有価証券報告書-第17期(2023/06/01-2024/05/31)
(1)経営成績に関する説明
当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」)の状況の概要は次の通りです。
①経営成績の分析
当社グループは、「出会いからイノベーションを生み出す」というミッションの下、「ビジネスインフラになる」というビジョンを掲げ、クラウドソフトウエアにテクノロジーと人力によってアナログ情報をデジタル化する仕組みを組み合わせた手法を軸に、人や企業との出会いをビジネスチャンスにつなげる、働き方を変えるDXサービスを提供しています。
具体的には、企業の営業活動や請求書業務、契約書業務等に対して、デジタルトランスフォーメーション(DX)を促進するサービスを展開しており、DXへの意識改革や働き方の変化、SaaSビジネスへの関心の高まり等によって、DX市場は2030年度に8兆350億円(2023年度見込比4兆153億円増)(注1)、国内SaaS市場は2027年度に2兆990億円(2023年度見込比6,862億円増)(注2)の規模に達すると予想されています。当社が提供する営業DXサービス「Sansan」は、法人向け名刺管理サービス市場において82.4%のシェア(注3)を占めており、同市場は当社サービスの成長等につれて、2013年から2022年にかけて約16倍に拡大しています。また、当社が提供するインボイス管理サービス「Bill One」は、クラウド請求書受領サービス市場においてNo.1の売上高シェア(注4)を獲得しており、2022年度の同市場は、前年同期と比べて156.8%拡大しています。
当連結会計年度の経営成績は以下の通りです。
当連結会計年度においては、好調な受注状況を背景に、さらなる売上高成長の実現に向け、「Sansan」及び「Bill One」の営業体制の強化やサービスの機能拡充等に取り組みました。また、Eight事業においては、収益化に取り組みました。
以上の結果、当連結会計年度における売上高は前連結会計年度比32.8%増、売上総利益は前連結会計年度比32.0%増(売上総利益率は85.1%)となり、好調な実績となりました。調整後営業利益は、売上高が伸長したことに加え、主には売上高広告宣伝費率が低下したこと等により、前連結会計年度比81.5%増となりました。経常利益については、調整後営業利益が増益となったことに加え、前連結会計年度は信託型ストックオプションに係る一時的な費用を計上していた影響等で、前連結会計年度比903.3%増となりました。また、親会社株主に帰属する当期純利益は、投資有価証券評価損380百万円を特別損失に計上したものの、好調な経常利益を背景に黒字額(前連結会計年度は141百万円の損失)を計上しました。
(注)1.「2024 デジタルトランスフォーメーション市場の将来展望 市場編、企業編」富士キメラ総研
2.「ソフトウェアビジネス新市場 2023年版」富士キメラ総研
3.「営業支援DXにおける名刺管理サービスの最新動向2024」(2024年1月 シード・プランニング調査)
4. デロイト トーマツ ミック経済研究所「驚異的な成長を続けるクラウド請求書受領サービス市場」
(ミックITリポート2023年11月号)
5. 調整後営業利益:営業利益+株式報酬関連費用+企業結合に伴い生じた費用(のれん償却額及び無形固定資産の償却費)
セグメント別の業績は以下の通りです。
(ⅰ)Sansan/Bill One事業
当事業セグメントには、営業DXサービス「Sansan」やインボイス管理サービス「Bill One」等のサービスが属しています。
当連結会計年度におけるSansan/Bill One事業の成績は以下の通りです。
(注)6. 外部顧客への売上高及びセグメント間の内部売上高または振替高の合計値
7. 各サービスの既存契約のMRRに占める、解約に伴い減少したMRRの割合
8. Monthly Recurring Revenue(月次固定収入)
a.「Sansan」
人員採用による営業体制の強化に取り組んだほか、市場環境やサービスの強化状況等を踏まえ、価格体系の適正化や料金設定の見直しを行った結果、契約件数は前連結会計年度末比8.1%増、契約当たり月次ストック売上高は前連結会計年度比7.1%増となりました。また、直近12か月平均月次解約率は0.42%(前連結会計年度比0.02ポイント減)となり、1%未満の低水準を維持しました。
この結果、「Sansan」売上高は前連結会計年度比15.6%増、うち、固定収入であるストック売上高は前連結会計年度比15.1%増、その他売上高は前連結会計年度比24.9%増となりました。
b.「Bill One」
人材採用を中心とした営業体制の強化に取り組んだほか、市場環境やサービスの強化状況等を踏まえ、価格体系と料金設定の適正化を行った結果、中堅・大企業をはじめとした新規契約の獲得が順調に進み、有料契約件数は前連結会計年度末比78.1%増、有料契約当たり月次ストック売上高は前連結会計年度比13.5%増となりました。また、直近12か月平均月次解約率は0.33%(前連結会計年度比0.31ポイント減)となり、1%未満の低水準を維持しました。
この結果、「Bill One」の2024年5月におけるARR(注9)は7,680百万円となり、売上高は前連結会計年度比155.5%増となりました。
また、売上高のさらなる成長に向け、請求書の発行から入金消込までを一気通貫で完結可能な「Bill One 発行」や、「Bill Oneビジネスカード」を活用した「Bill One経費」といった新たな機能開発に取り組み、サービス領域の拡大を図りました。
(注)9. Annual Recurring Revenue(年間固定収入)
c. その他
既存サービスで培った強みや知見、ノウハウ等を活かして、契約DXサービス「Contract One」等の立ち上げに注力しました。また、2023年3月に連結子会社化したクリエイティブサーベイ株式会社の業績が前第4四半期連結会計期間より寄与しています。
この結果、その他売上高は前連結会計年度比188.1%増となりました。
以上の結果、Sansan/Bill One事業の売上高は前連結会計年度比33.0%増、調整後営業利益は前連結会計年度比23.8%増となりました。
(ⅱ)Eight事業
当事業セグメントには、名刺アプリ「Eight」やイベント書き起こしサービス「logmi」シリーズが属しています。
当連結会計年度におけるEight事業の成績は以下の通りです。
(注)10. 外部顧客への売上高及びセグメント間の内部売上高または振替高の合計値
11. アプリをダウンロード後、自身の名刺をプロフィールに登録した認証ユーザー数
a. BtoCサービス
デジタル名刺交換等の機能拡充を行った結果、「Eight」ユーザー数は前連結会計年度末比41万人増の372万人となり、BtoCサービス売上高は前連結会計年度比14.7%増となりました。
b. BtoBサービス
各サービスのマネタイズ強化に取り組んだ結果、BtoBサービス売上高は前連結会計年度比24.8%増となりました。また、「Eight Team」契約件数は前連結会計年度末比24.4%増となりました。
以上の結果、Eight事業の売上高は前連結会計年度比23.8%増となりました。調整後営業利益は、売上高の増加に加え、収益性を重視した事業運営に注力した結果、314百万円(前連結会計年度は170百万円の損失)となり、通期での黒字化を実現しました。
②財政状態の分析
(資産)
当連結会計年度末における総資産は37,592百万円となり、前連結会計年度末に比べ、6,391百万円増加しました。これは主に、現金及び預金の増加3,760百万円、敷金の増加1,643百万円、繰延税金資産の増加354百万円、前払費用の増加280百万円及びのれんの増加213百万円、建物及び構築物の減少251百万円及びソフトウェアの減少135百万円によるものです。
(負債)
当連結会計年度末における負債合計は22,819百万円となり、前連結会計年度末に比べ、4,809百万円増加しました。これは主に顧客企業から契約期間分の料金を一括で受領すること等による前受金の増加2,930百万円、長期借入金の新規借入による増加710百万円、賞与引当金の増加245百万円及び1年内返済予定の長期借入金の増加371百万円、未払金の減少228百万円によるものです。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産額は14,772百万円となり、前連結会計年度末に比べ、1,581百万円増加しました。これは主に、新株予約権の行使による資本金、資本剰余金の増加がそれぞれ192百万円、新株予約権の計上による181百万円及び親会社株主に帰属する当期純利益の計上による利益剰余金の増加953百万円によるものです。
③キャッシュ・フローの分析
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は24,729百万円となり、前連結会計年度末に比べ3,744百万円増加(前連結会計年度末比17.8%増)しました。当該増加には資金に係る為替変動による影響10百万円が含まれています。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次の通りです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は5,483百万円(前連結会計年度は3,848百万円の収入)となりました。
主な資金増加要因は、前受金の増加額2,928百万円、仕入債務の増加額298百万円、賞与引当金の増加額233百万円、非現金支出となる減価償却費の計上889百万円、株式報酬費用の計上180百万円、投資有価証券評価損の計上380百万円であり、主な資金減少要因は、未払金の減少額239百万円、前払費用の増加額265百万円及び法人税等の支払額215百万円によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果支出した資金は3,180百万円(前連結会計年度は1,364百万円の収入)となりました。
これは主に敷金の差入による支出1,980百万円、投資有価証券の取得による支出572百万円、無形固定資産の取得による支出348百万円、有形固定資産の取得による支出217百万円、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出136百万円等の支出及び敷金の回収による収入285百万円等の収入によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果得られた資金は1,431百万円(前連結会計年度は523百万円の収入)となりました。
これは主に長期借入金の借入による収入1,800百万円及び株式の発行による収入367百万円等の収入、長期借入金の返済による支出717百万円等の支出によるものです。
④生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当社グループは、提供するサービスについて生産に該当する事項がないため、生産実績に関する記載はしていません。
b.受注実績
当社グループは、受注から役務提供の開始までの期間が短いため、受注実績に関する記載は省略しています。
c.販売実績
当連結会計年度の外部顧客への販売実績をセグメント毎に示すと、次の通りです。
(注)主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、総販売実績に対する割合が10%以上の相手先がいないため記載を省略しています。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次の通りです。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものです。
①重要な会計方針及び見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されています。この連結財務諸表の作成に当たって、重要となる会計方針については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しています。
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載の通りです。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容については、「(1)経営成績に関する説明」に含めて記載しています。
③資本の財源及び資金の流動性
当社グループは、認知度の向上及びユーザー数の拡大をすべく、積極的に広告宣伝活動を実施しました。今後も広告宣伝投資を継続して実施する方針です。当社グループの資金需要の一定割合は広告宣伝投資であり、必要な資金は自己資金、金融機関からの借入及びエクイティファイナンス等で資金調達していくことを基本方針としています。なお、これらの資金調達方法の優先順位等に特段方針はなく、資金需要の額や使途に合わせて柔軟に検討を行う予定です。
④経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因については、「3 事業等のリスク」をご参照ください。
⑤経営者の問題意識と今後の方針に関して
経営者の問題意識と今後の方針については、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」をご参照ください。
当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」)の状況の概要は次の通りです。
①経営成績の分析
当社グループは、「出会いからイノベーションを生み出す」というミッションの下、「ビジネスインフラになる」というビジョンを掲げ、クラウドソフトウエアにテクノロジーと人力によってアナログ情報をデジタル化する仕組みを組み合わせた手法を軸に、人や企業との出会いをビジネスチャンスにつなげる、働き方を変えるDXサービスを提供しています。
具体的には、企業の営業活動や請求書業務、契約書業務等に対して、デジタルトランスフォーメーション(DX)を促進するサービスを展開しており、DXへの意識改革や働き方の変化、SaaSビジネスへの関心の高まり等によって、DX市場は2030年度に8兆350億円(2023年度見込比4兆153億円増)(注1)、国内SaaS市場は2027年度に2兆990億円(2023年度見込比6,862億円増)(注2)の規模に達すると予想されています。当社が提供する営業DXサービス「Sansan」は、法人向け名刺管理サービス市場において82.4%のシェア(注3)を占めており、同市場は当社サービスの成長等につれて、2013年から2022年にかけて約16倍に拡大しています。また、当社が提供するインボイス管理サービス「Bill One」は、クラウド請求書受領サービス市場においてNo.1の売上高シェア(注4)を獲得しており、2022年度の同市場は、前年同期と比べて156.8%拡大しています。
当連結会計年度の経営成績は以下の通りです。
| (単位:百万円) | |||
| 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | 前連結会計年度比 | |
| 売上高 | 25,510 | 33,878 | +32.8% |
| 売上総利益 | 21,827 | 28,814 | +32.0% |
| 調整後営業利益(注5) | 942 | 1,709 | +81.5% |
| 経常利益 | 122 | 1,224 | +903.3% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | △141 | 953 | - |
当連結会計年度においては、好調な受注状況を背景に、さらなる売上高成長の実現に向け、「Sansan」及び「Bill One」の営業体制の強化やサービスの機能拡充等に取り組みました。また、Eight事業においては、収益化に取り組みました。
以上の結果、当連結会計年度における売上高は前連結会計年度比32.8%増、売上総利益は前連結会計年度比32.0%増(売上総利益率は85.1%)となり、好調な実績となりました。調整後営業利益は、売上高が伸長したことに加え、主には売上高広告宣伝費率が低下したこと等により、前連結会計年度比81.5%増となりました。経常利益については、調整後営業利益が増益となったことに加え、前連結会計年度は信託型ストックオプションに係る一時的な費用を計上していた影響等で、前連結会計年度比903.3%増となりました。また、親会社株主に帰属する当期純利益は、投資有価証券評価損380百万円を特別損失に計上したものの、好調な経常利益を背景に黒字額(前連結会計年度は141百万円の損失)を計上しました。
(注)1.「2024 デジタルトランスフォーメーション市場の将来展望 市場編、企業編」富士キメラ総研
2.「ソフトウェアビジネス新市場 2023年版」富士キメラ総研
3.「営業支援DXにおける名刺管理サービスの最新動向2024」(2024年1月 シード・プランニング調査)
4. デロイト トーマツ ミック経済研究所「驚異的な成長を続けるクラウド請求書受領サービス市場」
(ミックITリポート2023年11月号)
5. 調整後営業利益:営業利益+株式報酬関連費用+企業結合に伴い生じた費用(のれん償却額及び無形固定資産の償却費)
セグメント別の業績は以下の通りです。
(ⅰ)Sansan/Bill One事業
当事業セグメントには、営業DXサービス「Sansan」やインボイス管理サービス「Bill One」等のサービスが属しています。
当連結会計年度におけるSansan/Bill One事業の成績は以下の通りです。
| (単位:百万円) | |||
| 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | 前連結会計年度比 | |
| 売上高(注6) | 22,516 | 29,948 | +33.0% |
| 「Sansan」 | 19,793 | 22,889 | +15.6% |
| 「Sansan」ストック | 18,688 | 21,509 | +15.1% |
| 「Sansan」その他 | 1,104 | 1,379 | +24.9% |
| 「Bill One」 | 2,414 | 6,168 | +155.5% |
| その他 | 308 | 889 | +188.1% |
| 調整後営業利益 | 7,005 | 8,675 | +23.8% |
| 「Sansan」 | |||
| 契約件数 | 8,969件 | 9,693件 | +8.1% |
| 契約当たり月次ストック売上高 | 184千円 | 197千円 | +7.1% |
| 直近12か月平均月次解約率(注7) | 0.44% | 0.42% | △0.02pt |
| 「Bill One」 | |||
| MRR(注8) | 316 | 640 | +102.5% |
| 有料契約件数 | 1,581件 | 2,816件 | +78.1% |
| 有料契約当たり月次ストック売上高 | 200千円 | 227千円 | +13.5% |
| 直近12か月平均月次解約率(注7) | 0.64% | 0.33% | △0.31pt |
(注)6. 外部顧客への売上高及びセグメント間の内部売上高または振替高の合計値
7. 各サービスの既存契約のMRRに占める、解約に伴い減少したMRRの割合
8. Monthly Recurring Revenue(月次固定収入)
a.「Sansan」
人員採用による営業体制の強化に取り組んだほか、市場環境やサービスの強化状況等を踏まえ、価格体系の適正化や料金設定の見直しを行った結果、契約件数は前連結会計年度末比8.1%増、契約当たり月次ストック売上高は前連結会計年度比7.1%増となりました。また、直近12か月平均月次解約率は0.42%(前連結会計年度比0.02ポイント減)となり、1%未満の低水準を維持しました。
この結果、「Sansan」売上高は前連結会計年度比15.6%増、うち、固定収入であるストック売上高は前連結会計年度比15.1%増、その他売上高は前連結会計年度比24.9%増となりました。
b.「Bill One」
人材採用を中心とした営業体制の強化に取り組んだほか、市場環境やサービスの強化状況等を踏まえ、価格体系と料金設定の適正化を行った結果、中堅・大企業をはじめとした新規契約の獲得が順調に進み、有料契約件数は前連結会計年度末比78.1%増、有料契約当たり月次ストック売上高は前連結会計年度比13.5%増となりました。また、直近12か月平均月次解約率は0.33%(前連結会計年度比0.31ポイント減)となり、1%未満の低水準を維持しました。
この結果、「Bill One」の2024年5月におけるARR(注9)は7,680百万円となり、売上高は前連結会計年度比155.5%増となりました。
また、売上高のさらなる成長に向け、請求書の発行から入金消込までを一気通貫で完結可能な「Bill One 発行」や、「Bill Oneビジネスカード」を活用した「Bill One経費」といった新たな機能開発に取り組み、サービス領域の拡大を図りました。
(注)9. Annual Recurring Revenue(年間固定収入)
c. その他
既存サービスで培った強みや知見、ノウハウ等を活かして、契約DXサービス「Contract One」等の立ち上げに注力しました。また、2023年3月に連結子会社化したクリエイティブサーベイ株式会社の業績が前第4四半期連結会計期間より寄与しています。
この結果、その他売上高は前連結会計年度比188.1%増となりました。
以上の結果、Sansan/Bill One事業の売上高は前連結会計年度比33.0%増、調整後営業利益は前連結会計年度比23.8%増となりました。
(ⅱ)Eight事業
当事業セグメントには、名刺アプリ「Eight」やイベント書き起こしサービス「logmi」シリーズが属しています。
当連結会計年度におけるEight事業の成績は以下の通りです。
| (単位:百万円) | |||
| 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | 前連結会計年度比 | |
| 売上高(注10) | 2,867 | 3,548 | +23.8% |
| BtoCサービス | 303 | 347 | +14.7% |
| BtoBサービス | 2,563 | 3,200 | +24.8% |
| 調整後営業利益 | △170 | 314 | - |
| 「Eight」 | |||
| 「Eight」ユーザー数(注11) | 331万人 | 372万人 | +41万人 |
| 「Eight Team」契約件数 | 3,703件 | 4,608件 | +24.4% |
(注)10. 外部顧客への売上高及びセグメント間の内部売上高または振替高の合計値
11. アプリをダウンロード後、自身の名刺をプロフィールに登録した認証ユーザー数
a. BtoCサービス
デジタル名刺交換等の機能拡充を行った結果、「Eight」ユーザー数は前連結会計年度末比41万人増の372万人となり、BtoCサービス売上高は前連結会計年度比14.7%増となりました。
b. BtoBサービス
各サービスのマネタイズ強化に取り組んだ結果、BtoBサービス売上高は前連結会計年度比24.8%増となりました。また、「Eight Team」契約件数は前連結会計年度末比24.4%増となりました。
以上の結果、Eight事業の売上高は前連結会計年度比23.8%増となりました。調整後営業利益は、売上高の増加に加え、収益性を重視した事業運営に注力した結果、314百万円(前連結会計年度は170百万円の損失)となり、通期での黒字化を実現しました。
②財政状態の分析
| (単位:百万円) | |||
| 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | 前連結会計年度末比 | |
| 資産合計 | 31,200 | 37,592 | +6,391 |
| 負債合計 | 18,009 | 22,819 | +4,809 |
| 純資産合計 | 13,190 | 14,772 | +1,581 |
| 負債純資産合計 | 31,200 | 37,592 | +6,391 |
(資産)
当連結会計年度末における総資産は37,592百万円となり、前連結会計年度末に比べ、6,391百万円増加しました。これは主に、現金及び預金の増加3,760百万円、敷金の増加1,643百万円、繰延税金資産の増加354百万円、前払費用の増加280百万円及びのれんの増加213百万円、建物及び構築物の減少251百万円及びソフトウェアの減少135百万円によるものです。
(負債)
当連結会計年度末における負債合計は22,819百万円となり、前連結会計年度末に比べ、4,809百万円増加しました。これは主に顧客企業から契約期間分の料金を一括で受領すること等による前受金の増加2,930百万円、長期借入金の新規借入による増加710百万円、賞与引当金の増加245百万円及び1年内返済予定の長期借入金の増加371百万円、未払金の減少228百万円によるものです。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産額は14,772百万円となり、前連結会計年度末に比べ、1,581百万円増加しました。これは主に、新株予約権の行使による資本金、資本剰余金の増加がそれぞれ192百万円、新株予約権の計上による181百万円及び親会社株主に帰属する当期純利益の計上による利益剰余金の増加953百万円によるものです。
③キャッシュ・フローの分析
| (単位:百万円) | |||
| 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | 前連結会計年度比 | |
| 営業活動によるキャッシュ・フロー | 3,848 | 5,483 | +1,634 |
| 投資活動によるキャッシュ・フロー | 1,364 | △3,180 | - |
| 財務活動によるキャッシュ・フロー | 523 | 1,431 | +908 |
| 現金及び現金同等物の期末残高 | 20,985 | 24,729 | +3,744 |
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は24,729百万円となり、前連結会計年度末に比べ3,744百万円増加(前連結会計年度末比17.8%増)しました。当該増加には資金に係る為替変動による影響10百万円が含まれています。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次の通りです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は5,483百万円(前連結会計年度は3,848百万円の収入)となりました。
主な資金増加要因は、前受金の増加額2,928百万円、仕入債務の増加額298百万円、賞与引当金の増加額233百万円、非現金支出となる減価償却費の計上889百万円、株式報酬費用の計上180百万円、投資有価証券評価損の計上380百万円であり、主な資金減少要因は、未払金の減少額239百万円、前払費用の増加額265百万円及び法人税等の支払額215百万円によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果支出した資金は3,180百万円(前連結会計年度は1,364百万円の収入)となりました。
これは主に敷金の差入による支出1,980百万円、投資有価証券の取得による支出572百万円、無形固定資産の取得による支出348百万円、有形固定資産の取得による支出217百万円、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出136百万円等の支出及び敷金の回収による収入285百万円等の収入によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果得られた資金は1,431百万円(前連結会計年度は523百万円の収入)となりました。
これは主に長期借入金の借入による収入1,800百万円及び株式の発行による収入367百万円等の収入、長期借入金の返済による支出717百万円等の支出によるものです。
④生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当社グループは、提供するサービスについて生産に該当する事項がないため、生産実績に関する記載はしていません。
b.受注実績
当社グループは、受注から役務提供の開始までの期間が短いため、受注実績に関する記載は省略しています。
c.販売実績
当連結会計年度の外部顧客への販売実績をセグメント毎に示すと、次の通りです。
| セグメントの名称 | 前連結会計年度 (自 2022年6月 1日 至 2023年5月31日) | 当連結会計年度 (自 2023年6月 1日 至 2024年5月31日) | 前連結会計年度比 | |
| Sansan/Bill One事業 | (百万円) | 22,512 | 29,938 | 33.0% |
| Eight事業 | (百万円) | 2,864 | 3,542 | 23.7% |
| その他 | (百万円) | 134 | 397 | 196.4% |
| 合計 | (百万円) | 25,510 | 33,878 | 32.8% |
(注)主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、総販売実績に対する割合が10%以上の相手先がいないため記載を省略しています。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次の通りです。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものです。
①重要な会計方針及び見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されています。この連結財務諸表の作成に当たって、重要となる会計方針については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しています。
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載の通りです。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容については、「(1)経営成績に関する説明」に含めて記載しています。
③資本の財源及び資金の流動性
当社グループは、認知度の向上及びユーザー数の拡大をすべく、積極的に広告宣伝活動を実施しました。今後も広告宣伝投資を継続して実施する方針です。当社グループの資金需要の一定割合は広告宣伝投資であり、必要な資金は自己資金、金融機関からの借入及びエクイティファイナンス等で資金調達していくことを基本方針としています。なお、これらの資金調達方法の優先順位等に特段方針はなく、資金需要の額や使途に合わせて柔軟に検討を行う予定です。
④経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因については、「3 事業等のリスク」をご参照ください。
⑤経営者の問題意識と今後の方針に関して
経営者の問題意識と今後の方針については、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」をご参照ください。