訂正有価証券報告書-第7期(令和3年4月1日-令和4年3月31日)
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は以下のとおりである。
①財政状態
総資産は、前連結会計年度末に比べ4兆6,313億円増加し8兆7,221億円となった。これは、資源価格高騰によりデリバティブ債権が増加したことや海外事業投資により投資有価証券などが増加したことなどによるものである。
負債は、前連結会計年度末に比べ4兆4,190億円増加し6兆7,478億円となった。これは、資源価格高騰によりデリバティブ債務が増加したことや借入金などの有利子負債が増加したことなどによるものである。
純資産は、為替換算調整勘定や親会社株主に帰属する当期純利益を計上したことなどにより、前連結会計年度末に比べ2,122億円増加し1兆9,743億円となった。
この結果、自己資本比率は、20.7%となった。
②経営成績
売上高は、販売電力量の増加に加え、燃料トレーディング事業を営む子会社の売上が増加したことなどにより、前連結会計年度に比べ1兆7,051億円増加し4兆4,352億円となった。経常利益は、新型コロナウイルスの影響の反動や燃料トレーディング事業を営む子会社の利益増加はあったものの、世界的な脱炭素の流れを背景としたLNG需要の拡大、欧州の風力発電量の減少による代替供給の増加及びロシアによるウクライナ侵攻等による燃料価格の高騰に伴い、期ずれ(燃料価格の変動が販売価格に反映されるまでの差分)が差益から大幅な差損に転じたことにより、前連結会計年度に比べ1,488億円減少し953億円となった。親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に比べ1,332億円減少し246億円となった。なお、期ずれについては、燃料価格の変動を販売価格に反映するまで文字通り「タイムラグ」があるため、期間で区切った際には収支影響が生じるが、中長期的には収支影響はニュートラルになる。
③キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ1,002億円減少し、4,614億円となった。
営業活動によるキャッシュ・フローにおける資金の支出は、前連結会計年度に比べ6,812億円増加し3,404億円となった。これは、期ずれ差損に加え、燃料トレーディング事業を営む子会社の取引に伴う証拠金の増加や、資源価格高騰による燃料在庫等の棚卸資産の増加などによるものである。
投資活動によるキャッシュ・フローにおける資金の支出は、前連結会計年度に比べ3,889億円増加し6,610億円となった。これは、海外の大型出資案件による投資の増加や国内火力リプレース等による固定資産取得によるものである。
この結果、フリー・キャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べ1兆702億円減少し1兆14億円の支出となった。
財務活動によるキャッシュ・フローにおける資金の収入は、前連結会計年度に比べ7,822億円増加し8,717億円となった。これは、借入金の調達、コマーシャル・ペーパー及び社債の発行によるものである。
④生産、受注及び販売の実績
当社グループは、主に国内火力・ガス事業が、連結会社の売上高の大半を占めているため、生産、受注及び販売の実績については、上記国内火力・ガス事業について記載している。
国内火力・ガス事業における発電実績、販売実績並びに主要燃料の受払状況については以下のとおりである。
イ:発電実績
(国内火力・ガス事業における発電実績)
ロ:販売実績
(国内火力・ガス事業における販売実績)
主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績(国内火力・ガス事業の販売額)に対する割合
ハ:主要燃料の受払状況
(2) 経営者の視点による当該経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりである。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末時点において判断したものである。
①経営成績等
当連結会計年度におけるわが国の経済は、新型コロナウイルス感染拡大の影響により緊急事態宣言等が断続的に発出されたことで、2021年9月末まで力強さを欠いたものの、2021年10月以降、社会経済活動の段階的引き上げに伴い、個人消費の上向き、景気持ち直しの動きが確認されていた。しかしながら、2022年初以降、オミクロン株の感染再拡大により再度のまん延防止等重点措置等が発出されるなど、その後も一進一退の不透明な状況が続いている。
また、2021年初以降、経済回復などにより世界的に原油をはじめとした資源価格が上昇基調にある中で、2022年2月、ロシアによるウクライナ侵攻開始を契機に資源価格高騰が加速、これに対し、政府による燃料油価格の激変緩和策を含む緊急対策がとられるなど、国民生活や社会経済活動への影響が懸念されている。さらに、2022年3月には福島県沖を震源とする地震が発生、同月22日には、経済産業省より運用開始以来初めて需給ひっ迫警報が発令された。
このような中、当社は、発電所における新型コロナウイルス対策(感染予防・拡大防止策や運転経験者による代替班の体制整備など)を徹底し、電力の安定供給に努めた。また、需要期の需給変動対応として、LNGの追加調達を確実に実施するとともに、2021年11月に公表した「冬季重負荷期の需給対策」に基づき休止火力の再稼働、発動指令も実施した。更に、2022年3月に発生した福島県沖を震源とする地震の影響により、当社の発電設備が一部停止したが、健全性を確認できた設備については、速やかに運転を再開するとともに、被害を受けなかった設備の増出力運転や補修調整を行うことで新たな供給力を確保し、電力の安定供給確保に貢献した。
加えて、世界的な脱炭素の流れの中、2020年10月に策定した「JERAゼロエミッション2050」の取り組みを加速させている。具体的には、2021年5月には世界初となる大型の商用石炭火力機におけるアンモニア混焼に関する実証事業を国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)より受託した。2021年11月にはインドネシア共和国における電力セクターの脱炭素ロードマップ策定に向けた調査・支援に関する委託を独立行政法人国際協力機構(JICA)より受託し、また、2022年2月には燃料アンモニアの調達に向けた国際競争入札を実施した。加えて、2021年9月にはフィリピン共和国の大手電力会社であるAboitiz Power Corporationへの出資により、フィリピン共和国のエネルギー分野における当社のプレゼンスを向上させ、同国の脱炭素化を加速させる取り組みなども実施している。
このように、国・地域に最適なロードマップの策定を展開しながら、着実に国内外において当社の脱炭素の取り組みを進めている。
また、当社は、発電所のすべての設備と働く人のデータを繋げ、リアルタイムで可視化・活用する「デジタル化」と、O&M(運転・保守)の「Kaizen力」、これまで培ってきた「技術力」を掛け合わせることで新たな価値を創造していく「デジタル発電所」の実現を目指している。この取り組みの一環として、碧南火力発電所4号機において、2021年12月より、AIによる火力発電所ボイラの運転最適化に関する試運用を開始し、2022年4月に実運用を開始した。これにより、発電所の膨大な運転データと熟練技術者のノウハウを活用することで運転最適化をはかり、ボイラの運転に必要なコストを最小化するベストプラクティスを追求する。また、運転状態の最適化のみならず、予兆管理や最適なタイミングでの停止調整など、発電所の最適運用を追求していく。
[燃料事業]
燃料上流事業等への投資、燃料輸送・燃料トレーディング事業を行っており、燃料トレーディング事業を営む子会社利益の増加などから、親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度に比べ1,133億円増加し1,613億円となった。
[海外発電事業]
海外の発電事業等への投資を行っており、海外発電案件の株式売却益等があったものの、新型コロナウイルス感染拡大に伴うコスト増の影響等による海外発電案件の減損などから、親会社株主に帰属する当期純損失は前連結会計年度に比べ116億円増加し193億円となった。
[国内火力・ガス事業]
国内における電力・ガスの販売などを行っており、昨年度の新型コロナウイルス感染拡大による収支悪化影響の反動や期首の安い燃料在庫を活用したことによる燃料費の削減等はあったものの、期ずれ(燃料価格の変動が販売価格に反映されるまでの差分)が差益から差損に転じたことなどから、親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度に比べ2,667億円減少し1,138億円の損失となった。

②キャッシュ・フローの現状の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る状況
イ.キャッシュ・フロー等
(a)キャッシュ・フロー
当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析については、「(1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりである。
(b)有利子負債
当連結会計年度末での有利子負債残高は、2兆6,465億円(うち、社債1,500億円、長期借入金2兆824億円、コマーシャル・ペーパー2,970億円、短期借入金1,171億円)となり、前連結会計年度より1兆332億円増加した。
ロ.財務政策
当社グループの主要な資金需要は、中長期的な成長に必要な設備投資及び投融資向けの資金である。これらの資金需要については、営業活動によるキャッシュ・フローのほか、金融機関からの借入や社債発行による資金調達等にて対応していく方針である。
なお、短期運転資金は、主に短期借入金や短期社債により対応していく方針である。
③経営方針・経営戦略等又は経営上の目標の達成状況を判断するための客観的指標等
当連結会計年度における連結純利益額は、2,770億円程度(※「期ずれ」額除き)となり、2019年4月に公表した収支水準1,100億円を上回るものとなった。
また、統合によるシナジー効果は、国内火力におけるコスト競争力の強化並びに新たな収益源創出により、850億円程度となり、2019年4月に公表した目標である統合後5年以内に1,000億円以上/年のシナジー効果を創出することに向け順調に進んでいる。
※「期ずれ」とは、燃料価格の変動が販売価格に反映されるまでの差分である。
④重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成している。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いているが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性がある。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載している。
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は以下のとおりである。
①財政状態
総資産は、前連結会計年度末に比べ4兆6,313億円増加し8兆7,221億円となった。これは、資源価格高騰によりデリバティブ債権が増加したことや海外事業投資により投資有価証券などが増加したことなどによるものである。
負債は、前連結会計年度末に比べ4兆4,190億円増加し6兆7,478億円となった。これは、資源価格高騰によりデリバティブ債務が増加したことや借入金などの有利子負債が増加したことなどによるものである。
純資産は、為替換算調整勘定や親会社株主に帰属する当期純利益を計上したことなどにより、前連結会計年度末に比べ2,122億円増加し1兆9,743億円となった。
この結果、自己資本比率は、20.7%となった。
②経営成績
売上高は、販売電力量の増加に加え、燃料トレーディング事業を営む子会社の売上が増加したことなどにより、前連結会計年度に比べ1兆7,051億円増加し4兆4,352億円となった。経常利益は、新型コロナウイルスの影響の反動や燃料トレーディング事業を営む子会社の利益増加はあったものの、世界的な脱炭素の流れを背景としたLNG需要の拡大、欧州の風力発電量の減少による代替供給の増加及びロシアによるウクライナ侵攻等による燃料価格の高騰に伴い、期ずれ(燃料価格の変動が販売価格に反映されるまでの差分)が差益から大幅な差損に転じたことにより、前連結会計年度に比べ1,488億円減少し953億円となった。親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に比べ1,332億円減少し246億円となった。なお、期ずれについては、燃料価格の変動を販売価格に反映するまで文字通り「タイムラグ」があるため、期間で区切った際には収支影響が生じるが、中長期的には収支影響はニュートラルになる。
③キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ1,002億円減少し、4,614億円となった。
営業活動によるキャッシュ・フローにおける資金の支出は、前連結会計年度に比べ6,812億円増加し3,404億円となった。これは、期ずれ差損に加え、燃料トレーディング事業を営む子会社の取引に伴う証拠金の増加や、資源価格高騰による燃料在庫等の棚卸資産の増加などによるものである。
投資活動によるキャッシュ・フローにおける資金の支出は、前連結会計年度に比べ3,889億円増加し6,610億円となった。これは、海外の大型出資案件による投資の増加や国内火力リプレース等による固定資産取得によるものである。
この結果、フリー・キャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べ1兆702億円減少し1兆14億円の支出となった。
財務活動によるキャッシュ・フローにおける資金の収入は、前連結会計年度に比べ7,822億円増加し8,717億円となった。これは、借入金の調達、コマーシャル・ペーパー及び社債の発行によるものである。
④生産、受注及び販売の実績
当社グループは、主に国内火力・ガス事業が、連結会社の売上高の大半を占めているため、生産、受注及び販売の実績については、上記国内火力・ガス事業について記載している。
国内火力・ガス事業における発電実績、販売実績並びに主要燃料の受払状況については以下のとおりである。
イ:発電実績
(国内火力・ガス事業における発電実績)
| 前連結会計年度 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) | |
| 発電電力量(百万kWh) | 244,632 | 247,306 |
ロ:販売実績
(国内火力・ガス事業における販売実績)
| 前連結会計年度 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) | |
| 販売電力量(百万kWh) | 246,616 | 255,528 |
| 販売額(百万円) | 2,373,409 | 3,061,620 |
主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績(国内火力・ガス事業の販売額)に対する割合
| 相手先 | 前連結会計年度 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) | ||
| 販売額 (百万円) | 割合 (%) | 販売額 (百万円) | 割合 (%) | |
| 東京電力エナジーパートナー株式会社 | 1,413,921 | 59.6 | 1,720,622 | 56.2 |
| 中部電力ミライズ株式会社 | 743,913 | 31.3 | 915,312 | 29.9 |
ハ:主要燃料の受払状況
| 種別 | 期首残高 | 受入量 | 前期比(%) | 払出量 | 前期比(%) | 期末残高 |
| 石炭(t) | 1,156,957 | 20,638,679 | 131.4% | 20,343,973 | 128.7% | 1,451,663 |
| 重油(kL) | 50,060 | 36,595 | 182.1% | 72,281 | 35.7% | 14,374 |
| 原油(kL) | 13,735 | 1,530 | - | 1,142 | 1.8% | 14,123 |
| LNG(t) | 1,590,214 | 29,202,428 | 93.4% | 29,692,640 | 96.2% | 1,100,002 |
(2) 経営者の視点による当該経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりである。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末時点において判断したものである。
①経営成績等
当連結会計年度におけるわが国の経済は、新型コロナウイルス感染拡大の影響により緊急事態宣言等が断続的に発出されたことで、2021年9月末まで力強さを欠いたものの、2021年10月以降、社会経済活動の段階的引き上げに伴い、個人消費の上向き、景気持ち直しの動きが確認されていた。しかしながら、2022年初以降、オミクロン株の感染再拡大により再度のまん延防止等重点措置等が発出されるなど、その後も一進一退の不透明な状況が続いている。
また、2021年初以降、経済回復などにより世界的に原油をはじめとした資源価格が上昇基調にある中で、2022年2月、ロシアによるウクライナ侵攻開始を契機に資源価格高騰が加速、これに対し、政府による燃料油価格の激変緩和策を含む緊急対策がとられるなど、国民生活や社会経済活動への影響が懸念されている。さらに、2022年3月には福島県沖を震源とする地震が発生、同月22日には、経済産業省より運用開始以来初めて需給ひっ迫警報が発令された。
このような中、当社は、発電所における新型コロナウイルス対策(感染予防・拡大防止策や運転経験者による代替班の体制整備など)を徹底し、電力の安定供給に努めた。また、需要期の需給変動対応として、LNGの追加調達を確実に実施するとともに、2021年11月に公表した「冬季重負荷期の需給対策」に基づき休止火力の再稼働、発動指令も実施した。更に、2022年3月に発生した福島県沖を震源とする地震の影響により、当社の発電設備が一部停止したが、健全性を確認できた設備については、速やかに運転を再開するとともに、被害を受けなかった設備の増出力運転や補修調整を行うことで新たな供給力を確保し、電力の安定供給確保に貢献した。
加えて、世界的な脱炭素の流れの中、2020年10月に策定した「JERAゼロエミッション2050」の取り組みを加速させている。具体的には、2021年5月には世界初となる大型の商用石炭火力機におけるアンモニア混焼に関する実証事業を国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)より受託した。2021年11月にはインドネシア共和国における電力セクターの脱炭素ロードマップ策定に向けた調査・支援に関する委託を独立行政法人国際協力機構(JICA)より受託し、また、2022年2月には燃料アンモニアの調達に向けた国際競争入札を実施した。加えて、2021年9月にはフィリピン共和国の大手電力会社であるAboitiz Power Corporationへの出資により、フィリピン共和国のエネルギー分野における当社のプレゼンスを向上させ、同国の脱炭素化を加速させる取り組みなども実施している。
このように、国・地域に最適なロードマップの策定を展開しながら、着実に国内外において当社の脱炭素の取り組みを進めている。
また、当社は、発電所のすべての設備と働く人のデータを繋げ、リアルタイムで可視化・活用する「デジタル化」と、O&M(運転・保守)の「Kaizen力」、これまで培ってきた「技術力」を掛け合わせることで新たな価値を創造していく「デジタル発電所」の実現を目指している。この取り組みの一環として、碧南火力発電所4号機において、2021年12月より、AIによる火力発電所ボイラの運転最適化に関する試運用を開始し、2022年4月に実運用を開始した。これにより、発電所の膨大な運転データと熟練技術者のノウハウを活用することで運転最適化をはかり、ボイラの運転に必要なコストを最小化するベストプラクティスを追求する。また、運転状態の最適化のみならず、予兆管理や最適なタイミングでの停止調整など、発電所の最適運用を追求していく。
[燃料事業]
燃料上流事業等への投資、燃料輸送・燃料トレーディング事業を行っており、燃料トレーディング事業を営む子会社利益の増加などから、親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度に比べ1,133億円増加し1,613億円となった。
[海外発電事業]
海外の発電事業等への投資を行っており、海外発電案件の株式売却益等があったものの、新型コロナウイルス感染拡大に伴うコスト増の影響等による海外発電案件の減損などから、親会社株主に帰属する当期純損失は前連結会計年度に比べ116億円増加し193億円となった。
[国内火力・ガス事業]
国内における電力・ガスの販売などを行っており、昨年度の新型コロナウイルス感染拡大による収支悪化影響の反動や期首の安い燃料在庫を活用したことによる燃料費の削減等はあったものの、期ずれ(燃料価格の変動が販売価格に反映されるまでの差分)が差益から差損に転じたことなどから、親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度に比べ2,667億円減少し1,138億円の損失となった。

②キャッシュ・フローの現状の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る状況
イ.キャッシュ・フロー等
(a)キャッシュ・フロー
当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析については、「(1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりである。
(b)有利子負債
当連結会計年度末での有利子負債残高は、2兆6,465億円(うち、社債1,500億円、長期借入金2兆824億円、コマーシャル・ペーパー2,970億円、短期借入金1,171億円)となり、前連結会計年度より1兆332億円増加した。
ロ.財務政策
当社グループの主要な資金需要は、中長期的な成長に必要な設備投資及び投融資向けの資金である。これらの資金需要については、営業活動によるキャッシュ・フローのほか、金融機関からの借入や社債発行による資金調達等にて対応していく方針である。
なお、短期運転資金は、主に短期借入金や短期社債により対応していく方針である。
③経営方針・経営戦略等又は経営上の目標の達成状況を判断するための客観的指標等
当連結会計年度における連結純利益額は、2,770億円程度(※「期ずれ」額除き)となり、2019年4月に公表した収支水準1,100億円を上回るものとなった。
また、統合によるシナジー効果は、国内火力におけるコスト競争力の強化並びに新たな収益源創出により、850億円程度となり、2019年4月に公表した目標である統合後5年以内に1,000億円以上/年のシナジー効果を創出することに向け順調に進んでいる。
※「期ずれ」とは、燃料価格の変動が販売価格に反映されるまでの差分である。
④重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成している。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いているが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性がある。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載している。