半期報告書-第16期(2026/01/01-2026/12/31)

【提出】
2026/08/14 15:45
【資料】
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【項目】
34項目
文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 経営成績の状況
当中間連結累計期間(自 2026年1月1日 至 2026年6月30日)における我が国経済は、内需及びインバウンド需要拡大により社会経済活動が進んでおります。
当社グループについて、主たる事業領域であるPHR(パーソナル・ヘルス・レコード)関連業界においては、いわゆる「団塊の世代」がすべて75歳以上となり超高齢社会を迎えている状況の中、給付と負担のバランスを図りながら制度の持続可能性を確保するための医療制度改革が進む一方、高齢化に伴い慢性疾患罹患率が増加し、日常生活の中で生活の質(QOL)の維持・向上を図っていく必要性が高まるなど医療に対するニーズの変化が着実に進みました。
また、医療資源の不足等により医療機関による患者への遠隔モニタリングや平時から災害に備えたPHRを利用した地域住民の健康管理情報の活用の必要性の理解が高まっており、当社グループが進めるPHRサービスが社会的課題の解決策の一つとして認識されております。
このような事業環境の下、当社グループは「Empower the Patients」を事業ミッションとして掲げ、医療関係者をはじめ、製薬企業、医療機器メーカー等とともにPHRプラットフォームサービスの普及に取り組みました。
PHRプラットフォームサービスにおいては、政府が運営するマイナポータルに接続し、予防接種歴、薬剤情報及び特定健診情報の取得・閲覧が可能となりました。これにより、患者(個人)はもとより、保険者(健康保険組合・市町村国保・共済組合・協会けんぽ)など健康維持改善を支援する団体や医療機関等が様々な保健医療情報(健診・予防接種情報、レセプト・処方箋情報、電子カルテ・検査情報など)とライフログデータ(日々の食事の内容やカロリー、血圧や血糖値など)にシームレスにアクセスでき、運動管理、健康維持、服薬管理、医療従事者による患者の健康状態や治療状況の把握・介入などの目的で活用することができるようになります。
また、PHRサービス事業を展開する企業と共に多様なステークホルダー間の協調を促進し、PHRサービス産業の発展を通じて、国民の健康寿命の延伸や豊かで幸福な生活(Well-being)に貢献することを目的として「PHRサービス事業協会」に参画しております。本協会の執行役として、またPHRサービスのリーディングカンパニーとして、さらなる利便性を追求し、患者の同意を前提とした上での医療データポータビリティを促進するため、ステークホルダー(医療機関関係者・学術機関・行政など)との対話を重ね、患者の皆様にいっそう安心してご利用いただける医療環境の構築を目指しております。
当社、中部電力株式会社及び株式会社スズケンは、当社が持つPHRサービスを中心として、各社が保有するサービスを掛け合わせ、中部地区の地域住民への利用提案をはじめ、医療機関への診療効率向上につながるソリューション提案の自治体向けの提供を目指すとともに、中部電力株式会社のお客さまとの接点や株式会社スズケンの医療機関・医療介護従事者との接点を最大限活用し、三位一体となった「地域医療プラットフォーム」の構築による新たな価値の提供を目指して資本業務提携に基づく事業を推進しております。
・疾患ソリューションサービス
当社グループの疾患ソリューションサービスの売上高は、製薬企業から受注を受けた新規PHRサービスの売上計上があったため、244,078千円と、前年同期と比べて109,372千円(81.2%)の増収となりました。製薬業界全体のDX(Digital Transformation)は継続しており、顧客の需要は高いため、売上パイプライン拡充への取り組みを継続して実施します。
従来からの取り組みであるPHRを製薬企業の新薬プロモーションにおけるPSP(Patient Support Program)や臨床研究に必要なePRO(Patient Reported Outcome)データ収集ツールとして利用するなどの事業を、従前からの生活習慣病領域に加えて自己免疫疾患、希少疾患、オンコロジー等の多岐にわたる疾患領域において継続展開することにより、売上パイプライン及びPHRを利用する医療機関が全国で拡大しています。また、大学病院等と連携した臨床研究を推進するとともに、さらなるPHRの臨床実装を拡大しております。
オンコロジー領域においても、新たに製薬企業から新薬の症状・副作用モニタリングニーズが顕在化し始めており、PHRの実臨床利用や臨床研究利用の増加が見込まれます。加えて、従前からの医療機関等へマイカルテONCの普及活動を行うことにより契約医療機関等は増加し、臨床実装は拡大しております。患者や医療従事者を含む、がん治療に関わるステークホルダーがマイカルテONCを利用することにより、患者の記録した日々の症状日誌や医療従事者の記録した治療データがPHRとして蓄積され、がん治療領域におけるリアルワールドデータとして今後の治療・研究等の推進に利用されることを見込んでいます。
PHRプラットフォームを利用した疾患領域横断のPHRソリューションを展開することで、新たなマーケットを創出し、更なる売上パイプライン拡充を行います。当該PHRプラットフォームは複数案件で運用を開始しており、毎月安定的な収益を実現できております。
患者中心医療を実現するための新たな患者向け医療情報プラットフォームの提供を2026年4月より開始しております。本プラットフォームは、PMDA(独立行政法人医薬品医療機器総合機構)の医薬品情報参照のための連携や専門企業との強固な連携により、確かな医療情報をワンストップで提供します。WelbyのPHRサービスと高度に融合することで、患者様一人ひとりのライフログに最適化された情報を届ける「情報のコンシェルジュ」として機能し、患者様が自信を持って、前向きに治療と向き合える社会を共創します。
・Welbyマイカルテサービス
当社グループのWelbyマイカルテサービスの売上高は、一部案件の期ズレ等により132,089千円と、前年同期と比べて21,011千円(13.7%)の減収となりました。基盤提供については、案件の大型化により受注リードタイムが長期化しておりますが、 PHRプラットフォームの導入・活用に対する需要は高まっており、引き続き収益の拡大を見込んでおります。従来の生命保険会社や健保組合のみならず、幅広い事業会社等へのアプローチとして各種マーケティング施策を通して新規顧客の発掘に努めております。
サービス普及の観点からは、広範な顧客網を有する株式会社スズケン、フクダ電子株式会社及びノバルティスファーマ株式会社などのパートナー企業との協業を重点地域においてより強化することや、大学病院や学会等との協業だけではなく、提携先である中部電力株式会社とサービス普及を推進しております。地域の内科診療所を中心としたかかりつけ医体制を強化し、重症化予防に貢献するために、各地域の医師会や内科医会等との連携を行っております。中部電力株式会社とは、特に中部圏でのPHRの社会実装の加速を目的としたサービス提供を行っております。引き続き、新たな医療機関への普及を積極的に行いながら、これまでに導入を完了した医療機関を対象に実臨床におけるPHRの利用価値の訴求・情報提供を推進しました。また、糖尿病領域向けには株式会社三和化学研究所やアボットジャパン合同会社等の各血糖測定器メーカーとの連携により、糖尿病専門医に特化した普及や利用促進が加速しております。また、PHRと電子カルテ及び検査値データ等の連携推進を通じて医療の質的向上に寄与すると見込んでおり、PHRのデータポータビリティ実現に向けて更なる普及に取り組んでおります。具体的には、子会社であるメディカルデータカード株式会社を活用した全患者データ基盤の高度化を進めるとともに、保険者と医療機関を連動させるPHRサービスの拡充を推進いたします。Welbyマイカルテ利用者が登録したかかりつけ医療機関は2026年6月末時点で33,927施設(無料利用施設を含み、重複を除く)となっています。なお、2026年6月末時点で各アプリの合計ダウンロード数は約125万回に達しております。
パーソナライズ化されたヘルスケア事業を継続して推進するため、子会社である株式会社Welbyヘルスケアソリューションズにおいて、未病・予防を含む生活習慣病領域におけるPHRサービス利用の拡大とPHRを活用したサービス開発を推進しております。継続して保険者(健康保険組合・市町村国保・共済組合・協会けんぽ)向けソリューションの事業化に向けた活動を実施しており、既に複数の健康保険組合及び自治体の参画が決定しており、今後も参画する保険者数は拡大していく見込みです。また、具体的な協業として、株式会社NTTドコモの100%子会社である株式会社ミナカラと、PHRを活用したオンライン診療支援およびオンライン服薬指導等の医療DXに関する事業展開を図るために業務提携を締結しております。本提携の事業としてまずは、健保組合などの保険者向けに、オンライン上での医療アクセスからオンライン服薬指導・調剤薬の宅配での受け取りまでを一貫してサポートする新たな仕組みを共同で推進してまいります。また、PHRとアボットジャパン合同会社が展開するFreeStyleリブレを活用した重症化予防事業の展開を開始し、持続グルコースモニタリング(CGM)システムとのデータ連携を強化しております。今後、健診代行業者等のパートナー企業と連携し、PHR×FreeStyleリブレを活用した保健指導・健診パッケージの実装、自治体・保険者向けモデル事業の実装及び物販事業の展開等を加速していきます。中長期的には普及拡大とサービス開発の進展及び他社とのアライアンス等によりWelbyマイカルテが生活習慣病領域における業界標準となることを目指しております。
アライアンスの一環として、当社グループは日本生命保険相互会社との資本業務提携により、かかりつけ医ネットワークを活用したPHRソリューションの普及を推進し、未病・予防から医療現場に至る生活習慣病領域において双方が有するノウハウや資源を活用して、保険者(自治体・市町村国保・共済組合・協会けんぽ)、企業における健康経営・データヘルス推進に向けた課題解決を図っております。具体的には、産業保健領域における産業医(企業内診療所を含む)におけるPHRを活用した医療機関連携モデルの構築、保険者領域におけるかかりつけ医ネットワークを活かしたPHR活用による保健事業の効果的・効率的推進、及び医療機関領域におけるWelbyマイカルテの医療機関普及の推進によるかかりつけ医ネットワークの構築を行っております。
当社グループはTISI株式会社とヘルスケア領域における次世代データ連携基盤の共同事業展開に関する業務提携契約を締結しております。これにより当社グループとTISI株式会社は共同で、製薬業界、保険業界及び自治体等でのヘルスケアDXの推進に取り組みます。信頼性と拡張性の高いヘルスケアインフラのシステム開発・運用からデータ収集・解析までを支援し、迅速に社会へ実装することを目指します。協業の一つとして、PHRを活用した地域包括ケア実現に向けた事業を共同で推進するため、2026年7月以降、「ヘルスケアパスポートplus」の提供を開始します。「ヘルスケアパスポートplus」の提供により、患者が症状を認識してから受診・診断・治療・セルフケアに至るまでの一連の体験や行動の流れを表すペイシェントジャーニーにアプローチできる機能の強化と、医療機関をはじめとする地域の施設を網羅したPHRネットワークの形成を目指します。
当社グループはPHCホールディングス株式会社傘下のウィーメックス株式会社と連携し、ウィーメックスが提供する「Wemex 健診代行」に追加可能な健診受診勧奨サービスの新たな取り組みとして、「みなし健診」事業で協業を開始いたします。本取り組みは、特定健診の長期未受診者に対し、受診している医療機関から特定健診と同項目の検査結果を受領することで、特定健診を受診したとみなす「みなし健診」を提供するもので、特定健診受診率の向上と生活習慣病の早期発見をめざします。なお、本取り組みはウィーメックスが提供する「Wemex 健診代行」に追加可能な受診勧奨サービスを補完するものであり、当社グループと共同で推進する健診DXや保険者向けサービスのさらなる拡充につながる協業となります。
これらの結果、当中間連結会計期間の売上高は376,167千円(前年同期比30.7%増)、売上総利益については、売上増加に伴い、255,664千円(前年同期比27.8%増)となりました。
販売費及び一般管理費については、業容拡大のための採用及び開発投資を行ったこと等により512,189千円(前年同期比13.9%増)となりました。開発投資の内、プラットフォーム開発投資は、共通基盤での各種ガイドラインへの適用拡大、疾患治療向けPHRの患者UXナレッジの標準化、マイナポータルや予約決済システム連携などの機能整備、セキュリティー強化など、PHRプラットフォーム基盤の継続強化のための開発投資となります。当該投資により関連プロダクトにおける売上総利益率は向上しております。今後、当該投資の促進により売上総利益率の更なる向上及び基盤提供商材の充実による収益貢献を見込んでおります。
営業損失は256,525千円(前年同期は営業損失249,810千円)、経常損失は257,673千円(前年同期は経常損失250,779千円)、親会社株主に帰属する中間純損失は223,826千円(前年同期は親会社株主に帰属する中間純損失243,647千円)となりました。この内、マイカルテやプラットフォーム開発などへの先行投資額は98,396千円となりました。
なお、当社グループは、PHRプラットフォームサービス事業の単一セグメントであるため、セグメント毎の記載はしておりません。
2023年12月期、2024年12月期及び2025年12月期における四半期別の売上高は、次のとおりであります。
単位:百万円
(売上構成率:%)
第1四半期第2四半期第3四半期第4四半期通期
2023年12月期105(18.4)109(18.9)131(22.9)228(39.8)575(100)
2024年12月期102(19.5)82(15.6)111(21.2)230(43.7)528(100)
2025年12月期120(19.0)167(26.3)92(14.6)255(40.1)635(100)

(注) 2023年12月期第2四半期より連結財務諸表を作成しております。
(2) 財政状態の状況
① 資産の部
当中間連結会計期間末の流動資産の残高は、前連結会計年度末に比べ284,280千円減少し、593,945千円となりました。主な増減内訳は、現金及び預金が275,797千円減少したことによるものであります。
固定資産の残高は、前連結会計年度末に比べ74,199千円増加し、250,183千円となりました。主な増減内訳は無形固定資産が70,606千円増加したことによるものであります。
② 負債の部
当中間連結会計期間末の流動負債の残高は、前連結会計年度末に比べ58,838千円増加し、418,529千円となりました。主な増減内訳は、契約負債が37,617千円増加したことによるものであります。
固定負債の残高は前連結会計年度末に比べ70,677千円減少し、317,520千円となりました。主な増減内訳は、転換社債型新株予約権付社債が60,480千円減少したことによるものであります。
③ 純資産の部
当中間連結会計期間末の純資産の残高は、前連結会計年度末に比べ198,242千円減少し、108,078千円となりました。主な増減内訳は、利益剰余金が223,826千円減少したことによるものであります。
(3) キャッシュ・フローの状況
当中間連結会計期間における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ275,797千円減少し、435,628千円となりました。当中間連結会計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。
① 営業活動によるキャッシュ・フロー
営業活動によるキャッシュ・フローは178,281千円の支出となりました。主な要因は、税金等調整前中間純損失の計上238,725千円により資金が減少した一方で、売上債権の減少61,792千円により資金が増加したことによるものであります。
② 投資活動によるキャッシュ・フロー
投資活動によるキャッシュ・フローは87,302千円の支出となりました。主な要因は、無形固定資産の取得による支出83,097千円であります。
③ 財務活動によるキャッシュ・フロー
財務活動によるキャッシュ・フローは10,213千円の支出となりました。主な要因は、借入による収入200,000千円により資金が増加した一方、借入金の返済による支出210,213千円により資金が減少したことによるものであります。
(4) 事業上及び財務上の対処すべき課題
当中間連結会計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
(5) 研究開発活動
該当事項はありません。
(6) 主要な設備の新設・除却
該当事項はありません。

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