有価証券届出書(新規公開時)

【提出】
2019/11/13 15:00
【資料】
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【項目】
156項目
(1)経営成績等の状況の概要
当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態の状況
第7期連結会計年度(自 2018年4月1日 至 2019年3月31日)
(資産)
当連結会計年度末における資産合計は7,396,065千円となり、前連結会計年度末に比べ2,619,994千円増加いたしました。これは主に導入済み物件数の増加に伴い、売掛金が183,827千円、機械装置及び運搬具が1,941,745千円増加したことに加え、株式会社ナビックの連結子会社化によりのれんが178,405千円増加したことによるものであります。
(負債)
当連結会計年度末における負債合計は4,887,576千円となり、前連結会計年度末に比べ2,321,007千円増加いたしました。これは主に導入済み物件数の増加に伴い、未払金が590,041千円、前受収益及び長期前受収益が合計1,437,329千円増加したことによるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産合計は2,508,488千円となり、前連結会計年度末に比べ298,986千円増加いたしました。これは主に第三者割当増資による資本金349,999千円の増加並びに資本準備金349,999千円の増加、親会社株主に帰属する当期純損失214,841千円の計上による利益剰余金の減少によるものであります。
第8期第2四半期連結累計期間(自 2019年4月1日 至 2019年9月30日)
(資産)
当第2四半期連結会計期間末における資産合計は8,561,620千円となり、前連結会計年度末に比べ1,165,555千円増加いたしました。これは主に導入済み物件数の増加に伴い、売掛金が903,857千円、機械装置及び運搬具が849,732千円増加した一方、現金及び預金が621,683千円減少したこと等によるものであります。
(負債)
当第2四半期連結会計期間末における負債合計は7,707,543千円となり、前連結会計年度末に比べ2,819,966千円増加いたしました。これは主に導入済み物件数の増加に伴い、前受収益及び長期前受収益が合計2,189,622千円増加したこと、新規借入により短期借入金が1,024,682千円増加したこと等によるものであります。
(純資産)
当第2四半期連結会計期間末における純資産合計は854,076千円となり、前連結会計年度末に比べ1,654,411千円減少いたしました。これは主にVIBS PTE. LTD.の株式追加取得の実施により非支配株主持分が958,762千円減少したこと、同取引及び繰越利益剰余金の欠損填補等により、資本剰余金が1,658,779千円減少し、利益剰余金が1,020,927千円増加したこと等によるものであります。
② 経営成績の状況
第7期連結会計年度(自 2018年4月1日 至 2019年3月31日)
当連結会計年度における通信市場は携帯キャリアへの5G周波数の割当、第4の携帯キャリアの市場参入等を受け、設備投資効率化ニーズが高まっており、当社は導入物件数の拡大に向け営業活動及び組織体制強化のための人材採用等に注力いたしました。この結果、国内IBS事業において54物件への新規導入が完了し、累計導入済み物件数は97件となりました。
また、東南アジア地域においても、携帯電話ユーザー数の継続的な増加に伴う通信環境整備へのニーズの高まり並びにオフィスビルや商業施設を中心とした不動産市場の成長により、導入物件を順調に増やしております。この結果、海外IBS事業において12物件への新規導入が完了し、累計導入済み物件数は141件となりました。
以上の結果、当連結会計年度の経営成績は、売上高1,377,990千円(前年同期比82.1%増)、営業損失169,705千円(前年同期は営業損失474,830千円)、経常損失166,826千円(前年同期は経常損失479,062千円)、親会社株主に帰属する当期純損失214,841千円(前年同期は親会社株主に帰属する当期純損失577,953千円)となりました。
なお、当社グループは通信インフラシェアリング事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載は省略しております。
第8期第2四半期連結累計期間(自 2019年4月1日 至 2019年9月30日)
当第2四半期連結累計期間における通信市場は携帯キャリアへの5G周波数の割当、第4の携帯キャリアの市場参入等を受け、設備投資効率化ニーズが高まっており、当社は導入物件数の拡大に向け営業活動及び組織体制強化のための人材採用等に注力いたしました。この結果、第2四半期連結累計期間において、国内IBS事業において26物件への新規導入が完了し、累計導入済み物件数は123件となりました。
東南アジア地域においても、携帯電話ユーザー数の継続的な増加に伴う通信環境整備へのニーズの高まり並びにオフィスビルや商業施設を中心とした不動産市場の成長により、導入物件を順調に増やしております。この結果、海外IBS事業において海外において4物件への新規導入が完了し、累計導入済み物件数は145件となりました。
また、更なる企業価値の向上に向けて、新規事業であるタワー事業の立ち上げ強化、グローバル展開体制の強化にも取り組んでまいりました。
以上の結果、当第2四半期連結累計期間の経営成績は、売上高1,096,265千円、営業利益10,913千円、経常損失3,529千円、親会社株主に帰属する四半期純損失28,006千円となりました。
なお、当社グループは通信インフラシェアリング事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載は省略しております。
③ キャッシュ・フローの状況
第7期連結会計年度(自 2018年4月1日 至 2019年3月31日)
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ254,646千円減少し、2,006,588千円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は1,290,217千円(同45.2%増)となりました。これは主に税金等調整前当期純損失166,826千円の計上、前受収益の増加額1,437,496千円、減価償却費300,118千円の計上等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は2,110,482千円(同11.1%増)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出1,775,827千円等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果得られた資金は570,599千円(同78.1%減)となりました。これは主に、株式の発行による収入697,548千円、セール・アンド・リースバックによる収入145,518千円等があった一方、連結の範囲の変更を伴わない子会社株式の取得による支出158,281千円等によるものであります。
第8期第2四半期連結累計期間(自 2019年4月1日 至 2019年9月30日)
当第2四半期連結累計期間における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度に比べ1,177,368千円減少し、829,219千円となりました。
当第2四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当第2四半期連結累計期間において営業活動の結果得られた資金は1,677,554千円となりました。これは主に、税金等調整前四半期純損失10,181千円の計上、前受収益の増加2,190,089千円、減価償却費274,177千円の計上等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当第2四半期連結累計期間において投資活動の結果使用した資金は2,200,294千円となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出1,616,788千円等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当第2四半期連結累計期間において財務活動の結果使用した資金は646,937千円となりました。これは主に、短期借入金の純増加による収入1,024,874千円があった一方、連結の範囲の変更を伴わない子会社株式の取得による支出1,604,929千円等によるものであります。
④ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当社グループが提供するサービスの性格上、生産実績の記載になじまないため、記載を省略しております。
b.受注実績
当社グループが提供するサービスの性格上、受注実績の記載になじまないため、記載を省略しております。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績は、次のとおりであります。なお、当社グループは通信インフラシェアリング事業の単一セグメントであるため、事業別に記載しております。
事業の名称当連結会計年度
(自 2018年4月1日
至 2019年3月31日)
前年同期比(%)
国内IBS事業 (千円)863,53769.3
海外IBS事業 (千円)455,27885.8
ソリューション事業 (千円)59,1743,694.2
合計 (千円)1,377,99082.1

(注)1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2.当連結会計年度において、販売実績に著しい変動がありました。これは、ソリューション事業において株式会社ナビックを連結子会社化したこと等によるものであります。
3.最近2連結会計年度及び第8期第2四半期連結累計期間の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
相手先前連結会計年度
(自 2017年4月1日
至 2018年3月31日)
当連結会計年度
(自 2018年4月1日
至 2019年3月31日)
第8期第2四半期連結累計期間
(自 2019年4月1日
至 2019年9月30日)
金額(千円)割合(%)金額(千円)割合(%)金額(千円)割合(%)
株式会社NTTドコモ81,71110.8235,34617.1199,43418.2
ソフトバンク株式会社104,39713.8275,19720.0198,71418.1
KDDI株式会社62,7008.3195,29614.2181,21416.5
UQコミュニケーションズ株式会社3940.162,7294.6137,13012.5
MobiFone service company region 294,62612.5141,97110.355,7895.1
KDDIエンジニアリング株式会社195,34825.827,9242.0--

4.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる会計基準に準拠して作成しております。この連結財務諸表の作成にあたって、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。経営者は、これらの見積りについて、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積特有の不確実性が存在するため、これらの見積りとは異なる場合があります。
当社の連結財務諸表で採用する重要な会計方針については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。
②経営成績の分析
第7期連結会計年度(自 2018年4月1日 至 2019年3月31日)
a.売上高
当連結会計年度における売上高は1,377,990千円(前年同期比82.1%増)となりました。これは主に、営業活動の強化に努めた結果、国内IBS事業において54物件への新規導入が完了し、累計導入済み物件数は97件となったこと、海外IBS事業において12物件への新規導入が完了し、累計導入済み物件数は141件となったことによります。
b.売上原価、売上総利益
当連結会計年度における売上原価は730,595千円(前年同期比24.3%増)となりました。これは主に、当社の有形固定資産の減価償却方法の変更により減価償却費が減少した一方、導入済み物件数の増加により、運用物件に係る減価償却費及び運用保守費が増加したことによるものであります。この結果、売上総利益は647,394千円(前年同期比282.9%増)となりました。
c.販売費及び一般管理費、営業損益
当連結会計年度における販売費及び一般管理費は817,100千円(前年同期比26.9%増)となりました。これは主に、事業の拡大に伴う人員の増加による給与等の支払いが増加したことによるものであります。この結果、営業損失は169,705千円(前年同期比305,124千円の減少)となりました。
d.営業外収益、営業外費用、経常損益
当連結会計年度において、営業外収益が18,747千円、営業外費用が15,869千円発生しております。この結果、経常損失は166,826千円(前年同期比312,235千円の減少)となりました。
e.特別損益、法人税等、親会社株主に帰属する当期純損益
当連結会計年度において、非支配株主に帰属する当期純利益が15,348千円発生しております。この結果、親会社株主に帰属する当期純損失は214,841千円(前年同期比363,111千円の減少)となりました。
f.EBITDA
当連結会計年度において、EBITDAは168,296千円(前年同期比393,768千円の増加)となりました。これは主に、国内IBS事業及び海外IBS事業における導入済み物件数の増加によるものであります。
第8期第2四半期連結累計期間(自 2019年4月1日 至 2019年9月30日)
a.売上高
当第2四半期連結累計期間における売上高は1,096,265千円となりました。これは主に、営業活動の強化に努めた結果、国内IBS事業において26物件への新規導入が完了し、累計導入済み物件数は123件となったこと、海外IBS事業において4物件への新規導入が完了し、累計導入済み物件数は145件となったことによります。
b.売上原価、売上総利益
当第2四半期連結累計期間における売上原価は528,593千円となりました。これは主に、導入済み物件数の増加により、運用物件に係る減価償却費及び運用保守費が増加したことによるものであります。この結果、売上総利益は567,672千円となりました。
c.販売費及び一般管理費、営業損益
当第2四半期連結累計期間における販売費及び一般管理費は556,758千円となりました。これは主に、事業の拡大に伴う人員の増加による給与等の支払いが増加したことによるものであります。この結果、営業利益が黒字化し、営業利益は10,913千円となりました。
d.営業外収益、営業外費用、経常損益
当第2四半期連結累計期間において、営業外収益が11,216千円、営業外費用が25,659千円発生しております。この結果、経常損失は3,529千円となりました。
e.特別損益、法人税等、親会社株主に帰属する四半期純損益
当第2四半期連結累計期間において、非支配株主に帰属する四半期純利益が2,032千円発生しております。この結果、親会社株主に帰属する四半期純損失は28,006千円となりました。
f.EBITDA
当第2四半期連結累計期間において、EBITDAは312,936千円となりました。これは主に、国内IBS事業及び海外IBS事業における導入済み物件数の増加によるものであります。
③財政状態の分析
第7期連結会計年度における財政状態の分析については、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態の状況」をご参照ください。
④経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」をご参照ください。
これらのリスクに対して継続的にモニタリングを行って現状把握に努めるとともに、平時から対応策を検討し、リスクの最小化・分散化を図っていきます。
⑤資本の財源及び資金の流動性についての分析
a.資本の財源
当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、通信インフラシェアリング事業の設備導入に係る設備投資並びに販売費及び一般管理費等の営業活動に必要な運転資金が主なものであります。これらの資金需要に対する資金財源は、手持資金、営業キャッシュ・フロー及び金融機関からの借入により必要とする資金を調達しております。なお、当面の資金繰りのための資金は十分に確保していると判断しております。
b.資金の流動性に関する分析
月次での資金計画などにより資金管理に努めており、また、当座貸越契約等により、必要に応じて資金調達ができる体制を整えることで十分な流動性を確保しております。
⑥経営戦略の現状と見通し
経営戦略の現状と見通しについては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」をご参照ください。
⑦経営者の問題意識と今後の方針について
当社グループは、「SHARING THE VALUE すべてのステークホルダーに価値をもたらす社会的意義のある事業を創造する」という企業ビジョンの下、従来は携帯キャリア各社単独で行われてきた設備投資を当社グループで一本化し、各社へシェアリングする事業を国内外で展開しております。これは、従来は各社毎に行われていた設備投資を一つにまとめることで、不動産事業者に対して、設備一本化による設備の簡素化・消費電力の削減・対策負担金の削減・窓口の一本化等のメリット、携帯キャリアに対して、設備投資・運用費用の削減等のメリット、ひいては、携帯電話ユーザーの利便性向上を実現することで、全てのステークホルダーに価値を提供することが、当社グループが事業を行う最大の目的であることを意味しております。
当社グループがこの企業ビジョンの下、長期的な競争力を維持し持続的な成長を図るためには、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載の様々な課題に対して、経営者が常に事業環境の変化に関する情報の入手及び分析を行い、最善の経営方針を立案していく必要があると認識しております。