有価証券報告書-第30期(2024/04/01-2025/03/31)

【提出】
2025/06/25 15:46
【資料】
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【項目】
143項目
(1)経営成績等の状況の概要
① 経営成績の状況
当連結会計年度における国内経済は、雇用・所得環境の改善により緩やかな回復基調が続いている一方、資源価格や原材料価格の高騰、米国での政権交代による影響など、引き続き不透明な経済環境下で推移いたしました。
住宅業界におきましては、政府公表の新設住宅着工戸数は、2022年度以降2年連続で減少しておりましたが、2024年度(2024年4月~2025年3月)の全国の新設住宅着工戸数は、81万6,018戸で前期比2.0%増となり、3年ぶりの増加となりました。持家(戸建て注文住宅)の新設住宅着工戸数においても、2024年度は22万3,079戸で前期比1.6%増となり、3年ぶりの増加となりました。
また、2022年6月通常国会において決議されました建築基準法の一部改正につきましては、2025年4月より木造住宅の省エネルギー性能の確保が義務となり、従来の基準より高度な省エネルギー性能基準の適用がはじまりました。木造における確認申請基準(4号特例)も改定され、2025年4月からは2階建ての木造住宅にも構造建築確認申請が必要となり、2026年4月からは、木造住宅における簡易設計(壁量計算)の基準強化(壁量の増加)が公表されており、当社が提供するSE構法の優位性が高まることが想定されております。
当社は創業以来、木造住宅の構造設計を主業務としており、法改正に伴う構造計算ニーズ増大に対応すべく、社内体制の整備をすすめております。
各分野の結果は、以下のとおりです。
<住宅分野>当連結会計年度のSE構法出荷数は902棟(前期比0.6%減)となりました。また、木材相場が落ち着いたことにより、SE構法出荷1棟あたりの平均売上金額が前期比2.7%下落した結果、売上高は4,729百万円(前期比3.2%減)となりました。一方で、SE構法出荷数の先行指数となる構造計算出荷数は、SE構法登録施工店へのサポート体制を強化したことにより989棟(前期比14.1%増)と増加し、回復基調となっております。
また、当連結会計年度においてSE構法登録施工店は新規に37社加入し、621社となりました。
<大規模木造建築(非住宅)分野>脱炭素社会の実現に向けた活動が世界的に加速し、建築物の木造化が重要な施策の一つとして掲げられる中、非住宅建築物の木造化は進んでおり、当連結会計年度のSE構法出荷数は138棟(前期比1.5%増)、SE構法の構造計算出荷数は149棟(前期比4.9%増)となりました。
また、SE構法以外の大規模木造建築設計を扱う株式会社木構造デザインでは、当連結会計年度の構造計算出荷数は90棟(前期比7.1%増)となり、SE構法の構造計算出荷数とあわせて、非住宅木造建築物の構造計算出荷数は239棟(前期比5.8%増)となりました。
SE構法出荷数や構造計算出荷数の増加に加えて、当連結会計年度に連結子会社である株式会社翠豊における万博案件を含む大型案件の売上計上があったことから、売上高は2,945百万円(前期比6.7%増)となりました。
<環境設計分野>2021年4月より住宅の省エネ性能の説明が義務化されたこと及び2025年4月からは全ての新築で省エネ基準適合が義務化されることに伴い、従来から提供している省エネ計算サービスのニーズが高まっております。また、長期優良住宅の申請には、耐震性能と省エネ性能が必須であることから、環境設計分野において、省エネ計算サービスと合わせて長期優良住宅申請サポートサービスも提供しております。
当連結会計年度における木造住宅、集合住宅及び非住宅木造物件向けの一次エネルギー計算書の出荷数は3,220件(前期比11.5%増)、長期優良住宅申請サポート件数は489件(前期比15.9%増)とどちらも大きく増加したことにより、売上高は290百万円(前期比17.4%増)となりました。
<子会社及び関連会社>当社の連結子会社である株式会社MAKE HOUSEでは、木造建築に関するBIMソリューションを開発、展開しておりますが、2021年10月から提供を開始した高画質建築空間シミュレーションサービス「MAKE ViZ」の受注が好調に推移したことにより、当連結会計年度においては売上高が前期比56.9%増と大幅に増加いたしました。
同じく連結子会社である株式会社翠豊は、大断面集成材加工、大規模木造建築施工に関する事業を展開しておりますが、当連結会計年度において、万博案件を含む大型案件の引き渡しがあったことから売上高が前年を大きく上回り(前期比71.7%増)、前年は赤字であった営業利益も黒字化いたしました。
これらの結果、当連結会計年度における売上高は8,124百万円(前期比1.6%増)、営業利益は178百万円(前期比114.7%増)、経常利益は、関係会社における持分法投資利益の計上に伴い292百万円(前期比513.6%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は193百万円(前期比193百万円の増加)となり、売上高営業利益率は2.2%、ROE(自己資本当期純利益率)は9.7%となりました。
② 財政状態の状況
当連結会計年度末における資産合計は5,781百万円となり、前連結会計年度末に比べ58百万円増加いたしました。これは主に現金及び預金が372百万円、投資有価証券が96百万円増加した一方で、売掛金、電子記録債権及び有償支給未収入金が374百万円減少したこと等によるものです。
当連結会計年度末における負債合計は3,456百万円となり、前連結会計年度末に比べ122百万円減少いたしました。これは主に未払法人税等が62百万円、預り保証金が37百万円増加した一方で、買掛金及び電子記録債務が156百万円、1年内返済予定の長期借入金及び長期借入金が79百万円減少したこと等によるものです。
当連結会計年度末における純資産合計は2,324百万円となり、前連結会計年度末に比べ180百万円増加いたしました。これは主に親会社株主に帰属する当期純利益の計上により利益剰余金が128百万円、連結子会社における利益計上により非支配株主持分が46百万円増加したこと等によるものです。
この結果、連結ベースの自己資本比率は35.6%となりました。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、税金等調整前当期純利益が293百万円(前期比271百万円の増加)であったことに加え、売上債権及び仕入債務の減少、持分法による投資利益の計上、無形固定資産の取得による支出、配当金の支払等により、前連結会計年度末に比べ372百万円増加し、当連結会計年度末には2,567百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は685百万円となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益293百万円、減価償却費205百万円、売上債権の減少374百万円による増加の一方、仕入債務の減少156百万円、持分法による投資利益の計上による減少94百万円等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は155百万円となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出15百万円、無形固定資産の取得による支出142百万円等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は157百万円となりました。これは主に、長期借入金の返済79百万円、配当金の支払65百万円、リース債務の支払26百万円等によるものであります。
④ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当社グループの事業セグメントは、木造耐震設計事業及びその他の事業でありますが、木造耐震設計事業の全セグメントに占める割合が高く、その他の事業は開示情報としての重要性が乏しいため、生産実績のセグメント別の記載を省略しております。
なお、当社グループにおける生産は、構造計算、省エネルギー計算及び連結子会社である株式会社翠豊の加工等であり、当連結会計年度の実績は次のとおりであります。
当連結会計年度
(自 2024年4月1日
至 2025年3月31日)
前年同期比(%)
生産実績(千円)899,499152.7

b.受注実績
当社グループの事業セグメントは、木造耐震設計事業及びその他の事業でありますが、木造耐震設計事業の全セグメントに占める割合が高く、その他の事業は開示情報としての重要性が乏しいため、受注実績のセグメント別の記載を省略しております。
なお、当社グループにおける当連結会計年度の受注実績は、次のとおりであります。
当連結会計年度
(自 2024年4月1日
至 2025年3月31日)
受注高
(千円)
前年同期比
(%)
受注残高
(千円)
前年同期比
(%)
受注実績6,998,93696.4852,695128.0

c.販売実績
当社グループにおける当連結会計年度の販売実績は、次のとおりであります。
当連結会計年度
(自 2024年4月1日
至 2025年3月31日)
前年同期比(%)
木造耐震設計事業
住宅分野(千円)4,729,67896.8
大規模木造建築(非住宅)分野(千円)2,945,702106.7
環境設計分野(千円)290,083117.4
DX・その他の分野(千円)158,764154.1
合計(千円)8,124,229101.6

(注) 最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
相手先前連結会計年度
(自 2023年4月1日
至 2024年3月31日)
当連結会計年度
(自 2024年4月1日
至 2025年3月31日)
金額(千円)割合(%)金額(千円)割合(%)
㈱MUJI HOUSE1,137,99514.2830,97210.2
㈱アールシーコア496,5106.2379,0474.7

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループに関する財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析・検討内容は、原則として連結財務諸表に基づいて分析した内容であります。文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
① 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a 財政状態
財政状態の概況につきましては、「第2 事業の状況 4.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ② 財政状態の状況」に記載しております。
b 経営成績
経営成績の概況につきましては、「第2 事業の状況 4.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ① 経営成績の状況」に記載しております。
c キャッシュ・フローの状況
キャッシュ・フローの概況につきましては、「第2 事業の状況 4.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
d 資本の財源及び資金の流動性
当社グループの資本の財源及び資金の流動性につきましては、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。運転資金需要のうち主なものは、売上原価に係るもののほか、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。運転資金は自己資金を基本としております。
将来の成長のための内部留保については、成長分野におけるシェア拡大や人員体制の整備、新技術の開発のための投資に資源を優先的に充当してまいります。また、各事業のさらなる強化のため社内業務システムや設計ソフトウエアの開発投資、また、脱炭素社会へ向けた建築物木造化の流れを受け、より高い強度の木造接合に関する研究開発投資を継続していきます。
当連結会計年度においては、立体解析構造計算ソフト(WOLF-3)のカスタマイズ開発投資及び自動積算AIシステムの開発投資を実施いたしました。この結果、当連結会計年度における設備投資の総額は179,394千円となりました。これらの投資資金は、自己資金にて賄っております。
e 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)に記載のとおりであります。
貸倒引当金
当社グループは、売掛債権等について貸し倒れの可能性を予測する必要があります。これらの債権の回収可能性を検討するにあたっては、各相手先の業績、債権残高、財政状況等を考慮して個別に信用リスクを判断する等、重要な判断が必要であります。相手先の財政状態が悪化した場合は貸倒引当金を積み増すことがあり、当社グループの財政状態及び経営成績に悪影響を与える可能性があります。
有価証券の評価損
その他有価証券について、時価が取得原価に比べて著しく下落した場合、回復する見込みがあると認められるものを除き、合理的な基準に基づいて減損処理を行うこととしております。今後、株式市場等の状況によっては、有価証券評価損を計上する可能性があります。
② 経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 3.事業等のリスク」に記載のとおりであります。また、今後の経営成績に影響を与える課題につきましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおり、事業環境、法的規制等、様々なリスク要因が当社グループの経営成績に重要な影響を与える可能性があると認識しております。そのため、当社は常に市場動向に留意しつつ、内部管理体制の強化や、人材の確保と育成等に力を入れ、経営成績に重要な影響を与えるリスク要因を分散・低減し、適切な対応に努めてまいります。
③ 経営者の問題意識と今後の方針について
経営者の問題意識と今後の方針については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりでありますが、今後収益を拡大するためには、既存の事業の更なる拡大、新たなシステム及びサービスの開発、事業規模の拡大にあわせた人材の確保等が必要であると認識しており、これらの課題に対して最善の事業戦略を立案するよう、努めてまいります。

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