTA)として、現地体験ツアーオンライン予約サイト(①「VELTRA」の日本語サイト及び英語サイト、②催行地をハワイに特化した英語サイト「HawaiiActivities」)を運営しております。
当連結会計年度におきましては、収益性の抜本的な改善に向けた「高収益体質への進化」をテーマに構造改革を推進いたしました。海外旅行事業では、円安や物価高に加え、Google検索の仕様変更に伴う流入減といった厳しい環境下、DXによる業務効率化やマーケティングROIの改善に注力いたしました。具体的には、広告費の高騰を受け、費用対効果を優先して一部の広告出稿を抑制したことで営業収益は計画を下回ったものの、マーケティング費や人件費などの諸経費における厳格なコスト管理が着実に成果を上げました。また、法人向けサービスの強化や新たなクルーズ事業(VELTRA Cruise)の展開など、収益源の多角化にも取り組みました。
国内旅行事業におきましても、訪日外国人向けのインバウンド商品が極めて好調に推移し、国内事業単体での収益性も着実に改善いたしました。また、中央省庁と連携した国内観光施策の強化や、顧客ロイヤリティプログラムの拡充、サービスのタッチポイントを増やす施策等、継続的に実施しております。
これら一連の結果、OTA事業全体の営業利益率は前年の11.6%から23.2%へと劇的に向上いたしました。これにより、通期での黒字化達成に大きく寄与し、持続的な利益創出に向けた強固な事業基盤が確立されたものと考えております。今後は、最適化されたコスト構造を維持しつつ、ユーザーの利便性向上や独自性の高い商品ラインナップの拡充を図り、さらなる成長と収益性の向上を加速させてまいります。
以上の結果、OTA事業の営業収益は3,672,431千円(前年同期比2.2%増)、営業利益は852,397千円(前年同期比104.7%増)となりました。
(観光IT事業)
当社グループでは、連結子会社であるリンクティビティ株式会社を通じて、交通・観光事業者向けのチケットプラットフォーム事業や、観光関連事業者のDXを支援するITインフラ事業を展開しております。
当連結会計年度におきましては、主力であるチケットプラットフォーム事業が、継続的なインバウンド旅行者の増加に加え、取扱商品の拡充と戦略的な販売展開により、好調な市場の伸びを大幅に上回る飛躍的な成長を遂げ、グループ全体の収益成長を支える柱としての存在感を高めております。また、2024年8月の韓国子会社「LINKTIVITY KOREA INC.」の設立を機に、韓国・中国エリアでのサプライヤー獲得と連携強化を加速させるなど、プラットフォームとしての優位性は一段と強固なものとなりました。
一方で、さらなる事業領域の拡大に向けた新規事業として、QR改札機導入支援等のITインフラ事業を推進しております。当連結会計年度におきましては、中長期的な収益基盤のさらなる強化を見据え、当該事業への開発投資および営業・開発体制の構築に伴う人員増強を戦略的に実行いたしました。
今後は、QR改札機の導入支援やさらなる利便性を備えた企画乗車券の開発を継続し、国内外での強固なプラットフォーム基盤を活用することで、更なる市場優位性の確立と継続的な事業拡大を図ってまいります。
以上の結果、観光IT事業の営業収益はプラットフォーム事業の飛躍的な伸びにより891,549千円(前年同期比24.0%増)となりました。利益につきましては、ITインフラ事業への積極的な先行投資を優先した結果、営業損失262,751千円(前年同期132,275千円の営業損失)となりました。
これらセグメントごとの経営成績の結果、当グループの当連結会計年度の営業収益は4,581,627千円(前年同期比6.4%増)、営業利益は105,125千円(前年同期175,594千円の営業損失)となりました。また、経常利益は99,426千円(前年同期298,365千円の経常損失)、親会社株主に帰属する当期純利益は140,537千円(前年同期407,943千円の親会社株主に帰属する当期純損失)と、当初計画には及ばなかったものの、コロナ禍以降、5年ぶりに黒字転換を達成いたしました。
② 財政状態の状況
(流動資産)
当連結会計年度末における流動資産は8,336,871千円と、前連結会計年度末比490,190千円増加しました。これは主に、現金及び預金が520,249千円増加、営業未収入金が140,188千円減少したことによるものです。
(固定資産)
当連結会計年度末における固定資産は986,536千円と、前連結会計年度末比248,495千円増加しました。これは主に、ソフトウエアが117,916千円増加したことと、ソフトウエア仮勘定が93,466千円増加したことによるものです。
(流動負債)
当連結会計年度末における流動負債は6,353,155千円と、前連結会計年度末比657,385千円増加しました。これは主に、営業未払金が389,500千円、前受金が230,299千円それぞれ増加したことによるものです。
(固定負債)
当連結会計年度末における固定負債は475千円と、前連結会計年度末から微増となりました。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産は2,969,777千円と、前連結会計年度末比81,262千円増加しました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益の計上により利益剰余金が140,537千円増加した一方で、連結子会社リンクティビティ株式会社による営業損失の計上等により、非支配株主持分が53,927千円減少したことによるものです。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」といいます。)の残高は、前連結会計年度末より520,249千円増加し、5,686,926千円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において営業活動の結果増加した資金は920,212千円(前連結会計年度は459,565千円の収入)となりました。これは主に、仕入債務の増加392,715千円や前受金の増加231,743千円などの増加要因と、前渡金の増加149,812千円などの減少要因によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において投資活動の結果減少した資金は388,246千円(前連結会計年度は436,202千円の支出)となりました。これは主に、固定資産取得による支出400,311千円などの減少要因によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において財務活動の結果増加した資金は46千円(前連結会計年度は1,352,893千円の収入)となりました。これは、株式の発行による収入46千円の増加要因によるものであります。
④ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当社グループは、生産活動を行っておりませんので、該当事項はありません。
b.受注実績
当社グループは、概ね受注から役務提供までの期間が短いため、受注実績に関する記載を省略しております。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績は、次のとおりであります。
(注)主要な販売先については、総販売実績に対する割合が100分の10以上に該当する相手がいないため、記載を省略しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたりましては、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額並びに開示に影響を与える見積りを必要としておりますが、見積りによる不確実性があるため、実際の結果は、これらの見積りとは異なる場合があります。なお、当社グループの連結財務諸表の作成にあたって重要となる会計方針につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)及び(重要な会計上の見積り)」に記載しております。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
(営業収益)
営業収益は、4,581,627千円(前年同期比6.4%増)となりました。
なお、営業収益を収益区分別にみますと、OTA事業部門が3,672,431千円(前年同期比2.2%増)、観光IT事業部門が891,549千円(前年同期比24.0%増)となりました。
(営業費用及び営業損益)
営業費用は、4,476,502千円(前年同期比0.1%減)となりました。主な要因は、営業収益増加に伴うカード決済手数料の増加、旅行需要の回復を見越しての人員増加による人件費及び広告宣伝費の増加によるものであります。これらの結果、営業利益は105,125千円(前年同期175,594千円の営業損失)となりました。
(営業外収益、営業外費用及び経常損益)
営業外収益は71,925千円(前年同期比2135.0%増)、営業外費用は77,624千円(前年同期比38.4%減)となりました。これは主に、匿名組合投資利益の増加や円安による為替差損の増加などによるものであります。これらの結果、経常利益は99,426千円(前年同期298,365千円の経常損失)となりました。
(親会社株主に帰属する当期純損益)
法人税等合計は19,512千円(前年同期20,238千円)となりました。これらの結果、親会社株主に帰属する当期純利益は140,537千円(前年同期407,943千円の親会社株主に帰属する当期純損失)となりました。
③ 当社グループの資本の財源及び資金の流動性
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、広告宣伝費や人件費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は基幹システムの開発・改良等によるものであります。
当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。また、主要取引銀行と総額15億円の当座貸越契約の継続を行っておりますが、引続き、主要取引銀行との関係を維持しつつ、継続的に支援いただくための協議を行い、財務基盤の安定化に努めてまいります。
なお、当連結会計年度末における有利子負債の残高はありません。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は5,686,926千円となっております。
④ 経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等」で述べましたとおり、当社グループでは、営業収益成長率並びに営業利益率を重要な指標としております。当連結会計年度における営業収益成長率は6.4%、営業利益率は2.3%となりました。
引き続きこれらの指標の改善について取り組んでまいります。
⑤ 当社グループの経営成績等に重要な影響を与える要因
経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」で述べましたとおり、人為災害、テロ、戦争等や、技術革新、システム障害、為替変動等が、経営成績に重要な影響を与える可能性があると認識しております。
従いまして、当社グループは常に市場動向や各国の情勢等に留意しつつ、内部管理体制を強化するとともに優秀な人材を確保し、顧客のニーズに合ったサービスを展開していくことにより、上記のような経営成績に重要な影響を与えるリスクを低減してまいります。
⑥ 経営者の問題意識と今後の方針について
経営者の問題意識と今後の方針については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」をご参照ください。
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善に伴う緩やかな所得増に加え、過去最高を更新し続けるインバウンド需要が地方経済を含む国内消費を強力に下支えいたしました。一方で、実質賃金の伸び悩みによる生活防衛意識の定着や、国内政治の流動化に伴う先行き不安が個人消費の重石となる局面も見られました。国外におきましては、米国新政権の通商政策の進展による不確実性の増大や、長期化する地政学的リスクが国際的なサプライチェーンやエネルギー価格に与える影響が注視されるとともに、為替市場の乱高下が続くなど、依然として予断を許さない状況で推移いたしました。
当社サービスの対象である旅行業界におきましては、当連結会計期間を通じて、各国のスクールホリデーやクリスマス、年末年始に合わせた旅行需要の一層の高まりが見られました。東アジアでは韓国、台湾、東南アジアではマレーシア、タイ、欧米豪では米国、カナダを中心に、新規就航や増便に伴う航空座席数の増加が強力な押し上げ要因となり、当連結会計年度における訪日外客数は前年比15.8%増の42,683,600人を記録いたしました。これは過去最高であった2024年を580万人以上上回り、年間として初めて4,200万人を突破する史上最多の実績を更新する結果となりました。一方、海外旅行市場におきましては、渡航先の物価高や円安傾向の継続といった経済的要因の影響を受けつつも、年間の出国日本人数は前年比13.3%増の14,731,500人と、底堅い回復基調にあります(出典:日本政府観光局(JNTO))。
このような環境の中、当社グループは国内及び世界150か国の現地体験型オプショナルツアー専門のオンライン予約サイト「VELTRA(ベルトラ)」の運営を中心に、複数の事業展開を通して、旅行者、取引先、株主を含め、当社グループに関わる人たち全ての発展と繁栄を目指し、共に成長する共存共栄の精神で観光産業をリードするとともに、「グローバルを舞台に、デジタルと体験の力で未来の観光を創造する」ことを経営の軸に置き、事業を推進しております。
セグメント別の経営成績は以下のとおりであります。
なお、第1四半期連結会計期間より、報告セグメントの区分を変更しており、以下の前連結会計年度比較につきましては、前連結会計年度の数値を変更後のセグメント区分に組み替えた数値で比較分析しております。また、各セグメントの金額は、セグメント間取引を相殺消去する前の金額であります。
(OTA事業)
アクティビティツアーの予約成立に応じて収益を得るオンライン・トラベル・エージェント(OTA)として、現地体験ツアーオンライン予約サイト(①「VELTRA」の日本語サイト及び英語サイト、②催行地をハワイに特化した英語サイト「HawaiiActivities」)を運営しております。
当連結会計年度におきましては、収益性の抜本的な改善に向けた「高収益体質への進化」をテーマに構造改革を推進いたしました。海外旅行事業では、円安や物価高に加え、Google検索の仕様変更に伴う流入減といった厳しい環境下、DXによる業務効率化やマーケティングROIの改善に注力いたしました。具体的には、広告費の高騰を受け、費用対効果を優先して一部の広告出稿を抑制したことで営業収益は計画を下回ったものの、マーケティング費や人件費などの諸経費における厳格なコスト管理が着実に成果を上げました。また、法人向けサービスの強化や新たなクルーズ事業(VELTRA Cruise)の展開など、収益源の多角化にも取り組みました。
国内旅行事業におきましても、訪日外国人向けのインバウンド商品が極めて好調に推移し、国内事業単体での収益性も着実に改善いたしました。また、中央省庁と連携した国内観光施策の強化や、顧客ロイヤリティプログラムの拡充、サービスのタッチポイントを増やす施策等、継続的に実施しております。
これら一連の結果、OTA事業全体の営業利益率は前年の11.6%から23.2%へと劇的に向上いたしました。これにより、通期での黒字化達成に大きく寄与し、持続的な利益創出に向けた強固な事業基盤が確立されたものと考えております。今後は、最適化されたコスト構造を維持しつつ、ユーザーの利便性向上や独自性の高い商品ラインナップの拡充を図り、さらなる成長と収益性の向上を加速させてまいります。
以上の結果、OTA事業の営業収益は3,672,431千円(前年同期比2.2%増)、営業利益は852,397千円(前年同期比104.7%増)となりました。
(観光IT事業)
当社グループでは、連結子会社であるリンクティビティ株式会社を通じて、交通・観光事業者向けのチケットプラットフォーム事業や、観光関連事業者のDXを支援するITインフラ事業を展開しております。
当連結会計年度におきましては、主力であるチケットプラットフォーム事業が、継続的なインバウンド旅行者の増加に加え、取扱商品の拡充と戦略的な販売展開により、好調な市場の伸びを大幅に上回る飛躍的な成長を遂げ、グループ全体の収益成長を支える柱としての存在感を高めております。また、2024年8月の韓国子会社「LINKTIVITY KOREA INC.」の設立を機に、韓国・中国エリアでのサプライヤー獲得と連携強化を加速させるなど、プラットフォームとしての優位性は一段と強固なものとなりました。
一方で、さらなる事業領域の拡大に向けた新規事業として、QR改札機導入支援等のITインフラ事業を推進しております。当連結会計年度におきましては、中長期的な収益基盤のさらなる強化を見据え、当該事業への開発投資および営業・開発体制の構築に伴う人員増強を戦略的に実行いたしました。
今後は、QR改札機の導入支援やさらなる利便性を備えた企画乗車券の開発を継続し、国内外での強固なプラットフォーム基盤を活用することで、更なる市場優位性の確立と継続的な事業拡大を図ってまいります。
以上の結果、観光IT事業の営業収益はプラットフォーム事業の飛躍的な伸びにより891,549千円(前年同期比24.0%増)となりました。利益につきましては、ITインフラ事業への積極的な先行投資を優先した結果、営業損失262,751千円(前年同期132,275千円の営業損失)となりました。
これらセグメントごとの経営成績の結果、当グループの当連結会計年度の営業収益は4,581,627千円(前年同期比6.4%増)、営業利益は105,125千円(前年同期175,594千円の営業損失)となりました。また、経常利益は99,426千円(前年同期298,365千円の経常損失)、親会社株主に帰属する当期純利益は140,537千円(前年同期407,943千円の親会社株主に帰属する当期純損失)と、当初計画には及ばなかったものの、コロナ禍以降、5年ぶりに黒字転換を達成いたしました。
② 財政状態の状況
(流動資産)
当連結会計年度末における流動資産は8,336,871千円と、前連結会計年度末比490,190千円増加しました。これは主に、現金及び預金が520,249千円増加、営業未収入金が140,188千円減少したことによるものです。
(固定資産)
当連結会計年度末における固定資産は986,536千円と、前連結会計年度末比248,495千円増加しました。これは主に、ソフトウエアが117,916千円増加したことと、ソフトウエア仮勘定が93,466千円増加したことによるものです。
(流動負債)
当連結会計年度末における流動負債は6,353,155千円と、前連結会計年度末比657,385千円増加しました。これは主に、営業未払金が389,500千円、前受金が230,299千円それぞれ増加したことによるものです。
(固定負債)
当連結会計年度末における固定負債は475千円と、前連結会計年度末から微増となりました。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産は2,969,777千円と、前連結会計年度末比81,262千円増加しました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益の計上により利益剰余金が140,537千円増加した一方で、連結子会社リンクティビティ株式会社による営業損失の計上等により、非支配株主持分が53,927千円減少したことによるものです。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」といいます。)の残高は、前連結会計年度末より520,249千円増加し、5,686,926千円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において営業活動の結果増加した資金は920,212千円(前連結会計年度は459,565千円の収入)となりました。これは主に、仕入債務の増加392,715千円や前受金の増加231,743千円などの増加要因と、前渡金の増加149,812千円などの減少要因によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において投資活動の結果減少した資金は388,246千円(前連結会計年度は436,202千円の支出)となりました。これは主に、固定資産取得による支出400,311千円などの減少要因によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において財務活動の結果増加した資金は46千円(前連結会計年度は1,352,893千円の収入)となりました。これは、株式の発行による収入46千円の増加要因によるものであります。
④ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当社グループは、生産活動を行っておりませんので、該当事項はありません。
b.受注実績
当社グループは、概ね受注から役務提供までの期間が短いため、受注実績に関する記載を省略しております。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績は、次のとおりであります。
| 収益区分 | 当連結会計年度 (自 2025年1月1日 至 2025年12月31日) | |
| 営業収益(千円) | 前年同期比(%) | |
| OTA事業 | 3,663,862 | 2.3 |
| 観光IT事業 | 879,844 | 25.3 |
| その他 | 37,920 | 86.2 |
| 合計 | 4,581,627 | 6.4 |
(注)主要な販売先については、総販売実績に対する割合が100分の10以上に該当する相手がいないため、記載を省略しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたりましては、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額並びに開示に影響を与える見積りを必要としておりますが、見積りによる不確実性があるため、実際の結果は、これらの見積りとは異なる場合があります。なお、当社グループの連結財務諸表の作成にあたって重要となる会計方針につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)及び(重要な会計上の見積り)」に記載しております。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
(営業収益)
営業収益は、4,581,627千円(前年同期比6.4%増)となりました。
なお、営業収益を収益区分別にみますと、OTA事業部門が3,672,431千円(前年同期比2.2%増)、観光IT事業部門が891,549千円(前年同期比24.0%増)となりました。
(営業費用及び営業損益)
営業費用は、4,476,502千円(前年同期比0.1%減)となりました。主な要因は、営業収益増加に伴うカード決済手数料の増加、旅行需要の回復を見越しての人員増加による人件費及び広告宣伝費の増加によるものであります。これらの結果、営業利益は105,125千円(前年同期175,594千円の営業損失)となりました。
(営業外収益、営業外費用及び経常損益)
営業外収益は71,925千円(前年同期比2135.0%増)、営業外費用は77,624千円(前年同期比38.4%減)となりました。これは主に、匿名組合投資利益の増加や円安による為替差損の増加などによるものであります。これらの結果、経常利益は99,426千円(前年同期298,365千円の経常損失)となりました。
(親会社株主に帰属する当期純損益)
法人税等合計は19,512千円(前年同期20,238千円)となりました。これらの結果、親会社株主に帰属する当期純利益は140,537千円(前年同期407,943千円の親会社株主に帰属する当期純損失)となりました。
③ 当社グループの資本の財源及び資金の流動性
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、広告宣伝費や人件費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は基幹システムの開発・改良等によるものであります。
当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。また、主要取引銀行と総額15億円の当座貸越契約の継続を行っておりますが、引続き、主要取引銀行との関係を維持しつつ、継続的に支援いただくための協議を行い、財務基盤の安定化に努めてまいります。
なお、当連結会計年度末における有利子負債の残高はありません。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は5,686,926千円となっております。
④ 経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等」で述べましたとおり、当社グループでは、営業収益成長率並びに営業利益率を重要な指標としております。当連結会計年度における営業収益成長率は6.4%、営業利益率は2.3%となりました。
引き続きこれらの指標の改善について取り組んでまいります。
⑤ 当社グループの経営成績等に重要な影響を与える要因
経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」で述べましたとおり、人為災害、テロ、戦争等や、技術革新、システム障害、為替変動等が、経営成績に重要な影響を与える可能性があると認識しております。
従いまして、当社グループは常に市場動向や各国の情勢等に留意しつつ、内部管理体制を強化するとともに優秀な人材を確保し、顧客のニーズに合ったサービスを展開していくことにより、上記のような経営成績に重要な影響を与えるリスクを低減してまいります。
⑥ 経営者の問題意識と今後の方針について
経営者の問題意識と今後の方針については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」をご参照ください。